海外の友人から。

シンガポールの友人カップルから、写真が届いた。

どうやら家で、日本が恋しくなって、しゃぶしゃぶを作って食べたようだ。

定期的に日本に来ている彼らも、このところのコロナの影響でなかなか日本には来られず、自粛生活を強いられているみたい。

それに加えて、やはり東京の我々の生活を気遣っているのがわかる。

僕たちは元気にやっているよとLINEを書いて、お互いの近況を報告し合い、やさしいなぁと思ったのだった。

ホットサンド。

このところ、テレワークでほとんど家で過ごしているので、三食家でご飯を食べている。

料理が好きで苦にはならないのだけど、ランチはサクッと食べて片付けもささっとして、すぐに仕事に取りかかりたいと思う時もある。

そこで、ずっと前に買ってあったホットサンドメーカー『BAW LOO』を久しぶりに使ってみた。

食パンの、表側にバターかオリーブオイルを塗って、中には好きな具材を挟む。今日は、ツナと玉ねぎにマヨネーズ・茹で卵を。

具材を置いたら食パンで挟んで、バウルーを被せて1分半くらい。

両面を焼いたら完成!

チーズにハムや、卵サンド、ベーコンレタストマトなど、家にある残り物で、ホットサンドになるだけでとても美味しい。しかも、こんなに簡単でいいの?ってくらい簡単。

ホットサンドは、テレワークの味方です。

アップリンクのオンライン映画。

新宿二丁目にある僕の行きつけのお店『Bridge』には、映画好きが集まっていて、さまざまな新しい情報や意見交換がされている。

その中で話題になっていたのは、渋谷のアップリンクがオンライン映画をはじめていて、60作品見放題で2980円というのだ。

コロナ騒動でこの週末は映画館も閉鎖され、僕もスーパーでの買い物以外はほとんど家の中で過ごす羽目になったのだけど、家でオンラインで映画を見ることにした。

グザヴィエ・ドラン監督の『わたしはロランス』、『氷上の王ジョン・カリー』など、ここの映画館でやっていた映画を僕もかなり見ているのだけど、ドキュメンタリーなんかは見ていないものも多く、Kが前々からスペインに行きたいと言っていたのを思い出して、まずは『サグラダ・ファミリア』のドキュメンタリーを。

アントニオ・ガウディがどうして選ばれたのか、自然の中にある造形を模していくことへのこだわり、生きている間には完成できないとわかった時に、ガウディがとった行動など、なかなか興味深く、日本人の石工がいるのにも驚かされた。

いつものリビングにある大きなソファーで2人で毛布にくるまって見ていたら、いつの間にかふたりとも深い眠りに落ちていったのだった。

⭐️アップリンククラウドhttps://www.uplink.co.jp/cloud/features/2311/

身近に迫るコロナ。

Kの働いている病院でも、新型コロナウイルスの院内感染が起こっていることがニュースで明るみになった。

僕はとても心配になり、毎朝Kを見送りながら、今日も無事に感染しないで帰ってきて欲しいと願う。

病院で検査技師として働くKは、様々なウイルスと近くで接しているため、通常よりも感染する確率は高いのかもしれないと思うのだ。

Kはそんな僕の心配などよそに、毎朝颯爽と笑顔で自転車に乗って出かけてゆく。

Kにとっては、Kのお母さんもお姉さんも病院で勤めていたから、ある種当たり前のありようなのだろうけど、えらいなあと思うのだ。

Kが感染したら、間違いなく僕も感染するだろう。

そうなったらどうすればいいか。頭の中でシミレーションしてみても、わからないことだらけだ。

3月には終息するかと思っていたコロナは、ひっそりと息を潜めながら僕たちの暮らしの周りにも迫ってきている。

自分たちにできる日々の手の消毒、手洗い、うがい、人が集まる場所にはいかないようにするなど、今のところ僕たちにはそんなことしか自分たちを守るすべはないのだ。

なんとかみんなで持ち堪えて、一日でも早くまたいつもの穏やかな毎日を迎えられますように。

テレビが見たLGBTQ

apple+で、見られるアメリカのテレビ番組『テレビが見たLGBTQ』を、BridgeMに勧められていて、先日時間ができた時にKと一話ずつ毎日見始めた。シリーズは第5回までで、1回がおよそ1時間。

2015年にアメリカでは同性婚が認められたのだけど、そこに至るまでのLGBTQのテレビでの扱われ方を、時代の移り変わりとともに丁寧にわかりやすく編集してある。

同性愛が病気だと思われていた時代や、テレビの中では笑い者扱いしかされなかった時代、ゲイやビアンが絶対に公にカミングアウト出来なかった時代、エイズが流行した時に、同性愛者に対する憎悪やヘイトクライムがアメリカを覆った話

毎回毎回、見ているうちに自然に涙が流れてきて、アメリカのこのような歴史の上に、我々日本の今の暮らしがあるのだと思わせてくれる。

Kとふたり、リビングで手を取りながら、目が離せない1時間を過ごしている。

⭐️ https://arigato-ipod.com/2020/02/apple-tv-plus-new-episode-200214.html

エンボカ

代々木上原にある『エンボカ』は、大好きなお店のひとつ。

人気店なので思うように予約が取れないようだけど、手の込んだお料理ではなく、シンプルで素材そのものの美味しさを実感させてくれる数少ないレストランではないだろうか。

お店のアーティスティックな内装もさることながら、野菜を中心にしたお料理は、作り手の意志を感じさせてくれる。

コース料理で次々と運ばれてくるお料理に感嘆の声をあげ、和風食材を取り入れたピザをいただくころは、今度はいつここに来れるだろう?と思ってしまう。

⭐️ エンボカ 東京

03-5452-1699

東京都渋谷区元代々木16-16

https://tabelog.com/tokyo/A1318/A131811/13040937/

河久

京都の御池通りから木屋町を下がったところにある『河久』は、京都の中でも、僕が最も訪れているお店。

お料理は、『洋風割烹』とでもいおうか、和食の割烹料理に洋食が適度に混ざり合い、いつ食べても飽きないお料理だ。

この『河久』は、Kの前に僕が10年間つきあっていた今は亡きNの行きつけだったお店で、京都大学の頃から通っていたNは、僕と京都に来るたびにこの『河久』に来るのを楽しみにしていた。

2年前くらいに仕事で京都を訪れた時に、『河久』に来て以来、今回は予約を入れていなかったのだけど久しぶりにお店に行ってみた。

お店は、70代後半の大将が、今は外でお客さんと話す感じで立っていて、その息子さんが切り盛りをして、料理人が料理を作っている。

僕が大将に久しぶりに会って、大将にNの話を切り出したら、大将の目から涙が溢れ出した。

大将「Nさんは、本当にいい人だったなぁこの店が好きで大学の頃からよく来てくれたんですよまさか、こんなに早く亡くなってしまうなんてね声が大きくて、キップが良くて、いい男だったのに

僕も、大将の涙を見ながらついもらい泣きしてしまったのだけど、こうやってNとの思い出の店にKと来るようになって、Kは、自分が付き合う前の僕とNの日々に耳を傾けている。

それにしても『河久』の、手羽先、春巻き、天ぷら、竹の子のなんて美味しいこと。

Nにも食べさせてあげたいと思いながら、思い出の料理を噛みしめたのだった。

⭐️ 河久

075-211-0888

京都府京都市中京区木屋町通御池下ル上大阪町518

https://tabelog.com/kyoto/A2601/A260301/26000236/

なる屋

京都の錦市場のすぐそばにある『なる屋』に来るのは、これで2回目。

今回の京都旅行では特にレストランの予約はしておらず、この「なる屋』だけ予約して来たのだった。

大将は、話好きで、ニューヨークの日本食レストランにいたこともある知見の豊富な人。『なる屋』はミシュラン一つ星を獲得している。

料理は、伝統的な日本料理に、ほんの少し洋の素材も加えたお料理。コースは、13000円、16000円、18000円。

今回は全体的に貝が多く使われていて、締めのご飯も牡蠣ご飯だった。

はじめて来た時の感動はなかったものの、沢山お話を聞けて楽しい時間を過ごすことが出来た。

それにしても京都のレストランにさえ、コロナの影響はハッキリと現れていて、飲食店もホテルもどこも先が見えないとのことだった。

⭐️なる屋

075-252-1199

京都府京都市中京区堺町通錦小路上ル539

https://tabelog.com/kyoto/A2601/A260201/26024247/

あたしん家

僕たちの毎朝は、iPadAbema morning というテレビ朝日系の番組を見ることではじまる。

前日にあったニュースをまとめた朝の番組で、世の中で起こっている出来事を、ざっくりと知ることができるのだ。

でも、この頃なぜか、朝の食事の時間に、Kはいつもアニメ番組の『あたしンち』をつけている。

『あたしンち』は、ちょっと太っている庶民的なお母さんと、ふたりの子どもたち、寡黙なお父さんという4人家族のたわいもない毎日を描いている番組だけど、Kはこのアニメもとても好きなようだ。

この家族、なぜか「ちくわ」ばかり食べているのだけど、お母さんもお父さんも実は大分県の出身のようで、同じく大分県出身のKにとっては身近に感じられるのかも知れないし、このお母さんを見ながら、自分のお母さんやお父さんを思い出しているのかも知れない。

それでも、この頃毎朝『あたしンち』なのはどうしてなの?とKに聞いてみたのだ。

KAbema morning は、ずっとコロナばかりだから、ただしくん、コロナのニュースで疲れちゃうから見ない方がいいと思って」

僕は、Kがアニメが見たいから見ているのかと思っていたのだけど、本当は、こんなストレスの溜まるコロナのニュースを、僕には出来るだけ見せたくないというKの気遣いだったのだ。

そうして僕たちは、『あたしンち』を見ながら、笑いながら朝出かけて行くKを見送るようになった。

和歌山へ。

京都に3泊した後、朝から僕たちは和歌山を目指した。

この時期に和歌山へ行くのは、Kの前に10年間つきあっていたかつての恋人Nのお墓参りが目的で、彼が亡くなった翌年から行っているのでこれでもう5回目になるだろうか。

いつもは大阪で一泊してから和歌山へ行き、関空から帰るのだけど、今年は京都に来たついでにKと一緒に和歌山へ向かった。

昔の男の墓参りに、今の恋人を連れて行くことは、一般的にあまりあり得ないことなのかも知れないけど、Nの墓前でKを紹介したいとずっと思っていたのだ。

和歌山駅でレンタカーを借りて、お寺に着くと、鳥の声が聞こえて、風が木々を揺らし、とても静かな空気が漂っていた。

この墓の中に、Nはもういないのかも知れないけど、心に残るKとの幸せだった日々を思い出しながら、手を合わせた。

和歌山への帰り道、途中、湯浅の食堂でとても美味しいしらす丼を食べた。

⭐️http://www.yuasa-kadoya.com/

そして、和歌山で有名な紀三井寺に行ってみた。

紀三井寺
200段以上ある階段
紀三井寺からの眺め

紀三井寺は、200段以上階段を登った山の上にあって、遠く海を見渡せる美しい寺だった。この紀三井寺の桜が、和歌山県の桜の開花予想する樹木のようで、ちょうどこの日に開花宣言が出されたらしく、テレビ局が入っていた。

その後、和歌山城を覗き、関空から帰ったのだけど、関空がびっくりするくらい閑散としていた。

Kは、Nの墓参りに一緒について行くことを、少し気にしていたけど、隣で一緒に手を合わせているKを見て、やっぱり一緒に来てよかったと思ったのだ。

Nは焼きもち焼きだったけど、今の僕とKの暮らしを、きっと応援してくれるに違いないと思えたのだった。