東京に行った際に、娘に会うことにした。
僕が娘と呼んでいるゲイは2人いて、1人は台湾人のKNで今はもう働き出して数年経つので立派に独り立ちしている。
そしてもう1人は19歳の時に知り合ったSで、しばらく会わないうちに気づいたら22歳になっていた。
新橋のイタリアンレストランでランチを食べながら、近況を聞く。大学4年生なのに就職しなかったようで、これからバイトをしながらお金を貯めて、語学留学をしたいのだそうだ。
話を聞いていると、やりたいことが1つに絞ることが出来ないみたいで、あれもやりたい、これもやりたい、あれも興味あるし、こんなこともやってみたい…
恋人とも長続きしなくて、1年半で別れてしまったけど、この先も誰かと続くかわからない…
話を聞きながらイライラしてきたのだけど、自分が22歳の頃はどうしていたのだろう?と思い出してみるけど、大学には行っていたものの、やっぱり本当のところ何をしたいのか、わかっていなかったかなとも思う。
恋愛も長続きなどしなくて、短い恋愛を繰り返していた。結局僕も同じように中途半端だったのだ。
僕から出来るアドバイスなど特に何もないけど、自分が心動くようなワクワクする仕事をやった方がいいよと話す。給料が良くたって、その仕事が好きでなかったら毎日苦しいよと。
あとは、「ゴムだけはつけること。セックスをする時に俺に言われたことを頭の片隅で思い出すように」
「そんなこと言われたら思い出しちゃう」
「俺が背後霊のようにいつもついていられたら必要な時にゴムを差し出すのだけど、それは出来ないからな。自分しか自分のこと守れないからな」
若い時の性欲や熱情というのは、理性を越えて強い衝動に駆られることがある。
何の役にも立たないかもしれないけど、大切な人には「おやじくさい」と言われようとも言っておくのだ。