引っ越し。

東京から熱海への引っ越しは、当日に荷物を全部詰め込んで終わり、翌日の届けという2日かけた計画になっていた。

午後15時に来た引っ越し業者さん6人体制の荷積みが終わったのは、20時を過ぎていた。僕たちは熱海で不動産から鍵をもらう約束になっていたので、荷積みが終わり掃除機をかけて、ベランダを綺麗にしてから原宿駅に向かった。

不動産屋さんに会えたのは、結局9時半くらい。車で家まで送ってもらって、初めて住む家に入る。荷物は何も届いていないので、毛布を二つバッグに入れて持って来たのだった。

今日は枕もないまま、二人で畳に横になって眠る。食べるものも明日のパンくらいしかないし、飲み物も少ししか持ってこなかった。

でも、こういう不便な夜も、いつか思い出になるだろう。

引っ越し前夜。


明日が引っ越しだというのに仕事を休むこともできず、夜の7時過ぎにやっと帰ってきた。

Kは黙々と荷造りをしていて、残るは僕の洋服類と、最後にしまう食器類、それと掃除くらい。今回の引っ越しは僕はほとんど何もせずに、Kがほとんど包んで詰めてくれた。

引っ越しって、想像を超えるエネルギーがいるものだ。今回は到底僕一人ではできなかっただろう。

「かご屋さんですか?」「土鍋屋さんですか?」「飲食関係のお仕事ですか?」引っ越し業者さんが驚くくらいの荷物は、新居にちゃんと収まるのだろうか?

忙しい日々の中で。

仕事が忙しく、3時過ぎまで企画を考えていたり、午前2時頃起き出して企画を考えたり、そんな日々がもうかれこれ3ヶ月以上続いている。

Kは僕の心身の健康を心配してくれていて、「もう、このクライアントの担当から外れて!」と言っているのだけど、僕としては今進行中の仕事を途中で投げ出すわけにもいかず、「この3本のCMを作ったら一息つけるから、それまではごめんね」と言いながら、毎日なんとかしのいできた。

でも、なかなか思うように企画が通っていかず、さすがに僕も不安になりぽつりと呟いた。

「Kちゃん、俺、ずっと頑張っていたんだけど、なかなか思うようにいかないみたい・・・」

するとKが間髪入れずに言った。

「ただしくん、いつでもそのクライアントやめていいから。Kちゃんがいるから大丈夫」

Kの顔は真剣で、僕を見つめながら僕のクライアントに対して湯気を出して怒っている顔だった。

世界で急に不安に襲われたとしても、たった一人の味方がいてくれるだけで、なんとか今日も生きていけると思えたのだ。

TAVETHAI KITASANDO

北参道のOKストアのそばに、「ガパオの専門店」が出来て、やっと食べることができた。

唐揚げ

鶏肉のガパオ

豚肉のガパオ

「TAVETHAI KITASANDO」は、持ち帰りのガパオ専門店。アジア料理って、時々無性に食べたくなるけど、あまり現地にあるような料理に出会うことは少ないものだけど、ここの味は、辛さ以外は日本ナイズされておらず、とても美味しかった。

⭐️TAVETHAI KITASANDOhttps://tavethai.com

Kの退社。


Kが、東京での病院務めを今日を持ってやめて帰ってきた。
僕は、先に家に帰って晩御飯の準備をしていて、お花でも買ってくればよかったなあ・・・と思っていたのだ。

しばらくして帰ってきたKは、花束を抱え、お菓子などの入った紙袋も抱えていた。

都立大学の病院では、休みがなかなか取れず疲弊していたKを見るにみかねて、現在通っている病院を勧めたのは僕だった。

そしてこの病院に通うKは、みるみるうちに元気を取り戻していって、見違えるように明るくなった。この時に思ったことは、人は、働く環境によって幸福にもなるし不幸にもなるということ。

病院の上司からは、「また東京に戻ってきたら、こちらで働いて欲しい」と言われたそうだ。それと、女の子の手紙入りのお菓子も入っていた。文面からすると、Kのことが好きだったようで、周りから愛されていたのだな・・・と僕もうれしく感じたのだった。

引っ越しの荷造り。

引っ越しのたびに、お皿やコップが割れる。割れてしまっても引っ越し屋さんには弁償してもらえず、どんなに高いお皿であっても諦めてきた。(家具の場合は保険に入ることができる)

今回の引っ越しではどうしたものかと考えていたところ、せっせと毎日荷造りをしてくれるKが、お皿やコップの一つ一つを丁寧に包んでくれていた。

しかも、包んだグラスをいちいち「ゴブレット」「ワイングラス」「シャンパングラス」などと書いてくれている。

僕はいつも、ざっくりとプチプチで包んで横にしてそのまま入れていたのだけど、Kはネットで調べてくれて、ワイングラスも立てて入れるという指示に従って箱詰めしてくれた。

持つべきものは、丁寧な仕事をする恋人だ。僕のような大雑把な人間が二人でなくて、ほんとよかった。

焼肉うしかね

新宿1丁目にある焼肉屋さんの前を通り、山形牛一頭買いの看板につられそのままランチに。

ハラミ

盛り合わせ

150gの盛り合わせと、150gのハラミ。これがとてもお得感があり、山形牛の肉自体がとても柔らかく美味しかった。
東京に住んでいたら、また通いたいと思った焼肉屋さん。

⭐️

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引っ越しまで1週間。

ユリの木

引っ越しまで1週間なのに、仕事にかかりっきりで何も準備が進んでいない。Kが一人で頑張ってくれているものの、僕の荷物が膨大にあるため、終わるのかどうかさえも見えない。

焦る気持ちもありながら、東京で過ごす最後の週末だと思い、新宿御苑に向かう。自分たちの庭のように毎週末のように訪れた新宿御苑とも、一旦はこれでお別れとなってしまう。

新宿御苑のシンボルツリーとも思える「ゆりの木」にお別れを告げる。

僕たちはここで、大きな木を仰ぎながら深呼吸をして、自然を味わっていたのだ。そしてこれからは、山の中での暮らしに舵を切る。

明治神宮。


時々、明治神宮に行く。

心が疲れている時や、ちょっと不安な時、落ち着きを取り戻したい時などに。

北参道から明治神宮に入り、ゆっくりと歩いていると樹々の匂いに清々しい気持ちになる。

本殿でお参りをして、深呼吸をする。

そしてまた歩きながら、ほんのすこし心が軽くなったように思えるのだ。

これからは明治神宮にもなかなか来られなくなってしまうので、「来宮神社」に行くことにしよう。

神社は僕にとって、昔からホッとする場所なのだ。

Bridge13周年パーティー

早いもので、新宿2丁目の「Bridge」が、13周年を迎えた。今年はコロナの影響もあり、今週1週間が周年ウイークで、平日もパーティーをやるというので、僕たちは木曜日に出かけた。

久しぶりのBridgeは、懐かしい顔ぶれも集まっていた。

今年に入って、ほとんど顔を出せずにいたけど、これからもずっとずっと僕たちの温かなHOMEであって欲しいと思った。

それにしても熱海に引っ越したら、それこそ2丁目とはお別れだな・・・。まさか14歳から遊んでいた2丁目に、自分が行かなくなる日が来るなんて思いもしなかったな・・・。

自分でも未だに信じられずにいる。