グリーンブック

アカデミー賞作品賞に輝いた『グリーンブック』は、賛否両論の評価があるようなのだけど、何も知らずに見に言った感じでは、週末に見るのにふさわしい爽やかな感動が広がるとてもよいお話だった。
『グリーンブック』とは、1936年から1966年まで毎年出版されていた旅行ガイドブックで、黒人が利用可能な施設が記されていたもの。
映画の中で、黒人の著名ピアニストであるマハーシャラ・アリが、イタリア系白人のヴィゴ・モーテンセンが運転手となり、比較的リベラルなニューヨークから保守的な南部へとトリオでのクラシックコンサートをして回るときに、このグリーンブックを参考にしながらホテルや宿を選定していく。
黒人は、レストランには入れなかったり、トイレが別に用意されていたり、今となっては信じられないような差別を受け、虐げられてきた歴史があることがわかる。こういうことが平然と起こっていたのは、それほど昔のことではなく50年くらい前なのだ。
はじめは世の中の他の白人と同じように黒人のことを捉えていたヴィゴが、マハーシャラ・アリと過ごすことによって少しずつ変化してゆく様が興味深い。
見終わって、よかったなあ・・・と思うのが半分、でも黒人の人が観たらきっと感じ方は違うのだろうなあ・・・と思わせられた作品。白人が気持ちよくなるように作られた作品と言われている評価があることもわかるけど、日本人にはなかなか考える機会のない人種差別の問題を、映画を見ることで改めて考えさせてくれるという意味で素晴らしい作品。
⭐️グリーンブックhttps://gaga.ne.jp/greenbook/

同性婚訴訟のあとに。

Kが家に帰ってきて、「お母さんに電話するね」と言って寝室に入ってしまった。
しばらくして食事の支度が出来た頃、Kが出てきてお母さんとの会話を聞かせてくれた。
K「お母さんね…ただしくんがテレビで話してるところ見たって言ってた。Kちゃんも隣に座っていたって…」
僕「へー…うちにテレビないから僕たちは見てないのに、意外と出ていたのかね?なんか言ってた?」
K「お母さんね…ただしくんのこと、やさしそうな人ねって言ってた」
僕「へー、そんなちょっとでわかるのかね?」
Kのご両親には、僕はまだ会えていない。昨年の秋に東京にいらっしゃると言うので、その時に会うつもりでいたのだけど、お父様の病気で手術をすることになり急遽東京行きを取りやめたのだった。
そして今回の同性婚訴訟に関しては、お父様としてはあまりやって欲しくはないという話を聞いていたのだ。
九州の田舎で暮らすご両親にとって、人目が気になったのだろうし、お兄さんの子ども(Kの甥っ子)がいじめられるかもしれないとか、様々な心配をしていたのだった。
結局僕たちは話し合った結果、訴訟に臨んだのだけど、僕はご両親たちがその後僕たちの今回の一件をどう思っているか気がかりだったのだ。
お母さんの反応を聞いて、僕もほんの少し安心した。
いつかのタイミングできちんとお会いした時に、この同性婚訴訟が僕たちにとってどんなに大切な訴訟なのか、Kのご両親ともきちんと話が出来たらいいなあと思っている。