筒城浜の一日。

筒城浜海水浴場

海の家からの眺め

朝釣って来たイカを捌いてくれた

昨日はツインズビーチでバーベキューをやり、50名いた内の半数くらいは日帰りで福岡に帰って行った(日帰りチームはほとんど若い子たちであり、一泊する余裕のある人たちは、どこか貫禄のあるメンバーだった)。
今日は、海の家を一日借り切って筒城浜でのんびりと過ごす。ビーチに着くと、昨日のツインズビーチとはまた違った真っ白い砂浜が目の前に広がっていた。まだ10時前なのに、誰からともなく「ビール飲もう」と言い出し、みんなお酒を片手に海を見ながらのんびりとした時間がはじまった。
海で泳いだり、浮き輪に乗って沖に向かったり、マリンスポーツを楽しんだり。
みんなが海の家でおしゃべりしている時に、僕は急にひとりで海に出てみたくなった。海に出て浮かんでみたくなったのだ。沖に出て海に浮かびながら、なんとなくいつもの呪文が口から自然にこぼれ出した。
「ありがとう」「ありがとう」「ありがとう」「ありがとう」(実はもう、「ありがとう」を日課にしはじめて、7万回以上唱え続けている)
何百回か過ぎて、ふと人の気配がして横を見ると、僕たちと同じように東京から参加したHさんが立っていた。
H「なんでそんなにずっと浮かんでいられるの?」
僕「いやあ、恥ずかしい!今、呪文を唱えていたんです。いつもそうなんですけど、ありがとうって言葉を、時間があればいつでも唱えているんです・・・特に宗教ではないんですけど・・・」
僕とパートナーのKは16歳違いで、HさんとパートナーのHAさんも16歳違い。僕は48歳で、Hさんは60歳。お互い、これまでの身の上話から、16歳も若い恋人を持つ年上としての話が自然とはじまった。
Hさんは、若い時に年上の人と付き合い出して、そのまま事業を一緒に立ち上げたらしい。数年前にそのパートナーの人は急に亡くなってしまったのだけど、ふたりはきちんと養子縁組をしていたお陰で、その事業を今もHさんは引き継ぐことが出来たと言う。
H「HAはまだまだ若いから、
あいつの好きなように生きさせてあげたいんだよね・・・
HAに次に好きな人が出来たら、
喜んで送り出してあげようと思ってるんだ・・・
それが年上のつとめかな・・・と思って・・・」
Hさんの話を聞きながら、Hさんの真剣な目を僕は見ていた。
青い空に白い雲が浮かんでいて、
せつなさと一緒に、Hさんのやさしさを感じた。

美しい壱岐へ。

ヴィーナス二号で1時間ちょっと

ツインズビーチ

島来荘の舟盛り

昨年、福岡のゲイバー『七男鳥』のマスターに誘われて日帰りで参加した壱岐旅行が思いの外楽しかったので、今年は月曜日に代休を取り日曜日から一泊で参加した。
博多港から、ヴィーナス号で1時間ちょっと。青い海の中に島が見えてきて鄙びた港に到着する。民宿の車でそのままツインズビーチへ着くと、碧い海と、先に到着していた日帰り組が待っていた。
総勢50名くらいだろうか、みんな揃ったところで乾杯して、海へ飛び込んだり、各自が思い思いのことをする。
お昼前からバーベキューがはじまり、はじめての人とも少しずつうち解けてきた。
ツインズビーチには人影もあまりなく、午後はマリンスポーツをする人やビーチバレーをする人、浮き輪ではしゃぐ人など、みんな自由に楽しんでいた。
壱岐の島自体は博多港から1時間という近さなのに、壱岐はどこか観光地というよりもあくまでも漁村という趣があるところが好きだ。
お酒を飲んで、子どものように海で遊んで、僕たちの夏休みはクライマックスを迎えている。

ダブルの部屋。

午後早めに博多に着いた。
(この頃は、自分がどこどこにいるということを、リアルタイムでネットに上げない方がよいらしい。空き巣が入ったりするのだそうだ。残念ながら僕の家には、空き巣が喜びそうものはないのだけど…)
ホテルにチェックインする時に、フロントで…
フロント(女性)
「〇〇さまですね。
ダブルのお部屋ご一泊…
あのお…男性お二人で、ダブルのお部屋ですが、
大丈夫でしょうか?
こちら、ダブルのお部屋おひとつしかご用意しておりませんが…」
僕「大丈夫です。僕たち、カップルなんです」
フロント「もしかして、男性と別の女性ですか・・・?」
僕「あのー、ですから、僕たちカップルなんです」
フロント「え?えええええ⁈!!!!」
ホテルでこんな風に聞かれて一瞬たじろいでしまったのだけど、こんなことはザラにあるのではないだろうか?
僕は、しっかりと目を見てこんな風に答えたけど、こんなこと面と向かって聞かれたら、ちょっと困ってしまうのではないだろうか?
セクシュアリティがどうであれ、一人ひとりがもっと暮らしやすい世の中になるために、僕たちの国は、もっともっと変わっていけるはず。

=

金曜日は、今年いちばん気を遣う撮影だった。
今まで仕事で撮影をしてきた回数は100回は軽く越えると思う。そうであっても、まだ本番では緊張をするものだ。特に被写体が著名人の場合、前日から本番直前まで緊張はマックスになってゆく・・・。
本当は当たり前のことだけど、年月を経て改めて気づかされたことがある。
それは、タレントも、クライアントも、カメラマンも、監督も、カメラマン助手も、美術も、スタイリストも、メイクも、照明も、スタジオさんも、誰も彼も、みんなイコール(平等)だということ。
それぞれが、自分の人生、自分の物語を生きているのだ。
昔はそんなこと頭ではわかっているつもりでいても、改めて気づかされた。
有名人だったり、お金を持っていたり、社会的な地位が高かったりしたとしても、基本的に人間に上下はないということを。
ひとつの大きな撮影を終えて、ひとりずつみんなに「ありがとうございました」と伝えた。
カメラマンの助手やスタジオマン、スタンドインの人たちは、ちょっと驚いていたけど、でもいつか、彼らもわかる日が来るだろう。

家で待っていてくれる人。

家から遠くのスタジオで撮影の準備があり、帰りが予定よりも遅くなりそうになった。
Kには、冷蔵庫の中に塩を振って焼くだけの鶏肉や、切った野菜があるので、あとは冷凍庫の豚肉を解凍してしゃぶしゃぶにして先に食べるようにとLINEを送った。
K「はーい。たまにはKちゃんが用意するよ」
僕「家に着くのは9時を過ぎそうだから、先に食べておいてね」
9時過ぎに家が見えて来ると、家の明かりが灯っているのが見えた。
ドアを開けると、「チューハイ買って来てくれた?」と聞かれ、「あ、駅からはLINE見てなかった。ごめん」と答えた。(その後、下のコンビニまで買いに行った)
テーブルには料理がいくつも並べられていて、Kが疲れて帰って来た後に一生懸命準備してくれたことがわかった。
Kは、僕の教えた通りに料理をこなす。変化球はないけど、素直な性格なのでしゃぶしゃぶもちゃんと80度のお湯で茹でてくれていて柔らかかった。
家で食べるご飯が、一番おいしい。
疲れて帰って来た時に、家で待っていてくれる人がいるということは、それだけでなんて幸福なのだろう。

岩崎航さんの記事。

以前、仕事で興味を持ち、ここにも一度取り上げたことのある詩人『岩崎航さん』の素晴らしい記事がBUZZFEEDに載っていたので、ここに貼りつけておきます。
岩崎航さんは、次第に筋肉が萎縮してゆく筋ジストロフィーという難病を抱えながら、詩やエッセイを書いていらっしゃる人。
昨年の7月26日に起きた、相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」に入所する重度障害者19人が元職員の男に殺害され、入所者と職員の27人が負傷するという驚くべき事件について書かれている。
様々な障害を抱える人たちと一緒に、当たり前のようにみんながこの国で生きてゆくためにはどうしたらよいのか。
日頃僕たちがなかなか考える機会のない話、けれども今、この国にとって重要な話を、わかりやすい平易な文章で書いていらっしゃる。
⭐️詩人:岩崎航さんの記事BUZZFEEDhttps://www.buzzfeed.com/jp/wataruiwasaki/sikatanaiwonorikoeru?utm_term=.cd5GB8kBQe#.qxKRKr5KBY

美容師さんと息子。

いつもの美容院で髪を切っていたら、僕の髪を切ってくれている女性の美容師さんの旦那さんと男の子3歳くらいが入ってきた。
旦那「ここに残る?」
男の子「うん。お母さんがいい」
旦那さんは先に帰り、男の子は美容院に残った。そして少ししたら大きなモップを見つけて、床に落ちた僕の髪を集め出した。
美容師「〇〇くん。向こうに小さなホウキがあるから、それではいてくれない?」
すると、男の子は小さめのホウキを持ってきて、やっとの思いで髪の毛を集めはじめた。
その仕草を見ている美容師さんの目が、とてもやさしそうに見えたのだ。
子どもの仕草はとても愛くるしく、お母さんのために一生懸命ホウキで掃いて集めている姿を見ていたら、なんだか僕まで胸が熱くなってしまった。
お母さんも、お父さんも、キラキラと輝く宝物のような子どもの笑顔や愛を毎日見ながら、きっと自分は世界一幸福なのだと噛み締めているに違いない。
愛する人がいるということ。それだけで世界一幸せなこと。

ゴーヤー。

沖縄では、ゴーヤではなくゴーヤーだそうだ。
小さな頃から食べていたわけではないので、ずっとこの苦味に慣れることができずあまり好きになれずにいた。
それでも、夏の暑い盛りに元気に成長することや栄養を考えると、この夏はゴーヤーを克服してみようかという気になり、3日に一本くらいの割合でゴーヤーを食べている。
苦味を気にせず美味しくいただくためにどうしたらいいかと、スライスする厚みを変えてみたり、塩をまぶしたあと水につけて絞ってみたり、熱湯でサッと茹でてみたり…中には砂糖をまぶしておくなんてレシピもあったけど、それはやっていない。
そんな中で僕なりに美味しかった食べ方は、定番としてはシーチキンと玉ねぎとマヨネーズで和えるサラダ。(ゴーヤーチャンプルーも定番だとは思うけど、なぜだかあまり好きになれずにいる)
それと、美味しいのは梅肉和えだ。
⭐︎ゴーヤーの梅肉和え
〈梅肉ソース〉すべてを混ぜ合わせる。
梅干し(2つをタネを取り除き刻む。もしくは練り梅で)
薄口醤油小さじ1/2
味醂小さじ1/2
酒大さじ1
ゴーヤー半分(縦に切って、ワタに苦味はないが食べにくいのでスプーンでワタを取り除く。出来るだけ薄くスライスして塩小さじ1/2をまぶして10分おく。苦味が苦手ならば水でさっくりさらす。)
ゴーヤーと梅肉を和える。

ダイ・ビューティフル

タイの映画『アタック・ナンバーハーフ』というコミカルな映画があるのだけど、その手の映画かと思って見に行ったら、今回のフィリピン映画『ダイ・ビューティフル』は、全く違った誇り高いトランスジェンダーの映画だった。
トリシャは、小さな頃から女の子としてミスコンで優勝することをひたすら夢見ているような男の子。やがて高校になってその思いはますます強くなり、保守的なお父さんには受け入れられず、家を出てミスコンの女王になる道を選ぶ。
この映画は、トランスジェンダーのトリシャの誇り高く生きる姿と苦悩、そして、トリシャを支える周りの人々のやさしさを描いている。
映画の随所で爆笑してしまい、所々で泣ける。それはきっとトリシャが、辛いことや悲しいことを笑いにしてしまうようなおおらかさとやさしさがあるからだろう。
見事ミスコンに輝き、急死してしまったトリシャは、死ぬ前に友人に自分の葬儀の仕方を伝えていた。
それは、7日間、ジュリアロバーツ・アンジェリーナ・ジョリー、マイリーサイラス、レディガガなどセレブリティのメイクと格好をして、笑って送り出すことだった。
この夏必見の一本。
⭐︎ダイ・ビューティフルhttps://www.cocomaru.net/diebeautiful

夏には夏の、庶民的な花を。

緑色の百日草といい香りのするゼラニウム

大葉ではなくコリウス

家にいつも花を絶やさないようにと、どんな季節でも飾っておくことは、思いのほか難しいことだ。
秋から冬、春まではなんとかなる。でも、梅雨から灼熱の夏、そして残暑が続き秋の涼しさが戻るまでは、東京で花を絶やさないでいることは難しい。
カサブランカも、ランも、いけた水にすぐに細菌が繁殖して、茎の下から日に日に腐っていってしまう。
でも、毎日の家の中にある花は、花屋さんで売っている花でなくてもいいのだと思い(秋から冬、春は当たり前のこと)、南向きのベランダの暑さに負けずどんどん伸び続けているこのブログにも書いた『百日草(ジニア)』や、葉っぱの美しい『コリウス』を切って飾ってみた。
すると、朝会社に行って夕方帰って来ても、水は腐っておらず、百日草の花はピンとしたまま、コリウスも美しい緑の葉をしっとりと広げているではないか。それも、何日経ってもゆっくりと花色は変化してゆくも衰えることを知らない。
考えてみたら当たり前のことだけど、夏には夏の暑さに強い花をいければよかったのだ。
それも、どこかよそ行きのひまわりなんかではなく、地べたで座っておしゃべりしているおばさんのような『百日草』やどんな太陽にも負けない『コリウス』のような植物たちを。
小学生の時から何十年も園芸をやっているけど、こうやってまた新しい発見があることが、園芸の底なしの魅力なのだろう。