冬の寒い朝に。

薄暗い冬の寒い朝は、なかなかベッドから出たくないのだけど、起きたらまずは番茶を淹れる。
きりっとして甘みのある煎茶も好きだけど、自宅でよく飲むのは、番茶か焙じ茶か紅茶が多い。
寒い冬の朝に飲むのは、番茶だ。
赤ちゃんでも飲めるという番茶は、やさしいようでいて、味わい深く、いつ飲んでも飽きることがない。それでいて、軽すぎず、お茶を飲んでいるという満足感がある。
この奈良の『嘉兵衛番茶』を取り寄せて飲み続けているのだけど、京都の番茶に比べると、口当たりがマイルドで気に入っている。
先日、外苑西通りにある、クルックと共同経営のナチュラルローソンの棚に置いてあったのを見つけてうれしかった。
温かい番茶をゆっくり飲んで、熱いシャワーを後頭部に長く浴びて、身体が中から温まったら、冬の寒い町にも出て行ける。

何もしたくない時のごはん。その1

ちりめん山椒のスパゲティ

チーズのスパゲティ

前日飲み過ぎだったり、疲れていて料理をすることが面倒な時が、僕にもごくたまーにある。
そんな時、お腹も空いていて早く食べたいこともあり、麺類に頼ることが多い。にゅうめん、うどん、スパゲティなど、どれも麺さえ茹でたら食べられるのはありがたい。
★ちりめん山椒のスパゲティ
お湯を沸かして塩をきっちり入れてスパゲティを茹で始めたら、冷凍庫からちりめん山椒を取り出して、食べたい量をフライパンにオリーブオイル大さじ1で温める。(炒める必要はない)。
スパゲティの茹で汁大さじ2をフライパンに加えて、標準茹で上がり時間の1分前に上げてフライパンにスパゲティを入れる。ちりめん山椒を絡めて皿に盛り付け、新鮮なオリーブオイルを回しかける。
納豆をトッピングして醤油を少し納豆に垂らして一緒に食べると美味しい。
★チーズのスパゲティ
お湯を沸かして塩をきっちり入れてスパゲティを茹で始めたら、冷蔵庫からパルミジャーノレッジャーノ(もしくは、ミモレット)を取り出し、これでもかというくらいたっぷりとバットかボウルに削っておく。
標準茹で上がり時間の1分前に皿にスパゲティを入れて、オリーブオイルをたっぷり回しかける。その上からパルミジャーノ・レッジャーノ(もしくはミモレット)をこれでもかとかけて、食べながらまたパルミジャーノをかけていただく。(色々な人がレシピに書いているイタリアの家庭料理)

novello

オリーブオイルの、初搾りが出回る季節になった。
オリーブオイルは、非加熱であり、オリーブの実を絞ったオイル。
この時期出回る初搾りのオリーブオイルを、サラダやスパゲティの仕上がりに回しかけてみて欲しい。新鮮なオリーブの果汁を感じることができる。
オリーブオイルは、光に弱いので、暗い場所に保管するか、アルミホイルで包んでおくこと。
酸化もするので、小さいものを買い求めて、1ヶ月くらいで使い切るのが理想だけど、3ヶ月くらいは大丈夫だと思う。
★伊勢丹でテイスティングしながら買い求めたトスカーナのオリーブオイル。トスカーナのオイルは渋みもあり、濃い味。

春菊。

タラコと春菊のスパゲティ

昔、会社でアンケートだということで、「一番好きなみそ汁の具は?」と聞かれて、「春菊!」と即答したところ、「そんな奴はいない」と言われ、アンケートに入れてもらえなかったことがある。
きっとみんなは、「わかめ」「豆腐」「なめこ」なんかなのだろう。
スーパーで春菊を見かけると、つい手が伸びてしまうほど春菊が好きだ。この寒い冬の最中、青々として香り高い春菊は、まだ遠い春を思わせてくれる。
胡麻和えや白和え、鍋やみそ汁どんなものにでも使い勝手がいいと思うけど、僕がよく作るのは、春菊のスパゲッティ。オリーブオイルとの相性も絶妙だと思う。
★タラコと春菊のスパゲティ
1.にんにく1/2かけは細かくみじん切り。鷹の爪1本を種を除いて細かく切る。タラコ大1/2腹もしくは小1腹(たらこの1腹は左右2つで1腹という)の皮に1本包丁を入れ、スプーンなどで出しておく。春菊は食べやすい大きさに切り、太い茎は縦に切って細くしておく。
2.スパゲッティを茹で始める。
3.オリーブオイル大さじ2でにんにくを弱火で炒める。香りが立ちはじめたら(絶対にきつね色にしてはいけない)、タラコを入れて一緒に炒める。
4.タラコの色が変わったら、白ワインもしくはシャリー酒を大さじ2入れてアルコールを飛ばし、ケーパー小さじ1と鷹の爪を入れて、スパゲッティのゆで汁大さじ1から2を入れてすぐに火を止める。
5.ざるに春菊をあらかじめ入れておく。標準茹で時間の2分前に春菊入りのざるにスパゲッティを熱湯ごと上げて、そのまま弱火を再び点けたフライパンに入れて、全体を和える。
6.全体が混ざったら、皿によそい、オリーブオイルを回しかけて(これが重要)完成!美味いよ!

七五三出汁。

牛の切り落としですき焼き風。

親子丼を東京で食べると、驚くほど甘く、醤油の味が濃く、途中で食べられないと思うことが僕は多い。(これはきっと、蕎麦の麺つゆをそのまま使っているからなのだろうなあと分析してみたりするのだが…)
親子丼にせよ牛丼にせよ、あまり甘くない方がさっぱりとして食が進むと僕は思っていて、自分で作る時はもっぱら、七五三出汁(京都の菊乃井の大将、村田吉弘さんのレシピで、出汁対味醂対濃口醤油が七五三の配分)にしている。僕はこれでも甘いと思うので、味醂を引いてお酒で調整する。
今日は、牛肉の切り落としに、ネギ、豆腐、春菊、白滝、椎茸など、あり合わせの具材を適当に煮てすき焼き風にした。
この七五三出汁を使えば、疲れて帰って来た時なんかでも、肉さえあれば一瞬で丼ものが出来上がるから素晴らしい。
★七五三出汁
出汁70 味醂50 濃口醤油30ml に、肉と野菜を入れて火が通ったら出来上がり。(二人分のすき焼き風にする場合は、出汁140 味醂100 濃口醤油60ml)

週末のパスタ。

ボッタルガとミモレットのスパゲティ

ポルチーニとパンチェッタのファルファッレ

東京は天気に恵まれて、美しい青空が広がっている。
昨日も今日も、珍しく家で過ごして、押入れや雑誌や本の整理に明け暮れている。特に散らかっていないのだけど、不思議なことに、突然収納の中が気になりだすと夜も眠れないようで、整理をしなければ!と思うようなことがある。
週末に向けて、特に買い物もしていなかったので、赤ワインを飲みながら、ありものでパスタを作って食べた。
ボッタルガ(カラスミ)や、ミモレット(チーズ)や、パンチェッタ(豚肉)は、家に常備しておくと重宝すると思う。ポルチーニは秋に買って食べきれず冷凍庫に入れて置いたものだけど、キノコ類も冷凍出来るのでマッシュルームや椎茸など、食べられない分は即冷凍庫に入れると無駄がない。
★ボッタルガとミモレットのスパゲティ
1.ボッタルガを用意して、ミモレットは摩り下ろしておく。
2.塩を入れたお湯にパスタ(一人分80から100g)を入れて茹で始める。(水3lに対して大さじ2の塩を)
3.大さじ2のオリーブオイルに、微塵切りしたニンニク1粒を弱火で香りが出たら、細かく切った鷹の爪一本を入れて、大さじ2のパスタのゆで汁を加えたら火を止める。
4.標準茹で時間の2分前にパスタを上げて、弱火をつけたニンニク入りのフライパンに入れて、すかさずボッタルガ大さじ2くらいを入れて、全体を和える。
5.皿に盛り付け、ミモレットをふりかけて、上からオリーブオイルを回しかけて、イタリアンパセリか、クレソンを天盛りに。(ボッタルガの臭みが気になるようならば、レモン汁をかける)
※ミモレットは、チーズのくせに魚介類に合うと言われている。ボッタルガのコクと、ミモレットのコクが2重になって広がる旨味は白ワインが進む。
★ポルチーニとパンチエッタのファルファッレ
1.ポルチーニは食べやすい大きさに切る。(乾燥ポルチーニは、ぬるま湯につけて戻す)
2.パスタを茹でる。ショートパスタなら、標準茹で時間プラス30秒で試食をしてみること。(硬いショートパスタはマズい)
3.ニンニク1/2かけを潰してオリーブオイル大さじ1で香りを出しながら、食べやすく切ったパンチェッタ60gを炒める。
4.パンチェッタが炒まったらポルチーニを入れて、全体を炒める。
5.白ワインかシェリー酒大さじ2をふり入れ、軽くアルコールを飛ばしたら生クリーム75mlを入れる。全体を混ぜたら、しばらく弱火で煮込む。
6.味を見て、足りなければ塩をひとつまみ入れて、胡椒をふって火を止める。(水分が足りなければゆで汁かポルチーニの戻し汁を加える)
7.茹で上がったパスタを加えて、全体を和えて、皿に盛り付け、イタリアンパセリを散らす。パルミジャーノを削りかける。

残り野菜のミネストローネ。

福岡勤務になった後輩Tが、わざわざ忘年会のために東京に来てくれて、昔の上司で今は局長のKさんや後輩たちと、築地の『はなふさ』で今年はじめての忘年会をした。
Tは、震災の後、いち早く奥さんと二人の子どもを故郷の五島列島に移らせた後、自分も福岡勤務を希望して福岡に行ったのだ。
東京とは違う、ローカルな話に盛り上がり、楽しく貴重なひと時を過ごした。
忘年会など、何度でもいつまでもあるように若い頃には思っていたのだけど、同じメンバーで出来ることはなかなかなくなって来ることと、上司が退職したり、実は同じ忘年会など二度とないということを改めて思った。
そんなこんなで忘年会で飲み過ぎてしまったので、冷蔵庫にある残り野菜でミネストローネを作った。
★残り野菜のミネストローネ
1.玉ねぎ一個はみじん切り、ニンニク一粒は潰して、オリーブオイルで5分くらい炒める。次に、セロリ一個のみじん切りを加える。
2.蕪一個、ブロッコリー半分、カリフラワー半分、インゲンなど適当な大きさに切った野菜を入れて軽く混ぜたら、バジルとイタリアンパセリも入れる。
3.白ワインを50ml入れてアルコールを飛ばし、白花豆を茹で汁ごと加え水をひたひたより少し多めに入れてローレルを入れて1時間煮込む。
4.ジャガイモ一個を適当に切り、プチトマト10個を入れて、塩胡椒で味を調整して更に30分煮て完成。
5.器によそったらオリーブオイルを回しかけて、胡椒を引いて食べる。コクが欲しければ、パルミジャーノをかける。味が少しぼけていたら、ほぼ間違いなく塩をかけるとまとまる。
※コンソメのキューブなど使わずに、野菜を信じよう。野菜と水とオリーブオイルと塩だけで、本当に滋味深い味わいのスープが出来るのだから。玉ねぎ、セロリ、人参はマストで、白花豆を茹でたものを入れると味に奥行がでる。野菜はどんなものでもいいけど、ほうれん草などの灰汁の強い野菜は控えた方がいいかもしれない。

ボジョレー・ヌーヴォー解禁。

11月の第3週目の水曜日なのでボジョレーが解禁になった。
ボジョレー・ヌーヴォーは30年くらい前、僕が高校生の頃にアンアンなんどで取り上げられ、すごいブームになったのだけど、その後何度も下火になりながらも様々な宣伝文句のためか、出荷量を着実に広げて来た。総生産量の中で1/4のボジョレー・ヌーヴォーが日本に来るというから驚きだ。
意外に知られていないのは、ボジョレーはブルゴーニュの北部に位置しているということ。あくまでもその年のぶどうの出来を試飲するためのものであって、普通のワインと違う製法なのですぐに飲むべきワインであり、寝かせておいてはいけないということ。それから、ボジョレー・ヌーヴォーと一口に言っても、作る場所によってまったく味わいが違うこと。(安ければいいというものではないのです)
僕は以前、ワインの権威である田辺先生とブルゴーニュに滞在して、シュヴァリエ・ド・タストヴァンというワインの騎士団を認定する式に出席したことがあるのだけど、その時に初めてブルゴーニュワインというものを知ったのと、ブルゴーニュが世界に向けて、独自の文化を広める工夫をしていて、それが見事に成功しているのを知った。その式のことは、また機会があったらここに書くけど、夕方6時くらいから、夜中の2時過ぎまで、お城の中で正装で様々なワインと食事を楽しみながら、宴を繰り広げるのだ。
そして翌日に、ボーヌという町で盛大なその年のワインの試飲会が催される。酸味があり、複雑な味わいのブルゴーニュは、ボルドーとは全然違って、あまりワインを飲んだことのない日本人には比較的敬遠されるワインのようだけど、押しも押されぬワインの王様と言って過言ではないだろう。
僕は毎年、どこかでボジョレー・ヌーヴォーを飲んでいる気がするけど、今年は帰り道に紀ノ国屋に寄ったらボジョレーの試飲をやっていたので、いくつか試飲をして、珍しく酸化防止剤の入っていないオーガニックのボジョレーがあったので買い求めた。(日本に輸入されているワインのほとんどすべては、酸化防止剤が含まれている)
家で、簡単な夕食を作りながら飲むボジョレーは、軽く、美しい色合いで、口に含むとぶどうの味がしてタンニンも少なく豊かな味わいを持っていた。2013年という年を振り返り、またこうしてヌーヴォーが飲めることがうれしかった。

冬のクリームシチュー。

木枯らしが吹き、冬将軍がやって来た。衣替えをまだしていなかったので、今朝は慌てて冬物を出した。寒さを感じるといつも、温かいクリームシチューが食べたくなる。
僕の母は料理が好きで、洋食もよく作ってくれた。その中でも兄はハンバーグが好きで、僕はグラタンかクリームシチューが好きだった。
母は、クリームシチューもグラタンも、市販のルーは一切使わず、きちんとバターと小麦粉を炒めて作っていたので、僕もそうするものだと思っている。
野菜を切ってしまえば、実は簡単に短時間でシチューは出来上がる。中に入っている調味料は驚くほどシンプルだけど、コクと旨味があり、なによりも身体を中から温めてくれる。
★クリームシチュー
1. 鳥もも肉2枚に塩胡椒を振り、30分おく。1枚を6つくらいずつに切る。
2. 玉ねぎ小1個はくし形に。人参小1個とジャガイモ2個は、なた切り(乱切り)。カブ小2個は食べやすく6個に(僕は皮を剥かない)。ブロッコリーとカリフラワー各1/2個は、小房に。マッシュルーム1パックは半分に切る。インゲン軽く一掴みはヘタをとり半分に。
3. 24センチ位の鍋に火をつけ、バター大さじ2を溶かし、鳥肉を皮目から入れて暫く放っておく。焼き色が薄くついたら裏返す。玉ねぎを入れ、人参とジャガイモも入れて白ワイン50mlを入れたら全体を軽く混ぜ合わせる。
4. チキンスープ150mlを入れる。火が沸騰して来たらアクをすくう。ここで塩を手でつまみながら少しずつ入れてゆく。味見をして少し薄いかなというところまででよい。
5. バター60gを小さな鍋に溶かして強力粉60gを入れて混ぜる。時々火から離しながら全体が混ざったら、泡立て器でゆっくり混ぜながら、4のスープを少しずつ足してゆく。トロッとして来たら、4の鍋に入れてゆっくり全体を混ぜ合わせる。
6. カブとマッシュルームを入れて10分くらい煮る。
7. カリフラワーを入れて、ブロッコリーを入れて、インゲンを入れてすぐに火が通るので、牛乳200mlを加える。全体が熱くなったらここで最後に塩加減を調整して胡椒を引いて完成!あったかいよ!

ゆでたまご。

卵の尻に穴を開ける道具。ハンズにて。

ゆで卵が好きだ。それはもう、何個でも食べたくなるくらい。
ついでに言うと、ゆで卵にキャビアやカラスミを乗せて食べると本当に美味しい。そんなものを食べている時は、マリー・アントワネットのように、いつか自分もギロチンで処刑されるのではないかと思ってしまう。
世界中で食べられているゆで卵、色々な作り方があるけど、どうやって作っていますか?
1.普通の鍋の場合。
たっぷりのお湯を沸かし、塩をひとつまみ入れておく(割れてもいいように)。室温に戻した卵を沸騰した鍋の中にお玉などを使ってそっと入れる。弱めの火で7分くらいで半熟に。12分で固茹でに近くなる。
2.ストウブの鍋がある場合。
15センチくらいの小さなストウブの鍋に水を50ccくらい入れて卵を2〜3個入れて、蓋を少しずらして火を点ける。湯気が上がって来たら蓋をして8分。火を止めて6分くらいそのまま蒸らす。冷水に取り皮を剥く。半熟の場合は、蓋をして5分。蒸らして2〜3分くらい(〜を使っているのは、その家の鍋の大きさや火力や卵の個数によるため)
※重要なこと。
1.卵の丸みのある方に針で小さな穴を一つ開けること。(黄身があまり偏らず、皮も剥きやすくなる)
2.必ず卵は常温に戻してから鍋に入れること。温度差がありすぎると割れてしまうので。
3.ゆで上がったら、速攻で冷却すること。(むきやすくなる)