大晦日は、イロドリで。

今年最後のイロドリでは、僕の弟的存在であり、イロドリのオーナーであるFのお父さんお母さんが来て、そば打ち大会が行われた。
Facebookに声をかけただけなのだけど、意外と東京で年を越す人が沢山いるみたいで、6時から始まったそば打ち大会もあれよあれよと満席になった。
ゲイ、ビアン、トランス、アライ…次々と知らない人同士が同じ席について交わり、自然と言葉を交わし楽しそうに笑っている。
僕にとっても、今年は、『irodori』のような場所をみんなでオープンさせることが出来たことが一番の喜びだった。
ともに過ごした家族のようなスタッフや仲間たちと、鳩の森神社にワイワイと初詣をしながら、とても温かい大晦日になりました。

Tiffany

トロントに住む友人Rから、トロントのTiffanyのショーウィンドウの写真が送られてきた。
LGBTの顧客も考慮したTiffanyの戦略なのだろうけど、カナダらしいというか、なんて温かく、勇気づけられるショーウィンドウだろうか。
やっぱりカナダは、日本より随分先を行ってますね。

ホームパーティー。

今年最後に友人のホームパーティーに出かけた。
友人のゲイのカップルは片方のSが僕の一つ上、若い方のYは31歳くらいだろうか。僕とKと同じくらいの年の差カップルだ。
Sは、とてもモテる人で、身体が大きく笑顔が愛くるしい。Yは、テニスラケットなんかを持って少女漫画に出てきそうなハンサムな好青年。
その昔、僕が失恋をして酷く傷ついている時に、バーで久しぶりに会ったSは、僕に、「相手と寝た分だけシャンパンを開けたら、忘れられるよ」と言って僕にシャンパンを開けてくれた。
シャンパンを飲みながら夜空を見上げて、39歳にもなる自分に、いったいいつか恋人など出来るのだろうか…思っていたことを覚えている。
その後Sとは偶然台北で久しぶりに出会い、その時はもうYがそばにいて三人で台北を飲み歩いたり、また別の機会に台北で会った時はSのお父様やご家族とも一緒に円卓を囲んだことがある。
Sは、Yと付き合いだした時に僕に言った。
「今までの恋人とはまったく違うんだよ。なんて言ったらいいか…自分にぴったり合ってる感じというか…」
そんな話しを聞きながら、そんな人にいつか僕も巡り会えたらいいなあ…と思ったものだ。
やがてSとYは、アメリカで結婚式も挙げた。
つきあいだして2年半くらいたった今も、ふたりの間にはいつも笑顔が溢れ仲睦まじい。
そして、そんな彼らの周りには、穏やかな笑顔の友人たちが自然に集まっている。

ビリー・エリオット ミュージカル リトルダンサー

5年前にロンドンで観たミュージカル『BILLY ELLIOT』が、今回映画になって公開されていると聞いていたのだけど、やっと銀座のみゆき座に観に行くことが出来た。(ブリママに、「絶対に泣くから…」と言われていたのでハンカチを握りしめて行った)
日本では映画『リトルダンサー』で知られているけど、海外では主人公の名前Billy Elliot 。ミュージカルも映画の監督と同じスティーブン・ダルドリー。音楽は、エルトン・ジョンおばさん。
Billy Elliotのミュージカルをロンドンではじめて観た時、主役の子は死んでしまうのではないかと心配になった。それは、全編を通してあまりにもビリーが踊り続けていたからだ。
映画に比べて、舞台のいいところを挙げるとすると、圧倒的に踊りが迫力あることと、場面ごとの舞台転換の妙、そして歌が泣けるところだろうか。
母親のいない繊細なビリーと堅物のお父さんとの絆が美しい。
ゲイの友達は笑えるし、お母さんは時々出てきて泣かせるし、おばあさんはゲラゲラ笑わせてくれる。そして、バレエの先生役が素晴らしい。
間にインターミッションが入るので、189分という長尺も全く苦にならず全編を通して満足出来る作品。今年の〆にぴったりの映画だろう。
★ビリー・エリオット ミュージカル リトルダンサー
http://littledancer-m.com/info/?page_id=8

Both Sides Now

この曲を聴きながら読んでくださいhttp://youtu.be/BzYgBad_698
トロントとオタワでは、日本人のミッキーさんというコーディネイターの方にお世話になった。
ミッキーさんはワーホリでカナダに来て、そのままカナダに住み着いてしまったようで、今は54歳くらい。
顔がネズミに似ているからMickeyと仇名をつけられたようだ。ミッキーさんはとても真面目で控えめな方で、僕たちが何を欲しているのか、一緒の時は常に気を張り巡らしてくれた。
オタワでミッキーさんと別れる時に、「これは私からのプレゼントです」と言ってCDを2枚いただいた。
CDは、ミッキーさんが好きなJAZZを、ヴォーカルのみのものと楽器だけのものとそれぞれ別々に編集してあるものだとおっしゃった。
東京に帰って来て慌ただしい毎日の中、あっという間にまた週末が来て僕は九州へ向かい、クリスマスの直前にやっと家に帰って来ることが出来た。
一人で家で料理をしながらワインを開けた時に、ふとミッキーさんがくれたCDのことを思い出して、資料の中から探し出してかけてみた。
すると、宝石のように美しい音楽が部屋に溢れ出した。
『Both Sides Now』は、ジョニ・ミッチェルの曲だけど、歌詞がまた秀逸だ。
素晴らしい音楽を聴くと、生きていることに感謝したくなる。

年を重ねてゆくこと。

年末なので、しばらく顔を出せていなかったタックス・ノットとぺんぺん草に顔を出すべく二丁目へ。
金曜のタックス・ノットには、年の瀬のせいか昔からのお客さんが集まって来ていた。ほとんどが僕よりも年上の人たちばかりで、元気そうに見えている人たちもそれぞれ不安や悩みを抱えていることがわかった。
隣のEさんは58歳の誕生日を迎えたところで、長くつきあっている68歳のパートナーAさんがいる。
Eさんは、いつまでも好奇心旺盛でふたりで旅行なんかに行けたらいいと思っているのだけど、最近はAさんが年齢のせいかあまり外へ出かけたがらなくなってしまったようだ。
その隣には、久しぶりにパリから帰国した日本人とフランス人のカップルが座っていた。前回2〜3年前にタックス・ノットで会った時は、ふたりとも順風満帆で仲睦まじい感じだったのだけど、今回はふたりともやつれているようで様子が違っていた。
話を聞くと、今年の5月に、フランス人の彼に癌が見つかったそうだ。今は全身に癌が回って来ているようで、世界各地に赴き様々なことを試していると言う。
日本人の彼自身も50を過ぎて更年期障害にかかり、鬱と戦っているようだった。日本で生まれ育った彼にとって、大人になってから知り合った恋人の国フランスに移住することは、きっと並大抵の困難ではなかったのだろう。パリでの暮らしも、泥棒や暴力事件などの多さに辟易していると言っていた。
僕自身、40代前半は恋人を探すことでエネルギーを燃やし続けて来た気がするけど、Kとつきあいはじめて45歳を越えた辺りから自分の内面が少しずつ変わって来ているのを感じている。
昔のように毎晩飲み歩くことは少なくなって来たのと、大勢の人が集まるパーティーのようなものに行くとその場は楽しいのだけど、帰る頃には疲労感を感じるようになって来た。
友人たちとのつきあいも、とにかく沢山広く浅くというよりも、数人の信頼出来る人がいてくれたら十分幸せを感じられるように思えるのだ。
年を重ねてゆくことは、次々と大変なことが目の前に起こりそれに対処してゆくという側面もある。
自分の身体や心の状態もあるし、病気を患ったり、親を喪ったり、親しい人を喪うことも経験してゆくからだ。
僕自身の周りを見回して見ると、40歳を過ぎる辺りから更年期障害になる人が多くいるように思う。年齢とともに男性ホルモンが減り、精神的にバランスを崩すことが原因のようだ。
恋人もいなく独りを貫いているゲイやセクシャルマイノリティは、孤独な状況に置かれている場合が多く、条件的にも更年期障害になりやすいのだろう。
周りの友人たちを見回して、時々気にかけちょくちょくお節介をやいてゆくことも、幸せに年を重ねてゆくには大切なことなのかもしれない。

6才のボクが、大人になるまで。

『恋人までの距離』『ビフォア・サンセット』『ビフォア・ミッドナイト』という素晴らしい3部作の恋愛映画を作った監督『リチャード・リンクレイター』の作品。
このところ1ヶ月半も旅行に行ったり週末ずっといなかったりしたのだけど、やっと観に行くことが出来ました。(上映は確か先週末で終わるはずだったのに、静かにヒットしたのか、オバマが今年一番心に残った映画だと発言したからか延長されたようで、新宿シネマカリテ、シャンテなどでやっています。)
ビフォアシリーズでは、実際の俳優たちがそのまま年を重ねて行きながら、9年置きに3回に渡って男女の恋愛の不思議を描き出していたのだけど、今回の作品は、6才の少年が親から離れ大学生になるまでの長い時間の家族のありようを、実際の俳優たちを使って制作している。
3時間近くある映画だったので観るのをためらっていたのだけど、実際に観たら、3時間飽きることなく見続けることが出来た。(淡々とした映画なので、入り込めない人は退屈に感じるかもしれない)
映画は、あるひとりの少年の成長記であり、リチャード・リンクレイター監督による人生に対する洞察に溢れている。
少年の家族の話は、いわゆる普通のどこにでもある家族の話だ。それ自体がかわいそうだとか、ドラマティックな設定ではない。
それでも、長い時間見続けることが出来るのは、その家族の話の中に、何かしら心を捉えて離さないリアリティや人生に対する普遍的な何かが感じられるからだろう。
「人はなんて不完全で、人生とはなんて支離滅裂で不可思議なものなのだろう」
映画を観終わった後に、僕は自分の家族のことを考えた。
映画全体も好きだったけど僕はそれ以上に、久しぶりに観たパトリシア・アークエット(ロザンナ・アークエットの妹)の演技に魅せられて、「彼女にアカデミー賞を取って欲しいなあ・・・」と思ったのでした。
★6才のボクが、大人になるまで。http://6sainoboku.jp

3P

福岡のバーでKと一緒に飲んでいたら、「3Pする時は呼んでください」「今夜3Pしませんか?」と二人から次々に言われた。
福岡で特別3Pが流行っているとは思えないし、彼らも冗談で言っているのだろうけど、直接的な物言いに笑ってしまった。
3年前くらいに遊びに行ったホーチミンや北京でJack’dでやり取りしていると、「今夜3Pしませんか?」というお誘いを何人もの人からもらった。その時は、ベトナムや中国では3Pが流行っているのだろうか…?と不思議に思ったものだ。
昨年、友人2人と旅行した時に3Pの話になった。僕が、「3Pとか、やったことないんだけど、やったことある?」と聞くと、ふたりとも恐る恐る、「あるわ…」と同時に言ったので声をあげて驚いてしまった。
特別3Pを僕がしたいわけではないのだけど…^^;
46歳になった今、(貞淑な)僕が改めて思うことは、
『興味があったら、どんなセックスでもトライしておけばよい』ということ。
セックスには、正しいセックスも間違ったセックスもないのだと思う。(間違ったセックスがあるとすると、法律に触れたり、セーフでなかったり、人を傷つけてしまうことだろうか)
セックスで得られる悦びは、神様がくれた贈りものだと思う。そしてどういうわけか神様は、それを僕たちに永遠には与えなかったのだ。
セックスをしたかったら、したい時に愉しんでおいた方がいい。
やがてセックスをしたいという欲望も、自分の身体も、年齢とともに変化していくのだから。
Happy Christmas!!!

福岡のゲイバー。

ずいぶん前に大阪のゲイバーのことを書いた記事に、思いがけず温かいコメントをいただいたので、以前書いた気もするけど福岡の僕の行く店を書いておきます。
★七男鳥
福岡に行くと、先ずは『七男鳥(しちめんちょう)』に顔を出す。客層は若過ぎずオールジャンルだけどマスターがホノルルマラソンに出たりスポーツマンのためテニスをやっている人などが多い。カウンターが大きくソファには団体が座ることもある。
お店には年に4回くらいは行くし黒霧島のボトルが入っていて黙っていてもボトルが出てくる。昨年は、あまりにもしょっちゅうお店に僕が来るので、マスターのナナオさんは、「あんた、福岡に住んでるのよね?」と言われた。
今回、カウンターの向こう端に見覚えのある顔を発見。小倉に住んでいる知人で、3年前くらいにJack’dで知り合い、デートをした一つ年上のJさん。
会った時にお互いにタイプではないことがわかったのだけど、それでもJさんは大濠公園の桜を案内してくれて、もつ鍋にも連れて行ってくれた。会計をしようと思うと、Jさんが全部払ってしまったのだった。
そして今回は、僕がトイレに立った隙にJさんは帰ってしまったのだけど、自分のボトルから焼酎を一杯僕たちに作ってくれた。
帰り際、マスターのナナオさんに「あんた、明日一緒に食事しましょうよ!」と誘われた。翌日LINEでやりとりすると、自宅でしゃぶしゃぶをするからおいでとのこと。僕たちは数週間前からレストランの予約をしていたので今回は丁重にお断りしたのだけど、Jさんといい、ナナオさんといい、福岡の男たちは温かく生き方が男前だ。
★SAFARI
七男鳥で長いこと働いていたしまだくんが出したお店。カウンターメインの小さな店だけど、しまだくんが面白いので七男鳥からのお客さんに限らず様々な人が訪れる。この日もGOGOのかわいい子が来ていた。
店員さんもお客さんも酔うとノリがよく、テキーラなんかをおごり出す始末。マスターは酔って気分が乗るとカウンターに上がって脱いだりする。
★Compact
七男鳥よりも若手の層が集まる店。カラオケもあるけどいつも人で賑わっている。
★Fish Bar
上の3つのバーがある美野島商店街からキャナルシティーの方に向かう途中にある。
体格の大きめなマスターは話がしやすい。店に大きな水槽があって、綺麗な魚が泳いでいる。

誕生日には、ふぐを。

真ん中に見えるのが大分ならではのキ◯

皮がうまい

白子の磯辺揚げ

おかげさまで、今年も冬至で46歳を迎えることが出来ましたー。
福岡からソニックで大分へ。朝7時に仕事に向かうKを見送り、布団の中でまどろんでいたら母親からおめでとうの電話が入った。昨日も別件で電話で話したのに、誕生日に欠かさず電話を寄越すのは母らしい。
その後、友人たちからおめでとうのメッセージをいただいた。
SNSなどで誕生日を公開していないのに、こうしてメッセージをくれる友人こそ、本当にやさしい人なのだとありがたく思う。
誕生日の晩御飯は、仕事を終えたKとふぐ屋さん『ふぐ良茶屋』のやっている『ふぐ良 ぶるーむ』へ。ここは、手軽な値段でふぐを楽しむことが出来るふぐ居酒屋。
大分の酒『西の関』の熱燗をいただきながら食べるてっさは、寒い時期にこの地方の人々が楽しみにしているのがわかる。
この時期しか味わえない白子を天ぷらで、ふぐは唐揚げも美味しいけど、ここでは敢えて天ぷらで頼んだら、ふぐの繊細な味が活きていてふくよかな味わいだった。
熱々のふぐちりを食べながら、今年も一年、Kと仲良くやってこれたことを感謝した。
雑炊はふぐの最も美味しい食べもの。ほとんど塩気を感じないくらいでも、ふぐの豊かな味わいがお米に染み渡っていた。
★ふぐ良 ぶるーむhttp://tabelog.com/oita/A4401/A440101/44000302/