手相。

手相を見れる友人がいる。ここではSとしておく。
先日、久しぶりにSと偶然バーで隣り合わせて、一緒に飲んでいたのだけど、ふとSが手相が見れることを思い出して見てもらった。
S「相変わらず、霞を食べて生きている感じですねー。不思議な手相だなぁ…
人生、何も苦労もないし困んないでしょう?」
僕「そんなことないよ…今も生きてるだけで精いっぱい…」
S「手相には出てないです…
あ、結婚線が変わってる!
ここに一本ハッキリ出てるじゃん!前と違う!」
僕「あ、それはきっと、これから出会うアラブの石油王だと思うんだけど…」
S「いや、これはもう、今つきあってる人ですね。このあとはもうないもん。この人ですよ!」
僕「えーーー!
そ、そんな、夢のないこと言わないでよ!
お願いだから、もう一度くらいロマンティックな恋があるって言ってよ!」
S「いや、だって年齢的に今の人だって出てるもん…」
僕「・・・・・」
そんなことがあったと、福岡でKに笑いながら話したら、Kは僕に肘で一撃を食らわした…。
前は、恋愛線なんてほとんど見えなかったのに、手相って、ほんとに変わるみたいです。

Pizzeria Da Gaetano

カプレーゼ

マルゲリータ

ポルチーニと生ハムのピザ

前回7月に来たのに、またここのピザが食べたくなってしまい、東京に帰る前の夕方にお店に滑り込んだ。相変わらず開店を待つように外には予約のお客さんでいっぱいで、かわいいお兄ちゃんが席に案内してくれた。
カプレーゼ、イカのフリット、ピザは、マルゲリータとポルチーニのピザを。
前回はマルゲリータEXという特別のものを食べたのだけど、普通にマルゲリータでも鼻息荒くなってしまうほど美味しい。
久しぶりのポルチーニは、香り高く、サルデーニャの赤ワインとぴったりだ。Kがとても美味しそうにポルチーニを頬張っていた。
この店には、素晴らしいソムリエのお兄ちゃんがいる。ショートカットでとても丁寧な接客をしてくれて、いつ行っても親しみを込めてワインに対する愛情を語ってくれる。
このお店が東京にあったら、しょっちゅう食べに行くんだけどなあ…と、またしても大満足で店を後にした。
★ピッツェリア ダ ガエターノ
092-986-8822
福岡県福岡市中央区渡辺通り2-7-14 パグ​ーロ薬院1階
http://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400104/40028105/

小さな幸せ。

鴨の生ハム

モツのトマトソースのブカティーニ

ミラノ風カツレツ

昼に食べた福岡の美味しいお寿司と日本酒のせいか、晩ごはんの食欲がなく、予約をしていた水炊き屋さんも、申し訳ないけどキャンセルをさせてもらった。
僕にとっては、『何を食べるか』が、人生で最もたいせつなことなので、一食たりとも無駄にはしたくないと思う。散々悩んだ挙句、惹かれる名前のイタリアンを見つけた。その名も、『piccola felice (小さな幸せ)』。
一本通りを入った静かな住宅地にほんわりと灯りがともり、古い民家を改築したお店が見えた。中に入ると何か友人の家に遊びに来たような温かさに溢れている。
本来ならば、3300円というコースがお得だろう。前菜からパスタ、セコンド、デザートまでついてこの値段とは驚きだけど、とにかくお腹がそれほど空いていなかったのでアラカルトにしてみた。
オリーブの肉詰めフライは手間がかかっていてとても美味しい。鴨の生ハムは、燻製の香りがして豊かな仕上がりでワインがすすむ。(これはマストです)
ブカティーニというスパゲッティを二倍くらい太くしたようなパスタは、ローマなどでカルボナーラで出てくるものだけど、モツを使った辛めのトマトソースで不思議な美味しさだった。
最後にこの店自慢のミラノ風カツレツを。豚肉を叩いていなくて肉厚のまま薄い衣がピタッとひっついて出てきた。正確に言うとミラノ風カツレツとは違うのだけど、こんな風に本場の料理にとらわれず、シェフ自身が美味しいと思うものを作っている気持ち良さがある店なのだ。
とてもイタリア料理らしい店というわけではない。それでも接客はとても親しみやすく、シェフはこだわりを持って食材を選び、この店への愛情がいろいろなところに感じられる。
タコのイカスミ入りリゾットというものを食べたいと思ったのだけど、それは今度のお楽しみにしよう…そう思いながら、ふたりで小さな幸せに包まれて店を後にした。
★ピッコラ・フェリーチェ
092-525-2108
福岡県福岡市中央区高砂1-14-14
http://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400104/40025572/

何か、目には見えない存在。

昼間に美味しいお寿司を食べて、日本酒を飲んだせいか、夕方になっても全然お腹が減らず、本当は水炊きを予約していたのだけど、とてもじゃないけど食べる気が起きず、どうしたものかと考えあぐねていた。
そして、Kに何が食べたいのか聞いてみた。しばらく考えたのち、Kが一言言った。
K「グ…グラタン…」
そこで僕は、福岡でグラタンを食べられる店を探し始めたのだけど、東京や京都と違って、福岡には洋食屋さんは少ないようで、暫くしてグラタンは諦めることにした。結局、福岡らしいイタリアンに行き、『七男鳥』に飲みに行った。
「たこ焼きが食べたいなぁ…」
福岡のバー『七男鳥』で飲んでいる時に、帰りにたこ焼きが食べたいと思い、周りの人に聞いてみた。
僕「この辺で、今やってるたこ焼き屋さんないですかね?」
A「うちのそばにはあるけど、この時間は閉まってるな…」
B「大阪じゃないから、こんな時間にやってるたこ焼き屋なんて福岡にはまずないよ」
七男鳥を出て、大きな通りに出るやいなや、向かいに蛸の文字が見えた。Kに、「あれ、たこ焼き屋さんじゃない…?」
道を渡ると、移動式のたこ焼き屋さんで、店の人曰く、「福岡にはもう1つくらいしかこんなたこ焼き屋さんはありません」という。
Kがコンビニでチューハイを買って来て、二人で美味しくたこ焼きを食べながら、幸せなひと時を味わった。
いい気持ちのままホテルの部屋に帰り、お酒を飲みながらカップラーメンを二人で食べた。そして、部屋の片隅をふと見ると、昨夜、今朝の朝ごはんに食べようと買ったパンが1つだけ残っているのが見えた。
僕はたいてい福岡には先に到着するので、翌朝のためにパン屋さんで適当にパンを買っておくのだ。そして、何の気なしにそのパンを2つに割ると、中から『グラタン』が出てきたのだった。(パンは、甘くないものを適当に買ったので、何を買ったかさえも覚えていなかったのだ)
『たこ焼き』も『グラタン』も、ただの偶然だと思うことも出来る。
でも、僕はそうは思わなくて、何か目には見えないものが、にっこりと笑いながら僕たちに合図をしてくれたのだと思ったのだ。
人生には、そんな不思議なことが時々起こる。
それを、どう捉えるかは、その人次第。

行天

ミシュラン三星の寿司店『行天』へ。
一瞬お店がわからなくて通り過ぎてしまうくらい、普通の家の一階がさりげなく店の入り口になっている。
店内は正方形に近く、壁や天井は暗めの落ち着いた色で仄暗い。カウンターには10席あるのだけど、昼は6人までしか入れないそうだ。(夜は10人で一回転)
このお店は、予約の段階で、キャンセルは出来ないと念をおされる不思議な営業スタイル。一週間前にもわざわざ確認の電話がかかってくる。
店に入ると、僕たちしかいなくて、両側を空けたまま食事がはじまる。
大将は33歳。頭のサイドと後ろは剃るくらいに短く、上は長い奇妙な髪型をしている。
ネタをとても丁寧に仕込んである様子がわかるし、一品一品きちんと説明してくれる。
とても神経質なくらい客席に目を配り、汚れたテーブルやカウンターを弟子に即座に拭かせるし、中居さんにも常に気配りを求めるのがわかる。
シャリは少なく、ネタは一捻り拗らせて握ってあるようで、酢も強くなくとても食べやすい握りだ。日本酒を片手に、いつまでもここの寿司ならば食べ続けていたいと思わせる丁度良い大きさと握り具合なのだ。
僕が話好きなことがわかると、大将もほどけて、両側の予約をしているのに一向に来ないお客さんたちの話になる。時間を守らない人は、もう何を言っても治らないんですよと。
昔は今よりももっとやんちゃで、カウンターの中から失礼な客がいたら塩を撒いたり、何度も静かにしてくださいと言っても聞かないので、「全員帰ってください!」と言って帰したこともあるそうだ。
真剣勝負で握っている寿司職人は、お客にも真剣な対応を求めてくる。
伸るか反るか、この大将に塩を撒かれる人も多いと思うけど、僕はそんな話を聞きながら、大声で笑っていた。
お寿司屋さんは、お客さんの数と回転数を考えて仕入れをしている。連絡もせずに来ない客と言うのは、マナーとしてあってはならないことだろう。
この尖った大将が、この先いつまで尖ったまんまいられるだろうかと、また来店したいなあと帰り際に思ったのだ。
★つまみ
白魚、ホヤ、このわた
明石の鯛、クエ
鰹 (醤油のりみりんのソース)
★握り
カジキ
あぶらまかじき
いわし
しんいか
車海老
さわら蒸し寿司
ひめこ
あじ
ハマグリ
こはだ
しんいかげそ
ホタテ
さより
穴子
★鮨 行天
092-521-2200
福岡県福岡市中央区平尾1-2-12 井上ビル 1F
http://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400104/40032025/

炉ばた 三光橋

金太郎いわしと鶏肉と野菜

甘鯛

牛肉の赤身

福岡で、最も好きなお店をいくつか上げろと行ったら、その中に、『炉ばた 雷橋』が入る。
一列に並んだカウンターに座り、野菜や干物やお肉を対面で炭火で焼いてくれる『炉ばた 雷橋』は、コストパフォーマンスも高く美味しいお店だ。
その『雷橋』の姉妹店『三光橋』にはじめてお邪魔した。
『雷橋』のそばにありながら、『雷橋』と違うところは、店内の広さだろうか。正方形に近い店内は、コの字型で広く、中で従業員の方が自由に動き回ることが出来る。
京都のざる豆腐は濃厚で甘く、秋刀魚の刺身も新鮮で美味しい。野菜や鶏肉、名物の金太郎いわし、甘鯛の干物…こちらのペースを配慮して、ゆっくりと一品一品焼いてくれる。
牛肉の赤身があったら、ぜひ頼んでみてほしい。赤身でありながら、しっとりと脂を含み、中まで柔らかいのだ。
『雷橋』もそうなのだけど、この店もお店の人たちが驚くほど感じがいい。
僕が、東京から来たと言うと、お店のカッコイイ兄ちゃんが福岡らしい珍味三種をつまみに出してくれた。烏丸、平貝の粕漬け、小さな蟹を潰したもの。
食材を焼いただけで、なんでこんなに美味しいのだろう…と、美味しい三岳を傾けた。
この、炉ばた焼きというパフォーマンスは、外国人の旅行者も喜ぶかもしれないな。
また、必ず再訪したい素晴らしい店。
★炉ばた 三光橋
092-712-7373
福岡県福岡市中央区春吉3-22-17
http://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400103/40036872/

ワクワクする家を探して。

今住んでいるマンションが建て替えるために、半年後までに引越しをしなくてはいけなくなり、やっと気持ちを切り替えて新居を探すことになったことを先日ここに書いた。
住み慣れた外苑前近辺を中心に場所を絞り、様々な間取り図を眺めて検討し、一歩進んで実際に内見に行くと、よりリアルにその家での暮らしを思い描くことが出来る。
限りなくお金があれば、家に関する多くの願望は叶うのかもしれないけれども、限られた予算で自分に合った家を探すということは、どこかパズルを組み合わせるようなものであってとても面白い。
それは、『何を選択して、何を捨てるか』が問われるからだ。家を探すことは、実は、自分の生き方を探すようなことだったのだ。
駅までの道は、気持ちのいい道であるか、
帰りに寄り道がしたくなる町か
犬と暮らすか
料理をする時に、客人の顔を見ながらできるか
朝日を浴びながら、植物の世話をできるか
夕陽を見ながら、ワインを飲めるか
窓の外の樹々を見ながら季節を感じられるか
外苑の銀杏並木の見える部屋は、とても気持ちのいい部屋で、しばらくそこで暮らすことを想像した。
銀杏の紅葉も見られるし、芽吹きも美しいだろうと。朝早くぎんなんを拾いに行ってもいい…
千駄ヶ谷の家は、L字型の大きなバルコニーで、そこでいくつものオールドローズを育てている自分を想像してみた。
部屋も2つあるので、Kは1つを自分の基地にすると言って騒ぎ出した…。
それはまるで、『エアー暮らし』でしかないのだけど、今とは違った毎日を想像することは、新鮮でワクワクするものだった。
今まで住んでいた家が当たり前だと思ってなかなか気がつかなかったのだけど、人はきっと、いつだって、違った場所で生きることを選択することが出来るのだ。

台湾プライドに向けて。

一週間後の土曜日は、アジア最大の台湾プライドの日。
ここ毎年6年くらいは続けてこの時期に台湾を訪れていたのだけど、今年は東京で過ごしているような気がしている…
(というのも、今でもまだ、行きたいなぁ、行けないよなぁ、という思いが波のように交互に押し寄せているのです)
これもここ3年くらいやらせていただいていることなのだけど、東京からいく東京レインボープライドの仲間たちや、現地の台湾人の人たちが笑顔でパレードの時に着てくれるようにと、日台友好のシンボルとしてTシャツをデザインさせていただいている。
散々迷った挙句デザインを決めて、時間がなかったので慌てて入稿したのだけど、夜中になんだか眠れずに、何度も何度もデザインを眺めては、何かが自分としてもしっくり来なくて、そのまま眠れずに朝になり、早朝会社でデザイナーと新しいデザインのデータを作り直し、入稿をし直した。
台湾の人たちがこのTシャツを見た時に、ハッと何かに気づくその姿を見たいと思う。
本当は台北に行って、このTシャツを着て、日本の仲間たちや、台湾の人々とみんなで一緒になって歩きたいのだ。
Happy Pride!

ニューヨークで暮らすアジア人。

ニューヨークからDがやって来た。
Dは、中華系アメリカ人。30歳くらいだろうか。スタンフォードを出た後、日本に来て4年間くらい暮らし、その後台北に1年間くらい語学を学びにいき、ご両親の住むニューヨークに戻った。
Dは、ニューヨークでゲイのアジア人の団体の代表もやっている。この夏ニューヨークに行った時も、PRIDE前の彼らの団体のパーティーがあり顔を出したのだけど、久しぶりの来日でゆっくりふたりでランチをすることが出来た。
僕「なんでゲイのアジア人の団体に関わっているの?」
  
D「サンフランシスコと違って、ニューヨークではまだまだアジア人はマイノリティなんですよ」
僕「確かにそう思うけど、Dはニューヨークで育ったのに、何か思うところあったのかな?」
D「ずっと東京にいて、台湾で暮らして帰って来たら、白人たちに差別されるようなことがあることに改めて敏感になったんだよね・・・
いつか、バーにアジア人の友達6人くらいで遊びに行ったんだけど、そこにいたカップルの女がいきなり僕たちを見るなり、Asians・・・って声に出して顔をしかめたんだよ・・・
そこで僕はすかさず、Excuse YOU? って言ったんだ。
そしたら、なんでこんなことをこの男に言われなきゃいけないんだろう???みたいな顔したから、
Fuck off! って言ってやったんだ。
この手のことは、しょっちゅうあって、僕はもう、黙って見過ごすことが出来なくなってきたんだよね」
そんな話を聞きながら、アジア人がニューヨークで暮らすことの大変さを想像した。
僕は今までに旅行でも、仕事でも、様々な国に行ったことがあるのだけど、西欧の社会では、やはりそこかしこに、未だにアジア人に対する蔑視は確かに残っていると感じることがある。
D「実際にアジア人は、バーやクラブでもまったくモテないし、相手にもされないんだよね。一部のライスクイーンを除いては(ライスクイーンとは、アジア人を専門に好きな西欧人のこと)。それどころか、アジア人は、ペニスが小指くらいしかないとか、みんな女々しいとか、とにかく性の対象にはまったくなっていないんだよ・・・。そんな何もかもが許せなくて・・・」
そんな話を聞きながら、頭脳明晰で志も高いDのような若者が、どんどん社会に出て行くことを、とても頼もしく感じたのでした。

ひもじい思い。

二丁目のぺんぺん草で飲んでいたら(また!)、
今までに、本当にひもじい思いをしたことがあるか?という話になった。
A「大阪で学生の頃、お財布を落としてしまって、家に帰って小銭を掻き集めたら1500円しかなかったの。
次のバイトの給料日までだいぶ日にちがあるから困ってしまい、日雇いのバイトに行ったら、大阪の外れの現場までは自費で行けと言われたの。
そんで往復を計算したら、1500円以上かかるから帰って来れないことがわかって、しょうがなく事務所に頼み込んだの。
交通費がないので現場に行けないからなんとかしてくれって(笑)」
僕「そんで、そんで?」
A「お金もないのに、仕事に来るな!
って怒鳴られたんだけど…よく考えたらお金がないから仕事に来たのに…
なんとか食いさがったら、2千円貸してもらえたの」
僕「よかったね!!!」
ぺんぺんのひろしさん「まだ若い頃、大塚に住んでいたのよ。
家中小銭を掻き集めたら、15円だけあったの…
お腹が空いて空いてどうしようもなくて、そのお金で友達に電話したのよ。
お金がないから何か食べさせて!って…
そしたらその友達が新宿に住んでて、家に来いって言うのよ…
でも、大塚から新宿まで行けるお金がないの…電話もしちゃってあと5円とかしかなかったから…
どうしようもなくて途方に暮れて、家中を見回したら、映画や芝居ののパンフレットが沢山あったの…
それをダメ元で古本屋さんに持って行ったの…そしたら、ほんの少しお金が出来ちゃって、新宿まで行くことが出来たの…」
みんな「よかった〜」
ひろしさん「友達が何か出前を頼んでやるって言うから、あの頃もりそばが一番安くて、もりそばって言ったの…
そしたら友達が1つじゃ出前してくれないから、もう1つ頼めって言うのよ…
親子丼…って思ったけど、高いから玉子丼をお願いしたの。そしたらあいつは自分用にかつ丼頼んでいて、はじめっから1つじゃないじゃないね〜」
僕「いい人だね」
ひろしさん「でもね、あいつったらね、私が帰るときに私の目の前で、百円玉を十個縦に積み重ねて3つ作ったの。
そして、あ、こんなには要らないわね…って、一山隠すのよ!あの女!
それでも、そのふた山を持って帰ったの…
ありがたかったわ…」
この話は、僕は何度も何度もひろしさんから聞かされているんだけど、ひろしさんのキャラを見ながら聞くと、毎回馬鹿みたいに笑ってしまって、最後にはなんだかじんわりと来るのだ。
いつか、そんな友人のようになれたらいいなあと思う。
ぺんぺん草って、とにかく最高…って思いながら、ふらつきながら家路に着いたのです。