irodori ありがとうございました。

およそ4年前に友人たちの協力のもと、みんなで立ち上げたお店『irodori』が、3月31日を持ってクローズする運びとなった。
オリンピックに向けて再開発が進む神宮前や千駄ヶ谷界隈は、ビルの立て替えや、更地にして売り払うという、かつてない不動産の動きが活発に起こっている。
思えば4年前、『LGBTの人たちが新宿2丁目以外でも普通に気兼ねなく集まれる場所を』とか、『LGBTの人たちが、自分のセクシュアリティや性的指向を隠すことなく、働ける場所を』と、様々な知恵を出し合いながら手探りで作り上げていったのだった。
(実際に、トランスジェンダーの人たちは、ありのままの姿で働ける環境が、他のセクシュアリティのように広くはないのが現実なのだ)
その後、ここを拠点として渋谷区と協議を重ねながら、『渋谷区同姓パートナーシップに関する条例』が可決され、世の中のLGBTムーブメントが動き始めたのだった。
『irodori』に行けば、きっと誰かに会える。そんな風に、いつも仲間たちが温かく迎えてくれるお店であり続けてくれた。
一旦はクローズとなってしまう『irodori』に、最終日には沢山の人が集まってくれた。
僕も、海外から友人が来ていたり他の用事もあったので夕方に顔を出した後、一旦新宿に行っていたのだけど、そこからLINEで呼び戻され、9時頃に戻るとお店は沢山の友人たちで溢れ、中には涙を流している人もいた。
最後に、ちょっとだけみんなの前で挨拶をさせていただいて、思いの丈を話すことが出来た。
様々なセクシュアリティや違いを持った人々が集い、だからこそキラキラと輝く場所であるという『irodori』のロゴに込めた思い。そして、『irodori』とは、実は回文のようになっていて、これからも決して終わることなどないということを。
4年間、『irodori』に来てくださった方々へ。本当にありがとうございました。
また次の『irodori』でお会い出来ることを、楽しみにしています。

『OUT IN JAPAN』in 福岡

『OUT IN JAPAN』の撮影会が、久しぶりに福岡で4月14日(土)に行われる。カメラマンはいつものようにレスリー・キー氏。
これを機会に、カミングアウトをしてもいいかも・・・っていう人も、
レスリーにポートレイトを撮ってもらいたい人も、
興味はあるけど、カミングアウトするほどの勇気がない人も、
まずは現場に来てみて、周りの空気感を味わってみませんか?
当日は僕も、会場でお待ちしています!
「パートナーシップ宣誓制度」を4月から導入する福岡市後援のもと、LGBTなどの性的少数者をテーマとしたシンポジウム、写真展、市民参加ワークショップ「ヒューマンライブラリー」、写真撮影会を開催。
⭐︎【福岡市後援】KABA.ちゃん、レスリー・キーによる『LGBTについて知ろう、学ぼう、語り合おう』シンポジウムを4月14日(土)に開催!カミングアウト写真企画「OUT IN JAPAN」撮影会も!https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000019571.html

千鳥ヶ淵の桜。

桜が盛りを過ぎようとしているのを感じ、どうしても今見に行かないと…と思い、仕事を早めに切り上げて、Kとふたり千鳥ヶ淵に向かった。
昨年夜桜を見に訪れた時には、あまりの人の多さで疲れてしまい、あまり桜も楽しめなかったのだけど、夕方の千鳥ヶ淵は、僕が小学、中学、高校生の時に毎年来ていた頃に見ていたような、豪華な桜が咲き誇っていた。
東京にはさまざまな桜の名所があるけど、僕の中では千鳥ヶ淵の桜が一番美しいと思う。
水があってお濠があること、下に向かって伸びてゆく絢爛豪華な桜は、日本の城とよく似合うものだ。
Kは、人ばかり見ていて桜なんかあまり興味もなさそうだけど、空いていた岩に腰を下ろすと、待っていたようにハンバーガーにむしゃぶりついた。
Kの楽しそうな顔を見ながら、また来年もこうして同じように、桜をふたりで見に来たいと思ったのだ。

眠れない夜に。

だいたい2時過ぎだろうか、時々夜中に目が覚めることがある。
トイレに行って枕元に置いてある水をひとくち飲んでもう一度寝ようとベッドに入るけど、起きてしまったせいで目が冴えてなかなか寝付けないこともある。
色々なことが頭の中を駆け回ったり、仕事のこと、母のこと、年をとってゆくこと、10年後や20年後30年後のこと…
普段はあまり考えないようなことが次から次へと頭の中を駆け回り、目はどんどん冴えて更に眠れなくなってゆく。
そんな時、隣で熟睡しているKの息づかいを聞いてみる。
完全に安心しきって、花粉症で鼻が詰まっているのか、口を開けて時々いびきをかきながらよく寝ている。
「ああ、俺もこんな風に朝まで一度も起きずに眠りたい…」
この子は、27歳の時に僕とインターネットで出会って、その後大分と東京で暮らしていたのに、30歳で仕事をやめて、仕事も何もないまま丸裸で東京に出て来たのだ。
16歳も年の離れた僕と、人生をともに歩いていこうなんて、よくも思ったものだと思う。
なんの取り柄もない僕との人生を選ぶなんて、なんて大きな人生の賭けに出たのだろうか…
そんなことを考えながら、手を伸ばしてKの手を触ってみる。
僕の手に気づくと、眠ったままKは手を握り返してくる。
しばらく手を握りながらあれこれ考えているうちに、いつのまにか僕も眠りに落ちてゆく。
眠れない夜に隣にパートナーがいることは、それだけで宝物なのだ。

大さじと小さじ。

先日、無印週間(〜4/3まで)のため商品が10%安いということで買い求めたのが、この料理用の大さじと小さじ。
家にはいくつも大さじも小さじもあるのだけど、無印のは柄が長く、おまけにサジの中に目盛りがあって半分の量が目で見えるようになっている。
実際に家で使ってみると、大さじ2分の1なんかぎ簡単に計れたり、たとえばスープに塩を入れた時に、そのまま長い柄があるのでかき混ぜて溶かしたり、サラダの時にビネガーやオイルを入れたあと、簡単にかき回せたり、何かと便利なことがわかった。
よく考えられて商品作りをしている無印良品を、改めてすごいなあと思ったのだった。
お料理をはじめてみようという人は、必ず大さじと小さじを揃えた方がよい。
料理は愛情では作れなくて、技術なのだ。
化学の実験のように、目分量ではなくきちんと量を計ることが、美味しい料理の基本。
慣れて来ると、塩や醤油の量は、だいたいわかってくるものだけど、それまでは繰り返し計ることが美味しい料理への近道だと思う。

春の到来。

Kと植えた草花と球根

ジューンベリー

競い合う水仙たち

日曜日に新宿御苑を訪れたら、桜はもう満開を迎えていた。
この頃の新宿御苑は、オネエさんたちの数がグッと減ってしまったようで、今では新宿中央公園に集まっているそうだ。
あんなに寒かった日々が嘘のように、あっという間に本格的な春がやって来たのは、家のベランダだって同じこと。
桜の後を追うように、家のジューンベリーの蕾が開きはじめたのを見つけた。
Kとふたり、12月に植えた大きな鉢は、草花が競うように一心に太陽に向かって背丈を伸ばし続けている。
その茂みの間からは、ムスカリや水仙の花が開きはじめて、どうやらチューリップの茎までぐんぐんと見えはじめた。
朝起きると、ベランダの草花やバラの枝を見ながら目を皿のようにして、昨日とは違ったところはないかと探すのは、たった1日であっても、この時期の植物が驚くほどの変化をしているから。
どうやら、小さなバラの蕾も、そこここに見えはじめた。

ニューヨークへいこう。

昨年の年末に、劇団ぺんぺんがやった芝居『WHOSE PARTY?』の原作は、もともと1968年にオフブロードウェイで上演された『THE BOYS IN THE BAND(邦題:真夜中のパーティー)なのだけど、その『真夜中のパーティー』が今年、ALLゲイのキャストでブロードウェイに蘇るのだそうだ。
そんな話を聞いたのは、昨年のぺんぺんの芝居の便りが届いた頃。思わず、「ああ、絶対に観に行きたい。観に行きます!」みたいなことを、ブリママ(新宿2丁目のbridge のママ)に言ったのだった。
しばらくしたらブリママが、「あ、そうだ、ただし。真夜中のパーティーのチケット取ったからね・・・」と言うのだ。
そこで慌ててKに、「Kちゃん、今年は本当にニューヨーク行くことになりそうだけど、Kちゃん休めるかな?」と聞いてみた。Kは転職して働きはじめてから、まだやっと1年経ったくらいなのだ。それなのに、10日間の休みを取ることが出来るかわからなかったから。
ある日、勤め先の病院から帰ってきたKが、「たぶん休めそうだよ」と言うのだ。
僕「Kちゃん、ニューヨーク行ったら、どこに行きたい?何したい?」
K「え・・・セントラルパーク?」
僕「他には???」
K「わかんない」
Kがセントラルパークと答えたのも、こないだぺんぺん草で飲んでいた時に、ぺんぺん草のマスターに言われたからに違いない。
マスター「あんたね。ニューヨークに行ったら、とにかくセントラルパークへ行って歩くのよ!」
僕がちょっと気になっているのは、都市や町が好きな僕と違ってKは、基本的にはリゾートが好きなところ。沖縄の海へ行ったり、バリ島の島でのんびりするのが好きなようなのだ。
ニューヨークの自己主張の強い人たちに囲まれた旅行で、Kはいったいどんな風に思うのだろうか・・・と。
そんなこんなで、今になって飛行機なんかを調べはじめたところ。どうやら今年はニューヨークにふたりで旅行に行くことになりそうです。

BPM

AIDSが世界で知られるようになって10年は過ぎていたのに、まだ得体の知れない不気味な病気で、世界中で猛威を振るいまくっていた90年代。パリでも沢山の人が次々と亡くなっていっていた。
そんな中でもフランス政府や製薬会社は具体的な対策を示すことはせず、製薬会社の研究も公にされることがなかったのだが、『ACT UP PARIS』のメンバーたちが立ち上がり、過激な啓蒙活動を繰り広げていた。
この映画は、90年代のあの切羽詰まった空気感を余すところなく伝えようとして制作された映画であり、一人一人の演技に引き込まれ、まるでドキュメンタリーのように感じてしまうのは、監督自体が当時の『ACT UP PARIS』のメンバーだったからだそうだ。
余命がカウントダウンされるような人々が立ち上がり死に物狂いで、国や製薬会社に立ち向かってゆく勇敢な姿は、時代が過ぎても尚、今のLGBTである僕たちの未来に光を照らし続けている。
こんな映画が、普通に新宿や渋谷で上映されていること自体に感謝したくなる、素晴らしい作品。
⭐︎BPMhttp://bpm-movie.jp/sp/

電気料金の見直し。

2段料金と3段料金が安くなる。

ある朝、会社に出かけようと思ったら、東京ガスの検診の女性が家の前に来ていた。
挨拶をして行こうとすると、「あのー、電気代金も東京ガスでまとめると、お得ですよ」と声をかけて来た。
僕「あー、最近は東急なんかもやってますよね?本当にお得なんですか?」
女性「すぐに試算が出来ますので、ご都合の良い時に伺いますよ。電気代がわかるものをご用意しておいてください」
そんなやりとりをして、試算が出るのならば一度見てもらおうかと東京ガスの方を呼んでもらった。
料金表を見て、小さな機械に打ち込み、ざっと数字が出てきた。
女性「一年間でだいたい8000円くらいはお安くなりますよ」とのこと。
女性「真冬はおいくらくらいですか?」
僕「1万5千円とかいきますね…」
女性「それなら多分、その月は10%安くなります。1万円以上は10%で、1万円以下は7から8%お安くなるんです。電気代が高い方が、下げ幅が大きいんです」
僕「そしたら、年に1万円は安いかもしれませんね…」
女性「東京ガスは、途中でやめてまた東京電力に戻っても、解約金とかないんです。これは、他なら解約金とか、最低一年間とか決まりがあるところが多いのですが…」
僕「じゃあ、試しに替えてみようかな?お願い出来ますか?」
東京電力から東京ガスへの移行はとても簡単で、自分の名前をサインするだけで電気会社にも全て連絡をしてくれるとのことだった。
⭐️電気代を東京ガスに変更して、安くなる部分は、電気の料金表に書いてある、電力量というところの、2段料金と3段料金のところ。1段料金のところは、東京電力が少し安い設定なので、電気代が少額の方は、東京電力のままの方がお得かもしれない。
前に、スマホをドコモから格安SIMに替えたら、1万円以上していた支払いが毎月千円代になった。
それに味をしめた僕は、少しでも安くなるものはないかと探していて、公共料金が年額1万円も下がるのならば、替えない手はないではないかと思ったのだ。

エンジェルズ・イン・アメリカ 第二部 ペレストロイカ

ロンドンのナショナルシアターで行われた芝居を映画館で観ることのできる『ナショナルシアターライブ』で、『エンジェルズ・イン・アメリカ』の 『第二部 ペレストロイカ』がやっている。しかも、22日木曜日までということを知って、無理くり観に行った。
第二部だけでも4時間28分で、途中15分の休憩が2回入るという長丁場だったのだけど、まったく飽きさせられることなく、むしろ、ぐいぐいと引き込まれ、最後の方ではこのまま芝居が終わらなければいいとさえ思った素晴らしい作品だった。
前回、『エンジェルズ・イン・アメリカ 第一部 至福千年紀が近づく』を観たときは、感動はしてもあまりにもわかりやすくつくられているからか、それほど全体の演出が好きにはなれなかったのだけど、これは第二部を観て全体を観ることが出来て、全体としてはとても素晴らしい演出だったのだと、今更ながら感動することが出来た。
90年代終わりの世界の冷戦時代の終結と、アメリカに急激に広まっていった恐ろしい病であるAIDSを、ひとりの主人公と、何人もの登場人物の人生がやがて重ね合わされて生きながら、壮大な交響曲のように広がってゆく。
正真正銘のゲイ、強烈なホモフォビアを持った隠れゲイ、死にゆく恋人を持つゲイ、ゲイの息子を持つ母親、ゲイの友人、ゲイと結婚してしまったストレートの女性、巧妙に組み立てられた脚本は、何度観ても見事としかいうことが出来ない。
一部でも素晴らしかったアンドリュー・ガーフィールドの演技を観ていると、「この人は、まさに演じるために生まれてきたのだなあ・・・」と感心させられる。
またいつか、どこかでやると思うので、ちょっと長いけど、絶対に一部二部両方見に行って欲しい素晴らしい作品。
⭐︎エンジェルズ・イン・アメリカ 第二部 ペレストロイカhttps://www.ntlive.jp/angelsinamerica2