Kのひとりご飯。

月曜日から木曜日までの国内出張が決まり、久しぶりに家を長く空けることになった。

前は僕が出張するときは、様々な料理の仕込みをしてから出かけたのだけど、このところの息つく暇もないような忙しさから、料理をして出かけることもできない。

毎日のご飯はどうしようかと思い尋ねると、何も用意しなくて良いと言う。

仕事の打ち合わせから戻る途中、スーパーで買い物した。魚の干物や鮭や銀鱈は冷凍庫にあるので、牛肉、豚肉、鶏肉。これだけあれば、三日間くらい食べられるはず。

それと一緒に、牛丼、親子丼、生姜焼き、などの、簡単なレシピを新幹線の中で書いて送っておいた。

夜、遠く滋賀県についた僕に、KからLINEが入った。どうやら親子丼を無事に作ったようだ。

こうして少しずつKのレパートリーが増えていくことが、今後も役に立つと思うし、とても嬉しく思ったのだった。

幸せへのまわり道

アメリカで、1968年から2001年にかけて放送された子ども向け番組「Mister Rogers’ Neighborhood」で知られる司会者のフレッド・ロジャースを、トム・ハンクスが演じて久しぶりにアカデミー賞にノミネートされた映画。と言うことだけ知っていて映画館に見に行ったのだけど、この映画、今年もっとも心に残る映画になった。

事実を元に脚本が作られているようで、雑誌のエスクワイアの記者でもあるロイドが、編集長の命令でフレッド・ロジャースの紹介文を頼まれる。渋々引き受けたその仕事によって、彼自身に思いもよらぬ変化をもたらす。

人生の中で、もっとも難しいことは「許すこと」ではないだろうか。

複雑な生い立ちを持つ主人公の身の上に、自分の身の上を重ねながら見て、胸が締め付けられる思いだった。何年後かに見返したいと思うとてつもなく美しい映画。

🌟幸せへのまわり道https://www.misterrogers.jp

2分の1の魔法

予告篇を見てからずっと楽しみにしていたディズニー映画『2分の1の魔法』は、予想を裏切るストーリー展開だった。

このところ、映画の予告編って、かなりsトーリーがわかってしまうくらい見せているのが残念に思うのだけど、この映画は思っていたものとちょっと違って、いい意味で裏切られた。

妖精の世界で暮らす兄弟が、亡くなったお父さんに会うために旅に出ると言う話なのだけど、妖精の世界ではマジックはもうほとんど使われなくなってしまっていて、人々はもうマジックなど信じずに暮らしている。

ストーリー展開は単調なのだけど、様々なキャラクターがとてもおもしろい。兄弟の声優にはクリス・プラットとトム・ホランドと言うのもみていて臨場感が増す。そして、クライマックスでは思わず涙が頬をつたってしまった。

軽く楽しいデートにはもってこいの映画。

⭐️2分の1の魔法https://www.disney.co.jp/movie/onehalf-magic.html

ドラキュラの家。

僕の家の窓から、大通りを挟んで向かい側の高級マンションには、かつて北欧から来たカップルが引っ越して来て、やがて娘を産んで、その後2人目を産んだ後、今年の春に引っ越して行った。

外国人らしい開けっ広げな人たちで、カーテンを閉めることはなく常に全開。食事をする時は僕たちと同じ時間に向かいで食事しているのが見えたりしていた。

見えると言っても、30メートル以上離れているので、何を食べているかまでは見えない程よい距離感だ。

その後、その家に日本人らしき家族がすぐに引っ越して来てかれこれ5ヶ月くらいになるだろうか。

その家族は窓のカーテンを夕食時になると締め切り、そのまま朝まで開けることはなく、朝6時過ぎに開けるのだけど、人が食事をしているところを見たことはない。

時々、大人数の人が訪れて、テーブルを囲んでいるのを目にしたこともあるけど、何か話しているだけで、食事の時間になるとカーテンはピシャリと閉められていた。

Kは、彼らは実は大家族で、みんなであの家に暮しているんじゃないか?とも言うけど、100平米くらいの2LDKの家に、大人数が暮らしているとも思えない。

可能性があるとすると宗教団体かなと思うけど、祈祷や呪いをしているところは今のところ見えない。

僕たちが時々シャワーを浴びてから上半身裸でウロウロしているので、小さな子どもに見えてはいけまいとカーテンをするのかとも思ったのだけど、僕たちが熱海から帰って来た日も、僕たちはいないのにカーテンは締め切られていた。

「もしかしたら、あの家、ドラキュラの家なんじゃないかな?」

僕が思いついて言うと、Kも、「ちょっと普通じゃないよね…しかも最近昼間もずっとカーテンが閉まってるし、時々隙間から外を覗いてる時があった」

テレワークで家にばかりいるため、向かいの家の動向が気になるのかもしれないけど、世の中には不思議な人たちがいるものだ。

具合の悪い夜に。

夜中に目が覚めたら、後頭部がズキズキ痛くて、それに加えて吐き気が酷く、リビングに行ってソファに横になっていた。

頭痛と吐き気を我慢しながら、アイスノンで後頭部を冷やし、横になっていると吐き気がしてきてトイレに駆け込んで吐いた。

その後もベッドには戻れず、またしばらくして吐き気が襲って来たのでトイレに行って吐いていると、Kが起きて来てトイレのドアを開けた。

「ただしくん、大丈夫?」

「二日酔いかな?」

「違うと思う。そんなになってる二日酔い見たことないし」

「昼間、暑い中歩いてたから、もしかしたら熱中症かも」

それからしばらくまたソファで横になり、Kは僕の額に手を当てて、その後体温計で測るも、熱はなくむしろ平熱よりも5度くらい下がっている。

Kは必死になって僕の背中をさすってくれて、心配そうに何度もおでこに手を当ててくれる。

痛み止めを飲んで、ベッドに行くと、しばらくしてまた吐き気がこみ上げて来たのでトイレに行って吐くけど、さすがにもう何も出てこない。

ベッドに戻ると、Kがスマホを握りしめていた。

「次にまた吐きに行くようなら、病院に連れて行くから」

「大丈夫だよ。もうよくなるから」

「熱中症だとほっといたら危ないんだから」

僕はその後、楽になって浅い眠りに落ちていったけど、Kは心配して僕の症状を隣でスマホで調べてくれていた。

家族がいるって、ありがたいことだ。

Kに心配かけないように、早くよくならないと…うとうとしながら思ったのだった。

Kの料理の習得。

食事を作るのは僕の役割なのだけど、時々Kが料理を作ってくれる時がある。

それはKの得意の「焼きそば」か、『お好み焼き」か、「たこ焼き」か、週末の朝ならば、自ら早く起きだして「おかゆ」を仕込んでくれる。

僕はKが時々料理をしてくれると「ああ、誰かが料理を作ってくれるって、こんなに楽チンなんだー」と思い、密かに「Kが作ってくれる料理のレパートリーをもっともっと増やさなければ・・・」と思っていたのだ。

今日は朝から晩まで僕が出っ放しになってしまいそうで、珍しくKは水曜日休みで皮膚科に行ったり髪を切りに行くという。

さりげなく「この枝豆を茹でて・・・かぼちゃは煮て・・・ほうれん草は茹でて・・・肉じゃが用にジャガイモの皮を剥いておいて・・・」と言ったら、やる気になったようでKが僕に聞いてきた。

「ほうれん草は何秒茹でるの?かぼちゃは醤油と砂糖どういう割合?枝豆は塩どれくらい?」

「ほうれん草は、茎から茹でて全体で20秒以下。枝豆は、水につけてから後で大さじ2くらいの塩をまぶしてしばらくおいて、お水を100mlで蓋をして強火で5分。かぼちゃは・・・」

と僕が説明するのを、Kはスマホでメモしながらふむふむと聞いていた。

夕方クライアントとの打ち合わせが終わり、外苑前から歩いて帰ってくると、Kは一生懸命肉じゃがを仕込んでいるところ。見るとほとんどの料理が出来上がっていたのだ。

今までほとんど料理などしなかったKが、こうやって少しずつ料理を覚えていくのを、僕はとてもうれしく思ったのだ。

新しい生活を夢見ること。

このところ、熱海への引越しに向けて、色々なことを考え始めている。

「車は何を買おうか」
「犬は何を飼おうか」
「原付バイクも買おうか」
「家のアプローチに何を植えようか」
「寝室はどの部屋にしようか」
「母が泊まりに来るから布団を買わないとな」

新しい生活に向けて考えることが次から次へと浮かんで来て、晩ごはんを食べ終わった後は、二人でネットを見ながらあれこれ話し合う時間。

でも実際には、未だに物件は決まっていない。

ここにしますと不動産屋さんには伝えてあり、修繕費を大家さんに出して相談するというところで止まっているのだ。もしかしたらまた、僕たちよりも先に他の不動産屋から申し込みが入って、物件を取られてしまうかもしれないとも思う。

「スタンダードプードルがいい」
「あ、でもゴールデンレトリバーもいいね」
「ポロにしようか?アクアも良さそう」
「原付はジョルノかな?」
「斜面には、アジサイや萩を植えて、日本らしくしようか」

でもこんな風に、二人で新しい生活の夢を見ている今は、とても幸福だ。

ゲイカップルであっても(LGBTQであっても)、ストレートのカップルと同じように、二人で家を借りたり買って、新しい生活を夢見る幸せは、誰もが普通に持てるべきだと思うのだ。

コロナ禍で注意すること。

僕の会社では、2月末からずっと基本的にはリモートワークの状態なのだけど、そんな中でも今までに10人以上のコロナ陽性者が出ている。

そして、その原因は、

「満員電車」でも「会議」などでもなく、「会食」なのだそうだ。

これからもしばらくはこの新型コロナウイルスと共生していくことということが普通の生活であるならば、この「会食」にあたる行為をなるべく避けるようにすればいいのだと思う。

これは、至近距離で食事をしながら話をするという行為では、どうしても飛沫を抑えられないということなのだろう。

逆に言えば、それ以外はそれほど神経質になる必要はないのではないかとも思う。ストレスの溜まらないように自分で判断して、今までの暮らしを少しずつ取り戻していけたらいいと思う。

新型コロナウイルスが広まり始めた当初は、このウイルスのことが全く未知であり何も判断がつかなかったけど、この半年を経てわかってきたことで、自分なりに判断しながら行動すればいいのだ。

ランブータン

新宿の中村屋の上に、真空製麺機で練り上げる「生パッタイ専門店」ができたというので行ってみた。

「パッタイって、正直どこで食べてもおんなじ味だよなあ・・・」と思うのは、僕だけだろうか?それとも僕があまりたい料理に興味がないからか。

生のパッタイだったら少し違うのかも・・・と思い行ってみたら、これは麺が明らかに違っていた。なんというか、麺がプリプリして生き生きしている。

スパイシーパッタイ(超辛い)

普通のパッタイ(甘め)

でも、本場のタイでも、生麺のパッタイって、普通にあるのだろうか?

ちょっとわからないけど、パッタイ好きにはオススメのお店。夜はパッタイだけでなく他のタイ料理もあるようだ。

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Guzman y Gomez

週末に渋谷に行って映画を見る前後に、「Guzman y Gomez」で食事をすることがある。

メキシカン料理が時々無性に食べたくなるのだけど、それは東京の夏がもはや熱帯並みに暑く、湿度も高いからかもしれない。

大好きなワカモレを頼み、タコスを頼み、ナチョスを頬張る。

ナチョス

タコスは皮の硬さが選べる

ビールを飲みながらメキシカンを食べていると、何度も行こうとして行けていないメキシコは、いったいどんな国なんどろう?と想像してしまう。いつか南米にも行ってみたいな。でもその前に、来年こそは、イタリアにKと二人で旅行するのだ。

ちょっと値段は高めかもしれないけど、日本人好みにしていないメキシカンは、ざっくりとしていてとても美味しい。

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