Happy Pride!

今年の台湾パレードは、今まで全体をオーガナイズしていた人たちの間で問題があったようで、途中まで開催する見通しが立っていなかったようだ。その後、2つに分かれるルートが発表された時は少しホッとした。
ここ7年間毎年来ている感想としては、ほんの少し人手が少なかったように思うが、今回のパレード参加者は、アジア最大で8万人という発表があった。
僕たちは、東京レインボープライドのフロートを用意して飾りつけをやり、僕のデザインしたTシャツを着てみんなで一体となって歩いた。
イロドリのスタッフには、Xジェンダーの子が何人かいたり、MTFやFTMもいる。海外でのはじめてのパレード参加にそれぞれが興奮していた。
そして可笑しいのが、ストレートの女の子、シェフのストレートの夫婦や、歌舞伎町のゴールデン街のストレートのマスターも揃って参加したことだ。
ストレートの彼らが、『MAKE RAINBOW TOGETHER!』などと書かれたボードを持って歩く姿を見ながら、こうしてみんなで一緒に歩ける幸福をかみしめた。
Tシャツをうれしそうにもらっていく台湾の人たちを見ていると、やっぱり台湾に来てよかったとつくづく思ったのだ。
Happy Pride!

台湾珍道中。

今年は、台湾のパレードに参加することはないとずっと前から公言していた。でも、実際にパレードの日にちが近づいてくると、みんながいろいろ言いはじめた。
「本当に来ないんですか?」
「僕たちみんなで行くのに、姐さんだけ来ないなんて…」
「I have already booked your hotel」台湾人の友だちまで…
ギリギリまでずっと迷っていたのだけど、台湾行きの前日の朝、航空券を覗いてその場でチケットを買い、行くことを決めた。
すると、あちらこちから喜びのLINEが入った。
実は今回、イロドリのスタッフの研修旅行も兼ねているため、イロドリや神宮前二丁目界隈の仲間たちが揃って台湾に行くことになっていたのだ。
「台湾珍道中」と名づけられたメンバーはなんと17人。
そんなこんなで、神宮前のファミリーたちと一緒に、台湾珍道中に行って来ます!

LOVE IS LOVE

会社の同僚が、お兄さんがたまたまLAから来日していて紹介したいというので、一緒にランチを食べた。
お兄さんはゲイの美容師さん。メキシコ系アメリカ人の彼と一緒にロスで暮らしている。美容院には、トムハンクスやキャメロンディアスなんかが、自分で車を運転してやってくるそうだ。
毎年、アメリカのクリスマスシーズンには、秋頃から少しずつプレゼントをみんなのために用意して、家族そろって温かな食事会をするそうだ。
でも、日本と比べて貧富の差の激しいアメリカでは、貧しい家庭で暮らす子どもたちも沢山いて、クリスマスのプレゼントなどもらうことさえ考えられない状態が続いていた。
そこで、ボランティアの人々が立ち上がり、貧しい子どもたちの住所を郵便局から把握して、彼らにそれぞれプレゼントを用意して配るということをはじめた。
お兄さんはそれに毎年参加して、子どもたちの年齢や背丈を聞いては、みんなで手分けしてプレゼントの包装をして、サンタクロースの格好をして家々を配り歩いたという。
沢山の子どもたちのプレゼントを包装するのに、忙しくて一睡も出来なかったとしても、子どもたちの笑顔を見ながら8年間も続けたという。
お兄さんの恋人はパン屋さんでお料理がとても上手なので、近所の子どもたちの溜まり場となり、四六時中近所の子どもたちが家にやってきては、一緒に料理を教えたりしながら楽しそうに暮らしている。
僕がいいなぁと思うのは、彼らのようなゲイカップルが、その地域に自然に溶け込んでいることだ。
頭から「僕たちはゲイのカップルでね…」なんて説明する必要もなく、周りの人々や子どもたちは自然に彼らを受け入れているのだと思う。
彼らは愛し合うカップルであって、それがたまたま男同士というだけなのだと、周りはきっと思っているのではないだろうか。
LOVE IS LOVE

渋同性パートナーシップ証明書。

いよいよ渋谷区における『同性パートナーシップ証明書の申請がはじまった。発行は11月5日になっている。
証明書を取得するためには、司法書士による公正証書の提出が求められる。
これは、だいたい13000円から18000円くらいかかることになる。(枚数により金額が異なるため)
これを聞いて、男女の結婚ならば、そんなもの要らないし、お金もこれほどかからないのに、不平等ではないか!という意見も聞いている。
そもそもこの証明書、いったい我々にとって必要なものなのか?という声もたびたび耳にして来た。
この証明書があるからといって、遺産の相続も出来ない。不動産を共有することも出来ない。保険も後見人にすることも出来ない。私にとってはまったく不平等なこんな証明書、全然興味ないという思いもあるだろう。
なぜならば区の証明書には、法的な効力はないものだからだ。
でも僕は、この証明書を取得する意義はあると思っている。
アメリカ全州で同性婚が認められたのは、今年の6月。
そこにいきつくまでに、ハーヴェイ・ミルクをはじめ本当に多くの人々の地道な努力があったのだと思う。
デンマークにおいて、『同性カップルのパートナー制度』が認められたのが、1989年。オランダにおいて『同性婚』が認められたのは、2001年。そこにいきつくまでに、それぞれの国で、少しずつ少しずつ社会に変化を起こし、前に進んでは下がりを何度も何度も繰り返してきた結果なのだろう。
僕は、渋谷区の条例をとてもうれしい気持ちで受け止めている。
本当の踏ん張り時は、これからであることもわかっている。
これを機に、みんながそれぞれ何か動き出すこと。
たとえば自分の会社で何か出来ないか声を上げてみる。
たとえば身近な企業(保険、携帯会社、旅行会社など)に相談を持ちかけてみたり、みんなが少しずつ動き出すことで社会でもセクシュアルマイノリティはもっともっと可視化されてゆくに違いない。
いつか、「同性で結婚出来ない時代なんかあったんだねえ・・・」と、言われるような時代が来る日を、僕はずっと夢見ている。

手相。

手相を見れる友人がいる。ここではSとしておく。
先日、久しぶりにSと偶然バーで隣り合わせて、一緒に飲んでいたのだけど、ふとSが手相が見れることを思い出して見てもらった。
S「相変わらず、霞を食べて生きている感じですねー。不思議な手相だなぁ…
人生、何も苦労もないし困んないでしょう?」
僕「そんなことないよ…今も生きてるだけで精いっぱい…」
S「手相には出てないです…
あ、結婚線が変わってる!
ここに一本ハッキリ出てるじゃん!前と違う!」
僕「あ、それはきっと、これから出会うアラブの石油王だと思うんだけど…」
S「いや、これはもう、今つきあってる人ですね。このあとはもうないもん。この人ですよ!」
僕「えーーー!
そ、そんな、夢のないこと言わないでよ!
お願いだから、もう一度くらいロマンティックな恋があるって言ってよ!」
S「いや、だって年齢的に今の人だって出てるもん…」
僕「・・・・・」
そんなことがあったと、福岡でKに笑いながら話したら、Kは僕に肘で一撃を食らわした…。
前は、恋愛線なんてほとんど見えなかったのに、手相って、ほんとに変わるみたいです。

Pizzeria Da Gaetano

カプレーゼ

マルゲリータ

ポルチーニと生ハムのピザ

前回7月に来たのに、またここのピザが食べたくなってしまい、東京に帰る前の夕方にお店に滑り込んだ。相変わらず開店を待つように外には予約のお客さんでいっぱいで、かわいいお兄ちゃんが席に案内してくれた。
カプレーゼ、イカのフリット、ピザは、マルゲリータとポルチーニのピザを。
前回はマルゲリータEXという特別のものを食べたのだけど、普通にマルゲリータでも鼻息荒くなってしまうほど美味しい。
久しぶりのポルチーニは、香り高く、サルデーニャの赤ワインとぴったりだ。Kがとても美味しそうにポルチーニを頬張っていた。
この店には、素晴らしいソムリエのお兄ちゃんがいる。ショートカットでとても丁寧な接客をしてくれて、いつ行っても親しみを込めてワインに対する愛情を語ってくれる。
このお店が東京にあったら、しょっちゅう食べに行くんだけどなあ…と、またしても大満足で店を後にした。
★ピッツェリア ダ ガエターノ
092-986-8822
福岡県福岡市中央区渡辺通り2-7-14 パグ​ーロ薬院1階
http://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400104/40028105/

小さな幸せ。

鴨の生ハム

モツのトマトソースのブカティーニ

ミラノ風カツレツ

昼に食べた福岡の美味しいお寿司と日本酒のせいか、晩ごはんの食欲がなく、予約をしていた水炊き屋さんも、申し訳ないけどキャンセルをさせてもらった。
僕にとっては、『何を食べるか』が、人生で最もたいせつなことなので、一食たりとも無駄にはしたくないと思う。散々悩んだ挙句、惹かれる名前のイタリアンを見つけた。その名も、『piccola felice (小さな幸せ)』。
一本通りを入った静かな住宅地にほんわりと灯りがともり、古い民家を改築したお店が見えた。中に入ると何か友人の家に遊びに来たような温かさに溢れている。
本来ならば、3300円というコースがお得だろう。前菜からパスタ、セコンド、デザートまでついてこの値段とは驚きだけど、とにかくお腹がそれほど空いていなかったのでアラカルトにしてみた。
オリーブの肉詰めフライは手間がかかっていてとても美味しい。鴨の生ハムは、燻製の香りがして豊かな仕上がりでワインがすすむ。(これはマストです)
ブカティーニというスパゲッティを二倍くらい太くしたようなパスタは、ローマなどでカルボナーラで出てくるものだけど、モツを使った辛めのトマトソースで不思議な美味しさだった。
最後にこの店自慢のミラノ風カツレツを。豚肉を叩いていなくて肉厚のまま薄い衣がピタッとひっついて出てきた。正確に言うとミラノ風カツレツとは違うのだけど、こんな風に本場の料理にとらわれず、シェフ自身が美味しいと思うものを作っている気持ち良さがある店なのだ。
とてもイタリア料理らしい店というわけではない。それでも接客はとても親しみやすく、シェフはこだわりを持って食材を選び、この店への愛情がいろいろなところに感じられる。
タコのイカスミ入りリゾットというものを食べたいと思ったのだけど、それは今度のお楽しみにしよう…そう思いながら、ふたりで小さな幸せに包まれて店を後にした。
★ピッコラ・フェリーチェ
092-525-2108
福岡県福岡市中央区高砂1-14-14
http://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400104/40025572/

何か、目には見えない存在。

昼間に美味しいお寿司を食べて、日本酒を飲んだせいか、夕方になっても全然お腹が減らず、本当は水炊きを予約していたのだけど、とてもじゃないけど食べる気が起きず、どうしたものかと考えあぐねていた。
そして、Kに何が食べたいのか聞いてみた。しばらく考えたのち、Kが一言言った。
K「グ…グラタン…」
そこで僕は、福岡でグラタンを食べられる店を探し始めたのだけど、東京や京都と違って、福岡には洋食屋さんは少ないようで、暫くしてグラタンは諦めることにした。結局、福岡らしいイタリアンに行き、『七男鳥』に飲みに行った。
「たこ焼きが食べたいなぁ…」
福岡のバー『七男鳥』で飲んでいる時に、帰りにたこ焼きが食べたいと思い、周りの人に聞いてみた。
僕「この辺で、今やってるたこ焼き屋さんないですかね?」
A「うちのそばにはあるけど、この時間は閉まってるな…」
B「大阪じゃないから、こんな時間にやってるたこ焼き屋なんて福岡にはまずないよ」
七男鳥を出て、大きな通りに出るやいなや、向かいに蛸の文字が見えた。Kに、「あれ、たこ焼き屋さんじゃない…?」
道を渡ると、移動式のたこ焼き屋さんで、店の人曰く、「福岡にはもう1つくらいしかこんなたこ焼き屋さんはありません」という。
Kがコンビニでチューハイを買って来て、二人で美味しくたこ焼きを食べながら、幸せなひと時を味わった。
いい気持ちのままホテルの部屋に帰り、お酒を飲みながらカップラーメンを二人で食べた。そして、部屋の片隅をふと見ると、昨夜、今朝の朝ごはんに食べようと買ったパンが1つだけ残っているのが見えた。
僕はたいてい福岡には先に到着するので、翌朝のためにパン屋さんで適当にパンを買っておくのだ。そして、何の気なしにそのパンを2つに割ると、中から『グラタン』が出てきたのだった。(パンは、甘くないものを適当に買ったので、何を買ったかさえも覚えていなかったのだ)
『たこ焼き』も『グラタン』も、ただの偶然だと思うことも出来る。
でも、僕はそうは思わなくて、何か目には見えないものが、にっこりと笑いながら僕たちに合図をしてくれたのだと思ったのだ。
人生には、そんな不思議なことが時々起こる。
それを、どう捉えるかは、その人次第。

行天

ミシュラン三星の寿司店『行天』へ。
一瞬お店がわからなくて通り過ぎてしまうくらい、普通の家の一階がさりげなく店の入り口になっている。
店内は正方形に近く、壁や天井は暗めの落ち着いた色で仄暗い。カウンターには10席あるのだけど、昼は6人までしか入れないそうだ。(夜は10人で一回転)
このお店は、予約の段階で、キャンセルは出来ないと念をおされる不思議な営業スタイル。一週間前にもわざわざ確認の電話がかかってくる。
店に入ると、僕たちしかいなくて、両側を空けたまま食事がはじまる。
大将は33歳。頭のサイドと後ろは剃るくらいに短く、上は長い奇妙な髪型をしている。
ネタをとても丁寧に仕込んである様子がわかるし、一品一品きちんと説明してくれる。
とても神経質なくらい客席に目を配り、汚れたテーブルやカウンターを弟子に即座に拭かせるし、中居さんにも常に気配りを求めるのがわかる。
シャリは少なく、ネタは一捻り拗らせて握ってあるようで、酢も強くなくとても食べやすい握りだ。日本酒を片手に、いつまでもここの寿司ならば食べ続けていたいと思わせる丁度良い大きさと握り具合なのだ。
僕が話好きなことがわかると、大将もほどけて、両側の予約をしているのに一向に来ないお客さんたちの話になる。時間を守らない人は、もう何を言っても治らないんですよと。
昔は今よりももっとやんちゃで、カウンターの中から失礼な客がいたら塩を撒いたり、何度も静かにしてくださいと言っても聞かないので、「全員帰ってください!」と言って帰したこともあるそうだ。
真剣勝負で握っている寿司職人は、お客にも真剣な対応を求めてくる。
伸るか反るか、この大将に塩を撒かれる人も多いと思うけど、僕はそんな話を聞きながら、大声で笑っていた。
お寿司屋さんは、お客さんの数と回転数を考えて仕入れをしている。連絡もせずに来ない客と言うのは、マナーとしてあってはならないことだろう。
この尖った大将が、この先いつまで尖ったまんまいられるだろうかと、また来店したいなあと帰り際に思ったのだ。
★つまみ
白魚、ホヤ、このわた
明石の鯛、クエ
鰹 (醤油のりみりんのソース)
★握り
カジキ
あぶらまかじき
いわし
しんいか
車海老
さわら蒸し寿司
ひめこ
あじ
ハマグリ
こはだ
しんいかげそ
ホタテ
さより
穴子
★鮨 行天
092-521-2200
福岡県福岡市中央区平尾1-2-12 井上ビル 1F
http://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400104/40032025/

炉ばた 三光橋

金太郎いわしと鶏肉と野菜

甘鯛

牛肉の赤身

福岡で、最も好きなお店をいくつか上げろと行ったら、その中に、『炉ばた 雷橋』が入る。
一列に並んだカウンターに座り、野菜や干物やお肉を対面で炭火で焼いてくれる『炉ばた 雷橋』は、コストパフォーマンスも高く美味しいお店だ。
その『雷橋』の姉妹店『三光橋』にはじめてお邪魔した。
『雷橋』のそばにありながら、『雷橋』と違うところは、店内の広さだろうか。正方形に近い店内は、コの字型で広く、中で従業員の方が自由に動き回ることが出来る。
京都のざる豆腐は濃厚で甘く、秋刀魚の刺身も新鮮で美味しい。野菜や鶏肉、名物の金太郎いわし、甘鯛の干物…こちらのペースを配慮して、ゆっくりと一品一品焼いてくれる。
牛肉の赤身があったら、ぜひ頼んでみてほしい。赤身でありながら、しっとりと脂を含み、中まで柔らかいのだ。
『雷橋』もそうなのだけど、この店もお店の人たちが驚くほど感じがいい。
僕が、東京から来たと言うと、お店のカッコイイ兄ちゃんが福岡らしい珍味三種をつまみに出してくれた。烏丸、平貝の粕漬け、小さな蟹を潰したもの。
食材を焼いただけで、なんでこんなに美味しいのだろう…と、美味しい三岳を傾けた。
この、炉ばた焼きというパフォーマンスは、外国人の旅行者も喜ぶかもしれないな。
また、必ず再訪したい素晴らしい店。
★炉ばた 三光橋
092-712-7373
福岡県福岡市中央区春吉3-22-17
http://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400103/40036872/