冷凍庫や貯蔵庫。

冷蔵庫の中は、もともとあまり沢山の食材を溜め込まないので、だいたい中身はわかっている。
でも、冷凍庫はうる覚えのことが多く、定期的にチェックをしなければ、1年くらいそのままになってしまうケースも少なくない。
面倒くさいけど棚ごとに、今入っている食材を書こうか…などと考えていたのだけど、先日思いついて、冷凍庫の棚ごとにすべてを表にさらけ出して、iPhoneのメモ機能に書き込んでみた。
すると、驚くほど効率的だということがわかった。(しかも、食材を出して書き込むのに、実は10分とかからないのだった)
疲れて家に向かう電車の中でも、帰ってから食べるものを考えることが出来るし、足りないものは一目瞭然。
それに、無駄に食材を買わなくても、意外とストックでなんとかなるものだし、食材も効率よく回せることがわかった!
今では調子に乗って、レンジ下の貯蔵庫の中身もすべて書き出して、放ったらかしになっていた缶詰なども無駄なく食材を回していけるようになった。
スマホのメモが良いことは、持ち歩けることと、書いたり消したり自在なこと。
そんなの想像出来るよ…と思われるかもしれないけど、ぜひ一度、すべての棚の中の食材をカミングアウトしてみて欲しい。

ホワイトバルサミコ。

突然ですが、ドレッシングはどうしてますか?
僕は、市販のその手のドレッシング、麺つゆ、出汁醤油などは一切買わない。(だって何が入っているのか怪しいし、甘くないですか?)
基本的にはオリーブオイルにレモンなどの柑橘系を絞って食べることが多いのと、定番のフレンチドレッシング(マスタードやクルミオイルを使っている)が、作るのは少し面倒くさい。
そしてそれ以外に、爽やかで程よい甘さがあり、様々な野菜に寄り添うように合う調味料が、ホワイトバルサミコだ。
ホワイトバルサミコは、普通のバルサミコに比べて熟成期間が短いバルサミコで、色が透き通っている。米酢やワインビネガーのようなツンと来る酸味はなく、仄かな酸味は野菜にも肉にも程よく合うのだ。
ボウルにオリーブオイルとその量の半分くらいのホワイトバルサミコを入れ(普通、オイル対ビネガーは3:1だけど、ホワイトバルサミコは酸味が強くないので)、塩と胡椒を振って、水菜や、茹でたアスパラガスや、茹でたさやえんどうなど、その時食べたい季節の野菜を上から入れる。両手かサラダサーバーでさっくりと持ち上げて落とし、全体にオイルとバルサミコを行き渡らせる。
食べたらきっと驚くに違いない。爽やかでいて程よい甘みが遠くに感じるだろう。
焼いた肉や魚の付け合わせにも、ピタッと嫌味なく寄り添う万能調味料と言える。

タマネギと白花豆とパンチェッタのスープ。

以前、ここでミネストローネを紹介したことがある。http://jingumae.petit.cc/banana/2093859
ミネストローネには何を入れてもかまわないけど、トマトを入れすぎないことと、灰汁の強い野菜(ほうれん草)などは入れない方がいいというのが僕の個人的な考えだ。トマトを入れすぎると、トマトスープになってしまって他の野菜の味わいを楽しめなくなるということと、灰汁の強い野菜は、その灰汁がスープ全体に回ってしまうから。
また、必ず入れた方がいい野菜もある。それは、タマネギと白花豆。もし2種類の野菜で美味しいスープを作るなら、タマネギと白花豆がいいかもしれないと思う。コクを出すために、パンチェッタを一緒に煮たら、冬のように寒い一日にぴったりのスープが出来上がる。
★タマネギと白花豆とパンチェッタのスープ。
1.オリーブオイル大さじ1に、微塵切りにしたタマネギ2つを入れて、油が回ったら食べやすい大きさに切ったパンチェッタ70グラムくらいを入れて軽く炒める。
2.水を600ml入れて沸騰したら弱火にして20分したら、茹でてあった白花豆をカップ1杯くらい茹で汁ごと入れる。茹で汁は200mlくらい。再び沸騰したら塩を軽くふって10分くらい煮て完成。
3.味を見て塩を足して、器によそい黒こしょうをひいて、オリーブオイルを回しかけたら出来上がり。コクが欲しかったら、パルミジャーノを擦ってかける。
※白花豆は、まとめて茹でて、小分けにして冷凍保存しておくと便利ですよ!

春には、クラムチャウダー。

昔、上司とパリにロケに行った時のこと、その日の撮影が終わって、日本人スタッフだけで晩御飯に行こう!という話になり、上司に何がたべたいか尋ねた。すると、上司は暫く考えた挙句、
「…グラタン」と言った。
僕は、「いわゆるグラタンは日本の料理で、フランスでグラタンと言っても、グラタン・ド・フィノアのような、牛肉の皿についてくるような付け合わせになってしまいます」と答えた。
上司「じゃあ…クラムチャウダー…」
僕「え?クラムチャウダー?
クラムチャウダーは、多分、アメリカのニューイングランドの料理です…」
そう答えて、その後はうむを言わせずビストロに連れて行ったことがある。上司は和食が大好きで、フランス料理など馴染みがなかったのだ。
寒い日と暖かい日を繰り返しながら春になって来た。アサリもハマグリも美味しくなる季節に、簡単なクラムチャウダーはいかがだろうか?
★クラムチャウダー
〈材料〉
アサリかハマグリ300〜400グラム
ベーコン4枚
ジャガイモ1個
ニンジン半分
玉ねぎ半分
セロリ10センチ
イタリアンパセリ少々
バター大さじ2
薄力粉大さじ2
牛乳300ml
お湯300ml
白ワイン50ml
塩胡椒
〈作り方〉
1.ジャガイモ、ニンジン、玉ねぎ、セロリを7ミリ角くらいの食べやすい大きさに切る。ベーコンも7ミリくらいに切る。ジャガイモは水にさらしておく。
2.鍋を温め、バターを入れてベーコンを炒める。そこに野菜を入れる。全体に混ぜながらバターで炒めたら、薄力粉を入れて絡ませる。
3.アサリを入れて白ワインを入れて混ぜて一呼吸置いたら、お湯を注ぐ。沸騰したら蓋をして弱火で12分。
4.蓋を取って牛乳を注ぎ、全体を静かに混ぜる。温まったら塩胡椒で味を整える。(アサリやベーコンに塩気があるので、塩は少しずつ味を見ながら入れること)
5.イタリアンパセリを散らして、完成!

みそ床(肉用)。

みそ床

6時間後

焼いたら完成

『糠漬け』が家にあったら、はじめて家に来たボーイフレンドは引くと思うし、手間がかかるので長期の旅行は出来ないだろうけど、『みそ床』が家にあると、結構重宝するものだと思う。
週末の昼間に『みそ床』にお肉を入れておけば、夕飯は取り出して焼くだけで味わい深い味噌漬けのお肉が出来るのだ。しかも、お味噌を継ぎ足してやれば、ずーっと使えるのだから、『みそ床』は、エラい!
★みそ床の作り方
1.田舎みそなど合わせて1kgに、にんにく1玉の皮を剥いて入れる。
2.お酒を100mlくらい入れてかき回して、馴染ませて冷蔵庫で2週間おいたら完成。
<豚肉の味噌漬け焼き>
ステーキ用の厚みのある豚肉をキッチンペーパーで巻いて、みそ床に入れる。
豚肉ステーキ用だと6時間くらい(肉の厚さによって漬ける時間も適当に)。
取り出して、へらなどでみそを拭き取り、脂肪との境目のスジを断ち切り、焼いて完成。
好みにより、レモンなどを絞ると美味しい。みそ味がしっかりとしみているので生野菜と。
※魚用の西京漬用のみそ床は、あまり使い回しがきかないけど、あると重宝するのでまた今度書きますね。

『京都展』。

辻井のふきのとうと木の芽煮

田なかの昆布茶、柚子の粉、いわしせんべい、まつば

竹長のじゃこと鯖

今は一年に一回、年末に京都に遊びに行くことがほぼ習慣のようになって来たけど、昔僕が10年間つきあった人は、京都の大学を出たので京都に対する思い入れも強く、年に3回から4回は京都に通っていた。
今は伊勢丹の『京都展』が来ると、何度も何度も顔を出して、京都の食べものを買って帰るのを楽しみにしている。
この頃京都に行くと、年をとって京都に暮らすのもいいだろうなあと思うようになって来た。
鴨川が流れ、東山が見えて、自然がそばにある町で暮らすことは、きっと日本の美しさを季節ごとに味わうことが出来るに違いない。
今年は春から初夏にかけて、また京都に行ってみようかと思っている。
その頃、いったい何を食べようか…今からどの店に予約を入れようか…と考えるのも楽しいものだ。
★京都展の戦利品。
〈鞍馬 辻井〉
伊勢丹にもしょっちゅう催物で来ている有名店。今回、ふきのとうを買ってみたのだけど、ふきのとうの独特の渋味がきちんと抑えられていて感心してしまった。木の芽煮は、自分で作る味の参考のために買ってみた。
〈京昆布舗 田なか〉
恐るべし、京都の底力!昨日上げた、小さなイワシのせんべい。まつばという塩昆布これも使い勝手がよい。アミノ酸不使用の昆布茶。ゆずの粉。どれも、化学調味料不使用、アミノ酸不使用なのに、驚くほどの美味しさだ。
〈竹長〉
一昨日書いた鯖のある店。海水のような塩水に浸けただけの鯖は、塩辛くない。じゃこはここのをいつも買いだめて冷凍して使っている。
〈モリタ屋〉
写真には載せていないが、京都を代表するすき焼きの店。いつもは『三嶋亭』が来ていたが、今年は『モリタ屋』になった。バラ肉、ロース、赤身を200gずつ1000円から1600円くらいで売り出しているのだけど、午前中でだいたいなくなってしまう。

美味しさにも色々。

これ、な〜んだ?
伊勢丹『京都展』戦利品(その2)なのだけど、答えは…小さなイワシを開いて、焼いたもの。
エレベーター近くの『田なか』という昆布や出汁を売ってる店に売ってるのだけど、これがめちゃくちゃうまい!
よく、和食で魚を食べると、笹ガレイなんかの骨を揚げたものが出てくるのだけど、あれが一番近いかもしれない。
これは揚げたものではなくて、天日で干して焼いて胡麻油を刷毛で塗った感じ。
よくも、ほとんど身など無いようなこんな小さなイワシを開いて、干して、焼いて、胡麻油を塗って食べるなんてことを考えたものだ…
と感心してしまうのだけど、京都には、こんな食べものがとても多いように思う。
フォアグラや、キャビアなんかの対極にあるこんな食べものを、僕はしみじみと美味しいと思う。
もし、この週末に伊勢丹に行くことがあったら、京都展を覗いて、つまんでみてください。
きっと、いくらでも食べたくなってしまいますよ。

サバのアヒージョ。

伊勢丹で『京都展』がはじまったので覗いてみた。
『竹長』は、錦広路にある豆やお茶や干物を扱うお店。この店が伊勢丹に出店する時に、じゃこを買うことが多いのだけど、今回はしょっぱすぎない塩鯖があったので久しぶりに買ってみた。
塩鯖は、店で買うと塩気がきつすぎるものが多く、身体にいいのか悪いのかわからないようなものも多いのだけど、ここの塩鯖は、塩水に浸けているだけなので、身の塩気もきつくないのがうれしい。いつもの店員さんが、「アーリオ・オーリオにしてもうまいよ!」というのでつられて買ってしまった。伊勢丹『京都展』戦利品(その1)。
★サバのアヒージョ
塩鯖サバ半身
にんにく1かけ
(好みで鷹の爪1本)
イタリアンパセリかバジル
1.オーブンを210度に温める。
2.ニンニクをみじん切りに、鷹の爪は種を取り輪切りにする。
3.サバは骨抜きで丁寧に骨を外し、食べやすい大きさ(2〜3センチくらい)に切る。
4.耐熱容器にオリーブオイルを少し注いでからサバを並べ、ニンニクを散し、その上からオリーブオイルをたっぷりとサバがほぼ浸かるくらいまで入れる。
5.オーブンに入れて10分間経ったら開けて鷹の爪を散らす。
6.5分間くらいしたら様子を見て、火の通り具合によって少しそのまま加熱してから完成。イタリアンパセリを散らす。
7.フランスパンを添えて食べよう!うまいよ!

七草粥。

昨年、1月7日の日に仕事を終えて七草を買いに走ったら、ピーコックも紀ノ国屋も売り切れだったので、今年こそはと鼻息荒く夕方にピーコックに駆け込んだ。
きちんと浸水した後、ゆっくり時間をかけて炊いたお粥は、塩味だけで身体の芯まで染み渡るような慈愛に満ちた味だ。
セリ、ナズナ、ゴ(オ)ギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロという七草のお粥を食べはじめたのは、なんと平安時代からだと伝えられている。
それぞれの野菜の渋みが、ほのかにお米の甘さと交わり、繊細な味を醸し出している。
僕は、お酒を飲みすぎた休日の朝なんかに、お粥を土鍋で炊くことが多い。
一度、お粥を自分で土鍋で炊いてみて欲しい。お米本来の甘さや美味しさを、身体の奥深くにしみじみと感じることが出来ると思う。
★お粥
米70ml(一人分)
水420ml(お米の6倍から7倍くらい)
塩 ほんの少し
1.土鍋にお水を入れて、といで、浸水させたお米を入れる。
2.蓋を少しずらして中火で火をつけて、沸いたら火を弱火にして20分。
3.少し味見をして硬さを調べ、30分近く経ったら、好みの水加減になるように水分が足りないようならお湯を沸騰させて足す。
4.最後に塩をひとつまみ入れて混ぜる。味をみて、少し薄いくらいで完成。(決して塩は入れすぎないように。おかずの塩気があるので)
※梅干し、ちりめん山椒、明太子、塩昆布などとともに。
※七草粥の場合は、3の後に細かく切った七草を入れて火をざっと通す。根菜は先に入れるとよい。

カレーうどん。

時々、冬の寒い日なんかに、無性にカレーうどんが食べたくなる。
それも、古奈屋のようなクリームカレーではなくて、蕎麦屋さんのような出汁の効いたカレーうどん。
あまり、外でカレーうどんは食べないのだけど、こないだ京都の錦小路で小腹が空いて、冨美屋に入ってカレーうどんを頼んだら、僕の作るカレーうどんと味が似ていたのでうれしかった。
うれしいことに、時々レシピを聞かれるので、これからは材料もまとめておくようにしますね。
〈カレーうどん 1人分〉
冷凍うどん1つ
油揚げ1/4〜1/2
玉ねぎ1/4くらい
出汁300ml
カレー粉小さじ2〜大さじ1
塩2つまみ
醤油大さじ1
みりん大さじ1
水溶き片栗粉(片栗粉大さじ1水大さじ1)
九条ねぎか細ねぎ
七味唐辛子
1.出汁に醤油、みりん、塩、カレー粉を入れて火にかける。
2.玉ねぎと油揚げを食べやすい大きさに切り、鍋に入れる。(豚肉や牛肉の薄切りを加えてもよい)
3.玉ねぎに火が通ったら、水溶き片栗粉を加えて混ぜる。
4.うどんを茹でて、器に上げて、カレーを上からかけて、青ねぎを散らす。七味唐辛子を添える。