ニューヨークで暮らすアジア人。

ニューヨークからDがやって来た。
Dは、中華系アメリカ人。30歳くらいだろうか。スタンフォードを出た後、日本に来て4年間くらい暮らし、その後台北に1年間くらい語学を学びにいき、ご両親の住むニューヨークに戻った。
Dは、ニューヨークでゲイのアジア人の団体の代表もやっている。この夏ニューヨークに行った時も、PRIDE前の彼らの団体のパーティーがあり顔を出したのだけど、久しぶりの来日でゆっくりふたりでランチをすることが出来た。
僕「なんでゲイのアジア人の団体に関わっているの?」
  
D「サンフランシスコと違って、ニューヨークではまだまだアジア人はマイノリティなんですよ」
僕「確かにそう思うけど、Dはニューヨークで育ったのに、何か思うところあったのかな?」
D「ずっと東京にいて、台湾で暮らして帰って来たら、白人たちに差別されるようなことがあることに改めて敏感になったんだよね・・・
いつか、バーにアジア人の友達6人くらいで遊びに行ったんだけど、そこにいたカップルの女がいきなり僕たちを見るなり、Asians・・・って声に出して顔をしかめたんだよ・・・
そこで僕はすかさず、Excuse YOU? って言ったんだ。
そしたら、なんでこんなことをこの男に言われなきゃいけないんだろう???みたいな顔したから、
Fuck off! って言ってやったんだ。
この手のことは、しょっちゅうあって、僕はもう、黙って見過ごすことが出来なくなってきたんだよね」
そんな話を聞きながら、アジア人がニューヨークで暮らすことの大変さを想像した。
僕は今までに旅行でも、仕事でも、様々な国に行ったことがあるのだけど、西欧の社会では、やはりそこかしこに、未だにアジア人に対する蔑視は確かに残っていると感じることがある。
D「実際にアジア人は、バーやクラブでもまったくモテないし、相手にもされないんだよね。一部のライスクイーンを除いては(ライスクイーンとは、アジア人を専門に好きな西欧人のこと)。それどころか、アジア人は、ペニスが小指くらいしかないとか、みんな女々しいとか、とにかく性の対象にはまったくなっていないんだよ・・・。そんな何もかもが許せなくて・・・」
そんな話を聞きながら、頭脳明晰で志も高いDのような若者が、どんどん社会に出て行くことを、とても頼もしく感じたのでした。
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