Kが、東京での病院務めを今日を持ってやめて帰ってきた。
僕は、先に家に帰って晩御飯の準備をしていて、お花でも買ってくればよかったなあ・・・と思っていたのだ。
しばらくして帰ってきたKは、花束を抱え、お菓子などの入った紙袋も抱えていた。
都立大学の病院では、休みがなかなか取れず疲弊していたKを見るにみかねて、現在通っている病院を勧めたのは僕だった。
そしてこの病院に通うKは、みるみるうちに元気を取り戻していって、見違えるように明るくなった。この時に思ったことは、人は、働く環境によって幸福にもなるし不幸にもなるということ。
病院の上司からは、「また東京に戻ってきたら、こちらで働いて欲しい」と言われたそうだ。それと、女の子の手紙入りのお菓子も入っていた。文面からすると、Kのことが好きだったようで、周りから愛されていたのだな・・・と僕もうれしく感じたのだった。