今日で小さな宿「AZZURRA」は1周年を迎えることができた。
宿泊施設なんてKも僕もやったことがなく、わからないことばかりだったけど、1年経って思うことはとても楽しい1年だったということ。
まだまだ安定した予約は入らないのだけど、なんとか1年たったことを心からうれしく思ったのだ。
Kは今日から大分の実家に帰り1週間僕たちは離れ離れで暮らすことになる。
一緒に1周年を祝うことができないけど、Kもきっとこの1年を色々思いねぐらせているに違いない。
1周年、ありがとうございました!
外苑前→熱海→宮古島 年の差ゲイカップルの宮古島生活。
今日で小さな宿「AZZURRA」は1周年を迎えることができた。
宿泊施設なんてKも僕もやったことがなく、わからないことばかりだったけど、1年経って思うことはとても楽しい1年だったということ。
まだまだ安定した予約は入らないのだけど、なんとか1年たったことを心からうれしく思ったのだ。
Kは今日から大分の実家に帰り1週間僕たちは離れ離れで暮らすことになる。
一緒に1周年を祝うことができないけど、Kもきっとこの1年を色々思いねぐらせているに違いない。
1周年、ありがとうございました!
なんと驚いたことに、あれからトラックの運転手さんは3連チャンでお弁当を買いに来てくださった。
朝の10時半頃に電話が鳴るのだけど、「今日は豚丼はある?」「今日は焼き鳥丼ある?」と言った感じ。
運転手さんはご自分のお名前を言うことはないけど、最初に聞いてから電話番号に登録したのだ。
いつもお店に来るときは少し恥ずかしそうで、「今日は卵とチーズサービスしました!」
と言うと、子どものように笑って喜んだ。
「明日からしばらくお休みなのですが、またよろしくお願いします!」
そう言ってトラックを見送ったのだけど、休み明けにまたきてくれるだろうか?
でも、本当にうれしかったな。
今日は暇だなあ・・・と思っていたところ、車が駐車場に止まって見覚えのあるお客さんが出てきた。
先日ぼうずになりそうな日に駆け込みで買ってくださった近所で働いている男性。
「こないだのケイジャンチキン、本当においしかったので今日は違うものを頂こうかな・・・」
「じゃあ、ペンネにします」
ペンネを渡しながら近所の話をする。
この人も移住者で、今は宮古島の土地の開発をやっているらしい。
「この辺はいいところですね・・・海も見えるんですね・・・」
「ええ、遠いんですけど気に入っています。津波がきても50mあるので大丈夫かなと」
「また来ますね!」
お客さんが美味しいと言ってくださると、それだけで心の底からうれしくなる。
数日前に店の向かいに大きなトラックが止まって、チラシをくれと言われて手渡した。
「土曜日もやってるの?何時から?」と聞かれて、「やってます。11時からです」と答えた。
今日、その運転手さんからお電話があって、「12時頃に行くから弁当ひとつ頼む」と言われた。
電話口では名前は言われなかったのだけど、すぐにあの運転手さんだってわかったのだった。
12時を少し回る頃、でっかいトラックが店の前に止まり、運転手さんがゆっくりと降りてきた。
運転手さんは実際に会うと目を合わせることもなく、寡黙な人だった。
お弁当とお釣りを渡して「ありがとうございました!」と大声で見送った。
こんな風に地元で働く人たちが買いに来てくれるお弁当もきちんと用意しておきたいねとKと話し合ってはじめたお弁当。
こんな風に通りすがりに買っていただいてとてもうれしかったのでした。
僕は多摩美術大学を出た後、28年間くらい広告代理店にアートディレクターとして勤めていた。
料理は好きなのでずっと料理をしてきたけど、いつか自分の店を持ちたいなどとは思ったことはなく、お店を持ったとしても料理は他の人でサービスする方かな・・・くらいに思っていた。
55歳になって、まさか自分がお持ち帰りランチのお店を始めるなんて考えたこともなかったのだ。
僕自身料理学校に通ったわけではないし、有名レストランで働いたわけではないし、宮古島には美味しいお店もいくつもあるし、他と比べる気持ちはさらさらない。
でも、ひとつだけ自信があることがある。
それは、何がおいしいか。自分なりにはっきりとわかっていること。
それは、ミシュラン的な物差しがあると言っている訳ではなく、「美味しいな。これは」と、きちんと自分の本能でわかるということ。
それは、世界の色々な国の有名レストランから東京、京都をはじめかなり沢山の有名店で食べ歩いてきた。でも、たとえ星を取っていようと他で評価されていようと、美味しくないお店もたくさんあった。(美味しくないから良くないというのではなく、あくまでも僕の基準です)
おいしいものと美味しくないものをはっきりと味わい分けるのは、実はとても難しいことだと思うのだ。
うちのお店は、僕がKと一緒に食べておいしいと思ったものをこれからも作っていこうと思う。
メニューの写真を撮ろうと思いつつ、バタバタでできずにいた。
今日、自分たちがご飯を食べるついでに写真を撮ってみることにした。
例えば、ケイジャンチキンと書いてあっても、それがどんな食べ物なのか言葉で聞いてもよくわからないではないか。パクチーキーマカレーだって、肉団子のペンネだって、どんなものなのか写真は一目瞭然に語ってくれる。
肉団子のペンネをちょうど1人分の分量、サラダやピクルスも一人分の分量で。
今日は外で写真を撮ってそのまま海と空を庭に放って食事をした。
この家に来て考えてみたらはじめての庭での食事。こんなに気持ちいいものなのかと感動したのだ。
それに、我ながら肉団子のペンネがあまりにもおいしかった。
今日はうれしいことに、ランチのリピーターのお客さんが来てくださった。
本当にびっくりしたのだけど、いつも散歩でお会いするおばさんで、味は気に入っていただけたかなあ?どうかなあ?と思っていたところだった。
前回はケイジャンチキンをお持ち帰りだったので味はどうだったか聞いてみたところ、「おいしかったわ」と言ってまたケイジャンチキンとパクチーカレーをお持ち帰りになった。
こうやって直接美味しいというお言葉をいただくと心からうれしいものだ。
お客さんの顔が見える仕事っていいなあと思えた日だった。
近所の農家のNさんは、この辺り一体ではとても有名な人だ。
今までは市役所に勤めていたらしいのだけど、今現在は退職されて農業をやっている。
僕の店でもここの農家の野菜を取り入れているのだけど、このNさんのトラックを見かけない日がないというくらい働き者なのだ。
朝早くから夕方まで何度も何度もNさんの軽トラが通りかかるのを目にする。
Nさんのトラックは横を通り過ぎる時に絶対にうちの店を首だけ動かして見ていく。まるで「俺がいつも見守ってるからな・・・」とでもいうように。
Nさんはオープンにも買いに来てくれて、その次の日にも2つのお弁当を買いに来てくれた。
そして今日は大きいパパイヤを2つ持って来てくれた。
「カレーで炒めてもいいし、ピクルスでもいいよ」
僕たちの小さなお店は、地元の人たちのやさしさに支えられているのだ。
11時にCUCINA AZZURRAをオープンしたものの、30分たっても誰もお店にくる気配がない。
そもそも僕たちはこのお店のプレオープンをほとんど告知していないので、通りかかった人が買ってくれる以外にはお客さんはほとんど見込めないのだ。
1時間を過ぎたあたりで「今日はぼうずかもね・・・今までは友達が気をつけて遣って来てくれたけど、これが現実だよ」
「そうだね・・・この島に友達いないしね・・・SNSもほとんど公開してないしね・・・こんなお店があるなんて通りがかりの変わった人しか立ち寄らないと思う」
諦めかけたその時、駐車場に1台の車が停まった。
「お店の中で食べられるんですか?」「いえ、うちはお持ち帰り専門なんです」
「それじゃあ・・・このチキンください」
Kと2人お客さんに歓喜しながらケイジャンチキンをお渡しした。
「近くで働いているのでまたお電話しますね」
「ありがとうございます!」
どうやらぼうずは免れたようだ。
近くの牧場の主人であるEさんがお弁当を買いに来てくれた。Eさんは74歳の素敵な女性。
いきなり電話で、「ペンネ2つとカレー1つ、お弁当1つ12時半頃お願い」
わざわざ4つも買いに来てくださり本当にありがたいと思っていたところ、しばらくしてLINEが入った。
「レストランで食べるみたいな味がした。とてもおいしかった。ペンネのソースもちょうどよくってもう1皿食べたいくらい」
友人たちがこうして買いに来てくれることに2人で心から感謝した日だった。