家族で過ごす大晦日。

おせち料理も今年は早めに作り終えて、のんびりと紅白を見ながら大晦日を迎えた。

晩ごはんはもつ鍋。野菜を切って温めた鍋に入れたら簡単に食べられる。

紅白は、クルマのナビを今年も持ってきて小さなナビ画面で見た。時々電波が悪くて固まったりしてたけど差し障りはなかった。

昔は2丁目で年明けを迎え、朝を迎えるまで友達と飲んで騒いでいたけど、今はこんな熱海の山の中で、パートナーと犬と一緒に温かな年の瀬だ。

今日でサラリーマンを卒業して明日からはフリーになる。今はドキドキワクワクしているけど、不安になることもある。

Kがふと言った。

「Kちゃんと海がただしくんを守るから大丈夫」

3人でいれば、来年もきっと大丈夫だね。

海さんが守ってくれる

おせち作り。

昨年は帯状疱疹を患っていたので、ほんの数品しかおせち料理を作ることが出来なかった。

今年は退社や家の契約、引越しの準備もあるので何もかも作ろうとはせずに、だいたい3日間で他のこともしながら無理なく作れる工程を組んでみた。

上の太字は買うものリスト。
出汁はクリスマス頃に引いておき、冷凍庫に入れておく。

29日は、日持ちのするものを中心に作る。それと同時に時間のかかる黒豆を温かくした液につけて戻しはじめる。数の子の塩漬けをはじめる。

30日は、朝から黒豆を煮つつ、紅白なますのために大根と人参を丁寧に切り揃えたり、少し面倒くさい八幡巻きを作る。数の子の皮を剥いて出汁につけて完成させ、ついでにおせちだけだと飽きてしまうので煮豚と煮卵も作っておく。

大晦日は、日持ちしない魚介類を中心に組み立てる。海老の旨煮・鯛の昆布締め・伊達巻・煮しめ・お雑煮の具材の下ごしらえ。

おせち料理は下ごしらえが沢山あってとても面倒に思えるけど、毎年少しずつ作りながら続けていくことで、自分なりのコツも掴めてくるみたい。

何よりも、黒豆を煮ているだけで、部屋中にいい香りが立ち込めてきて、ああ、今年も健康で無事に年の瀬を迎えることが出来たのだなあと思えるのだ。

娘とランチ。

東京に行った際に、娘に会うことにした。

僕が娘と呼んでいるゲイは2人いて、1人は台湾人のKNで今はもう働き出して数年経つので立派に独り立ちしている。

そしてもう1人は19歳の時に知り合ったSで、しばらく会わないうちに気づいたら22歳になっていた。

新橋のイタリアンレストランでランチを食べながら、近況を聞く。大学4年生なのに就職しなかったようで、これからバイトをしながらお金を貯めて、語学留学をしたいのだそうだ。

話を聞いていると、やりたいことが1つに絞ることが出来ないみたいで、あれもやりたい、これもやりたい、あれも興味あるし、こんなこともやってみたい…

恋人とも長続きしなくて、1年半で別れてしまったけど、この先も誰かと続くかわからない…

話を聞きながらイライラしてきたのだけど、自分が22歳の頃はどうしていたのだろう?と思い出してみるけど、大学には行っていたものの、やっぱり本当のところ何をしたいのか、わかっていなかったかなとも思う。

恋愛も長続きなどしなくて、短い恋愛を繰り返していた。結局僕も同じように中途半端だったのだ。

僕から出来るアドバイスなど特に何もないけど、自分が心動くようなワクワクする仕事をやった方がいいよと話す。給料が良くたって、その仕事が好きでなかったら毎日苦しいよと。

あとは、「ゴムだけはつけること。セックスをする時に俺に言われたことを頭の片隅で思い出すように」

「そんなこと言われたら思い出しちゃう」

「俺が背後霊のようにいつもついていられたら必要な時にゴムを差し出すのだけど、それは出来ないからな。自分しか自分のこと守れないからな」

若い時の性欲や熱情というのは、理性を越えて強い衝動に駆られることがある。

何の役にも立たないかもしれないけど、大切な人には「おやじくさい」と言われようとも言っておくのだ。

会社に行く最後の日。

今日は、30年近く勤めた会社に行く最終日だった。

パソコンを持って、スマホを初期化して、社員証と保険証も忘れずに家を出る。

汐留の会社に着くと、はじめて入る局に向かう。テレワークになってからオープンスペースになったため、自分のデスクもなくなったのだ。

パソコンを封筒に入れて、スマホや充電器も入れる。

保険証は受付に返却して、今後の保険は会社の任意保険なのか国民健康保険なのか選択をしなくてはと思う。どちらにせよ今年の給与で計算されるため、月額でも高いので驚いた。

帰り際に1階で社員証もバッジを預ける。意外にもあっさりと退社の手続きが終わった。

自分ではもっと、退職する時は感慨深いものだと思っていたのだけど、いつものように会社から家に帰るように出ることが出来た。

会社を出ながら思ったことは、ありがとうという感謝の気持ちだった。

時に忙しく働き過ぎた時期もあったけど、この会社が僕の人生に与えてくれた経験はあまりに大きく豊かなものだった。

世界各地にも行けたし、著名人にもたくさん会うことが出来たし、美味しいものをたくさんだ食べることが出来た。

28年間、本当にありがとう。

ガエターノ と並んで福岡でよく訪れたレストランはこの「橙」。大濠公園にある水炊き屋さんだ。

冬に福岡に行くと温かい料理が食べたくなるので、水炊き屋さんには一通り行ったと思う。そんな中でこの「橙」に繰り返し行くようになったのだ。


最初はお肉が少ないかなとも思うのだけど、大きな唐揚げを頼んだり、野菜を食べているうちにお腹はいっぱいになってくる。

福岡の人は水炊きは家で食べるものと言うけど、確かに、家族だ鍋を囲むのはこの時期ならではの贅沢だと思う。

お腹いっぱいになって身体中温まってゲイバー「SAFARI」に飲みに向かった。

ピッツェリア・ダ・ガエターノ JRJP博多駅店

薬院にあるピッツェリア・ダ・ガエターノ は、僕とKが何度も通ったピザ屋さん。そのガエターノに駅前店が出来ていて、この店だとランチの予約が出来たので、福岡在住の友人Gと久しぶりに会うために予約した。

友人は、古くは僕のお母さんみたいな友人と付き合っていた人で、昔は一緒にその当時僕が付き合っていた人と4人で伊豆に旅行に行ったこともある。

Gは元々福岡の人なのだけど、ずっと東京で暮らしていて、今は福岡と東京の二拠点暮らし、そのうち本拠地を福岡にするということだった。

生ハムやチーズを摘みながら話が弾む。和食のかしこまった店もいいけど、カジュアルなピッツェリアはよりくつろげるのだ。

このふわふわのチーズが美味しかった


友人が東京から離れてどこに行こうと、こうして会おうと思えば会える。僕たちが東京を離れるのは友人たちと離れる寂しさもあるけど、会おうと思えば飛行機でいつでも飛べるのだ。

僕たちの宮古島移住話を聞きながら大笑いしてとても楽しい時間だった。

⭐️ ピッツェリア・ダ・ガエターノ JRJP博多ビル店
050-5456-4149
福岡県福岡市博多区博多駅中央街8-1 JRJP博多ビル B1F
https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400101/40053075/

  • 鮨そえ島

    宮古島に移住したら、Kと2人なかなかこちらには戻って来られないし、好きな場所にも行けないと思い、長野や伊勢神宮をはじめいくつかの思い出の土地を訪ね歩いている。

    年始に京都旅行を企てていたのだけど、引っ越し準備が終わらないかもしれないと思い、先日泣く泣くキャンセルをした。

    今週末は、まだ大分にKが住んでいた時に年に4回くらいは通っていたふたりの愛する町である福岡に来た。

    福岡に来る時は、飛行機を降り立つと第二の故郷に帰って来たような不思議な安心感がある。

    父が生まれた土地というのもあるし、ゲイバー 「七男鳥」のマスターや店員さん、常連さんたちがみんなやさしく話しかけてくれるからだろう。

    今晩のご飯は、「鮨そえ島」。

    ゲイバーの連なる美野島商店街に近い場所にある寿司屋は、女将さんの温かく親しみやすいサービスが素晴らしく、シャイな大将も腰の低い穏やかな人だった。


    お寿司もどれも美味しく、シャリが少ないのが僕にはちょうどよく感じられた。

    生青魚が食べられなかったのが残念だったけど、また来たいと思えるコスパに優れたミシュラン一つ星店。

    ⭐️ 鮨 そえ島
    092-473-8122
    福岡県福岡市博多区美野島2-6-34 アスティオン美野島 1F
    https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400101/40045530/

    家でクリスマスイブ。

    日本ではクリスマスイブは、昔から恋人たちの特別な日のように思われてきた気がする。

    テレビドラマやマスコミがそうさせたのだろうけど、プレゼントを買って恋人とフレンチがイタリアンレストランで豪華なディナーを食べるみたいな感じだろうか。

    僕もひとりだった若い頃は勝手にそんなイメージに騙されていて、「今年もひとりきりのクリスマスイブか…」などと思っていたように思う。

    でも今は、Kや海という家族がいて、クリスマスイブは特別な日ではなくなった。

    ケーキ屋さんの端っこに残っているような1/4サイズのケーキを買って、晩ごはん、スーパーで買ったつまみ菜(色々な野菜の小さな芽を摘んだもの)に温泉卵とアンチョビやブラックオリーブを載せて、冷蔵庫にあった豚肉でトンテキを作る。冷凍庫にあったガーリックのバゲットを焼いて、日常ワインのスプマンテを開ける。

    贅沢なものなど何もないけど、家族と囲む晩ごはんはそれだけで幸せだ。

    野菜とフルーツ。

    先日、いつもよく行く新宿のピザ屋さんに入ったところ、「久しぶりにカプレーゼが食べたいね」と言ってカプレーゼを頼んだのだけど、出て来たものは、モッツァレラとシャインマスカットとイチゴだったのだ。

    僕とKは呆気にとられて、「あのー普通のカプレーゼ頼んだつもりだったんですけど…」というものの、当店のカプレーゼは季節によって変わるんですと言われて仕方なくシャインマスカットとイチゴのカプレーゼを食べた。

    野菜の代わりに果物が入っているこういう料理を、Kも僕もあまり好んで食べたいと思わない。

    生ハムメロンとかは随分昔からあったものの、ここ10年くらいだろうか、主に前菜で野菜の代わりにフルーツを使う料理が流行っている。桃モッツァレラとか、季節によって様々なブームがあったけど、どれもあまり好きになれなかったのだ。

    でも考えてみれば、野菜もフルーツも同じ植物の実。野菜とフルーツを勝手に分類したのは人間なのだ。

    だからきっと、野菜もフルーツも境目はなくて、同じように食材として自由に活用すればいいのだと思う。

    でも…でもだ。シャインマスカットもイチゴも桃も、そのまま食べた方が美味しいではないか。何も生ハムやモッツァレラと組み合わせなくてもそれだけで十分美味しいし、組み合わさったからといって美味しさが増すとはどうしても思えない。

    そんなこと思うのは、頭の中にきっと固定観念があるのだろうと思う。野菜の代わりにフルーツを使ってもいいではないか。食材に垣根などないではないか。

    そう言い聞かせても、僕の舌はなかなか美味しいとは思えないのだ。笑

    53歳になりました。

    朝、目が覚めたら横で寝ていたKも間もなく目覚めて、「今日は誕生日だね」と言った。

    その後、母から電話があり、ありがたいことに友人たちからLINEがポツポツと送られてきた。

    自分が53歳になるなんて考えたこともなかった。

    夜はステーキを焼いて、サラダとチーズを食べながら赤ワインをいただく。

    Kがケーキを昨日買って来てくれたので、部屋を暗くして2人でケーキを囲み、海にはヨーグルトをあげて、キャンドルを灯して、ハッピーバースデーを歌う。海はキョトンとして首を傾げている。

    一つひとつ年を重ねていくことで、よいことってなんだろう?

    去年の僕よりも、楽しいことや幸せなこと、悲しいことも含めてより多くの経験をしたことだろうか。

    身体は老いていくとしても、心には経験が加わり、より一層豊かになっていくのであればうれしいな。