Kのカミングアウト。その1

Kは、東京に移住しようかと考えはじめて、このところ急ピッチでKも変わり始めている。
僕自身驚いたことは、先日、福岡での『OUT IN JAPAN』の撮影にKも参加したことだった。
僕と会う前には、ずっと大分でクローゼットで生きて来たのに、『OUT IN JAPAN』に出るということは即ち、カミングアウトをするということだからだ。
誰かがKの名前の検索をしたら、真っ先に『OUT IN JAPAN』のKのページに飛ぶだろうから。
そんなKが急に、家族へのカミングアウトをすると言い出した。
K「今度、家族で集まる食事会があるから、みんなの前で全部言おうと思うんだけど…」
僕「え?何を全部言うの?」
K「僕は、男の人が好きだということ。
東京に好きな人がいるということ。
だから、今の仕事を一旦やめて東京に行くということ…」
僕「えー!
そんな何もかもを一気に言ったら、お母さんたち泡吹いて倒れちゃうよ!
だって…
息子はゲイです…
東京に、16歳も歳の離れた恋人がいます…
仕事を辞めて東京行きます…
そんなこと一気に言われたら、お母さんたちも簡単に受け入れられないんじやないかな?
そもそも、大分のさらに田舎に住んでいるご両親が…そもそもゲイがどんなものかもわからないんじやない?」
僕「いきなり家族会とかではなくて、はじめはお兄さんかお姉さんに話して、味方になってもらって、徐々に総本山を攻略した方がいいと思うよ」
K「そうかもしれないね…
明日、お姉ちゃん家に行って話してくる」
そんなこんなで、Kのカミングアウト計画に対して、ほんの少しストッパーになったのだけど、お姉さんやお兄さんたちが何と言うのか、それさえも僕はドキドキでいる。

Happy Pride!

今年の台湾パレードは、今まで全体をオーガナイズしていた人たちの間で問題があったようで、途中まで開催する見通しが立っていなかったようだ。その後、2つに分かれるルートが発表された時は少しホッとした。
ここ7年間毎年来ている感想としては、ほんの少し人手が少なかったように思うが、今回のパレード参加者は、アジア最大で8万人という発表があった。
僕たちは、東京レインボープライドのフロートを用意して飾りつけをやり、僕のデザインしたTシャツを着てみんなで一体となって歩いた。
イロドリのスタッフには、Xジェンダーの子が何人かいたり、MTFやFTMもいる。海外でのはじめてのパレード参加にそれぞれが興奮していた。
そして可笑しいのが、ストレートの女の子、シェフのストレートの夫婦や、歌舞伎町のゴールデン街のストレートのマスターも揃って参加したことだ。
ストレートの彼らが、『MAKE RAINBOW TOGETHER!』などと書かれたボードを持って歩く姿を見ながら、こうしてみんなで一緒に歩ける幸福をかみしめた。
Tシャツをうれしそうにもらっていく台湾の人たちを見ていると、やっぱり台湾に来てよかったとつくづく思ったのだ。
Happy Pride!

手羽中のグリル。

「最近、料理レシピあげてないですね…僕は料理ネタが好きなんです。なんか、みんな簡単そうだから…」
先日、このブログを見てくれているという友人に言われた。簡単そうだから…という言葉に思わず笑ってしまったのだけど…。
料理は、ほぼ毎日しているのだけど、気づいたらあまりあげてなかったかもしれない。
今日は、あまりにも簡単で、美味しい手羽中を。
〈手羽中のグリル〉
★材料
手羽中
ししとう
レモン
黒七味
★作り方
1.手羽中に塩を手で上からふる。20分放置。
2.ししとうはヘタを取り、竹串か包丁で適当に穴を開ける。(爆発しないように)
3.魚焼きグリルに手羽中とししとうを並べ、強火で焼く。(時々中を見ながら、ししとうが焼けたら取り出しておく)
4.こんがり焼けたら皿にししとうとともに盛りつけ、レモンをたっぷり絞りかける。好みで、黒七味をふりかける。
酒がすすむよ!

Happy Birthday J!

寿司屋を出る時間が見えたら、ブリッジのMに連絡を入れることになっていた。
Jの誕生日のために日本のJを知っている友人たちがわざわざブリッジに来て待機してくれていたから。
タクシーに乗って二丁目に向かい、ブリッジの下に着いてまたメッセージを入れる。「これからエレベーターに乗ります」
ブリッジでは店の灯りを消して大歓声でJとLを迎えてくれた。
Mが、予め頼んでおいてくれたケーキが出され、嬉しそうにローソクの火を消すJ。ふたりは今日のバースデーパーティーのためにシャンパンを20本くらいだろうか仕込んで置いて、みんなでシャンパンを飲みまくった。
彼らにとっては、日本の友人たちと一緒に、こんな風に盛大に誕生日を祝うことが出来て、とても嬉しかったようだ。
彼らは、日本が大好きで、日本中を時間のある時に旅行して回っている。
日本の言葉も話せないのに、僕たちはお互いがゲイと言うだけで、簡単に国籍も越えてぎゅっと親しくなれる。
改めて、ゲイっていいなあと思ったのでした。

OUT IN JAPAN 最終日。

GAPでの展示が最終日を迎えたので、撤去される前にまたスタッフが集まった。
この3ヶ月間あまり、それぞれに様々な苦労があったこともあり、なんだか文化祭が終わってしまうような寂しいような気持ちになっていた。
今回、それぞれの人とお話が出来たこともあり、OUT IN JAPANの撮影に臨んでくれた人々のことを考えると、なんとも愛おしい気持ちになる。
親が大好きだから、親を悲しませたくないから言えずに自分の中だけに閉じ込めて生きて来た人。
友人に嫌われたくないから、ひたすらノンケを演じてきた人。
兄弟や友人のような、みんなに祝福される結婚や子どもを持つ暮らしは自分には出来ないのだと思って生きて来た人。
自分には、周りのみんなのような幸せな未来は描けないと思っていた人。
いじめられた人や、自傷行為、自殺未遂を繰り返した人。
そんな痛みや苦しみや悲しみを、ここにいる人たちはそれぞれに味わい生きて来たのだろう。だからこそ、他の人の痛みや苦しみや悲しみを想像することが出来るのだ。
スタッフはもう一度、GAPのレインボーTシャツを着て、思い思いに写真を撮った。
次の新しいみらいに、どうか、つながっていきますように。

「なんで僕が、こんなところに?」

僕のことをご存知の方なら、もうどこかで目にしたかもしれない。31日の渋谷区議会の決議の日の報道が、想像を遥かに超えるニュースになっていて、様々なメディアに僕の顔写真が出回っていたようだ。
“いたようだ”と言うのも、「出てたわね!」「おめでとう!フジテレビで見たよ!」「いきなりただしくんが映っていて驚いた」等、周りの友人たちが親切にLINEやメールを送って来てくれたから。
でも、一番驚いているのは僕かもしれない。決議が決まってみんなと区役所を出た時に、坂道を降りた遠くに夥しい数の報道陣が待ち構えているのを見ながら思ったのだ。
「なんで僕が、こんなところにいるんだろう・・・?」
でも、ふと冷静になって、このバナーは友人のビアンカップルに。こちらのバナーは、僕の弟と妹に持たせて・・・急に仕事モードになって、どうやったらより印象的にメディアに写るだろうか・・・と考えていた。(大我さんと一緒に歩いたら、僕たちがカップルと思われたら困るから、大我さんは向こう端を、僕はこちら端を・・・・・・笑)
その日はみんなと祝杯をあげて、朝までなぜだか興奮して眠れず、朝になって会社に行く時に急に思ったのだ。
 
『あ!ニュースを見た会社の同僚、上司、後輩から、何か言われるかもしれない・・・クライアントが変な目で見るかもしれない・・・』(今頃気づくなよ・・・)
早朝から少し緊張して会社に行ったら、仲良しの年上のゲイの大姐さんのFからランチを誘われた。
「見たよ。よかったね。本当にいいことをしたね」と、二人で様々な経緯や傍聴会の話をした。
そして驚いたことに・・・結局、他には誰からも何も尋ねられることも、話をされることもなかったのだ・・・うちの会社の人が、ほとんどメディアを見ていないということも考えられるけど…(もしもそうだとしたら相当笑えるのですが)
多くの人にとって、僕のセクシュアリティがどうであろうとも、そんなにその人の人生に関係がないのではないか・・・と思ったのだ。
もしかしたら、これからじわりじわりと日常の中で聞いてくる、あるいは、僕のいないところでよからぬ噂になることがあるのかもしれない・・・でも…
人生は一度きり。
昔の恋人を喪ったけれども、彼を愛して愛されていた確かな記憶がある。
そして今はKがいて、ささやかな毎日を生きている。
愛する仲間たちに囲まれている。
自分の信じるままに生きよう。
そんなことを自分に言い聞かせながら、なんとか自分を勇気づけている。

ミドリムシ。

花粉症は、東京では三月初めから物凄いと聞いていた。
いつもは二月からすでに目が痒くなり、くしゃみが出て、鼻水が出ていたはずなのに、今年はなぜだかまだ花粉症の自覚がない。
どうしてなのかと考えてみると、思い当たることが一つあって、『ミドリムシ』を飲んでいるからかも…。
テレビを見ない僕は、『ミドリムシ』が話題になっていたことを知らずにいたのだけど、ある日、行きつけのマッサージの先生からすすめられたのがきっかけ。
先生「こんなにいいものなら、ユーグレナの株を買っておけばよかった…」
僕は、もともとビタミン剤などを飲むことがあまり好きではなかったのだけど、着色料・香料・保存料無添加で59種類の栄養素を含むという『ミドリムシ』なら飲んでもいいかなと思ったのだ。
飲み始めてからまだ一ヶ月くらいだけど、いちばんわかりやすい変化は花粉症に対する耐性かもしれない。他は、はっきりとミドリムシのおかげかどうかはわからないのだけど、朝の目覚めもすっきりしている。
※効果は、僕に限ったものであり、人それぞれだと思われます。

NEWS! (categories 出来ました!)

このブログは、僕の周りのささやかな毎日を記録しているだけなのですが、検索機能や目次がないため、過去の記事を遡ることがとても面倒くさかったのです。
そこで、「なんとかならないものでしょうか…?」と問い合わせたところ、カテゴリーを設ければ探しやすくなるとのこと。
しかし、2年以上経った750余りのすべての記事に、一つずつカテゴリーを編集し直さなければならず、頭がおかしくなりそうになりながらやっとの思いでカテゴリー分けをしました。
これで随分見つけやすくなったものの、そもそもカテゴリーが16もあるのもいかがなものか?と、すべて終えた後でため息をついて眺めていました。(それだけ僕の頭の中は支離滅裂なのでしょうか…)
※categoriesという項目をクリックすると、16個すべてのカテゴリーを見ることが出来ます。
※それぞれの記事の最後、post a commentの隣にカテゴリー名(gay, movie, travel, restaurant…など)がありますので、そこをクリックするとそのカテゴリー内の他の記事をまとめて見ることが出来ます。

大晦日は、イロドリで。

今年最後のイロドリでは、僕の弟的存在であり、イロドリのオーナーであるFのお父さんお母さんが来て、そば打ち大会が行われた。
Facebookに声をかけただけなのだけど、意外と東京で年を越す人が沢山いるみたいで、6時から始まったそば打ち大会もあれよあれよと満席になった。
ゲイ、ビアン、トランス、アライ…次々と知らない人同士が同じ席について交わり、自然と言葉を交わし楽しそうに笑っている。
僕にとっても、今年は、『irodori』のような場所をみんなでオープンさせることが出来たことが一番の喜びだった。
ともに過ごした家族のようなスタッフや仲間たちと、鳩の森神社にワイワイと初詣をしながら、とても温かい大晦日になりました。

神ニ計画。

満席のイロドリのキッチン

神宮前二丁目略して『神ニ』は、僕の愛する町であり、『irodori』をはじめ、『みどり』があったり、妹的存在のGも住んでいる。
その神ニに、また最近仲の良いビアンカップルが引っ越して来たし、イロドリのスタッフも近くの千駄ヶ谷に越して来たり、ゾクゾクと町が濃くなってゆくのがわかる。
Gが前々から『神ニ』のフリーペーパーなるものを作りたいと話していたのだけど、それが本格的に動き始めた。神ニ商店街の一つ一つのお店に取材をして、連載の形でその店のユニークネスを伝えていくという形。
まずは手始めにクリーニング屋さんのご主人と軽く打ち合わせをした。
お話の中身は驚くことばかりで、中でも驚いたのは、クリーニング屋さんというのは国家資格なんだそうだ。国家資格に合格するためにみんな勉強してアイロンをかける実技なんかもあるのだそうだ。
普段僕たちは担当したクライアントのことは結構知っているつもりでいたのだけど、町の商店街の人々の仕事というのをほとんど知らなかったのだ。
この神ニが、新宿二丁目とはまた違った形のLGBTに寛容な二丁目になっていったらいいなあと仲間たちと盛り上がっている。