鮨 おさむ。

フグの白子

マグロの煎り酒

車海老

福岡の食通の間で評判の『鮨 おさむ』へ。
天神からタクシーで20分くらいだろうか、ちょっと不安になるような全くの住宅地にお店はある。暖簾をくぐると、温和な大将が迎えてくれる。女将さんはチャキチャキした人でとても話しやすい。
6時と8時半からの2回転で、みんなが揃ってからお料理が始まった。
〈おつまみ〉
フグの白子を久しぶりにいただいた。焼かれた白子を皿に取ってスプーンで食べるのもいいけど、熱々の白子は一口でハフハフ言いながら食べるのが一番美味しいと思う。いわしは4時間半煮込んであり、皮も崩れることなく手間がかかっているのがわかる。
トマトの煮物
ツブ貝
フグのカワハギ肝和え
五島の鯖とヒラメの昆布締めウニ巻き
ヒラメの肝和え
フグの白子
いわしの梅煮
〈にぎり〉
口に運ぶとシャリがほんわりと口の中でほどけていくように調整されて握られている。一品一品素材をわかりやすく大将が解説してくれる。
フグは2〜3日寝かさないと食べられないとか、この時期のウニは北海道の昆布森のウニだとか。
マグロの煎り酒は初めて食べたのだけど、まだ醤油を使わない時代には、マグロを煎り酒で食べていたという。マグロ本来の美味しさを感じられる一品。
車海老は、写真のような形で昔は握られていたそうだ。これも初めて見た。
ヤリイカの腕
ヤリイカとウニ
しじみ汁
フグ
ヒラメの昆布締め
カワハギ
マグロの煎り酒
マグロの漬け
トロ

車海老
赤貝
ウニ
鉄火巻き
いなり
この店の素晴らしさは、お客さんを決して緊張させないところだろう。懐の深い大将は、お客さんに心地よい時間を味わってもらうことを熟知している。まさに、一級のお鮨屋さんだ。
★鮨 おさむhttp://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400202/40000001/

Pizzeria da Ciruzzo

カプレーゼ

マルゲリータとフンギポルチーニ

サルシッチャとほうれん草、クワトロフォルマッジ

福岡にいると、食べたいものが沢山ありすぎて、限られた日程の中で何を食べるかはいつも悩みどころだ。
夜はお寿司にしていたのでランチは軽いイタリアンがいいなあと思い、はじめて行くピッツェリア『Ciruzzo』に行ってみた。福岡ドームなんかがあるもっと先に行くと地下鉄が急に外に出て、やがて右側にきれいな海水浴場が見えたら今宿。店は駅から3分くらいだ。
店には窯があって、元気なオーナーがニコニコと迎えてくれる。学生さんのアルバイトは皆とても感じがいい。
カプレーゼはモッツァレラが本物だったし。本場イタリアで学んだというピザは、ナポリ風の生地がモチっとしたタイプでとても美味しかった。ピザなんてどこにでもあると思われるかもしれないけど、本当に美味しいイタリアンピザを出す店は都内だってそんなに沢山あるわけではない。
夏場は海水浴をして、お腹が空いたらここにピザを食べに来るなんていいだろうなあ。白ワインを飲みながら新鮮な魚介のピザなんかも食べられると思う。
実は今、福岡に移住することを夢想しているのだ…
★Pizzeria da Ciruzzohttp://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400203/40024929/

橙。

澄んだスープ

唐揚げ

素麺

博多で鍋と言えば、『水炊き』。
水炊きの元祖を名乗る『水月』、『長野』など、白濁した鶏スープを出す有名店は沢山ある。
『橙』は、大濠公園のそばの有名焼き鳥店が隣に出した水炊きの店。白濁した鶏スープではなく、透明感のあるスープだ。
ジャズが流れ、すっきりとしたインテリアでまとまった店内は広く、席と席の間もゆったりとしていて居心地がよい。
メニューは、水炊き、唐揚げ、素麺、雑炊のみ。その潔さがこの店のクオリティを物語っている。
はじめにスープをいただき、胸肉と骨つきの柔らかい肉をポン酢でいただく。その後、手羽など部位の違うお肉を。
唐揚げは大ぶりの胸肉で柔らかく、塩味で山椒の辛味の効いたさっぱりとしている。
鶏肉の後に野菜と豆腐をいただき、〆に素麺と雑炊を。よほどの大食いでない限り、一人前で充分な量でお腹いっぱいになる。
鶏肉は、その日の朝にさばいた新鮮なものを毎日使用しているので臭みがない。化学調味料に頼らない澄んだ味わいのお料理は、食べた後にもすっきりとしていて、また水炊きをたべに来たいと思える素晴らしいお店だった。
★橙http://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400105/40035537/

やま中本店。

味噌味

チャンジャと酢モツ

今年最後の旅行に福岡にやってきた。
福岡には今年だけでも5回、今までにも最も多く旅行している場所なので、空港に降りるとなんだかホッとする。
仕事が終わって9時前に博多駅に到着するKと待ち合わせて、有名なもつ鍋屋さん『やま中本店』へ。
大きな一軒家はもつ鍋で建てたのだろうか、駐車場には車がびっしり止まっていてお客さんがひっきりなしに訪れる。
メニューは、もつ鍋を味噌味、醤油味、しゃぶしゃぶの中から選び、それ以外につまみが明太子や酢モツなんかがある。
味噌味のもつ鍋を頼み、チャンジャた酢モツをつまみながらビールをいただく。
もつ鍋は、こってりしていて甘く、モツは思った以上に柔らかく、B級グルメ専門のKの顔もほころぶ。
日頃僕は、「モツなんて、人間の食べるものじゃない…」なんて言っていたけど、Kが喜ぶなら、たまには食べてもいいかなと思い直す。
人間って、変われるものなのです。
★やま中 本店(薬院にも支店あり)http://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400202/40000002/

時差ボケの魅惑。

『アメリカやカナダは行った時につらい。ヨーロッパは帰って来た時につらい』と一般的には知られている。
今回旅行したカナダの東海岸と日本との時差は、この時期マイナス14時間(日本の時間に2時間マイナスして昼夜ひっくり返す)。ニューヨークなども同じなのだけど、いつも夕方頃に激しい睡魔に襲われる。
昔はよくこの時差に抗っていた。「その土地に着いたらその土地の時間だ!」と思いこませようと頑張ったりしていたのだけど、ことごとく失敗に終わった。そして今回、時差はそんなに簡単に治らないことが判明してもう抗うことをやめた。
『身体が感じる時差は、1日1時間修正出来るか出来ないか』だそうだ。
どんなに頑張っても、短期間の旅行で人間の身体の時差を14時間も変えることは出来ないのだそうだ。(時差を感じないと言っている人は、ただ単に思い込みの激しい人なのだろう)
だから今回僕のカナダでの毎日は、夜寝ても2時間くらいで浅い睡眠から目覚めて、深夜から朝まで眠れずに明け方少しうとうとする。そして午後から夕方にまた眠くなり、ホテルや車の移動時間などで爆睡する…夜ご飯を食べて帰ってまた寝るけど2時間くらいで目覚める…時差になれなければ…という気持ちより、不思議な感覚を楽しむ感じだろうか。
時差ボケ体験で魅惑的なことは、眠りに引きずり込まれるあの瞬間だろう。
抗いがたい睡魔に襲われ、奈落の底に堕ちてゆく瞬間を体験出来ることは、生きている醍醐味のひとつにさえ感じられる。

忘年会。

皿うどん

会社の忘年会が新橋で行われた。
僕の会社も昔は派手な忘年会だったけど、今は全体として数は減ったし、随分質素になった。今年は、新橋にある京風おばんざいのお店。
烏森神社のそばの小さな一軒家を改装したレストランは、秘密の隠れ家のようだ。2階には個室風になれる仕切りがあり、掘りごたつではないけど暗い照明に落ち着く。
お料理はどれも地味だけど美味しかった。なんというか、料理のうまい友人の家に招かれたような感じだろうか。
こんにゃく・ポテトサラダ・レンコンの3種盛り、イカと水菜とプチトマトのサラダ、鶏肉と大根のたいたん、ごま鯵、皿うどん・・・こんな料理を組み合わせて、一人3500円からコースを作ってくれる。
特に、『鶏肉と大根のたいたん』は、濃い茶色だけどなんだかほっとする味が染み渡っているし、『ゴマ鯵』は九州で食べる『ゴマ鯖』に似て、青背の魚の美味しさを胡麻が引き立てコクを出していた。
毎年毎年、こうして忘年会を20年以上やって来たのかと思うと不思議な気がしたのは、昔お世話になった人たちとの心温まる懐かしい話や、その人たちが定年を迎え去って行ったからだろう。
みんな少しずつ年を取っていく。人生は、永遠に続きはしないのだ。そうであるからこそ、きっと同じメンバーではまたとないであろう忘年会でさえ、いっそう愛おしく感じられた。
★OBANZAI KIZUKIhttp://shinbashi-kizuki.com

ベトナムのお土産。

久しぶりに二丁目のBridgeに行ったら、ベトナム帰りのブリママからお土産をいただいた。
なんでも、ホーチミンにベトナム人のアーティストによる映画のポスターを売っているお店があって、そこで買い求めたものだそう。
このオリジナリティー溢れるポスターを見ていると、パルプフィクションの黒髪のおかっぱ頭のユマ・サーマンと、トラボルタが踊るシーンがありありと思い浮かぶ…。
このポスターを考案したアーティストは、様々な映画をきっと自分なりに解釈して、改めて静止画のポスターというものに焼き付けようとしているのだろう。
平面だからこそ多くを語ることは出来ないけど、映画のワンシーンの写真だけでは伝わらない、どんな映画なのかを想像させてくれる素晴らしいものだと思う。
ブリママ!ありがとう!!!
★Bridge http://www.bar-bridge.com

おかえりなさい。

久しぶりに9日間も海外旅行をして、日曜日の夕方に羽田に着いた。
7時頃家に着くと、KからLINEでメッセージが入った。
「おかえりなさい」
シャワーを浴びて慌てて選挙に駆け込み、その足でイロドリへ。
ドアを開けると、カウンターに立っていたスタッフやキッチンの奥からスタッフが次々と顔を覗かせて、
「おかえりなさい」
「ねえさん、おかえりなさい!」
と声をかけてきてくれた。
(オネエ言葉は話せないのになぜかねえさんと呼ばれている…)
「おかえりなさい」という言葉は、なんて温かい言葉だろう。
血の繋がった家族ではなくても、「おかえりなさい」と声をかけてくれる人がいることは、なんて幸福なことだろうか。

カナダのゲイライフ。(モントリオール編)

Aigle Noir

Sky

campus

Rue Ste-Catherine は、モントリオールを左右に貫く背骨のような目抜き通りで、ブランドショップが並んでいる。そしてその通りのずっと東側にゲイのVillegeは広がっている。
今回行ってはじめてわかったことだけど、僕の知っている都市の中で、モントリオールは一番のゲイの歓楽街だということ。週末の通りは全体がレインボーに染まっているかのように、多くの人で賑わっていた。
Jが、僕たちを朝から明け方まで引きづり回した結果、幾つものゲイバーに行くことができましたー。_| ̄|○
★★★Aigle Noirhttp://www.aiglenoirmontreal.com
モントリオールの底力を感じた店。ラテン系の濃い顔で髭を蓄えた男たちが集まるバー。
中は細長くメゾネット式で三層になっていてかなり広い。ドアを開けるとラテン系の男たちのすえた臭いが漂ってくる。今回のモントリオールゲイバー巡りの中で、一番居心地の良かった店。
★★★Studhttp://www.studbar.com
一階しかないが、大きなカウンターが4つくらいある広い店。カウンターの間に踊れるスペースもある。ここもゲイメインのバーで、若い子から年齢層上まで幅広い。21歳の子に口説かれたのはこの店。
★★Skyhttp://www.complexesky.com
一階はドラァグクイーンのショーをやっていたり、二階はKaty Perryなんかがかかっていて踊っている。三階はさらにエッジの立ったクラブ系の曲が流れている。若い子がとても多く、ミックスなので女性客もかなりいる。
★Campushttp://www.campusmtl.com/index-E.html
ポールダンサーが踊りながらストリップをする店。観客席はかぶりつきで見ているのはなぜか年配が多く、外に行くに従って若い客になっている感じ。ダンサーはマッチョかガチムチが多くボリュームがある。
奥に暗い部屋があり、触りたい人はお金を出せばお触りすることができる…
※得体の知れない場末感がある。
★Stock barhttp://www.stockbar.com
同じくポールダンサーがストリップをやる店。Campusよりもダンサーが若く、客層も若いかもしれない。
Campusと同じく暗い部屋があり、お金を出せばお触りすることができるので、踊り子の目が光って客席を見ているのだ…。

素顔のモントリオール。その2

cafe neve

neve クロークムッシュ

Schwartzs 牛肉のサンドイッチ

モントリオールをつきっきりで案内してくれた超親切でお節介おばさんのようなJは、敏腕弁護士でカナダ中を飛び回っている。テレビにも出る活躍とは裏腹に仕事自体は相当ストレスの溜まるものだったようだ。
J「ハードな仕事のおかげでお金も十分貯まったから、間も無く弁護士をリタイアしようと思っています」
Jは日本語を勉強していて、日本文化と日本人が大好きな50代のオネエさん(いわゆるライスクイーン)。今年日本で行った大阪、岡山、宮島、徳島がとても心に残る旅になったようだ。
Jの、日本語を勉強したいという思いを尊重して、僕たちもなるべく簡単な日本語で話すようにした。Jにはなるべく日本語で話しをしてもらいながら、難しいところは英語で詳しく説明したのちに僕らが日本語に直して話す感じ。Jは、ローマ字ではなく、漢字や平仮名で日本語を勉強している。
僕「同じ音で違う意味があったり、同じ漢字で違う読み方がいくつもある日本語を勉強するなんて、50歳を過ぎてあまりにも難しすぎない?」と聞くと、
J「簡単だったら面白くありません。難しいから、やり続ける面白さがあるのです…」と、たどたどしい日本語で答えた。
僕「なぜ日本が好きなのですか?」と聞くと…
J「それは簡単な質問だけど答えが難しいです…日本の文化が好きなのと、あまりにも私たちの文化と違うので興味があります」と答えた。ちなみにJに言わせると、日本語の音は、フランス語の音に似ていて心地よいのだそうだ。
J「恋人ともずいぶん前に別れて仕事をリタイアした私は、心に空いた隙間を日本語の勉強をすることで埋めたいと思っています。やがて日本語を覚えたら、日本とカナダのために何か助けになりたい…」
50歳を過ぎたJは自分の人生を省みて、新しい道を踏み出そうとワクワクしていた。
★★★cafe nevehttp://www.cafeneve.com
地元の人で賑わうカフェ。
室内は、お店に対する愛情がインテリアの細部にまで宿っている。
老若男女様々なモントリオール人が朝ごはんを食べに来ていて活気がある。そして、美味しい。
★★★★Schwartz’s http://www.schwartzsdeli.com
モントリオールで最も有名なユダヤ系サンドイッチ屋さん。
牛肉を焼いた後に秘伝のタレに漬け込んだサンドイッチが有名。脂肪の量多め少なめなど選ぶことができる。席は窮屈で店員は慇懃無礼だけど、安くて美味しいので昼は行列ができる。