6才のボクが、大人になるまで。

『恋人までの距離』『ビフォア・サンセット』『ビフォア・ミッドナイト』という素晴らしい3部作の恋愛映画を作った監督『リチャード・リンクレイター』の作品。
このところ1ヶ月半も旅行に行ったり週末ずっといなかったりしたのだけど、やっと観に行くことが出来ました。(上映は確か先週末で終わるはずだったのに、静かにヒットしたのか、オバマが今年一番心に残った映画だと発言したからか延長されたようで、新宿シネマカリテ、シャンテなどでやっています。)
ビフォアシリーズでは、実際の俳優たちがそのまま年を重ねて行きながら、9年置きに3回に渡って男女の恋愛の不思議を描き出していたのだけど、今回の作品は、6才の少年が親から離れ大学生になるまでの長い時間の家族のありようを、実際の俳優たちを使って制作している。
3時間近くある映画だったので観るのをためらっていたのだけど、実際に観たら、3時間飽きることなく見続けることが出来た。(淡々とした映画なので、入り込めない人は退屈に感じるかもしれない)
映画は、あるひとりの少年の成長記であり、リチャード・リンクレイター監督による人生に対する洞察に溢れている。
少年の家族の話は、いわゆる普通のどこにでもある家族の話だ。それ自体がかわいそうだとか、ドラマティックな設定ではない。
それでも、長い時間見続けることが出来るのは、その家族の話の中に、何かしら心を捉えて離さないリアリティや人生に対する普遍的な何かが感じられるからだろう。
「人はなんて不完全で、人生とはなんて支離滅裂で不可思議なものなのだろう」
映画を観終わった後に、僕は自分の家族のことを考えた。
映画全体も好きだったけど僕はそれ以上に、久しぶりに観たパトリシア・アークエット(ロザンナ・アークエットの妹)の演技に魅せられて、「彼女にアカデミー賞を取って欲しいなあ・・・」と思ったのでした。
★6才のボクが、大人になるまで。http://6sainoboku.jp

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