みんなが集う町。

赤海老と里芋のアヒージョ

伊勢丹の帰り道、神宮前一丁目のバス停から散歩しながらBEAMS➕を覗き、イロドリの前を通りかかると、ビアンカップルとゲイカップルの友人たちが食事をしていた。
久しぶりだったので店に入って立ち話しながら店内を見るとちらほら知った顔が。白ワインをいただきながら、近くでエステをやっているNちゃんのテーブルへ。イロドリの新メニュー『赤海老と里芋のアヒージョ』をつまんでいると、妹のGからLINEが入った。
「晩御飯の約束を今日だとばかり思っていて新宿三丁目で待っていたのですが、約束は明日だったということがわかり…ご飯食べちゃいましたか?」
「今イロドリでつまみ始めたところだから、おいで!」と返信を打つと、間も無くGがやってきた。
ここ最近、急激に我らが神宮前近辺に友人たちが引っ越して来はじめている。久しぶりに会った友人のビアンカップルもこの渋谷区神宮前の近くに引っ越して来ようかな?などと探し始めたところ。
友人たちが次々にこの町に集まり、たとえひとりの寂しさを感じた時でも、イロドリに来るときっと誰かがいて、家族のような安らぎが感じられる。
妹のGや、弟のFとも話していることだけど、コーポラティブハウスみたいなものを作って住めたらいいなあ…と。
そこでみんなで楽しく暮らすのだ。
子どもを誰かが持ったら、みんなで気にかけて、LGBTとアライが普通に一緒に暮らすコーポラティブハウス。
夢を描いていたら、いつの日か叶うかもしれませんね。

irodiri「ホームページができました」

「アメリカから友人カップルが来るので、一緒に食事しませんか?」
妹的存在のGからLINEがあり、「まったく知らない人だけど、これも何かの縁かな?」などと思いながら、『irodori』へ。次から次へと人が来て、あっという間に『irodori』は満席になってしまった。
遠くのテーブルには、トランスジェンダーやアライの友人たちが楽しそうに話していて・・・すぐそばのテーブルは、僕の美術学校時代の先生と、なんと会社の先輩が芸大の同級生だったようで一緒に来ていた。
一番驚いたことは、隣のテーブルのお客さんが、このブログを見て来た!という『東京女子医科大学付属青山病院』の人たちだったことだ。(以前ここに、この病院の素晴らしさを書いたことがあるので)
今日も『irodori』は、様々な人が偶然に訪れ、交わり、次の何かに繋がっていったのだと思う。
いろいろな人の「美味しい!」の笑顔が溢れるこんな場所を作れて、ほんとうによかった。
★『irodori』のホームページが出来ましたー→http://irodori-newcanvas.com
(オープンして、あっという間に5ヶ月が経ってしまったのですが・・・汗)foodメニューや写真なども見られますので、ぜひご覧ください。

irodoriのステーキ。

irodoriのオススメメニューを、何度かここに書いているけど、僕が今必ず食べるものは、『ステーキ』。
熟成されたももしんやランプに、じっくりと低音で火を入れて行くので、30分くらい時間がかかるから、最初にオーダーするのをオススメする。
付け合わせは他のオーダーによって選べるのだけど、神ニポテトでもいいし、ハーブのサラダでもいい。
表面はこんがりと焼かれていて、中は美しいピンク色のまま、肉汁がしっかり閉じ込められている。
Kが大分から研修で東京に来て、昨夜はじめてのイロドリだったのだけど、このステーキの柔らかさとうまさに顔をほころばせていた。
霜降り和牛に慣れた人には、こんな赤身の肉らしい味わいが新鮮に感じられるだろう。

見えないところの整頓。

特に何があるわけではないのに、無性に押入れなどの収納の中が気になることはないだろうか?
僕の家にはそんなに収納場所はないのだけど、このところ、寝室の押入れがずっと気になっていたのだけど週末もやれずにいた。
この連休中にやろうと心に決めていたことは、
1.ベランダの掃除
2.押入れの整頓
3.衣替え
今回、収納の戸をすべて取り払って自分が持っているものを表に曝け出して、それらが本当に僕の人生において必要なものなのか、徹底的に吟味して新たにきちんと整頓し直した。(汗だくになりながら、『カミングアウト』とは、こういうことなのね…と考えた)
大きなトランクをまとめて上段に上げることで、小さなカバンやパジャマもきちんと取り出しやすい置き場所が中段に出来たし、リネン類の置き場も確保出来た。(たまに使うものは上段に。日常的に使うものは中段に。)
家はその人の心の状態を現す鏡のようなものだ。
見えないところの整頓が終わってみたら、何やら自分の心がスッキリとして清々しい。
まるで、ご褒美をもらったようなものだ。

賑やかな食卓。

妹的存在のGのお母様がたまたま東京に来ているので、一緒にご飯を食べましょうということで『irodori』に。(また! 笑)
『irodori』に行くと、なんとファッションデザイナーのJさんも来るとのこと・・・。てっきり、お母さんとGと3人で和やかな食事会を想像していたのが、あれよあれよと言う間に9人での賑やかな食事会になった。
Jさんはテレビで見る限り、とても強烈な個性の持ち主だと思っていたのだけど、実際に一緒に食事をしたら、思ったことをはっきりと口に出す、さばさばした気持ちのいい人だということがわかった。
そして、パートナーの方がやさしくハンサムで、はじめて会ったという気がしない素敵な人だったのにも驚いてしまった。強烈な個性のデザイナーには、こんな素敵なパートナーがいてこそ、絶妙なバランスが取れているのかもしれない。
はじめて出会う人とでも、一緒に食卓を囲むとぐっと距離は縮まる。美味しい食べものは、人の心をゆるやかにほどき、自然と笑顔にして、話しが口をついて出てくる。さんざん『irodori』で食べ尽くした後、『キヌギヌ』へ流れて、深夜までわいわいと楽しい一夜だった。

食卓を囲む。

久しぶりに33歳になる友人Mとirodoriでご飯を食べる約束をして、irodoriへ。
ゆっくり食事をしていると、弟のようなFがやって来て、「シャツを今、そこで買って来ましたー」と言って綺麗なリネンのピンク色のシャツを広げる。そして、僕も知っている台湾人の友人Rが来日していて、今からirodoriに来るという。
間も無く英語しか話せないRが食卓に加わり、そうこうしているうちに、やがてスーパーアライのKatちゃんがご飯を食べようとひょっこり現れた。
はじめ、ふたりだった食卓は、三人から四人になり、人が来るたびに料理を追加して様々な料理が並んでいく。
ゲイも、トランスも、ストレートも、外国人も、なんの垣根もなく、美味しい料理を囲んで話は広がってゆく。
どんな人とつきあって来たかという話題の時に、Katちゃんが言った。
「ごはんを美味しそうに食べる人が好きです」
つきあってゆくということは、何度も何度もその人と食卓を囲むことになる。何気なく作った料理を「美味しい!」と言いながら食べる食事には、言葉を越えた幸福があるのだと思う。
食事にまったく興味のない人と、ふたりで毎日を生きてゆくことは、僕にも出来ないかもしれないと思いいたる。
irodoriでの変幻自在で賑やかな食卓は、また忘れられない楽しい時間を僕たちに作ってくれた。
★irodori 渋谷区神宮前2-14-17 03-6804-3736

irodori に来られる方へ。

夕方に『irodori』で、植物に一つずつ水をあげながら枯れた葉を摘んだり様子を見てから、一旦家に帰り、晩ご飯を作っていると、友人のHからLINEが入った。
「今、irodoriに来ました。素敵な空間だね」
来るのであれば、事前に言ってくれたらなるべくいるようにするつもりでいたのだけど、大げさにしたくないのか急に来る友人も少なくない。もう一度、『irodori』に行き、久しぶりに飲みながらこの店が出来上がった経緯なんかを話した。料理も喜んで食べてくれたようで何よりだけど、25品目あるメニューから、どれを選ぶかは意外と難しいかもしれない。
もしかしたら僕のいない時にいらっしゃる人もいるかもしれないので、今日は僕のおすすめの料理を独断でここに書いておきます。
~前菜などつまみながら~
焼きなすミント(なじみの焼きなすが、見知らぬ焼きなすに)
パクチーサラダ(日頃の罪悪感を解消してくれるサラダ)
トマトヤムウンセン(〆のヌードルにして食べたい!という熱狂的ファン多し)
~お料理~
神宮前二丁目フライドポテト(”もうどうにもとまらない”香り高いハーブポテト。)
ライムつくね(歯ごたえのあるつくねにライムをギュッ!)
さのちゃんの肉じゃが(懐かしいのにどこかアジアの香り)
活芝海老のサツマ揚げ(素材をしっかり味わえるさつま揚げ)
~麺とごはん~
フレッシュハーブのグリーンカレー(これは以前書きました。ハーブを潰した手作りカレー)
“irodori”チキンライス(チキンのうまみを吸い込んだご飯とともに)
ピーナッツ味噌和え麺(ピーナツ和え麺って変だけど、なぜかまた食べたくなる美味しさ)
★irodori
渋谷区神宮前2-14-17 03-6804-3736
※今日もご予約で満席が予想されています。もし『irodori』に行かれるときは、いきなり行くのではなく、ぜひ一度電話をかけて席の空きを調べてからいらっしゃってください。ぺこり。

メニューできました。

いよいよ『irodori』は、通常営業がはじまりました。
当分の間、18時から24時(23時ラストオーダー)という営業時間になります。
メニューは沢山考案された中から厳選された25品。どの品も『irodori』ならではの独創的なお料理になっているのは、『irodori』のメニュー構成を考えてくれているもっちゃんが元々フレンチの出身ということもあり、味の骨格を作ってゆく時に熟考され何度も何度も試食を重ねて今までになかった一品になるから。料理の開発を手伝ってくれているさのちゃんも、センスのいい不思議なアジアンを提案してくれます。
その中でも絶対に食べて欲しい一品が、『フレッシュハーブのグリーンカレー』。東京のタイ料理屋さんで食べるグリーンカレーって、どれもおんなじ味がしませんか?それはおそらく、どこの店も業務用のグリーンカレーペーストを使っているから。簡単だし、コストのことも考えてのこと。
『irodori』のグリーンカレーは、新鮮なバイマックルーやレモングラスやカーを、乳鉢でたたき、潰し、ハーブそのもののチカラを使ってペーストを作っているのです。
僕も以前にバンコクへ旅行に行った時にタイ料理教室に通ったのですが、レッドカレーペーストを作る際に、当たり前のように新鮮なハーブ類を乳鉢でたたき潰すことから始まります。『irodori』のグリーンカレーも手作りのペーストのため、食べる時に香りが立ち上がり、すっきりとした辛みの中にほのかな甘みが感じられます。この甘みはパーム・シュガーを使っているから。食べた後にすっきりとしていて口の中に嫌な雑味が残らないのは、科学調味料にたよっていないためかもしれません。
この『フレッシュハーブのグリーンカレー』を、オープニングパーティーの時にスタッフが大量に作ったのですが、大量のハーブを乳鉢でたたき潰す作業は、おそらく、自分が奴隷になったように感じられるくらい大変な作業だったと思われます。
オープン初日、友人が連れて来られた方に、ほんの一口と思いこのグリーンカレーをオーダーしたのですが、「おいしい!おいしい!」と言って全部平らげていただけました。

ありがとうございました。

二日間続いたオープニングパーティーを、無事に終えることが出来ました。
お忙しい中ご来店いただき、誠にありがとうございました。この場を借りて、厚く御礼申し上げます。
初日のパーティーの後、僕は3時頃に帰ったのだけど、スタッフたちはその後もミーティングを朝までしたらしく、背中を丸めて帰る姿が、Facebookに上がっていた。
みんなから『お母さん』と呼ばれて親しまれている『もっちゃん』。もっちゃんがいなかったら、イロドリの美味しくて身体に優しい料理は無かったし、イロドリは無かったです。
店長という重荷を背負って、泣きながらがんばってくれた『いけちゃん』。純粋な心がイロドリの心です。
一番面倒くさいお金のことを一手に引き受けてくれているカズマ。連日の睡眠不足で顔を真っ白にしながらがんばってくれました。
新しい料理の開発や、大量の料理を一生懸命作ってくれたサノちゃん。
おびただしい数の食器やグラスを運び、下げて、洗ってくれたゆうこちゃん。
スタッフではないのに、洗い場をもくもくとこなしてくれたノンちゃん。
もっちゃんを影で支えながら、イロドリ全体をやさしく支え続けてくれているカタラオちゃん。
ストレートだけどこの企画に加わり、力強い応援をしてくれているモガ。
みんなに愛想を振りまきながら走り回っているチロル。
そして、今回のイロドリをともに作った、毎日のように一緒に過ごしている妹のようなGと一番男らしい弟のようなF。希望を抱くこと。夢を語ること。思いつきや意思がどんどん形になっていく過程を家族のように一緒に経験して、忘れられない日々を過ごすことが出来ました。
学園祭の準備をしているようにワクワクして、全然寝てないけど、みんなに会うと楽しくて…そんな毎日をありがとう。
みんなの思いが重なり合って、僕たちの店『irodori』が出来たことに感謝します。

irodori オープニングパーティー。

オープン前の店内

店のL字型カウンターの上にはスペースがあり、そこに植物を配置して下に向かって蔓を足らせたら綺麗だろう…などということで、FUGAにグリーンを調達しに行き、オープニングに備えた。
オープニングパーティーは大盛況で、何度も人の波が来ては、少しすると小休止して、また大勢になり食べるものを慌てて作ったりの繰り返しだった。
見たこともない大きな寸胴鍋や、巨大な平たい鍋にいっぱいの肉じゃがやグリーンカレーを見ながら、「まるで給食だね…」などとみんなで笑っていたのだけど、お料理を出すや否や、どのお皿も一瞬にしてなくなってしまう。結局、二日間分用意した料理は、一日ですべて綺麗になくなってしまった。
友人たちも何人か遊びに来てくれた。年配の友人夫妻は、「どうせ半分お遊びで作ったお店だろう…くらいの気持ちで遊びに来たら、本当に素敵な店で、料理も美味しくて驚いた」などと、うれしい感想を聞かせてくれた。
クタクタに疲れてやっと終われる…と1時半頃になって思った時に、歌舞伎町のプリンスが彼女を連れて入って来た…
そこでまたシャンパンを開けて、みんなで今日一日の疲れをねぎらい、満員御礼の喜びを分かち合った。