ひもじい思い。

二丁目のぺんぺん草で飲んでいたら(また!)、
今までに、本当にひもじい思いをしたことがあるか?という話になった。
A「大阪で学生の頃、お財布を落としてしまって、家に帰って小銭を掻き集めたら1500円しかなかったの。
次のバイトの給料日までだいぶ日にちがあるから困ってしまい、日雇いのバイトに行ったら、大阪の外れの現場までは自費で行けと言われたの。
そんで往復を計算したら、1500円以上かかるから帰って来れないことがわかって、しょうがなく事務所に頼み込んだの。
交通費がないので現場に行けないからなんとかしてくれって(笑)」
僕「そんで、そんで?」
A「お金もないのに、仕事に来るな!
って怒鳴られたんだけど…よく考えたらお金がないから仕事に来たのに…
なんとか食いさがったら、2千円貸してもらえたの」
僕「よかったね!!!」
ぺんぺんのひろしさん「まだ若い頃、大塚に住んでいたのよ。
家中小銭を掻き集めたら、15円だけあったの…
お腹が空いて空いてどうしようもなくて、そのお金で友達に電話したのよ。
お金がないから何か食べさせて!って…
そしたらその友達が新宿に住んでて、家に来いって言うのよ…
でも、大塚から新宿まで行けるお金がないの…電話もしちゃってあと5円とかしかなかったから…
どうしようもなくて途方に暮れて、家中を見回したら、映画や芝居ののパンフレットが沢山あったの…
それをダメ元で古本屋さんに持って行ったの…そしたら、ほんの少しお金が出来ちゃって、新宿まで行くことが出来たの…」
みんな「よかった〜」
ひろしさん「友達が何か出前を頼んでやるって言うから、あの頃もりそばが一番安くて、もりそばって言ったの…
そしたら友達が1つじゃ出前してくれないから、もう1つ頼めって言うのよ…
親子丼…って思ったけど、高いから玉子丼をお願いしたの。そしたらあいつは自分用にかつ丼頼んでいて、はじめっから1つじゃないじゃないね〜」
僕「いい人だね」
ひろしさん「でもね、あいつったらね、私が帰るときに私の目の前で、百円玉を十個縦に積み重ねて3つ作ったの。
そして、あ、こんなには要らないわね…って、一山隠すのよ!あの女!
それでも、そのふた山を持って帰ったの…
ありがたかったわ…」
この話は、僕は何度も何度もひろしさんから聞かされているんだけど、ひろしさんのキャラを見ながら聞くと、毎回馬鹿みたいに笑ってしまって、最後にはなんだかじんわりと来るのだ。
いつか、そんな友人のようになれたらいいなあと思う。
ぺんぺん草って、とにかく最高…って思いながら、ふらつきながら家路に着いたのです。
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