明けても暮れても、おせち作り。

お煮しめに、これから火を入れるところ。

29日に黒豆を水に浸したりしながら始まったおせち料理作りは、30日31日と二日間かけて全ての料理を順番に仕上げてゆく。
年に一度のおせち作りは、全てが思い通りにいくわけはなく、食材を買いに行っても思った食材が手に入らなかったり、新鮮な卵でゆで卵を作ったら、皮がきれいに剝けずまた卵を茹でるも失敗して「キィ〜ッ!」となったりした。
それでも、大晦日の午後、あと数品を残すのみとなり、真鯛をすり身にして卵と混ぜ合わせ、「これで伊達巻が出来たら、あとはほぼ終わりだー」と思ったのも束の間、オーブンから伊達巻を取り出し、鬼すにかばっと載せるも卵は固まったまま鬼すには降りてこなくて、またひっくり返してナイフを入れて、も一度鬼すに載せようとするものの、見事に崩れ落ち、失敗してしまった。
匂いも味も完璧な伊達巻なのに、形がもうボロボロで、Kとふたり大笑いしてしまった。
そんな失敗もいくつかあったけど、血眼になりながらおせち料理をなんとか14品仕上げることが出来た。
来年こそは、美しい伊達巻を作るぞと、固く心に誓ったのだ。

黒豆。

おせち料理と言えば、黒豆。
おせち料理は種類がたくさんあるのに、なんだか知らないけどずっとそんな風に思っていた。
そしてなんと、黒豆作り3回目にして、はじめて皺の寄らない美しい黒豆を作ることに成功した!
前日に、ぬるま湯に少なめのグラニュー糖を溶いて香りづけの薄口醤油をほんの少し、そこへざっと洗ってすぐの黒豆を浸し一晩以上置く。
それを火にかけ、沸騰して弱火にしたら、他の料理を仕込みながら、時々水を差しながら…なんと9時間!
黒豆のことなんか忘れた頃、もういいかな?とそーっと覗いてみると、皺の寄らない美しい黒豆が顔を見せた。
僕なりにどうして成功したのかと分析してみると、ぬるま湯に浸すこと。それと、茹でている間、ずっと弱火で、尚且つ厚手のキッチンペーパーで黒豆が顔を出さないように覆い続けていたのがよかったのだと思う。
9時間たって、皺の寄らない黒豆を見て、感動のあまり大きな声でKを呼ぶと、「なんだ…やっと出来たんだね…」と、さらりと言われた。
Kは、お肉とかしか興味がないみたい。笑

Life in the goods

青いお皿。
福岡の大濠公園のそばに、見晴らしのよい『Life in the goods』という 雑貨屋さんがある。
二階の窓からは大濠公園が見えて、桜の頃はさぞ綺麗だろうと想像出来る。
Kとふたり、大濠公園近辺にお散歩に来たついでに、沖縄の海のように真っ青なお皿を買った。
作者は、埼玉県在住の飯高幸作さん。四角く真っ青なお皿は、奥様が沖縄の方だからだろうか?
僕の家にはほとんど色付きのお皿はないのだけど、この頃果物を切って食べる時に、お皿に色が付いているのも美味しそうに見えるのではないかと思っていたのだ。
家に帰って来て、いつものように食後にリンゴを剥いて飯高さんの器に並べてみた。
リンゴは、白いお皿に並べられている時よりも、ずっと存在感が際立って美味しそうに見えた。
真っ青なお皿は、僕の白だけの食器の世界を、思っていた以上にガラリと変えてくれたみたいだ。
★Life in the goodshttp://lifeinthegoods.jp/

正月飾り。

玄関

リビング

28日なので正月飾りを買おうと思って、Kとふたり町中を歩くのだけど、この頃はコンビニでさえプラスチックの正月飾りが買えるようになったためか、正月飾りを売る出店もほとんど見なくなり、しようがなく二丁目へ。
新宿二丁目の仲通りの入り口に昔からある花屋さんは、時々とてもいい花が手頃な価格で売っているのだ。店頭には沢山の千両が並べられていたのだけど、南天が好きな僕は見向きもせず、南天はなさそうだったので緑色の菊だけ買い求め、ついでに自然の素材の正月飾りと門松までゲット出来た。
お店を出る時に、「南天はないんですよね…」と別の店員さんにそれとなく念をおすと、「あ、南天は今朝入って車の中に積んでありますよ」とのこと。
こうして一本350円で、今まで見たことのないほど立派な南天を手に入れた。
正月を迎える準備が整いました。

柳橋連合市場。

アゴ

毎回京都に行けば錦小路に行き、金沢に行けば近江町市場を覗く。
随分観光客が多くなったとはいえ、市場に並ぶ食材はその季節の土地の食べ物であるし、その町の市場を見れば、その町の人々の暮らしが見えてくるものだろう。
博多にも、柳橋市場がある。
ここは、いつも通りかかるのが日曜日だったのか、あまり開いているイメージがなかったのだけど、今回、土曜日の昼間を狙って行ってみたら、福岡らしい食材のオンパレードに心踊らされた。
大きな太刀魚や、アラ、フグ、アラカブ、そしてクジラまで並ぶ様は、この土地ならでは。
最近はまっている『あご出汁』を取るために、地元の名店が通うという天然出汁専門店『ふじはら』へ。ここは、店主の藤原さんが厳選した出汁用の食材ばかりが並ぶ。
『出汁は濃くして、味付けは薄くするといいよ』
あご出汁の新しい取り方を聞いて、ワクワクしながら店を後にした。

cafe liver

福岡のニューオータニにほど近い那珂川沿いに、リバーというカフェがある。以前、何度かバーで会った方がお店にいるのだけど、やっと行くとが出来た。
扉を開けると、天井の高いマンションの一室で、大きな窓からは那珂川と向こう岸の家々が見える。不思議な空間は、なんというか、映画『ディーバ』に出て来そうなカフェなのだ。
窓のすぐ外には木々が生い茂り、時折メジロなんかがやって来る。
丁寧に淹れてくれるコーヒーや紅茶を飲みながら、ぼんやりと川の流れや景色を見ていると、まるでどこか外国に旅行に来ているような気分になれる。
こんな川が見える素敵なカフェが、自分の家だったらいいだろうな…なんて思わせてくれて、時間を忘れてのんびりとくつろぐことが出来た。
それにしても、なぜ『river』ではなく『liver』なのだろうか?川ではなくて、『カフェ肝臓』ということ???笑
★cafe liverhttp://cafeliver.com/

ピッツェリア・ダ・ガエターノ

フンギとチーズのピザビアンコ

フレッシュトマト・ルッコラ・モッツアレラ

生ハムとサラミの盛り合わせ

福岡の素晴らしさの1つは、イタリアンやフレンチなどの外国料理のレストランが充実していることだろう。
町の国際化や成熟度は、その町のレストランに比例しているように思える。
ピッツェリア・ダ・ガエターノは、イタリアが認めたピッツァを提供するお店。何度も行っているけど、ワインの品揃えも素晴らしく前菜も豊富なので、昼でも夜でも楽しめるお店だ。
イタリア風なポテトサラダをつまみながら、ワインをいただき、クリスマスらしくカリカリのチキンを。
フンギとチーズのピッツアが運ばれて来ると僕とKは美味しいのであっという間に食べてしまった。
続くガエターノというお店の名前を冠したピザは、フレッシュトマトとモッツアレラ、ルッコラの乗ったピザ。これも生地まで本当に美味しかった。
最後に生ハムとサラミを赤ワインでつまみ、かわいい店員さんに挨拶をして、大満足で後にした。
★ピッツェリア ダ ガエターノ
092-986-8822
福岡県福岡市中央区渡辺通り2-7-14 パグ​ーロ薬院1階
https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400104/40028105/

蕎喰いまとみ

クリスマスは、やっぱり鶏だよね…と思い、大濠公園にある『橙』という水炊き屋さんを予約しようとしたところ、考えることはみんな同じなようで、生憎『橙』は年内いっぱい満席とのこと。
そこでほんの少し考えを変えて、「クリスマスは鴨鍋でしょ」と思い、『蕎喰いまとみ』へ。
鴨鍋コースは、白魚・湯葉・豆腐の味噌漬けという三品の先付けがあり、鴨と野菜や豆腐の鍋、そばがき、最後にお蕎麦、蕎麦のアイスというコースで4500円。
鴨鍋が運ばれて来ると、人の良さそうな大将がやさしく鴨鍋の食べ方を教えてくれる。
「鴨は生でも食べられるほど良い状態なので、あまり火を通しすぎないこと。30秒くらいで十分です」
鴨とネギの絶妙なコンビネーション。クレソンが新鮮な美味しさをもたらせてくれる。蕎麦屋ならではのきちんと出汁の味が効いたつゆで鴨もしっとりと食べることが出来る。
そばがきは5分くらい煮て食べると、すいとんのように温かい。
最後に蕎麦が来て、日本らしい油を使わないシンプルな料理が本当に美味しいなあと感じる。
僕たちのクリスマスに相応しい、鴨鍋だった。
★蕎喰いまとみ
092-526-4504
福岡県福岡市中央区高砂1-22-9
https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400103/40000112/

独酌しずく

福岡で鯖料理を食べたいと思ったら、『きはる』だけど、同じ会社の経営する『独酌しずく』という店があることを知り、行ってみた。
『独酌しずく』は、『きはる』よりも緩い感じで居心地が良く、店員さんも話しやすい。
五島の鯖は、漁れたらすぐに冷凍し2日半後には店に届く。東京へ届けてしまうとそれよりも更に一日かかってしまうため、同じ状態の鯖は東京では食べることが出来ない。
泳ぎ鯖の刺身にゴマ鯖、臭みが全くなく、身がしまっているのがわかる。
天草の梅肉ポークと野菜を蒸した一品も素材の旨味が引き出された一品だ。
炙り穴子の刺身は臭みがないので、どうしたかと聞いてみると、対馬の穴子だそうで、東京湾の穴子とは違って、とても綺麗な海で漁れるので、お腹を開けても、海老やイカなどしか入っていないという。
締めは定番の焼き鯖チャーハンで、鯖のコクがありながらサッパリとしていてサラサラと口に入る。
中国の乱獲のせいで、これからは鯖もだんだん高級魚になりつつあるというけど、僕はつくづく、鯖のような青背の魚が好きなのだと思った。
※写真撮影不可だったので写真はありません。
★独酌しずく
092-771-3002
福岡県福岡市中央区春吉3-22-7-1 プロスペリタ天神Ⅰ1F
https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400103/40021428/

48歳、ありがとう。

胡麻カンパチ

のど黒

白子の天ぷら

12月22日、 48歳の誕生日は、大好きな福岡で迎えることが出来た。
直前に決めたので、お店はどこもいっぱい。そこで、予約が出来ない店『せいもん払い』で夕食を。
胡麻サバならぬ胡麻カンパチは、身がぷりぷりしていて堪らない美味しさ。
のど黒は、大きさによって5千円くらいするのだけど、釣りで上がったもので、誕生日だからいいか…と頼むと、身がトロンとした素晴らしいのど黒だった。
ささ身のチキン南蛮、熱々の白子の天ぷらに舌鼓をうち、何度も来ているけど改めて、『せいもん払い』は本当に素晴らしい居酒屋さんだと感心する。
この頃、「人生における豊かな財産とは、経験なのだ」と思う。
48年間、山あり谷あり、様々な経験をすることが出来たことが、僕の財産なのだろう。
隣で一緒に笑っているKがいることに、心から感謝している。
★せいもん払い
092-281-5700
福岡県福岡市博多区上川端町5-107 シャトー川端 1F
https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400102/40000029/