磯ヒヨドリ

我が家には磯ヒヨドリが住み着いている。

この家の内見をした日から、何度か見学に来た日、こっそりと家を見に来た日もいつも磯ヒヨドリが家の庭の中を飛んでいた。

ここに住みはじめてからもいつも磯ヒヨドリがいて、朝は美しい鳴き声を聴かせてくれて、時々見える深い青い色に親近感さえ覚えていた。

普段は木の戸を3枚ざっくりと閉めるだけで隙間だらけだった倉庫も、台風に備えてぴっちりと隙間なくドアを閉めてしまった。

その後夕方に庭を見ていたら、磯ヒヨドリが2羽倉庫の向かいの2階の上に上がってずっと倉庫を見つめている姿が見えた。

K「あの磯ヒヨドリ、もしかしたら倉庫の中に巣があるのかもしれないね。さっき倉庫の戸をぴっちり閉めてしまったから入らなくなって困っているのかな?」

僕は庭に出て倉庫の戸を確認しに行った。台風の風や雨を気にすると、倉庫の戸は隙間なく閉めた方がいいけど、磯ヒヨドリが巣に戻れずに雨晒しになるのは耐えられない。

閉めた戸の隙間に下に落ちていた石を無理やり組み込み、なんとか隙間を作ってみる。6センチくらい空いた隙間から磯ヒヨドリが入ることが出来るのかわからないけれども、これで無事に巣に戻って欲しいと思う。

僕たちはこの家で、Kと海と3人で暮らしているつもりでいたけれど、この家の周りで一緒に暮らしている鳥たちも、ヤモリたちも、みんなが安全にこの台風を乗り切ってくれることを今は願うばかりだ。

台風に備えて。

今年の1月末に宮古島に引っ越して来てから、未だに台風が来ていない。

そのせいで宮古島や石垣島では海水温が下がらず、サンゴの白化現象が至る所で起きていて問題になっている。

台風は家屋や建物、農地に災難を及ぼすけれども、その反面海の中を深く掻き回し、海水温を下げてサンゴの生育を助けている。

ここ数年気候変動の影響が色濃く出てきているのか、段々台風が発生する時期や場所、進むルートも変わってきているようだ。

そしてしばらくは台風も来ないかなと思っていた矢先、11号が進路の予想を大きく変えて沖縄に近づいて来ているようだ。

今日は朝から庭にある転がったり飛んでしまいそうなものを一つ一つ倉庫や車庫の中にしまい、窓にある雨戸を一つ一つ丁寧に閉めて行った。

小さな鉢は倉庫にしまい、今年移植した大きなシークワーサーの木はロープで柱に固定した。

宮古島ではじめて迎える台風の威力がどんなに大きいのかわからないけれども、考えられる限りの最善の備えをして台風を迎えることにした。

これから月曜日まで台風の影響を受けるみたいなのだけど、いったいどうなることやら楽しみでもある。

ざくろ

家の門の両側に、前の家主が植えたざくろの木がある。

ざくろの木は昔からあまり縁起のいい木ではないのだけど、花がオレンジで美しいのと、実がなるのが楽しいので気にせずそのまま植えてある。

このざくろ、知らないうちにどんどん花が咲いて、知らないうちに実がなっているといった感じ。

ざくろって食べるところもほとんどないけど、なんだかエキゾチックで旅情を掻き立てられる気がするのだ。

朝ごはん

東京や熱海に住んでいた時は朝ごはんは和食が多かった。

ご飯を土鍋で炊いて、魚を焼いて味噌汁を作る。

でも、宮古島に来たら朝ごはんはパンが多くなったのだ。

元々パンはあまり食べなかったのだけど、紅茶やコーヒーとパンというのが今は軽くてちょうどいい。

僕たちの宿は、和食と洋食の2パターンのごはんを用意しようと思っている。

宮古島の豊かな野菜を取り入れた朝ごはん。そのためのメニューを今は考えているところ。

庭のハト

我が家の庭には色々な鳥が遊びに来る。

すずめ、磯ヒヨドリ、ハト、キンバト、クイナ…

そんな中でも磯ヒヨドリとすずめとハトはこの家に住み着いているようで、ここ数週間リビングの前の大きなイヌマキの木の中に巣を作ったようで、じっとして玉子を温めているのを見かけていた。

僕たちがハトの巣に気づいていないように、なるべく木の中を見ないようにしながら過ごしていたのだけど、ここ数日ハトの姿が見えなくなったので、夫婦でどこか別の場所に動いたのだと思う。

今まで一緒に暮らしているくらいの気持ちでいたのに、急にいなくなってしまうと寂しいもので、どこかで無事に生きていてくれたらなあと思うばかりだ。

時々2羽のハトを見かけると、うちにいたつがいのハトではないかとジィーッと見入ってしまう。

しろくまカフェ

ドッグランのある平良に行った帰り、朝ごはんでも食べて帰ろうかと「しろくまカフェ」にはじめて入った。

海がいたため外のテラス席での食事だったけど、ワンちゃんも一緒にごはんが食べられるのでありがたかった。

ワンちゃんと一緒に入れるお店が宮古島にももっともっと出来て欲しいところだ。ま、僕たちがやればいいのだろうな。

⭐️しろくまカフェ 宮古島店
0980-79-9630
沖縄県宮古島市平良久貝654-23
https://tabelog.com/okinawa/A4705/A470503/47028129/

海がめ

僕たちの住む上野の外れのドイツ村を散歩していると、時々海に海がめが浮いているのを見つけることがある。

海がめは途中で空気を吸うために水面に浮いてくるみたいだけど、少しの間水面で顔を覗かせたかと思うと、また意を決したように水中に潜っていく。

その姿が愛らしく、こんなに沢山海がめが暮らしている美しい海が残っていることに感動するのだ。

写真はわかりにくいけど、海がめが出てきてまた沈もうとしているところ。

コンビニはないけど野菜直売所がある。

家の周りには歩いていけるところにコンビニはない。

一番近いスーパーでも車で5分くらいの農協があるくらい。

そして、家の向かいのサトウキビ畑の横の道には野菜の無人直売所があってその季節の野菜が売っている。

だいたい買い物は週に1回しかしないので、家に野菜が少なくなったら野菜がないかと見に行く。

今日はパプリカ2袋と空芯菜、オクラが20個以上詰まった袋を買って帰ってきた。

一袋100円だからこれで400円。

コンビニが近くにあるよりも、野菜の直売所が家のそばにある方が断然いいと思うな。

すずめのぴーちゃん。

家の雨戸と雨戸の間至る所にすずめが巣を作っているようだった。

かわいそうとは思うものの、このまますずめの巣にしておくことも出来ず、思い切って雨戸を引き出して外に立てかけた。

すると、中からは小さな卵がまだ孵化しないまま出て来たり、中には一羽産まれて数日たったもののまだ毛の生えそろわないすずめの雛が現れた。

僕たちはペンキ塗りをやっているところで、このまま炎天下に置いておくのもかわいそうだったので、2階の雨戸の横に雨風が凌げる窪みがあったのでそこに巣とぴーちゃんと名付けた雛をそっと置いて来た。

その2階にはそばに大きな木があって、そこはすずめの溜まり場だったからきっとぴーちゃんに気づいてくれると思ったのだ。

ぴーちゃんはまだとても小さかったので、あのまま死んでしまっただろうな…と思っていたのだ。

あれから10日くらい経っただろうか、ペンキ塗りが進んで来た時に2階の雨戸の横の巣を思い出して見に行った。

巣には卵やぴーちゃんの影もなく、僕は安心してその巣を両手で持ち上げて2階から道路沿いの大きな木の根元に向かって投げつけた。

すると、それを見ていたKが叫んだ。

「巣から鳥が出て来た!」

「え!だってざっと見た時は何もいなかったよ」

どうやら僕が行ったからか怖くなって巣の下の方に隠れていたのかもしれない。

見ると、毛がかなり生えて来たぴーちゃんが巣のそばに出て来ていてピーピー鳴いていた。

僕たちはあの時のぴーちゃんがそのまま生きていて成長していたことに驚き、まだあまり飛べないのかもと思いもう一度元の場所に戻そうと道路の木の下の巣の場所に行ってみた。

そしてなんとかぴーちゃんを捕まえようとしたのだけど、ぴーちゃんは50cmくらいは飛べるみたいでパタパタと飛んでは逃げてしまう。

結局農道を挟んだ向かいまで追っかけたことをしてバナナの木の中にぴーちゃんは隠れて逃げてしまった。

その後も何度もバナナの根元を探したのだけどぴーちゃんは見つからず、それでも飛べるくらい大きくなっていたのでなんとか生きて行ってくれるだろうと思いぴーちゃんを探すのを諦めた。

僕たちの家の周りは幸い猫もいないので、すぐに天敵に襲われることはないかもしれない。

死んでしまったと思っていた雛が元気に育っていたことがとてもうれしかったのだった。

クラピア

家の庭に雑草ばかりが生い茂るのを見ながら、Kはずっと気にしていたのだ。

「ただしくん、こんな雑草ばかりのところにお客さん泊らせられないよ」

僕は大雑把な性格なので、雑草は定期的に草刈機で切ればいいくらいに考えていたのだ。

Kは色々調べた後に、クラピアという植物を探してきた。(これは以前ここに書いた)

ちょっと値段が高いけど、クラピアを植えてみようか…。

初めは10株買って、8株を植えて2株はずっと小さな鉢に植わっていたのでどうするのかと聞いたら、「失敗したら勿体無いからこれは様子を見て取っておくの…」とのことだった。

こんな勿体ない魂の塊のようなKが僕は好きだ。

その後クラピアは宮古島の土地が気に入ったのかうまく根付いたようで、みるみるうちに横に広がっていき芝生に負けないような美しい緑地を作りつつある。

そして先日更に24株のクラピアを買い足し、Kと2人で植えたところ。

Kはとても丁寧なので、耕運機で土地を耕し、肥料と培養土をきちんと入れて丁寧に植え付けた。

雑草ばかりだった僕たちの庭が、少しずつ綺麗な秩序を持ちはじめて来たところ。