植物の生命力。


僕の会社のデスクの上のゴムの木が、3ヶ月間以上放ったらかしになっていたにも関わらず、最後の一葉だけ残したまま生き残ってていた写真が、後輩から送られてきたことは先日ここに書いた。

あれからまた久しぶりに会社に行って見たら、新芽がぐんぐん伸び始めていた。

4ヶ月間くらいリモートワークが続く僕の会社で、たまに誰かがお水をあげていてくれたのだと思う。

先週出社した時に僕があげた洗面器に入れた鉢の高さ半分くらいの水を、ゴムの木はものすごい勢いで吸い上げていったようだ。

そして今度は全身で光合成するべく、一気に葉っぱを伸ばし始めた。

この殺伐とした誰もいないオフィスの中で、植物の生命力を、改めて感じた。

マジカルレボリューション

2年前くらいに買って育てていたけど、夏の暑さで枯らしてしまったあじさい『マジカルレボリューション』を、今年もう一度手に入れた。

その水色とも緑色ともつかない不思議な色合いは、枯れているようでいてアンティークな雰囲気を漂わせている。この花は咲き進むに連れて、次第に色あせてゆく。

このマジカルレボリューション、近くの花屋さんで1000円という安価だったのだけど、来年も花を見れるように大切に育てたい。

いちじく。

いつのまにか季節は、晩春から梅雨へと移行していて、日によっては梅雨の中休みのような天気の日もあれば、梅雨らしい湿気を感じる曇りの日もある。

我が家のベランダも、バラが一段落して、紫陽花がほぼ後半戦に差し掛かり、今はいちじくやレモンなどの果実が少しずつ大きくなってくるのを楽しみに横目で見ている。

いちじくの実は毎年のことなのだけど、気がつくといつのまにかなっているものだ。

以前にもここに書いたように、いちじくは無花果と書いて、花がない果物と言われるけど、実際はこの果実の中に花があるそうで、表立っては花が咲いていると見えないだけのようだ。

誰にも気づかれずに、いつのまにか果実を膨らませているいちじく。その美しい葉っぱとともに、小さなベランダに個性的な存在感を放っている。

アゲハの幼虫。その5

土曜日、朝起きた時は大きな青虫が2匹いたのだ。

残念ながら3匹いたうちの1匹は、小さな青虫になった後、どこかへ旅立ってしまっていて、残る青虫は2匹になっていた。

今日もすごい勢いで葉っぱを食べてるなあ・・・と思ったのもつかの間、少ししてベランダに出ると、一番大きかった青虫が跡形もなく消えていた。跡形もなくというのは少し違っていて、レモンの葉っぱに深緑色の大量のフンが落ちていた。

どこ行ってしまったのだろう?とKと二人、ベランダ中をくまなく探すけど見つからない。散歩から帰って着てまた探すけれど見つからない。夕方、諦めかけて家に入ろうとすると、サンダルを脱ぐ窓際を青虫が歩いていた。

「Kちゃん!いたよ!こんなところに!」

「こんなところ歩いてたらもう少しで踏んでたね」

僕は青虫を捕まえてレモンの木にもう一度戻してあげた。すると、青虫はもはやレモンには興味がないようで、すぐさまものすごい速さでレモンの木から隣のバラに写り、どんどん下に降りていき、鉢の縁で不安定に止まった。

レモンの木に戻したところ

下に降りてゆく青虫

鉢の縁に止まった

その後、晩ごはんを食べた後も何度も覗いて見たけど、鉢の縁が気に入ったのかそこから動こうとしなかった。でも翌朝起きた時には、青虫の姿はなくなってしまっていた。

僕は、落胆したまま日曜日なのに仕事で撮影に向かった。

すると夕方、KからLINEが入った。

「青虫、いたよ!蛹になりそう」

網戸にしがみついている青虫

僕は嬉しくて、スタジオで思わず声をあげた。どうやら青虫は、蛹になる時を知り、自らのお腹に溜まったものを全て排出し、蛹になって過ごせる安全な場所を探して旅に出たようだった。

それにしても、こんな網戸に捕まって、落ちないでいられるのだろうか?

蛹に変わってきた

僕たちはこの網戸を動かさないように、これから2週間くらい見守っていこうと確認したのだった。

花菖蒲。

千駄ヶ谷にある鳩森神社にお参りにいくと、花菖蒲が咲いていた。

深い紫、赤い紫、淡い絞りのような紫、白、色とりどりのようで、紫から黄色を含む白に至る色は完璧な美しさがある。

紫陽花といい、花菖蒲といい、この時期、どうして紫色や白の花が多いのだろう?

本格的な夏の暑さの前に、花菖蒲はあたり一面に清々しさをもたらしている。

アゲハの幼虫。その4

青虫が苦手な人には申し訳ない・・・。

前回、北側の青虫が12匹くらいいたのに、朝、ほんの30分後くらい経って見に行くと、1匹残らず消えてしまったのはここに書いた。

あまりにも寂しくて、Kは一生懸命黒い幼虫を、北側から南側のベランダの斑入りのレモンの木に2匹持ってきた。

黒い幼虫はまだ鳥に食べられていなかったけど、緑色の青虫になった途端に、忽然と姿を消してしまったから、時間の問題だと思い用心して持ってきたのだ。

しかし、2匹持ってきたうちの1匹は、朝になると消えていた。これはどうしてだろう?とKが調べると、生まれた時に食べた葉っぱと違う葉っぱだと、食べないこともあると書いてあった。

確かに、残った1匹は、もともとレモンの葉っぱにいたもので、いなくなった1匹は、ライムの葉っぱについていた幼虫だった。自分の好きな葉っぱを探してどこかへ旅立ったのかもしれないし、また鳥に食べられてしまったのかもしれない。

僕はそれでも、鳥に食べられるよりはましかと思い、また2匹、ライムの木から幼虫を南側の斑入りのレモンの木に移植した。

すると、数字経ったある日、いきなり最初に移植した黒い幼虫が緑色に変化していた。

そして、僕が移植した2匹は、新しい葉っぱを食べないようにじっとしていたけど、数日後に1匹が緑色になり、生まれ変わったようにレモンの葉っぱを食べだした。



もともと僕も青虫なんて、気持ち悪い以外の何物でもないのだけど、こうして世話をしていると不思議に愛情が湧いてきて、絶対に蛹にして、いつかは蝶々にしてやるぞ!という気持ちで、毎日青虫を見守っている。

そして僕以上に、Kは青虫を気にかけていて、仕事から帰ってくるなり毎日青虫が無事かどうか見に行っている。

アナベル


紫陽花の季節がやって来た。

僕の家のベランダには2つの紫陽花があって、一つはこのアナベル。

紫陽花にしては珍しく、今年伸び始めた枝の先に、次々に緑色の蕾が見え始めて、やがてゆっくりと蕾が大きく膨らんでいき、ある程度大きく膨らんだ後に、ゆっくりと白い花色に変化していく。

日本の紫陽花とは違ってマットな葉の緑に緑色の蕾や白い花は、この梅雨時期になんとも清々しく美しい。

もともと紫陽花は、日本古来の植物なのだけど、海外に渡り様々に品種改良されて、ハイドランジアという植物名で今では逆輸入されるようになった。

日本の梅雨は、湿気にうんざりするのだけど、町の至る所で見かける紫陽花にはどこかほっと癒される。

この時期、紫陽花に限らず、アガパンサスなど、なぜか、紫色と白い花が多いのも、昔から不思議に思っている。

アゲハの幼虫。その3

朝、起きて北側のベランダに出た時には、青虫が12匹くらいいたのだ。

レモンの土が乾いていたので、後でお水をあげようと思いながら朝食を済ませ、Kを送り出して、南側の植物に水をあげた後、北側のベランダに移ったら、青虫は消えていた。

僕は、何かが起こったことはわかったけど、必死に青虫を探し続けた。さっきまであんなにたくましくレモンの葉を食い散らかしていた青虫は、どこにも見当たらなかった。

黒く小さな幼虫はまだ何匹かいるのだけど、4回の脱皮を繰り返した後に緑色になった幼虫が1匹もいないのだ。

Kが仕事から帰ってきて、力を落としている僕に声をかけた。

K「鳥に食べられちゃったのかね?かわいそう」

僕「葉っぱと同じ色をしてるから、見つからないかと思ったけど、鳥は思った以上に目がいいんだろうね」

K「あっちのベランダは邪魔になるバラとかがないから見つけやすかったのかも」

そう言って、Kは北側のベランダに行き、黒い小さな幼虫の乗った葉っぱを二つちぎって持ってきた。どうするのかと思ったら、南側のベランダにある斑入りのレモンの木にその葉っぱを乗せて、注意深く黒い幼虫を移そうとしていた。

晩ごはんを食べた後、Kはまたベランダに出て、「ちゃんと新しい葉っぱに移ったよ!」とうれしそうに言った。

夜、ベッドで眠る時に、ヒヨドリかスズメに食べられてしまった青虫のことを考えた。金網でも作って、守ってあげることもできたかもしれない・・・。

K「かわいそう・・・青虫」

僕「でも、これが厳しい自然の弱肉強食であり、循環の一つなのかもしれないね・・・」

こうなったら、何としてでも、幼虫を蛹にして、蝶々になるまで見守ってあげたいと思いながら眠りに落ちて言った。

まだ元気な青虫たち。日曜日撮影

アゲハの幼虫。その2

このところ、代々木公園や外苑西通り、家の周りの道を散歩しながら、僕はずっと探し続けていた。

何を探し続けていたかというと、レモンやみかんなどの柑橘系の木がどこかにたわわに植わっていないか。

僕の家のベランダで沢山のアゲハの幼虫がかえったことは、数日前にここに書いたのだけど、家のレモンやライムの葉っぱの量には限りがあって、これから幼虫が成長していく中で、どうしたらいいのかとずっと迷っていたのだ。

かといって、この幼虫たちを外にぽいと捨てて見殺しにすることもできない。よくよく考えた挙句、公園や通りに鬱蒼と茂っているレモンやみかんの木があれば、そこに持っていってそっと放してあげるのがいいと思ったのだ。

そして今日、代々木公園を回って、目を皿のようにして探したけど見つからず、富ヶ谷から渋谷に出て、渋谷から246を通って外苑前に向かう途中、ブルックスブラザーズの前の246を挟んだ向かい側の道路沿いに、大きなレモンの木が鬱蒼と茂っているのをKが見つけた。

僕たちは大喜びで、「ここならみんな安心だね!後でここに持ってきて放してあげよう!」

と言って、家に向かって歩きはじめた。
でも、家に向かう道すがらよくよく考えてみると、何かレモンの木が変なのだ。

あまりにも綺麗で、葉っぱは一つも虫に食われておらず、病気もなくテッカテカとしている。それはまるで、農薬をまぶされたレモンのように・・・。

「あの246沿いのレモンの木、消毒されてるのかもね・・・」僕が言うと、

「かわいそう・・・幼虫、死んじゃうよ」Kが心配そうに言った。

「やっぱりあそこはダメだな。みんな消毒されて一瞬で死んじゃうね」

そう思って家に帰り、しばらくはまだうちのベランダで面倒を見ることにしたのだ。

小さな自然の循環。

我が家には、ここで何度も書いてきた『アメリカザイフリボク』別名『ジューンベリー』という木があって、6月を待たずにいつのまにか実が赤く色づきはじめた。

それを見つけるのは、実は僕よりも鳥たちの方が早くて、ある日、鳥が鳴いているなあ・・・と思ったら、赤く色づきはじめたジューンベリーの実をヒヨドリが食べにきていたのだった。

このジューンベリーには、ヒヨドリの他にもスズメやメジロがやって来る。メジロは大抵2羽でやってきて、小さな可愛い声で鳴いている。

体の大きなヒヨドリは、大きな声でヒー!ヒー!と鳴くのと、全て食べ尽くすくらい貪欲なので、ヒヨドリの声が聞こえたら、ベランダに出て追い払うようにしている。

せっかくなったジューンベリーの赤い実は、できればメジロやスズメにゆっくり食べてもらいたいと思うのだ。

小さな我が家のベランダにアゲハチョウが卵を産み付けに来る。

バラやタイムやレモンの花に蜂が集まってきては、蜜を運んでゆく。

赤くなったジューンベリーの実を、鳥たちが食べに来る。

東京で生きる動物たちに害がないように、僕は無農薬でベランダの植物たちを育てているのだ。