いつものパスタ。

じゃことルッコラのスパゲティ

パスタが好きなので、休日のランチなどによく作って食べることがある。
いろいろな種類をその時の気分によって作るのだけど、僕はいわゆる醤油やポン酢を入れるような和風パスタというものは作らない。自分が好んで作るパスタは、基本アーリオオーリオの変化形が一番多くて、その次は生クリームのソース、その次はトマトソース、そしてカルボナーラといった順番だろうか。
アーリオオーリオの中でも、一番多く作るのは、『たらこのパスタ』と『じゃこのパスタ』。シンプルでいて魚介の旨味が感じられるので、酔って家に帰って来た夜に作ることもしょっちゅう。
★『じゃこのスパゲッティ』
<材料一人分>
じゃこ(大さじ3〜4)
松の実(大さじ1)
※ルッコラ、春菊、香菜、バジル、トレビスなど香りのある野菜のどれかあるものを。
ニンニク(1/2かけみじん切り)
鷹の爪(1本種を取って細かく刻む)
オリーブオイル
塩・黒胡椒
スパゲッティ
<作り方>
1.大きな鍋にお湯をたっぷり沸かし、塩をきっちりと入れる(1ℓにつき小さじ1)。スパゲッティ1人分90グラムを目安に入れる。
2.みじん切りしたニンニクを冷たいフライパンに入れて、オリーブオイル大さじ1と1/2を入れて弱火で香りを出す。
3.香りが立って来たら、じゃこと松の実を入れて中火で炒める。じゃこがからりとして松の実が色づいたら、塩をふたつまみくらい入れて味見をして火を止める。
4.茹で上がりが近づいたらフライパンを再度温めはじめ、鷹の爪を入れる。
5.スパゲッティの標準茹で時間の2分から1分半前に水切りざるにパスタをあげる。フライパンに食べやすく切った野菜を入れて、そこへスパゲッティを入れ弱火であえる。
6.皿に盛りつけて、上からオリーブオイルをひと回しかける。黒胡椒をひく。
※ニンニクは焦がしたら最後なのできつね色に炒めない。鷹の爪は10秒で辛みが出るので焦がさないよう最後に。野菜は生で和えるくらいの感覚で。

風邪気味の時のクリームシチュー。

台北から帰国した夜、日本の寒さに身震いした。なんとなく身体が重く寒気がするのは、もしかしたら風邪のひき始めかもしれない。
そんな日は早めに帰って、野菜をふんだんに入れたクリームシチューはどうだろうか?(前にもクリームシチューのレシピを上げてるのですが…)
僕の母は、クリームシチュー好きな僕と、カレー好きな兄のために、いつもクリームシチューとカレーを一緒に作ってくれていた。途中まで同じに作れることが大人になってわかった。
★クリームシチュー
<材料>
鶏モモ肉2枚600gくらい、玉ねぎ1、ジャガイモ2、人参1、カブ2、ブロッコリー半分、カリフラワー半分、マッシュルーム1パック
チキンスープ1リットル(ビニールパックされたものを薄めて使うと美味しい)、牛乳200ml、バター50g、小麦粉(強力粉)大さじ3、塩、胡椒、(生クリーム少し)
<作り方>
1.鶏モモ肉を食べやすく切って塩を振って下味をつけて30分置く。
2.玉ねぎは粗めのみじん切り、ジャガイモは皮を剥いて乱切りにして水につける。人参は皮を剥いて乱切り。カブは皮を剥かずに6等分。ブロッコリー、カリフラワーは食べやすく切る。マッシュルームは、2等分か4等分。
3.大きな鍋にバター10gを溶かし、その鶏肉を皮目から焼く。うっすら色づけばよい。バットにあげて置く。
4.鍋に玉ねぎを入れて透き通るまで炒める。そこへジャガイモ、人参を入れて軽く炒めて、鶏肉を戻し入れ、チキンスープを注ぐ。沸騰したら弱火にしてそのまま15分。
5.別の鍋に残りのバター40gを溶かし、小麦粉を入れて炒める。そこへ牛乳を加えて全体をムラなく溶かす。
6.4の鍋が15分経った後、カブとマッシュルームとカリフラワーを入れて5分煮る。
7.残りのブロッコリーを、今回食べれる分だけ入れて3分くらい火を通す。
8.5のホワイトソースを加えて、全体を混ぜ合わせる。塩で味を整えて器によそったら、胡椒を上からひく。あれば生クリームをひと回し。
※野菜はあくまでも目安で、ブロッコリーやカリフラワーがなくてもアスパラやインゲンでも構わない。ホワイトソースは、ゆるめが好きならば後から牛乳を足せばよい。

生姜焼き。

夜、疲れて帰って来た時に、冷凍庫に薄切りの肉があるとありがたい。薄切りの肉は、解凍にも時間がかからないからだ。(僕の家には電子レンジがない。電子レンジは食べ物の組織を変えて、おいしくなくする機械です)
豚肉があったら、さっぱりとしゃぶしゃぶにするか、生姜焼きだろう。生姜焼きは、お客さんが食べたいと言うときは、片栗粉を軽くはたいてからフライパンで焼いて、その後にタレを入れて絡めることが多いのだけど、片栗粉入りの生姜焼きは、若干重たく感じられるので、僕は自分で作るときは、もっぱらタレに浸けてから焼くことにしている。
★生姜焼き
<材料>
豚肉300グラム
生姜1かけをする
醤油大さじ2
みりん小さじ2
酒小さじ2
<作り方>
1.豚肉を、醤油、みりん、酒、生姜を混ぜた液に浸し10分。
2.フライパンを温めてオイルをしいたら、汁を切りながら豚肉を焼く。ピンク色になったら裏返す。
3.裏もピンク色になったら、余った液を入れて素早く全体に絡める。
4.お皿に盛りつけて、好きな野菜を添える。
※醤油に浸けてから焼く肉は、とても焦げ付きやすいので、素早く焼いてフィニッシュに向かうこと。甘めが好きな人は、酒の分量もみりんにするとよい。

かぼす。

愛おしいかたち

これで400円!

大分から帰ってくる時には、あれば必ず『かぼす』を買ってくる。
お土産として差し上げると、たいてい「なにこれ?」と言われるのだけど、「かぼすだよ」と伝えると、みな一様に黙って香りを嗅ぐ。かぼすの香りは、皮に凝縮されている。僕は、その姿を見て、この人が料理に使わなかったとしても、差し上げてよかったなあと思う。
四季に恵まれた日本料理には、『吸い口』という素晴らしい文化がある。『吸い口』とは、春には、タケノコや蕗に木の芽をあしらい、暑い夏には、揚げ浸しにショウガや茗荷を擂り下ろしてそえたり、秋には、松茸の土瓶蒸しにすだちを絞ったり、冬にはお吸い物にゆずを散らす。昔からこの国の人たちは、香りも一つの味のうちというように愉しんできたようだ。
東京の人にはあまりなじみのない『かぼす』だけど、レモンやゆずのように主張が強すぎずどんなものにも合うのと、爽やかな味わいをぜひ取り入れてみてもらいたいと思う。
『かぼす』の使い方
◎さんまの塩焼きにぎゅっ。
◎焼き野菜か揚げた野菜に、ぎゅっ。
◎豚肉を塩こしょうして、焼いてからぎゅっ。
◎鶏の唐揚げにぎゅっ。
◎小松菜やほうれん草を茹でて、大根おろしをかけて醤油をたらし、かぼすをぎゅっ。
◎いろいろなキノコを出汁で煮て、淡口醤油と酒かみりんで味を整えたら、かぼすを半分絞り、半分スライスにしてのせる。
◎鶏もも肉に薄口醤油と酒とかぼすを絞り、浸し、焼く。

王様の野菜。

トロミがあって美味しい。

先週、母が『モロヘイヤ』をたっくさん持って来たので、来る日も来る日もモロヘイヤを調理していた。
どんな薬を飲んでも治らなかった難病の王様が、モロヘイヤのスープを飲んで治ったという話から、モロヘイヤをアラビア語で「王様の野菜(ムルキーヤ)」と呼ぶようになったらしい。
『王様の野菜』と言われる理由はその豊富な栄養価にも見ることが出来る。老化の原因である活性酵素の働きを抑える効果のあるカロチンの含有量がトップクラスで、カルシウム、カリウム、ビタミンB1とB2(ほうれん草の5倍)、ビタミンC、ビタミンK・・・驚くばかりだ。
母はいつも、おひたしにして、出汁やポン酢で食べると言っていた。アーリオオーリオでもとても美味しく食べられるけど、この夏の猛烈な暑さに負けないように、『王様が飲んだスープ』を想像して作って食べている。
★モロヘイヤのスープ
<材料>
モロヘイヤ 大きくがばっと1掴み
にんにく 2かけ
オリーブオイル

胡椒
鶏スープ800ml(手羽先か手羽元をたっぷりの沸騰した湯で20分茹でる。茹でる時に、ネギか生姜かレモングラスなどを入れる。茹でた鶏は、醤油やナンプラーで下味をつけてから唐揚げに。顆粒のスープの元など買う必要はない。)
<作り方>
1. 鍋にオリーブオイル大さじ1を引き、ニンニクをみじん切りにして、弱火で炒めて香りを引き出す。
2. にんにくが少し色づいて香りが十分引き出されたら、鶏スープを入れて強火にする。
3. モロヘイヤの葉をつみ、細かく刻む。茎は別にして細かく刻んでおく。
4. スープが沸いたら、塩を入れて味を整える。
5. モロヘイヤの茎を入れて、15秒くらいしたら葉を入れて、ひと呼吸置いたら器によそい、胡椒を引く。

オクラ。

ささみとオクラの柚子胡椒和え

すっかり秋めいて来た空

母が、オクラを持って来た。
オクラは痛みやすいので早めに食べねばと、ここ数日オクラを調理している。
オクラのことを、とりとめて美味しいと感じたことはないのだけど、βカロチン、ビタミン類、カリウム、マグネシウム、カルシウムなど、栄養価も高いようだ。よく納豆や長芋と一緒となったネバネバ連合のような料理を見かけるけど、僕は、何を食べているのかわからない料理は苦手だ。
普段よく作るのは、茹でておかか和え。ツナとマヨネーズ和え。なんかだけど、積極的にたんぱく質を摂る食事には、ささみと合わせるとよい。
★ささみとオクラの柚子胡椒和え
<材料>
ささみ3本から5本(適当に)
オクラ1パックくらい
柚子胡椒
醤油
オリーブオイル

<作り方>
1.20センチ以上の大きめの保温性の高い鍋にお水をたっぷり入れて沸かす。
2.沸騰したら、塩をひとつまみ入れてささみを入れて、火を止めて蓋をする。5分間そのまま。ささみを取り出す。
3.手に粗塩を掴みながら、オクラのひげをこする。5角形すべて丁寧に。
4.大きな鍋にお湯を沸かし、オクラを入れて1分半くらい茹で、ざるにあげる。食べやすい大きさに切る。
5.ボウルにオリーブオイル大さじ1、薄口醤油小さじ1/2、柚子胡椒小さじ1/2〜1、を目安に入れて、フォークなどで混ぜ合わせる。味見をして整える。
6.ささみを手で食べやすい大きさに裂いて、ボウルの中に入れてよく馴染ませる(ささみに鯵を含ませる)。最後にオクラを入れてさっくりと混ぜ合わせる(オクラにはさらっと絡むくらいがよい)。お皿によそって完成!
※柚子胡椒の代わりに辛し・わさび、オリーブオイルの代わりにごま油でも美味しい。

ランプのステーキ。

このところ、珍しく忙しい毎日が続いている。
仕事が終わって、家に帰ったら9時半だった・・・などという微妙な時間の時に、さて、何を食べるか・・・。
この7月に外苑前のベルコモンズ前に『成城石井』が出来た(ちなみに2階はCIBONE)。24時間営業のスーパーが身近に出来たということは、結構便利なことだと思う。夜食は動物性たんぱく質と野菜をいかに摂るか。というのが僕の課題。
狙うは、肉!肉!肉!
この年になると、霜降りではなく、赤身が美味しい。
★ランプのステーキ
<材料>
牛(ランプとかイチボの厚みのあるもの)200gくらい。3センチ以上の厚み(なるべく厚いものを)。
野菜(クレソンなど。クレソンは栄養価においても野菜の王様だ)
塩・こしょう・オリーブオイル・ホワイトバルサミコかレモン
<作り方>
1. 肉を室温に戻しておく。フライパンを強火で温めたら、オリーブオイルを大さじ1ひいて馴染ませる。
2. 塩こしょうをきつめに振った肉を入れて、強火のまま表面に焼き色をつける。(肉は動かさず放っておく)
3. 肉の厚さと火力にもよるが、45秒から1分したら下から4ミリくらい火が入ってきているのが見える。焼き色がついたのを確かめてひっくり返す。そのまま裏面も焼き色をつけるように放っておく。(同じく45秒くらいから1分焼いたら一度焼き目を確認して、肉に火が通りすぎないうちにおろす。
4. アルミホイルに包んで10分以上寝かせる(この行程が最も重要)
5. その間にボウルにオリーブオイルとひとつまみの塩を入れて、ホワイトバルサミコかレモン汁を入れて混ぜる。水気をよく切ったクレソンを入れて、全体を手でかき混ぜて馴染ませる。
6. クレソンをさらによそい、肉をのせて完成。
※休ませたことで肉汁が全体に回り、ナイフを入れても血が滴ることはない。それでいて、中はピンク色で驚くほど柔らかくし上がるはずだ。『血の滴る牛肉というのは、野蛮人の食べるもの』というのが僕の考え。

ラムラックのローストカレー風味。

温めたオーブンへ。

塩をパラリ。

夏だから、キッチンで強火の油炒めはしたくない。
そんな時に、あえてオーブン料理などいかがだろうか?
僕は夏でも、小さなコンベクションオーブンをよく使う。
実は放っておけるから、調理も簡単なのだ。
<ラムラックのローストカレー風味>
★材料
ラムラック(バラしたラムではなく、塊のもの4本付き:およそ一人分)
A(ニンニク1・2かけ、カレー粉小さじ2、ガラムマサラひとつまみ、オリーブオイル大さじ1、塩小さじ1弱)
あれば、ローズマリー3枝くらい
クレソンや水菜など。
★作り方
1. ニンニクをすりつぶし、Aをすべて混ぜてラムラックにまんべんなくまぶし浸ける。そのまま室温で30分以上置く。
2. フライパンを熱してオリーブオイルをなじませ、ラムを全面的に軽く焼き色をつける。
3. 天板の上にキッチンペーパーを敷きラムを乗せて、あればローズマリーを乗せる。210度に温めておいたオーブンに入れて、15分。
4. オーブンから取り出して、ラムをアルミホイルに包み25分間そのまま放置しておく。
5. ラムラック切り離して、クレソンをオリーブオイルとレモンと塩で和えて添える。
6. ラムには断面に少し塩をふる。
美味しいよ!

何もしたくない時のごはん。

梅雨真っ盛りの東京は、空に手を伸ばせば水がつかめそうなほど湿度が高く、食欲の湧かない日も多い。そんな日に、そうめんばかりでは力が出ない。最小限の力で動物性タンパク質の何を食べるか・・・。
<牛しゃぶ夏野菜>
★材料
しゃぶしゃぶ用薄切り牛肉(食べたいだけ)
大葉(茗荷・生姜・大根など好きな野菜を好きなだけ)
ポン酢
★作り方
鍋にたっぷり火を沸かす。
大葉は刻んで、水に放ち、水気をキッチンペーパーで拭き取る。
沸いたら火を止めて、牛肉を入れて、余熱でピンク色になったものから引き上げる。
水気を切ってから皿に盛りつけ、大葉を乗せて、ポン酢をかける。
こんなの、料理ではないと思うけど、ポイントとしては、
1.余熱で肉に火を通すこと。
2.決して水にさらさないこと。
3.できれば赤身の方がさっぱりとして美味しい。
肉は柔らかく食べてこそ美味しい。

poulet basquaise(鶏肉のバスク風煮込み)

この料理は前にもここに上げたし、夏の間によく作るのだけど、元々のフレンチのレシピを、僕のような怠惰なゲイでも簡単に作れるように、ザックリと簡略化してみました。^^;
★鶏肉のバスク風煮込み
(材料2人分)
鶏の骨つきもも肉2本(一本を二つに切ってもらう)
パプリカ2個
ピーマン1個
プチトマト12個
玉ねぎ1個
ニンニク1かけ
白ワイン100ml(シェリー酒でもよい)
赤唐辛子2つ
ローリエ1枚(無くてもよい)
パセリの微塵切り少々
オリーブオイル
塩・胡椒
(作り方)
1.鶏肉は、塩小さじ1強をふって1時間以上おく。出来れば半日。
2.厚手の鍋を温めて、オリーブオイルを大さじ2入れて、包丁の腹で潰したニンニクを入れて香りを出す。香りが出たらニンニクは一旦取り出す。(決して焦がしてはいけない)
3.鶏肉を皮目から入れて、こんがりと焼けるまで放っておく。皮が焼けたらひっくり返して、全体に焼き目をつける。鶏肉を取り出す。
4.鶏肉から出た余分な脂をキッチンペーパーで取り、オリーブオイルを大さじ1足して、5ミリのくし切りにした玉ねぎと、パプリカとピーマンに塩をひとつまみ入れて炒める。蓋をして蒸らしながら煮る感じで。
5.全体にしんなりしたら、鶏肉を戻し入れて、白ワインを振り入れ、プチトマトを入れて中火にする。あればローリエと赤唐辛子を加える。
6.沸騰したら蓋をして、弱火にして40分間煮込む。(途中、覗いて、水分がなくなっていたら、白ワインか水を足す)
7.器によそい、あれば微塵切りのパセリを散らす。胡椒を振る。
★食べたらきっと、美味しくてびっくりすると思う。
パプリカとピーマンのオトナな味わいと、鶏肉の骨から出た出汁、そして白ワインが重なり旨味を作ってくれるから。
どこの地方でも、長く親しまれている伝統料理は、美味しくなる理由を持っているのだろう。