家を探して。2

内覧した家に、点数をつけて楽しんでいた。

家を探す決心をしてから、ほぼ毎日いくつかの不動産サイトを覗き、近くの不動産屋さんを通ると顔を出し、2ヶ月くらいが過ぎただろうか。
どの家も、いい部分はあるけど、ダメな部分もあって、当たり前なのだけど、完璧な家には出会えなかった。
そして、様々な条件を見に行くうちに、自分にとって家には何が重要なのかを何度も何度も考えた。
駅からの距離、築年数、広さ、日当たり、ベランダ、南向き、窓が多いこと…
気がつくと、10軒もの家を見に行っていて、その中でも、ここなら住んでもいいかな…と思える家が一軒だけ見つかって、不動産屋さんにお願いした。
すると、数人の方がすでに見に行っているので、入れるかわかりませんよと言われ、すっかり諦めて別の物件探しをしていたら、しばらくして不動産屋さんから連絡があり、そこの物件で借りて欲しいと言われたとのこと。
その物件は、敷金礼金が4ヶ月2ヶ月で、今時それはきついなあ…と思い、
「敷金礼金が1ヶ月1ヶ月ならば借ります」
と、東京の人らしからぬ交渉をしてあったのだ。
正直、こんなに早く決まるとも思っていなかったので、自分自身、本当にあそこでいいのかなあ…とぼんやりと今は思っているのだけど、実はこの物件、朝起きた時に、宇宙に向かって、
「もしも宇宙に、僕の願いが叶うという法則があるならば、それをハッキリとした形で、今日中に見せてください。でないと、もう宇宙のことは信じません」
などと、頼んで出かけたのだった。
するとその日に昼頃一度帰宅すると、ポストに見たこともない不動産屋さんのチラシが入っていて、そのままその不動産屋さんを訪ねて行って、その日のうちに物件を紹介されて、そのまま見に行った物件だったのだ。
ドアを開けると、日差しのいい匂いがして、
「あ、もしかして、ここに住むのかもしれないな…」と思ったのだった。
こんなこと、あっていいのかわからないけれども、なんだか、宇宙が僕にニンマリと笑いかけているように思えたのだ。

野菜炒め。

お気づきかもしれないが、僕にとって、中華料理というもののプレゼンスは物凄く低い。そして、タイ料理などアジアの料理も全般的にもとても低い。(どこで食べてもみんな同じ味がしませんか?)
なぜならば、ほとんどと言っていいくらい、中華料理やアジアの料理には、化学調味料がたっぷり入っているからだ。(ナンプラーにはすでに化学調味料がたっぷり入っていたりする)
あの食べ終わった後の変な味が残るのが嫌なので、外ではほとんど中華料理を食べることはないのだけど、時々、余った野菜で野菜炒めを作ることがある。
野菜を食べたいなあ…という日は、帰りがけに、もやしとニラと豚肉を買って帰る。この3つさえ外さなければ、他にどんな野菜を入れても、野菜炒めらしくなるから不思議だ。
★カンタン野菜炒め
〈材料〉
豚肉200gくらい
もやし一袋
ニラ1束
玉ねぎ半分
※その他、小松菜、白菜、青梗菜、空芯菜、豆苗、しめじなど好きな野菜を適当に。
にんにく1かけ
生姜1かけ
下味用(塩・胡椒・酒小さじ2)
◎黄金の調味料(醤油:酒:オイスターソースを大さじ1:1:1)
※お店の味にしたければ、これに鶏ガラスープの素(化学調味料不使用)を小さじ1加える。
グレープシードオイルかサラダ油、ごま油
〈作り方〉
1.豚肉を食べやすい大きさに切り、塩胡椒と酒をまぶし、下味をつけておく。
2.野菜を切る。にんにく、生姜は千切りに。玉ねぎは薄くスライス。ニラは4センチに切って、茎と葉を分けておく。もやしは余裕があればひげ根を取る。小松菜、白菜など、食べやすい大きさに。野菜ごとにバットなどに分けておくこと。黄金の調味料を混ぜ合わせておく。
3.熱くした中華鍋にグレープシードオイルかサラダ油大さじ1を入れ、馴染ませて捨てる。そこへもう一度油を大さじ1入れて、もやしをさっくり炒めて取り出す。
4.ここからは、一気に行く。
油を大さじ1を足して、豚肉を炒める。全体がピンク色になったら、にんにく、生姜を入れ、火の通りにくい野菜から入れていく。(玉ねぎ→小松菜→しめじ→ニラの茎)。
5.ニラの葉を入れ、黄金の調味料を入れたら、もやしを戻し入れ、最後にごま油を小さじ1ふりまわす。熱いうちに!

「外苑前日記の方ですか?」

大好きな福岡でのOUT IN JAPANの撮影が終わって、『七男鳥』に顔を出した。
席に着くといきなり、帰りがけのお客さんが近づいて来て、
「あのー、外苑前日記を書いている方ですか?」
と聞かれ、面が割れているのかとびっくりして、
「そうですけど、あれ?なんで僕が書いているって知ってるんですか?」と聞き返すと、
「マスターから教えてもらいました。七男鳥のことがいきなり出てきたので知ったんです。僕の彼がいつも読んでいて、楽しみにしてるみたいです!」
といううれしいお言葉をいただいた。
この、個人的な日記を読んでくれている人は、おそらくこの世界でふたりくらいだと思いながらいつも書いているのだけど、
この日記の目的は、まずはボケ防止。
というのは冗談ですが、改めて日々のささやかな暮らしをふりかえった時に、幸福だった日も、辛かった日でさえも、その後に新しい道に繋がっていることがわかり、感謝の気持ちが湧いてくるからだろう。
僕以外に、誰かがこの日記を時々見ながら、
「世の中にはこんな1000%ゲイの人もいるんだなあ…」などと、思ってくれたらありがたいです。
声をかけていただき、ありがとうございました。
今度、一緒に『七男鳥』で飲みましょう!

『とり田』と『磯ぎよし』。

とり田の水炊き

一人分でも食べられる。

磯ぎよしの鯖南蛮

Kが日曜日早朝から仕事だったため、土曜日の撮影の途中に福岡から大分へ帰ってしまい、日曜日の午前中は一人で迎えた。
パレードまでのランチは何にしようかと散々迷った挙句、ホテルのすぐ横に水炊きの店『とり田』があったので、一人で水炊きが食べられるかと電話をすると、大丈夫とのことで行ってきた。
『とり田』は、はじめに薬院に店が出来て3年くらい経つだろうか。伝統的な福岡の水炊きとは一線を画す独自の水炊き店だ。
伝統的な水炊きの店『水月』や『長野』は、あらかじめ茹でてもはやパサパサになったような鶏肉が鍋に入って出てくるのに対して、『とり田』は、冷めたスープの中に、生の鶏肉が入って出てくる。
『とり田』では、鶏肉は熱が通って間もない肉の弾力が残るうちが一番美味しいと考えているようだ。
丸鶏をじっくり煮込んだものを独自の手法で細かく濾したスープは濃厚。またここの黄金ポン酢は、醤油の色が薄く、琥珀色をしていて味もスッキリしている。
リバレインの横に出来た中洲川端店は大きく、ゆっくりと落ち着いて水炊きを楽しむことが出来る。
★とり田 博多本店
092-272-0920
福岡県福岡市博多区下川端町10-5 博多麹屋番ビル 1F
http://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400102/40037654/
夜は、飛行機までの時間があったので、パレードの後にみんなで『磯ぎよし』へ。
『磯ぎよし』は、手頃な値段で赤むつや鰤カマなどが食べられる、福岡らしい元気なお店だ。
刺身の特上盛り合わせは、サザエや生きたトコブシ、鰤、クジラ、イカ、鯖…どれも申し分なく美味しい。
赤むつや鰤カマは、塩焼きでお願いして、ナマコとコノワタわ頼み日本酒へ。
居酒屋さんらしい明太だし巻きや、キビナゴの唐揚げ、鯖南蛮でみんなは歓声を上げた。
東京の居酒屋で食べる魚は、やはり鮮度の面で、全く福岡の魚にはかなわないと、一同揃って納得してくれた。
★磯ぎよし 下川端店
092-281-6780
福岡県福岡市博多区下川端1-333
http://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400102/40025209/

KYUSYU RAINBOW PRIDE

今年で2回目になるという福岡でのパレードに参加した。はじめ、定員が300名と聞いていたのだけど、思ったより人が多く、その倍はいたのではないだろうか。
中でも目立っていたのは、ヒルトンが団体でヒルトンTシャツを着て歩いていたり、AIGが綺麗な水色の旗を持って集団で歩いていたこと。
企業がこうしてパレードに参加することは、とてもLGBTフレンドリーな企業に見えるので、広告などを打つ以上に好感度は上がるのではないだろうか。
冷泉公園の会場には人が数千人くらいは集まっただろうか?会場は手作り感が溢れ、温かい雰囲気に包まれていた。
冷泉公園から明治通りを抜けて、渡辺通りの手前の大丸で道を左折、キャナルのそばまで行って、かろのうろんの手前から左折、商店街を通って中洲川端まで戻るコースは、大阪などと違って町の目抜き通りだし、バスに乗る人や通行人も沢山見ていた。
パレードの課題は、東京でも大阪でもここでも同じだと思うのだけど、一体なんのために歩いている団体なのかが伝わっていないために、どう伝えていくかということ。
同じ日にほぼ同じコースで、福岡では野球の優勝パレードがあったようで、通行人は野球のパレードだと思っている人も沢山いたように思う。
商店街ではおばあさんやおじいさんも、一体なんの人たちなんだろう…と不思議そうに見ていたりしたのだけれども、第2回とはいえ、本当に気持ちのいいパレードだった。
KI-YOのステージも感動的で、OUT IN JAPAN のテーマ曲でもある WE ARE ONE をみんなで大合唱したのでした。

OUT IN JAPAN #005 in FUKUOKA 撮影会

朝日新聞の夕刊にも載りました。

OUT IN JAPANの撮影会が福岡で行われ、総勢99人のセクシュアルマイノリティの参加があった。
朝の8時からスタジオ入りして、撮影会が終わったのは、夜の10時半。
ほとんど立ちっぱなしでサンドイッチやおむすびをつまみながらの作業は、終わる頃には足が棒のようになり、ヘトヘトに疲れきってしまうのだけど、参加者の方々と色々な話をさせていただく中で、僕たちが勇気をもらっているようなところがある。
およそ1ヶ月前に僕は一度福岡に来ていて、『七男鳥』、『compact』、『safari』を周り、パンフレットを置かせていただいたのだった。
そして、昨夜も『七男鳥』で飲みながら、近くの人に参加しませんかと何人もの人に声をかけたのだけど、やはり福岡の土地柄か、カミングアウトを目的としたプロジェクトには二つ返事でOKしてくれる人はいなく、本番はどうなるのかと思っていたのだ。
しかし、前半こそFtMなどが多かったものの、午後の早い時間には、『七男鳥』のマスターも駆けつけてくださり、緊張しながらもカッコイイ写真を撮影することが出来たし、後半は『compact』周りのゲイの人たちもどんどん増えて来て、僕の心配も杞憂に終わったことがわかりほっとした。
今回、一番驚いたのは、二組の家族だった。
1つは、8歳のFtMの子がいたこと。彼は女性の身体で生まれて来たけど、幼い頃から自分のことを男だと思っていたようで、お母さんもそれを受け入れて、今回の撮影に参加してくれたのだ。
彼のような子が出てくることによって、一般的な知識も高まるだろうし、実際に当事者を抱えるご家庭も、「うちの子だけではないんだ」と思えるに違いない。
子どもはとてもわんぱくで、撮影の間中はしゃぎ回り、みんなに愛されていた。
そしてもう1つは、MtFの人と、その娘さんが参加してくださったことだった。これはどういうことかというと、もともと男性として女性と結婚して、子どもをもうけた父親が、その後、自分は女性だという認識を示し、女性として生きることを選び、家族にもそれを話し、了承を得たということだ。
12歳くらいの娘さんが一緒に来ていて、今となってはお母さんになってしまった親御さんの撮影を、必死にカメラで撮影していた姿がとても印象的だったのだ。
これはまるで、『トランスアメリカ』という映画のようで、僕自身そんなことが現実的にあるのだと知って驚きを持ってふたりを見ていたのだけど、たとえセクシュアリティが途中で変わったとしても、親子の愛にはなんの変わりはないということを、まざまざと見せつけられたのだった。
LOVE IS LOVE

大どころ。

アラやヒラマサのお造り

鱈の白子の茶碗蒸し

鰆の輪切りの炭火焼

金曜日の早い便で福岡入りし、夜勤明けに駆けつけたKと久しぶりに『大どころ』へ。
古い木材を使った仄暗い店内は居心地がいい。カウンターの座席は背もたれがないが上下の幅が広く座り心地がよい。
大将はエグザイルにいそうな見かけの人だけど、とても気さくでよく話をしてくれる。食材の話から、調理の仕方、食べ方まで、自分の料理を丁寧に説明してくれる。
魚をメインに扱っているのは、もともと大将が『魚屋さん』で働いていたからだそうだ。その後、和食店で働いた経験の上に、今の店はある。
京都的な本格的な割烹料理ではなく、あくまでもお魚をメインにすえて、シンプルな調理で出てくる料理ばかりだ。
前回はアラカルトで頼んでいたのだけど、今回はお料理の全体が見たかったのでコースにしてみた。
鰹出汁の芋のスープから、ワカサギや銀杏のフライ、アラ、鯖、ヒラマサなどのお造り、鱈の白子の茶碗蒸し、鰆の輪切りの炭火焼、平貝のサラダ、アラしゃぶ、むかごご飯…
量も多く、途中でお腹がいっぱいになるのだけど、炭火で焼いたような料理だからか、食べることができるし、コスト的にも十分満足感のある料理だった。
デートでもいいだろうし、友達と話をしながら、美味しいお酒を飲みながらのんびり食事をするにはとてもいい空間だと思う。
★大どころ
092-724-9600
福岡県福岡市中央区今泉2-3-38 ピュア天神 1F
http://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400104/40036894/

台湾から、E&Rカップルが来日。

かまどさん二合炊き

台湾でイロドリのスタッフがお世話になった、E&Rカップルが再び来日した。
ふたりは新宿に家を1年間だか借りていて、半分をまた他の人に貸すということで家の掃除に来たのだ。
ふたりは、前日に台湾行きを決めた僕のホテルの手配からはじまり、日台合同パーティーの主催、そして、みんなの九份などの観光まで、何から何までやってくれた。
僕よりも全然若いのに、間も無く仕事から引退しようかなあ…と言っているEを見ていると、なんとも恵まれているなあと羨ましくなる。
苦労など感じさせず、悠々と人生を生きている感じがするのだ。
Rはというと、代官山のル・コルドンブルーの学校に通って、きちんと卒業したのだ。そしてこれから台北と新竹にお店を出店するという。
今回、台湾旅行のお礼のために、ふたりにプレゼントを用意した。
それは、長谷園『かまどさん』の二合炊き用土鍋。
以前Eが無水鍋を日本で購入しているのを見て、何を料理するのだろう…と思って聞くと、「これで美味しいご飯が炊けると書いてあるから…」と言っていたのだ。
僕も無水鍋は持っているけど、アルミでご飯を炊くよりも、やはり土鍋で炊く方が美味しいと思っていたのだ。僕は、一号のご飯を炊く時に、この『かまどさん』を使っている。
EとRは、『かまどさん』を抱えて、嬉しそうに手を振ってタクシーで家に帰って行った。
台湾に帰国して、いつかご飯が土鍋で美味しく炊けたら、きっとLINEがくるだろう。
★かまどさんhttp://www.igamono.co.jp/product/kamadosan.html

黄色いクルマを探して。

朝起きて、「今日中に、真っ黄色のクルマに出会えますように』と宇宙にお願いした。
僕たちの世界は、自分の意識によって出来上がってゆくということを、このところずっと考えていて、これは本で読んだテストのようなものだ。
これはなにも、僕の頭がおかしくなったわけではなくて(昔からエキセントリックだとか、頭がおかしいと言われている節もあるが・・・)現代の量子物理学の世界からすると、もはやそんなことは当たり前になっていて、この世には個体などなく、すべてはエネルギーで出来ている。エネルギー(意識)が働いて、事象は引き寄せられ、つくられるものだと書いてあるのだ。まあ、簡単に言うと、引き寄せの法則のようなこと。
朝、勢いよく外苑前の駅に向かって歩く途中、歩き出して300メートルくらいの道にそのクルマはあった。
真っ黄色のトヨタのクルマは、僕に向かって微笑んでた。

ハッピーバースデー!ひろしさん。

朝からなんだかわからないのだけど、『ぺんぺん草』に行かないと…とずっと思っていた。
7時過ぎにぺんぺん草に着くと、席はかなり常連の人たちで埋まっていた。
20年くらい昔と変わらないメンバーでワイワイ騒いでいると、ふとKEカップルが花束を持って上がって来た。
明日は、ぺんぺん草のひろしさんの誕生日だったのだ。
僕はまた、手帳に書いたまま、明日だったのですっかり忘れていたのだけど、水曜日がお休みなので、もともと今日ぺんぺん草に来ようと思っていたのだった。
恥ずかしそうにしているひろしさんを見ながら、みんなでお祝いをした。
Mが、ケーキらしきものを急いで買って来て、蝋燭を立ててみんなで、
「ハッピーバー♪…」
と歌った途端に、ひろしさんがいきなり「ふー!」って火を消した。
恥ずかしがり屋のひろしさんらしさに、みんなで大笑いした。
ひろしさん。
自称69歳の誕生日、おめでとう!