カナダのゲイライフ。(トロント編その2)

ドラァグクイーンの壁画

100世帯が暮らすLGBTコンドミニアム

世界最古のゲイの本屋さん

リズは少し太めで、化粧っ気がなく短めの髪のレズビアン。チャーチストリートにあるRainbow High Travelという旅行会社をやっていながら、トロントのパレードにおいても活躍しているため、一緒に歩いていても人が寄ってくるような有名人。今回、リズの世話焼きオバちゃん的な親切のおかげで、チャーチストリートを中心としたVillageの様々な場所を案内してくれた。
前回のブログに書いた壁画の先には、ドラァグクイーンたちの壁画がある。実はこの壁画、ドラァグクイーンの耳元や首元には、キラキラ光る宝石のようなものが着いているのだ。奇抜な格好で派手なメイクをしたドラァグクイーンたちが何メートルにも渡って集まり、スパンコールのように怪しく光っている様は見事だ。
また、およそ100世帯のLGBTの人たちが暮らしているコンドミニアムがあるなんて、東京に比べるとずっと進んでいるなあと感心した。
World Prideを機に、LGBTの公園やメモリアルも増設されていて、毎年毎年AIDSで亡くなった人々の名前が書かれたものがあり、手紙や花が添えてあったりする。
ゲイを中心にLGBT関連の本を扱った『世界最古のゲイの本屋さん』は2階にあり、やさしい店員さんがにこやかに迎えてくれた。
店員さん
「半年くらい前にここに黒人の男の子が訪れて、自分のセクシャリティーのことで悶々と悩んでいたんだ。自分はゲイなのか、バイなのか…自分のことを受け入れられなくて、人には言えないし、黒人ということでも悩んでいたんだ。
僕は彼と長い時間話をして、色々な本を紹介したんだ。
やがて半年くらい経ったある日、派手な格好をした若いドラァグクイーンが目の前に立ったと思ったら、その子だったんだよ!
もう完全に吹っ切れてる感じで、ふたりで大笑いしたんだ」
トロントの人はニューヨークなんかに比べると、どこかおっとりしていて垢抜けない気がするけど、町のそこここで感じるのは彼らの親切心でありやさしさ、温かさだ。
様々な人種やセクシャリティが暮らすこの町は、違うもの同士がやさしく触れ合い、混じり合い、支え合っているように見える。

カナダのゲイライフ。(トロント編その1)

チャーチストリート

事件を象徴する壁絵(1 in 286)

Rainbow High Travel

今回、オンタリオ観光局の方にトロントにおけるLGBTの歴史を聞きたいとリクエストをしていた。
案内をしてくれたのは、スチームサウナを経営していてチャーチストリート(ゲイバーが集まるエリア)では有名人のジョン、そして、トロントのパレードを手伝っているレズビアンのリズ。
少し前のアメリカでは同性婚がほとんどの州に於いて認められていなかったため、同性婚が完全に認められているカナダに来て結婚式を挙げる人が多かったのだけど、カナダは昔からLGBTに寛容であったわけではない。
ニューヨークでストーンウォール事件(1969年ストーンウォールインというゲイバーに警察の踏み込み捜査が入った際に、みんなで抵抗して戦った歴史的な事件。これを発端にニューヨークのゲイパレードは始まった)があったように、1981年のトロントでも、ゲイのハッテン場において286人ものゲイが逮捕された事件があった。
それを機に、トロント中のゲイやレズビアンが集まり団結して、自由と平等のために立ち上がり戦い、トロントでのLGBTアクティビズムの大きな流れになって行った。そしてトロントは、今年World Prideの開催地となり今や世界最大のLGBTパレードを行うまでに成長したのだ。
実は、僕の長いゲイライフにおいて、『ハッテン場』というものに行ったことがなかったのだけど、今回案内してくれたジョンが、自分のスチームサウナ『STEAM WORKS』に案内したいと言うので一緒に行ってみた。
中に入るととても清潔で、腰にタオルを巻きながら男探しに徘徊する人たちがいる。そしてなんとジムもある。腰にタオルを巻いた怪しい人がなぜかジムの器具を操っていたり…(笑)、モニターではポルノが流れていたり、小さな部屋が沢山あって、タイプをゲットした人たちがしっぽり部屋に閉じこもっていたり、はたまたその部屋での一部始終を、モニターに解放することの出来る部屋まであったり…
別れ際にジョンは、「今日は客もいっぱい過ぎて楽しめないと思うから、明日の7時過ぎにおいで!これは俺の名刺だからVIP扱いにしてもらえるから!」
そう言ってウインクしながら、僕のことを普通ではない強さでしっかりと何度もハグをした。
★STEAM WORKS BATHS http://www.steamworksbaths.com/toronto/
540 Church St. 2nd level Toronto,

カナダからの手紙。(トロント編)

夜のフライトでトロントへ。
数年来の友人である台湾人のRと晩ごはん。Rは27歳。トロント大学を出て、今は銀行で働いている。昨年の4月には日本を訪れ、僕の家にしばらく滞在していた。
Rのオススメの『Distillery』へ。
昔はここで蒸留水でお酒が作られていたという歴史地区が、今はレストランやお店、シアター、ギャラリーに変貌を遂げている。
自家醸造のビールのテイスティングや、トロントの水で日本酒を作っている店もあり、小さな出店が沢山並んでいた。
トロントに住みはじめて10年になるRに、こちらにずっといて、寂しくなることはないのか?と聞いてみると、
R「時々台湾のご飯が懐かしくなることもあるけど、ここは何よりも自由だから、僕はトロントで生きることを選んでる」と答えた。家族にカミングアウトしているRは、さらなる自由を求めてトロントで暮らしているのだ。
今まで人種差別を感じたことはあるか?と聞いてみると、
R「正確に言うと、あったと思うけど、普通に暮らす中では、アメリカのような生きづらさは全くないよ」と答えが返ってきた。
大きなクリスマスツリーが備え付けられ、クリスマスの飾り付けや、ターキーなどが焼かれて売られている『Distillery』は、子どもたちが楽しそうにはしゃぎ、大人は幸せそうに歩いている。
ふと見ると、男同士のカップルが何組か手をつなぎ、肩を寄せ合いながら通りすぎてゆく。
色々な人種や、年齢や、セクシャリティの人々が、それぞれに幸せそうに過ごすクリスマスのトロントは、歩いているだけで心が温かくなる町です。

神ニ計画。

満席のイロドリのキッチン

神宮前二丁目略して『神ニ』は、僕の愛する町であり、『irodori』をはじめ、『みどり』があったり、妹的存在のGも住んでいる。
その神ニに、また最近仲の良いビアンカップルが引っ越して来たし、イロドリのスタッフも近くの千駄ヶ谷に越して来たり、ゾクゾクと町が濃くなってゆくのがわかる。
Gが前々から『神ニ』のフリーペーパーなるものを作りたいと話していたのだけど、それが本格的に動き始めた。神ニ商店街の一つ一つのお店に取材をして、連載の形でその店のユニークネスを伝えていくという形。
まずは手始めにクリーニング屋さんのご主人と軽く打ち合わせをした。
お話の中身は驚くことばかりで、中でも驚いたのは、クリーニング屋さんというのは国家資格なんだそうだ。国家資格に合格するためにみんな勉強してアイロンをかける実技なんかもあるのだそうだ。
普段僕たちは担当したクライアントのことは結構知っているつもりでいたのだけど、町の商店街の人々の仕事というのをほとんど知らなかったのだ。
この神ニが、新宿二丁目とはまた違った形のLGBTに寛容な二丁目になっていったらいいなあと仲間たちと盛り上がっている。

溶岩焼 薩摩屋

3秒ハツとレバーとカルビとチャンジャ

カナダ行きが近づいて来たので、S太郎と焼肉でも食べてミーティングをしようということで、新宿5丁目にある『溶岩焼 薩摩屋』へ。
新宿で焼肉というと、歌舞伎町にある韓国系焼肉の『TEJI』か、二丁目にある『神戸屋』かだったのだけど、この溶岩焼きの店はコスパに優れていて店員さんも気持ちよく、いい店だった。
溶岩焼きなんて今まで聞いたことなかったのだけど、鹿児島の桜島の溶岩だそうで、それを卓上で熱々に燃やしその上に肉を置いて焼きながら食べることになる。
中でもオススメは、『3秒ハツ』というもので、3秒焼けば食べごろだそうだ。店員さんに焼こうとして焼き方を聞くと、「一、二、三、はい裏返してください!」と言われて慌てて裏返した。「一、二、三、はいどうぞ!」
「これじゃあ、6秒じゃん!」
それはともかく、新鮮なハツやレバーは全く臭みがなく、ハラミも肉肉しくて美味しく、二人で飲んで食べて6千円だった。なんて素晴らしいコスパ!
★溶岩焼薩摩屋http://tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13098288/

ストックホルムでワルツを

スウェーデンの国民的ジャズシンガーであり、世界的にも活躍したモニカ・ゼタールンドの伝記映画。
スウェーデンの片田舎ハーグフォッシュで暮らすモニカは、シングルマザーとして小さな一人娘とともに両親の家で暮らしている。電話の交換手をしながらもジャズシンガーになる夢を捨てきれず、何度も何度も人生に挑戦してゆく…。
いやあ…全然期待しないで観に行ったら、素晴らしい作品だったのです。全編に流れる有名なジャズナンバーを聴きながら、至福の時間を味わうことが出来ました。
演出は大人っぽいし、俳優たちが見事なのです。気弱な娘、やさしいおばあさん、繊細な男友達、そして何よりも、厳格なお父さん…
北欧人のくせにジャズ?と思われる方もいるかもしれないけど、映画を見たらきっと、北欧人ならではのジャズの理由がわかります。
全くの偶然なのですが、先日ここでご紹介したスウェーデンジャズのアルバムを家に帰ってチェックしたら、最後の一番好きな曲『as time goes by』を歌っていたのがモニカだったのです!http://jingumae.petit.cc/banana/2306353
★ストックホルムでワルツをhttp://stockholm-waltz.com

金沢ゲイバー事情。

金沢には、数件のゲイバーがある。地方都市の暮らしは狭い世界なので、ゲイバーに行く客も限られているようだけれども、中には16年続いている店もあるので金沢に行かれる際に参考にしていただけたら。
★REMIX
僕の行きつけのお寿司屋さん『あいじ』の上の2階にある。片町の交差点から犀川に向かい一番近い道を右に入って300メートルくらい行った右側。この道に数件のゲイバーが散在している。ママは元気な42歳。他のバイトも皆若く、金沢では一番流行っているお店。全体的に若い人が多いけど、居心地がよい。スタッフやお客さんの誕生日祝いをやっていて、シャンパンがばんばん空いていた。
★こうじ
犀川が大きな窓から見える素晴らしい眺めのお店。お店をオープンして16年らしい。マスターは50代後半から60くらいだろうか?人当たりのやさしい人だ。若いバイトが入っているけど、久しぶりに覗いた金曜日はお客さんがあまりいなかった。
★RAINBOW
REMIXとこうじの間のビル。ママが浜崎あゆみの熱烈なファンのせいか、テレビでずっと浜崎あゆみの映像が流れていた。カラオケもあるようだ。あまりにも話すことが無くて、入った瞬間どうやって出ようかとそればかり考えてしまった・・・。女性客もいる。
★真珠貝
ママが楽しい人なので友人は好きなようだが、デブ専のお店らしいので行っていない…笑