海が家に来てから、4ヶ月が過ぎた。
家に来てすぐにトイレはきちんとトイレシートの上でするようになって、トイレはリビングに一つ、寝室に一つと二つ用意しておいた。
家の中ではほとんどリビングにいるので、海がいつおしっこやうんちをしてもいいようにと、夜に寝ている時にしてもいいように。
でも、産まれて6ヶ月を過ぎたので、リビングのトイレを取り払ってしまい、代わりに我々のトイレの前に置いてみようと思った。
長くトイレットシートを置いていたリビングにトイレがなくなってしまうのは心配だけど、食事中におしっこやウンチの臭いを嗅ぎながら片付けをするのも無くしたいと思っていたのだ。
リビングのテーブルの下のトイレシートを片付けてしばらくしたら、海がいきなりトイレを探している様子だった。
そしてあたりを見回して、いきなり自分の犬用ソファの上でしゃがんでおしっこをした。
「海〜!NO!!!」
LLBEANの犬用ソファーはおしっこでびしょ濡れになり、僕もKもガックリ来た。
「やっぱりいきなりトイレを無くしちゃったら海もどうしていいのかわからないんだよ」
お風呂でKがソファーカバーを外して洗ってくれたのだけど、さすが犬用ソファー、カバーの下の中身はきちんと防水仕様だった。
それでも一度決めたことをやめるわけにはいかないと、僕たちはリビングのトイレを無くしたまま、取り敢えずリビングを出た玄関のところに一つトイレットシートを置いてみた。
我々のトイレの前までは、廊下をずっと歩いて行かなければならず、その距離がネックなのかもしれないと思ったのだ。
そしてトイレの前に設置した遠くなったトイレに海を連れて行き、「ここがトイレだからね」と言い聞かせた。
すると、海はそれからはわざわざリビングから歩いて行って遠くのトイレの前のトイレットシートの上にするようになったのだ。
その後も玄関に設置したトイレでは用を足さずに、わざわざ遠くのトイレまで行って外さずにするようになった。
犬は人間の言葉はわからないと言うけど、海を見ているとわかりやすくきちんと話しかけると、だいたいの内容はわかっているように見える。
海の成長を見るたびに、まだ来たばかりで小さくて失敗ばかりしていた子犬の頃が懐かしく思える。