宮わき

甘鯛

しらすの炊き込みご飯

四谷三丁目界隈は、飲食店の激戦区だということは先日もここに書いた。
ミシュランで星を持つ店はいくつもあるし、それに加えてビブグルマン(ミシュランガイドの星は持たないが、リーズナブルで料理を評価された店)に載っている店もいくつかある。
四谷三丁目界隈のいいところは、都内のど真ん中にありながら、レストランの値段も他に比べて安いところ。最高ではないか。
今回、香港からの友人を迎えた和食店『宮わき』は、ビブグルマンに載っているお店。和食のコース料理が8000円で食べられる。
店内は細長くカウンターがあり、奥に4人がけのテーブルが2つある。
基本的には大将が料理を作って、若くてかわいいお兄ちゃんがそれ以外の諸々を手伝っている感じ。決して気がきくわけではないが、そのかわいさからつい許してしまいたくなる。
料理は派手さはなく、実直でシンプルな構成。お椀も美味しいし、お造りも手を抜いていない。
スッポンのスープはすっぽん好きには堪らない濃い味わいだし、最後の炊き込みご飯を食べる頃には、これで8000円ならば素晴らしいと納得させてくれる。
まさしく、ビブグルマンにふさわしいお店。気の置けない仲間たちと食べるのに最適。
⭐️宮わき
03-5379-6545
東京都新宿区荒木町9 正起ビル 1F
https://tabelog.com/tokyo/A1309/A130903/13143682/

春らしいお皿

のどぐろ

アカイカ

尾山神社のすぐそばにあるお寿司屋さん『飛』に、はじめて行くことができた。
大将は、寡黙な職人さんだと聞いていたけど、実際にはとても話し好きな温かな人だった。
野々市の有名お寿司屋さん『太平寿司』で修行をされて、その後は金沢駅前の日航ホテルに『太平寿司』を構えていた人。
2年前に太平寿司には行くことが出来たのだけど、あのニコニコしていた大将は、68歳でお亡くなりになったのだそうだ。亡くなる前に食べることが出来て、本当によかった。
あん肝からはじまり、焼きたての玉子焼き、カニをご飯にまぶしたお寿司や、鯵も鮮度がよくぺろっと食べてしまう。
ホタルイカに菜の花の昆布締め、赤い貝は春らしく甘みが感じられる。
鰻の手巻き寿司、マグロの叩き、そしてのどぐろの蒸し寿司は柔らかく甘く温かい一皿。
和歌山のマグロを食べていたら、牛肉かと思ってしまうほど脂が乗っていた。
アカイカには切れ目が美しく入り、炙った香りとともに甘みが広がる。
最後に、冬の時期だけに手で取ることのできる岩のりの味噌汁をいただき、金沢のお寿司という幸福を存分に味わった。
お任せでたらふくいただいて12000円。また来店したいと思う素晴らしいお寿司屋さん。
⭐️飛
076-255-2768
石川県金沢市尾山町12-5
https://tabelog.com/ishikawa/A1701/A170101/17010234/

かぶ菜

お刺身

フグの白子の石焼

115椎茸のバター焼き

友人たちとこれまた久しぶりに片町にある『かぶ菜』へ。
いつものように女将さんに今日のオススメを伺って、聞いたこともない海藻やら、黒もずく、生鯖の刺身、ガス海老、なんかをお願いする。
運ばれてきたお刺身は綺麗に盛りつけられていて、みんなで食べやすいようにレイジースーザン(回転台)がついている。
フグの白子の石焼は、毎回注文するものだけど、焼けた白子を日本酒と食べるのが最高に美味しい。
今回初めて食べて驚いたのが、肉厚の椎茸『115』のバター焼き。これがめちゃくちゃ美味しかった。
最後に、ホタルイカの石焼をつまみながら、お酒をぐびぐび飲んで、みんなで話が止まらなかった。
これだけ飲んで食べて一人で7000円という驚きの価格。東京では食べられない海の幸と美味しい野菜に、改めて金沢の底力を感じた夜だった。
⭐️かぶ菜
076-260-7899
石川県金沢市片町2-23-5 パルシェ片町 1F
https://tabelog.com/ishikawa/A1701/A170101/17000085/

日々魚数寄 東木

これで1000円

出汁巻

ガス海老

いつもは年の瀬に訪れていた金沢に、所用があり久しぶりに来ることが出来た。
お城の周りの桜はまだ咲いておらず、今年も金沢の桜を見ることは出来ないようだけど、この古い家々の残る町を歩いているだけでほっとする。
昼ごはんは予約していた小さな和食のお店へ。
『東木』は、駅からも歩けるほどのところにあり、11:30からと13:00からの2回転。店内の席数が限られているため、必ず電話で予約をした方がいい。
炊きたてのご飯の匂いや、焼いた魚の匂いなど、運ばれて来る前から美味しそうな匂いがお店に広がっていく。
ご飯を口に運ぶと、何も引っかかることなく喉を通り過ぎてゆく。お水が美味しいから、ご飯もびっくりするくらい美味しいのだ。
小さな小鉢はどれも懐かしい味で、おかずの種類が多いことが楽しみに思える。
珍しくご飯のおかわりをいただき、金沢に来た喜びを噛み締めた。小鉢が10品くらい並ぶランチは1000円。こんなお店、東京には絶対にないよなあ…。
⭐️日々魚数寄 東木
076-224-4266
石川県金沢市此花町1-6
https://tabelog.com/ishikawa/A1701/A170101/17007935/

勝運の神様。

何をやってもなんだか停滞していてうまくいかない時期と、なぜだかトントン拍子で色々なことがうまく回り出すような時期があるのはなぜだろうか?
今年は僕の人生にとっては珍しく、びっくりするくらいの勝運がやってきてた。
何百倍という倍率を勝ち抜き、自分のアイデアが仕事で採用された時には、正直自分にこんな宝くじのような幸運が舞い込むとは思わなかったのだ。
その後も、お願いしたいと思った人選が二つ返事で決まっていったり、好循環というか、良い流れが次の良い流れに繋がっていくような感じなのだ。
そんな僕をそばで見ていたKが呟いた。
K「ただしくんの幸運は、去年風水の先生に見てもらってからかもしれないね…」
僕「あ…もしかしたらそうなのかもね…
でもふと思っていたのは、福岡に年末に行った時に、筥崎宮に行ったよね?元寇が来襲した時に2回も神風を吹かせて転覆させた筥崎宮の勝運なのかもしれないなって…」
K「福岡に行ったら、ちゃんとお礼参りにいかないとね」
僕「うん。そう思ってたんだ」
本当のところは自分でもよくわからない。でも、こんな風に、人生には時々、色々なことが良い流れに乗って運ばれていくようなことがあるものだ。
こんな時は感謝を忘れずに、この先何か良くないことがたとえ起こったとしても、『塞翁が馬』だくらいに思えば乗り越えていけるはず。

腰痛。

時々なぜかわからないのだけど、腰が痛くなる時がある。
ジムをしばらくぶりに頑張ったからか、たまに忙しくてデスクワークが増えたからか、頻繁にあるわけではないのだけど、ふと腰が痛くて靴下を履く時に不便だったり、ちょっと前かがみになる時に痛みが走る。
腰の痛みは、動けないほどの激痛ではなく、何とか動けるけど痛くて動きづらい…といった感じで、左右のどちらかに感じることがほとんど。
病院にかかったわけではないので正確にはわからないのだけど、どうやらこんな症状は、『坐骨神経痛』というものらしい。(加齢によるものという説はこの際無視しよう)
何度か経験しているこの坐骨神経痛が出た時には、僕の経験だと腿の裏側を伸ばすのがいいようだ。(あくまでも僕の腰の痛みの場合)
ソファや床に仰向けに座って、片脚を90度近く上げる。誰かに膝が曲がらないように支えてもらいながら脚をくの字のまま伸ばしてもらう。
これを伸びていく感覚が出るまで繰り返す。(ついでなので痛くない方の腰の脚もやっておくこと)
腿裏を伸ばした後は、痛みはかなり緩和されていると思う。
どうやら腰は、腿の筋肉と繋がっているため、腿裏の筋肉が縮こまるとそれに引っ張られて下がり、痛みを感じているようなのだ。
腰に痛みを感じたら、ぜひ試してみてほしい。

イロドリリターンズ。

およそ1年前に閉店した我らが『irodori』のスタッフやお客さんたちが、一日だけ場所を西荻窪に変えて集まった。
イロドリのシェフだったもっちゃんが腕を振るい、当日出されていた料理が次から次へと出されて、お客さんもスタッフも楽しそうに時間を過ごした。
当時のスタッフだったトランスジェンダー(MtF)のゆうこちゃんが、
「こないだテレビを見てたら、ただしさんが出て来てびっくりしたんです…私はただしさんたちのこと、力いっぱい応援してます」
と、声をかけてくれた。
今は女の子として普通に働き暮らしているゆうこちゃんも、イロドリを通して逞しく成長していたのだ。
いての日かまた、『irodori』が、新しくオープン出来ますように。

トランスジェンダー。

トランスジェンダーのことを、実はこの6年くらい前まではそんなに知ることはなかった。
周りにはゲイの友人たちばかりだったし、1人だけ親しい友人はいたけど、彼らの育ってきた環境や問題をそれほど突っ込んで聞くこともなかったのだ。
神宮前2丁目にみんなで作ったお店『irodori』は、そんなトランスジェンダーの人たちも働くことができるようにとの思いで作ったお店。『irodori』では、LGBTの枠では収まりきらない多様なセクシュアリティの人々が集い、自分がいかに他のジェンダーのことを知らなかったのかと思い知らされてばかりいた。
『新宿ダイアログ』が1月にオープンして、夜の部には、MtFのトランスジェンダーである瞬ちゃんが店長として頑張ってくれている。今日は、その瞬ちゃんのご両親が、はるばる鹿児島からやってきたので、スタッフや僕も混じってみんなでご両親と親睦を深める会が行われた。
ご両親は、東京で新しい仕事を見つけて頑張っている瞬ちゃんのことを心配して見にこられたのだろう。21歳の時に東京に出て行ってしまった自分の娘のことを、その後もずっと気にかけていたに違いない。将来、困ってもなんとか食べていけるようにと、お父さんは瞬ちゃんに手に職をつけさせようと思っていたと、何度も話していた。
性自認(自分の心の認識する性)が持って生まれた身体の性と違い、違和感を覚え始めた幼い頃からの話を聞きながら、様々な困難に遭遇し、東京に出てきて自立していくストーリーは、自分たちの人生とは大きく違っていて改めて驚かされる。
『新宿ダイアログ』は、そんな豊かな経験を持つ瞬ちゃんが店長ということが、何よりも魅力なのだ。

ブラック・クランズマン

スパイク・リーの映画を観たのは、随分久しぶりな気がする。僕がまだ学生の頃に『DO THE RIGHT THING』でアカデミー賞の脚本賞にノミネートされたスパイク・リーは、今回の『ブラック・クランズマン』において、見事に脚色賞を受賞した。(脚色賞とは、もともとあった原作を元に、作られた脚本に対して贈られる賞)
実は今回のアカデミー賞では、黒人映画がいくつか候補に名を連ねていたのだけど、結局作品賞をとったのは、マハーシャラ・アリ主演の『グリーン・ブック』だった。
『グリーン・ブック』は、日本人の我々が観ても感動する、観終わった後に、「ああ、よかったなあ・・・」という爽やかな余韻に浸れる映画だと思う。でも、同じように黒人が主人公であっても、この『ブラック・クランズマン』は、観ていてもハラハラするし、観終わった後には何とも言えない苦い味わいが口の中いっぱいに残っているような映画だった。
1970年代半ばに、コロラド州において黒人ではじめて刑事になったロンは、新聞広告に載っていた過激な白人至上主義団体の人員募集に目をつけ、自ら白人を装い電話をかけ、白人の刑事を自分の身代わりとして立てることで、団体の内部に侵入することに成功する。
これが、実話を元に作られた映画なのか・・・と思うほど、途中、潜入した警官がバレてしまうのではないか・・・とドキドキさせられ、黒人やユダヤ人に対する執拗な憎悪を何度も見せつけられるうちに、この憎悪はいったいどこから湧いてくるのだろうか・・・と考えさせられる。
エンディングでは、愕然とさせられるような映像が流されて、これからの時代、いったいどうなってゆくのだろう・・・と改めて、レイシズムの恐ろしさを考えさせられた。映画としては、素晴らしい作品だけど、自分が正義感に燃えて元気な時に観に行った方がいいだろう。
⭐️ブラック・クランズマンhttps://bkm-movie.jp

美々卯 新宿店

うどんすき

湯葉のチーズ揚げ

甘くない出汁巻玉子

寒い日や、何か消化のよさそうなものが食べたい時に、時々『美々卯』に行く。
大阪では言わずと知れた『うどんすき』のお店だけど、東京の人はほとんど知らないことが多い。
昔付き合っていた人が関西出身だったため、随分昔に連れて行ってもらったのだけど、その時まで僕は、『うどんすき』という料理さえ知らずにいた。
今日は、桜が咲き始めたにも関わらず、まるで冬のような寒さなので、何か温かいものが食べたいと思い『美々卯』に来た。
出汁巻玉子や湯葉のチーズ揚げを食べてから、うどんすきが1.5人前運ばれてくる。
このうどんすきなのだけど、2人前だとかなりのうどんのボリュームになるので、普通の食欲の人ならば1.5人前で十分だと思う。
お出汁をはった鍋に、店員さんがうどん、鶏肉、白菜、椎茸、タケノコ、湯葉、人参、アナゴ、ハマグリ、がんもどきなんかを入れてくれる。
鳥もも肉に火が通ったら、ちょうどいい食べごろで、食べ進みながら頃合いを見てフキを入れたり、ワカメを入れたり、車海老を加えていく。
うどんは、煮込んでも延びてぐにゃぐにゃになるようなうどんではなくて、しっかりとしてもちもちしている。
こうした甘くないお出汁で食べる文化は、どうしても東京にはないものだなあと、改めてお出汁で食べる和食は、関西には到底敵わないと思うのだ。
うどん好きなKも、うれしそうにパクパク食べていた。
⭐️美々卯 新宿店
03-5379-7241
東京都新宿区新宿3-37-12 新宿NOWAビル 6F
https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13004333/