コーヒーの国、コスタリカ。

コーヒー味のチョコレート

Brittという有名なコーヒーメーカー

コスタリカの硬貨

全然知らなかったのだけど、コスタリカは世界的に有名なコーヒーの産地のようだ。
コーヒーを全く飲まない僕が知っているコーヒーの有名な産地といえば・・・
コロンビアと、
ブラジルと、
キリマンジャロと・・・
あれ?キリマンジャロは山だったっけ?
昔からコーヒーの苦みと味わい、特に酸味があまり好きになれず、会社の会議で出されたり、クライアントで出されても、一口も口をつけることもなく残したりしていた。
コスタリカから帰る時に、写真集やTシャツの買い物と一緒に、会社にはコーヒー味のチョコレートを、コーヒーの飲めそうな友人たちにはコーヒーを買った。
そしてそのついでに自分用のコーヒーも買って帰ってきたのだ。自分用には、コーヒー豆を挽くところからだと道具もなくヘビーだったので、あえて挽いてあるコーヒーを、フィルターだけアマゾンで注文して、普段は花器として使っているアメリカのケメックスのコーヒーメーカーで作ろうと。
朝食の時に、はじめて淹れたコーヒーは、思いのほか美味しく感じられ、僕と同じように普段は全くコーヒーを飲まないKも気に入ったようで、それ以来朝は「コーヒーにする?」と聞いてくるようになった。
この年になって、今まで決して口にもつけなかったようなものを試しに飲んでみて飲めるようになったことは、僕にとっても驚きで、そんな風に新しいことをはじめてみる楽しさを感じている。
旅の終わりに、一緒に行った会社の先輩に僕がぽつりと言った。
「日本から1日以上かけてたどり着くコスタリカなんて、来られると思ってなかったです。
きっともうコスタリカなんて来られないだろうなあと思って・・・」
すると先輩がすかさず言った。
「来られないと思うと、来られなくなっちゃうよ。
俺なんて、偏狭な場所に行っても、また来たいと思ったら、その国のお金を全部使わずにいくらかそのまま持ち帰るんだ。そうするとなぜか、またその国を訪れるチャンスがやってくるよ」
そんな話を聞きながら、いつもはすべて空港で使ってしまう硬貨を、いくらか使わずに持ち帰った。
今度はKを連れてまた遊びに来たいな。
まだ見たこともない動物たちが沢山暮らす、平和で美しいコスタリカへ。

春はすぐそこ。

コスタリカから帰国して僕を待っていたのは・・・
久しぶりに会うKのちょっと恥ずかしそうな笑顔と、僕のいない間に一気に花開いたヒヤシンスたちだった。
ヒヤシンスは、1月9日に屋内に入れたので、2週間ちょっとで開花したことになる。
無事に帰ってこられたことを鳩森神社に報告に行くと、紅白の梅が開きはじめていた。
僕のいない間に降った雪はまだ残っていて寒さもまだまだこれからなのだろうけど、梅の花と、膨らんで来ている河津桜の蕾を見たら、もうすぐそこに春が来ているのを感じてうれしくなった。

La Esquina de Buenos Aires

ストリップローイン

イチボようのようなアウトサイドスカートステーキ

サングリア

コスタリカのサン・ホセで、いちばん美味しかった料理は、アルゼンチン料理の牛肉だった。
『La Esquina de Buenos Aires』は、老舗の風格のあるアルゼンチン料理店。
7時に入った時点では人はそんなにいなかったのに、8時頃には満席になりカウンターの席では立って待っているお客さんもいた。
アルゼンチンから食材を輸入しており、世界一美味しいとも言われるアルゼンチンの牛肉を堪能出来る。
ストリップローインを頼み、海外に来るとあまりにもレアなのは怖いのでミディアムレアでお願いしたが、こんなきちんとした店ならばレアにしておけばよかったと思った。
アルゼンチンのワインも豊富で、店内は心地いい音楽とお客さんの会話が聞こえ、夢のような時間を過ごすことが出来る。
店員さんのサービスも素晴らしく、全世界に共通するいい店は、コスタリカにも存在するのだと思った夜だった。
また行きたいな。
⭐️La Esquina de Buenos Aires http://www.laesquinadebuenosaires.net/

ベロニカとの記憶

帰ったばかりで時差ボケが治らない日曜日、新宿武蔵野館に『ベロニカとの記憶』を観に行った。
日本でもシネスイッチ銀座で上映してヒットした『めぐり逢わせのお弁当』のリテーシュ・バトラ監督の第二作目は、イギリスのブッカー賞に輝いたジュリアン・バーンズの小説「終わりの感覚」(新潮社)を映画化したもの。名優ジム・ブロードベントと、大好きなシャーロット・ランプリングが共演。
映画は、まるで小説を1ページ1ページめくってゆくように展開される。
60歳を過ぎてひとり気ままに生きているジム・ブロードベントのもとに、弁護士事務所から一通の手紙が届く。
手紙は、昔の彼女のお母さんからのもので、遺されていたものを手繰り寄せながら、忘れていた40年以上も前の記憶が少しずつ蘇りはじめる…。
なんていうことのないひとりの老人の若い頃の話かと思って観ていると、やがて推理小説のように、不思議な過去が明らかになってゆく。
過ぎてしまった過去や歴史は、事実としてそこにあるのだろうか?それとも、それを捉える人によって、過去は変幻自在に形を変えるのだろうか?
この映画は、単なる老人の過去の回想録ではない。決して美しくはない過去を手繰り寄せることによって、自分が今まで生きてきた道筋をしっかりと浮かび上がらせ、今の生活に繋いでいく。
静謐でありながら、長い小説を読み終わったような読後感のある映画。
⭐️ベロニカとの記憶http://longride.jp/veronica/

ナマケモノ。

ぬいぐるみ

カレンダー

キャッチフレーズが素晴らしい

コスタリカに行っていちばん好きになった動物は、『ナマケモノ』だ。
英語では、Sloth 。
そのゆっくりとした動きがそのまま名前になったみたい。
ナマケモノは、普段はずっと木の上にいてほとんど動かず一日中眠っている。眠っていると、まるで鳥の巣か木の幹の一部に見える。
10日か2週間にいっぺんくらい木から降りてきて糞をする。
1日のうちに8グラムの葉っぱを食べる。
周囲には、鷲やピューマやジャガーなどの天敵がいるので、動かずに木の上で眠っていることによって、木の一部になりすまして自らの身を守っているのだそうだ。
ナマケモノを見つけたとしても、ほとんど動かないので顔を見れたらラッキーだと言われている。
政情不安な国々が集まる中米にあって、コスタリカ は1983年に永世非武装中立を宣言している。
「大陸間協定により、国防のためにのみ軍隊を組織することができる」とあるが、緊急の時にのみ軍隊を組織する備えがあるのだろう。
ナマケモノがコスタリカで愛されているのは、闘争心などないそのゆっくりとした生き方にあるのかもしれない。

PURA VIDA!

コスタリカは、全世界の0.3%にあたる国土しかないのに、なんと全世界の5%の種類の動物が生息しているのだそうだ。
海辺にいると、ペリカンが群れで飛んでいたり、山では真っ赤で鮮やかな巨大インコが飛んでいたり、道にイグアナが普通にいたり、動物たちをとても身近に感じることができる。
「PURA VIDA!」
という言葉がコスタリカ ではよく飛び交うのだけど、これは直訳すると、「純粋な生活」とか「綺麗な人生」という意味だけど、実際には「最高!」とか「元気」とか「バッチリ」などという時に頻繁に使われているし、この言葉自体がコスタリカ の人にとっては誇らしい言葉なのだそうだ。
東京に帰って来ても、コスタリカのあの自然をいつでも思い出せるように、コスタリカの動物たちが載っている写真集とTシャツを買った。
日本からは遠く、丸一日くらいかけて行くコスタリカへ、今度はKとふたりで行けますように。
PURA VIDA!

マヌエル・アントニオ国立公園

高い木の上にいたナマケモノ

トゥカン(撮影ではピントが合わずすみません)

コスタリカで最も有名な『マヌエル・アントニオ国立公園』へ。
サンホセからは車で4時間くらいかかるので、マヌエル・アントニオ国立公園をメインに観光する場合は、公園のそばかケポスという隣町に宿泊するのがベストだろう。
なぜならば、野生の動物たちが一番見られるのは朝の時間帯であり、日が高くなると隠れてしまう動物がほとんどだから。公園の開演時間の7時を目指して行くのがベストだろう。
公園の入場料は、16USドル。公園の公式ガイドは入場料含めて55ドルと高いので、入り口付近にいる非公式のガイドさんにガイドをお願いした。(20ドル)
公園内は食べ物持ち込み禁止だということを後で知ったのだけど、ガイドさんがこれから先にお店がないので食料(お菓子以外)と水を買うようにと言われて、バナナとサンドイッチと水を買って中に。
葉っぱの裏で昼寝をしている小さなコウモリからはじまり、小さなトカゲ、鳥、リス、アライグマ、猿など、次から次へとガイドさんが見つけてくれて望遠鏡で見せてくれる。
僕が一番見たかったのはナマケモノなのだけど、山の奥まで進んでいってもナマケモノだけは見つけられず、結局折り返すことに。
祈るような気持ちで探しながら歩いていると、高い木の上にナマケモノを発見。脇を掻いているかわいい姿を写真におさめることが出来た。
他にもくちばしが大きく美しいトゥカン。大きな青い羽を持つ蝶々。赤い足を持つサワガニ。小さなハチドリ。驚くほど多様な動植物たちを見ながら、とても丁寧な解説が聞けて2時間を超える楽しい時間だった。
マヌエル・アントニオ国立公園には、プライベートビーチのような美しいビーチがあって、海水浴を楽しむ人たちもいる。
朝から晩まで動物たちを探したり、びっくりするような美しいビーチで日光浴を楽しんだりしながら過ごす時間は、なんて豊かな時間なのだろうと思う。
『世界の動物園の会議』を、コスタリカで開催しようという話が持ち上がった時に、「動物園という在り方自体が、動物愛護の反対の行為だ」というコスタリカ市民の意思により、反対に追い込まれたとのこと。
お金持ちの国でなくても、世界にはこれほど豊かな国があるのだ。
⭐️Manuel Antonio National Parkhttps://manuelantoniopark.com/

美の基準。

偶然撮影出来た銅像と女性

世界で4番目に数えられるオペラ座

サンホセの町

サンホセの町を歩いていると、驚くような下半身が太い女の人に出くわした。
胸も大きいのだけれど、お尻が大きくクッションのように膨らんでいる。
「すげー下半身だな…あの女の人…」
すれ違いながら歩いていると、また下半身が太った女の人が次から次へと現れたのだ。
「なんだか、この国の女の人は、体格が日本人とはまるっきり違うみたい…」
あとで現地の人たちに聞くと、どうやら女性は豊尻手術をして無理矢理大きくお尻を膨らませていることがわかった。
ミス・インターナショナルのような美女コンテストでも、最多受賞国はコスタリカ だと言っていたのだけど、この国において、『女性の美の基準』には、お尻の大きなことがあるみたいなのだ。
世界は、いかに多様なのか。
日本を飛び出して改めて考えさせられる。

RESCATE ANIMAL ZOO AVE

紅混合インコ

ナマケモノ

イグアナ

コスタリカ のちょっと変わった動物園に行ってきた。
何が変わっているのかというと、動物たちが半分放し飼いのようになっているというところ。
入り口を入ると、赤や黄色や緑の鮮やかで大きなオウムが何羽もいても驚いていると、足元を巨大なイグアナが歩いて横切っていく。
孔雀はその辺を何も怖がらず歩いているし、木の上を見上げると鳥の巣のようになっているものが動いたので注意してみるとナマケモノだった。
ここは、コスタリカ に住む怪我をした動物たちが治療のためにやってきた動物園。入場料は20ドルと高額なのは、この動物園の運営費に充てられているため。
ピューマやワニ、レオパルドなどは檻に入れられているけど、猿やナマケモノをはじめかなり多くの動物たちがその辺に放し飼いになっている。
人に見せるために動物たちが檻に入れられた日本の動物園とは違った、より進んだ動物園がこんな風にあるのも、経済だけではない国の豊かさを表していると思わされたのだった。

サンホセに着きました。

中央市場

朝ごはん

お店の中

コスタリカ の首都サンホセの朝早く、中央市場まで散歩に出かけた。
ホテルのそばの目抜き通りを歩いて行くと、通勤する人々が大勢歩いている。
中央市場は肉や魚、香辛料の食品だけでなく、食堂、お土産物屋さんが集まっている。
地元の人が立ち食いをしているような小さな食堂で、スペイン語しか話せないおばちゃんに向かって、身振り手振りでお願いをして、地元の人が食べている朝ごはんが出てきた。
バナナの皮の上に塩味の卵焼き、黒い豆で炊いたご飯が載せてあり、小麦粉の皮、上にも卵焼きが載せてある。それとコスタリカの重要な産業であるコーヒーの組み合わせ。
地元のおじさんや肉体労働者が食べに寄ったり、持ち帰りで持っていく雑踏を聞きながら食べる、質素な朝ごはんは美味しかった。