行天

ミシュラン三星の寿司店『行天』へ。
一瞬お店がわからなくて通り過ぎてしまうくらい、普通の家の一階がさりげなく店の入り口になっている。
店内は正方形に近く、壁や天井は暗めの落ち着いた色で仄暗い。カウンターには10席あるのだけど、昼は6人までしか入れないそうだ。(夜は10人で一回転)
このお店は、予約の段階で、キャンセルは出来ないと念をおされる不思議な営業スタイル。一週間前にもわざわざ確認の電話がかかってくる。
店に入ると、僕たちしかいなくて、両側を空けたまま食事がはじまる。
大将は33歳。頭のサイドと後ろは剃るくらいに短く、上は長い奇妙な髪型をしている。
ネタをとても丁寧に仕込んである様子がわかるし、一品一品きちんと説明してくれる。
とても神経質なくらい客席に目を配り、汚れたテーブルやカウンターを弟子に即座に拭かせるし、中居さんにも常に気配りを求めるのがわかる。
シャリは少なく、ネタは一捻り拗らせて握ってあるようで、酢も強くなくとても食べやすい握りだ。日本酒を片手に、いつまでもここの寿司ならば食べ続けていたいと思わせる丁度良い大きさと握り具合なのだ。
僕が話好きなことがわかると、大将もほどけて、両側の予約をしているのに一向に来ないお客さんたちの話になる。時間を守らない人は、もう何を言っても治らないんですよと。
昔は今よりももっとやんちゃで、カウンターの中から失礼な客がいたら塩を撒いたり、何度も静かにしてくださいと言っても聞かないので、「全員帰ってください!」と言って帰したこともあるそうだ。
真剣勝負で握っている寿司職人は、お客にも真剣な対応を求めてくる。
伸るか反るか、この大将に塩を撒かれる人も多いと思うけど、僕はそんな話を聞きながら、大声で笑っていた。
お寿司屋さんは、お客さんの数と回転数を考えて仕入れをしている。連絡もせずに来ない客と言うのは、マナーとしてあってはならないことだろう。
この尖った大将が、この先いつまで尖ったまんまいられるだろうかと、また来店したいなあと帰り際に思ったのだ。
★つまみ
白魚、ホヤ、このわた
明石の鯛、クエ
鰹 (醤油のりみりんのソース)
★握り
カジキ
あぶらまかじき
いわし
しんいか
車海老
さわら蒸し寿司
ひめこ
あじ
ハマグリ
こはだ
しんいかげそ
ホタテ
さより
穴子
★鮨 行天
092-521-2200
福岡県福岡市中央区平尾1-2-12 井上ビル 1F
http://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400104/40032025/

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