紅葉とは。

今までずっと、紅葉のことを勘違いしていたようだ。
「紅葉とは、人間でいう老齢期のようなもので、
そこはかとなく詫びしいものである」と。
人間の人生を、植物に例える文章をよく目にすることがある。
3月に芽吹きの若年代があり、4月に美しい花を全身で咲かせる20代、緑が鮮やかに濃くなってゆく思春期から初夏から盛夏の30代、9月に入る頃は40代を過ぎる頃だろうか。やがて、葉が50代で黄色くなり、60代からはいよいよ紅葉の季節に例えられ、やがて葉を少しずつ落としてゆくような…。
でも、先日の京都旅行で、様々なグラデーションに染まった樹々の中を歩いてみると、「紅葉とは、老齢期とはおよそ似つかぬものだということを思ったのだった。
『紅葉とは、樹々が全身を使って生命を燃えたぎらせ、謳歌している姿』に思えたのだ。
なんとなく、秋や紅葉を物寂しく感じている方がいたら、11月終わり頃の京都に行ってみてほしい。
桜の咲く頃に決して負けないような、樹々が紅く燃え盛る姿を見れば、僕が言っている意味がお分かりになると思う。

引越しのお値段。その2

結局、8社に見積もりをお願いして、
8万円から30万円までの開きがあることがわかった。
電話だけで家具やエアコンの取り外し、処分するものなどを聞いて、見積もりを書いてくれる業者は、17000円から8万円の間だった。
いちばん最初に来てくれた業者に、恐る恐る聞いてみた。
僕「あのー、僕の家の家財って、1人分にちょっと毛が生えたくらいですかね?」
業者「いやあ…4人分の家族くらいありますね。特に家具がみんなでかいし高そうだから保険にも多めに入ったほうがいいし、本と食器が半端じゃないですね。何か飲食店やられてるんですか?」
僕「いや、何も…。ダンボールって、40くらいで入りますかね?」
業者「今、ざっと見たところ、100個くらい用意しようと思っていました。」
僕「ひゃ…百個???」
結局、この中で8万円でやってくれそうな業者さんにお願いすることに決めたのだけど、きちんとすべてのものが新居に運び込まれることを願うばかりだ。

引っ越しのお値段。

三週間後に引っ越しすることを決めて、さて、引っ越し業者はどこにしたらいいかと、一斉見積もりが出来るサイトに書き込むと、狂ったように本当に一斉にメールと電話が鳴り出した。
会社によって、電話で家具の大きさや個数、処分するものなどを聞いて、見積もりを送ってくれるのだけど、その見積もりの額があまりにも各社バラバラなのでおかしくなってしまった。
引っ越しの時に加算されるのも怖いので、今回も家に来ていただいて、きちんと見積もりをもらった後に検討しようと思い、5社が入れ替わり立ち替わり現れ、見積もりを作っていただいたその結果が以下のものになる。
A社 300000
S社 191404
A社 181580
H社 130680
A社 119800
30万円から、12万円までの開きがあることがわかる。(ちなみに、30万円の有名引っ越し店は、僕が難色を示すと、すぐに20万円に下げた…いったいどういうこと?)
全ての家具や取り付け、処分するものを説明して、同じ条件で見てもらっているのに、この金額の差はなんなのだろう?
ちなみに、一斉見積もりをした後に、すぐに返信が来たところは、17000円というところまであって驚いたけど、もしかしたら実際の現場で加算をしていくのかもしれない。
それにしても、値段があってないような引っ越し業界。もう少し合い見積もりをもらって、検討することにしようか。
どなたか安くていい業者さん知りませんか?

台湾料理 故宮

アサリのバジル炒め

腸詰め

何でもかんでも入ってる

今年最初の忘年会を、『台湾人の娘Ken』とXと三人で渋谷にある『台湾料理 故宮』で行った。
日本は、とても沢山の中華料理屋さんがあるのに、実は台湾料理屋さん自体はとても少ないように思う。台湾料理をうたった中華料理屋さんで食べても、なんというか、台湾料理の味がまったくしないのだ。
今回、店の名前にわざわざ『台湾料理』とついていたので、どうなのかな?と思いつつも行ってみたら、コスパに優れた台湾料理店だったのです。
場所は、渋谷駅から東急本店へ向かい、文化村の方に曲がった左側のビルの4階。アラカルトもうまそうだけど、火鍋のコースが飲み放題で4000円で、鍋を辛いものと辛くないもの半々にした場合には4500円で飲み放題。
はじめに、炒めたもやしに挽肉が乗っかったお料理が出て来て、Kenが恐る恐る口に運ぶと、たちまち顔を輝かせて、
「これ、美味しい!お母さん!」と言った。
もやしだけでなく、腸詰めも、アサリのバジル炒めも、確かに普通の中華料理ではなく、台湾の味がするのだ。
やがて運ばれてきた溢れるばかりに具材の入った鍋を火にかける。すると、しばらくしたのちに沸騰してきて、いい具合にスープの量が増し、みるみるうちに鍋に変わった。
ここの火鍋は、いわゆる四川料理の火鍋とは違っていて、辛さ勝負ではない台湾らしい火鍋だ。
笑ってしまうのが、はじめから肉も魚介も野菜も何もかも鍋の中に入っているということだ。別添えは牛肉のみ。
もともと台湾の鍋は、牛肉も豚肉も羊も貝も蟹も海老も練り物も野菜も、何もかも一気に入れて、何が入っているのかわからなくなってしまうものを食べる感じなのだけど、ここの鍋もそれに近くて、日本ではみんな入れる順番を気にするだろうからか、あらかじめ全部入れちゃったような気軽さなのだ。
「美味しいね。美味しいね。お母さん!」
娘の喜ぶ顔を見ながら、温かい忘年会になりました。
★台湾料理故宮
03-3462-6051
東京都渋谷区道玄坂2-23-13 渋谷デリタワー 4F
http://tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/13030381/

草喰 なかひがし

秋を閉じ込めたお料理

琵琶湖の固有種であるもろこ

なかひがしのメインディッシュ

世界で一番好きなレストランを挙げろと言われたら、僕は迷わず『草喰 なかひがし』を挙げる。
『草喰 なかひがし』には、もうかれこれ20年くらいになるだろうか、恐らく10回くらいは行っているだろう。
女将さんが次男と上京した時は、一緒にお寿司を食べたし、その次男坊がイタリアの田舎町の星付きレストランで働いていた時は、食べに伺ったこともある。
京都の銀閣寺道に佇む小さな一軒家は、京都のこの場所でしか味わえないお料理を、その季節を閉じ込めるように供される。
驚くことは、この小さなお店に、アラン・デュカスやフェラン・アドリアなど世界の名だたるシェフたちがこぞって食べに来ることだろう。
食事がほぼ全て出された頃に、
「これが手前どものメインディッシュでございます」
と言って出される炊きたての白米と炭火で焼かれためざしは、この東京での飽食の時代に、『本当のおいしさとはなんだろう?』というシンプルな問いを投げかけてくる。
大原の山に生えた草や葉や実を、大将は毎日取ってくる。
自然のくれたすべての恵みを味わい尽くすように、丁寧に作られたお料理をいただきながら、大将や女将さんと笑いながらお話をして、
「ああ、この店がやっぱり一番好きなんだなあ…」と思って、銀閣寺道でおふたりに手を振った。
★草喰 なかひがし
075-752-3500
京都府京都市左京区浄土寺石橋町32-3
http://tabelog.com/kyoto/A2601/A260302/26001800/

恐るべし、永観堂。

京都は、それこそ町中のいたるところに紅葉の名所がある。そんな中で、限られた時間でいったいどこに行くか。
もともと決めていたのは、嵯峨野の『二尊院』と『常寂光寺』。この二つも素晴らしかったのだけど、もう一箇所、ここぞというところにも行きたい…。
今年のJR東海の「そうだ 京都 いこう」キャンペーンは、『北野天満宮』が使われていた。タクシーに乗って北野天満宮の紅葉はどうかと聞くと、運転手さんは、「今年の北野天満宮は、あまりよくないみたいですね〜」との返事が返ってきた。
ホテルのコンシェルジェに問い合わせると、「妙心寺」もいいみたいですが、「紅葉の永観堂という言葉が古今集にあるほど、永観堂はおすすめでございます」という返事がかえってきた。
最後の日にKと二人、東山のたもとの永観堂へ。中に入る時に、拝観料にまずは驚かされた。だって、1000円なのだ。
「ひとり千円は、高過ぎるね…」と文句を言いながら、中へ入ると…
あまりの紅葉の群れを目の前にして言葉を失った…。
見渡す限り、どこもかしこも紅葉なのだ。
いったい昔の人は、この光景を計算して作ったのだろうか…、緑っぽい紅葉から、真っ赤な紅葉まで様々な色彩が縦横無尽に織り成す光景に、しばし言葉を失った。
この時期に、『永観堂』の紅葉を見られる幸福。
それを思うと、千円など高くはないと思ったのです。

保津川下り。

よくしゃべる船頭さん

トロッコ列車

おでんや焼きイカを舟の上で食べられる

京都で丸々1日あるので、L&Jカップルと4人でどこに行こうかと、ずっと前から思い悩んでいた。
京都には、桜の名所と同じように、紅葉の名所が町中の至る所にあるからだ。
せっかくシンガポールから京都に来たのだから、「ああ、やっぱり京都と言うのは別格だなあ…」というくらいの感想を持ってシンガポールに帰って欲しいじゃないですか。
そこで、散々悩んだ挙句、レンタカーを借りて嵯峨野に行くことに決めた。嵯峨野には電車でも行けるのだけど、彼らの王様体質とその後の行動を考えて車での移動にした。
タクシーの運転手さんからは、絶対に10時半までに入ってくださいと言われていた。嵯峨野へ向かう道が、ところどころ土日は規制が入るらしいのだ。
JR嵐山嵯峨野駅のそばに車を止めて、今度はトロッコ列車の長蛇の列を横目に亀岡まで向う。亀岡駅からは歩いて10分くらいで船の乗り場が見えてくる。
用紙を記入してひとり4100円払って少し待つと、番号が呼ばれて舟へ。亀岡から嵐山まで、およそ2時間をかけて川を下ることが出来るのだ。
四人掛けの二列目の席に座り、いざ、出発すると、船頭さんがところどころで面白おかしく解説をしてくれる。
急流では歓声が上がり、遠くの山々を臨みながら、愛宕山の解説が入る。
舟は川底の石に時々あたりながら、岩岩に囲まれた細い流れの中を舵を切ってすり抜けて行く。
山々は、例年よりはよくない紅葉とはいえ、晴れ渡る空に黄色や赤の紅葉が鮮明に燃えているように見えて美しい。
途中、猿が水遊びをしているところでは、LもJも歓声を上げた。
渡月橋の船着き場に着く前には、おでんや焼きイカを舟の上で買って食べられるサービスもあって、彼らも堪能してくれたようだ。
その後、竹下通りかと見紛う人をかき分けて、常寂光寺、二尊院へ行き、美しい京都ならではの紅葉を目に焼き付けた。
冬は寒いので屋根やカバーをつけるらしいが、保津川下りは春から秋が最高に楽しめると思う。
★保津川下りhttp://www.hozugawakudari.jp

千ひろ

八寸

お造り

鯛の骨蒸し

京都では有名な三つ星店『千花』の次男である大将は、『千ひろ』というお店を祇園の北側でやっている。
『千ひろ』は、京都にしては珍しく魚料理にこだわり、あまりこねくり回すことのない素材の良さを生かした料理である。鯛やイカ、マグロなど、どれもとてもいい状態で出てくるミシュラン二つ星店。
写真で見る限りはとてもシンプルな料理なので、最初はどうなのだろう…と思っていたのだけど、どの魚も素朴な味つけでとても美味しかった。
割烹料理は、八寸を見たらわかると言われるが、この店の八寸は、酒飲みには堪えられない品々。筋子、自家製からすみ、豆腐の味噌漬け、銀杏、百合根…
また、料理にフルーツを合わせるのも変わっている。穴子にラフランスを合わせたり、ブドウに湯葉を合わせたり、変わった組み合わせはコースの中でアクセントになっている。
鱈の白子のフライのタルタルソース、鯛の骨蒸し、琵琶湖のモロコのフライなど、京都らしい素晴らしい料理を堪能した。
大将もとても温和で話しやすいので、初めての祇園のお店という人でも、ゆっくり楽しむことが出来ると思う。
★割烹 千ひろ
075-561-6790
京都府京都市東山区祇園町北側279-8
http://tabelog.com/kyoto/A2601/A260301/26000272/

京洛肉料理 いっしん

シンガポールからL&Jカップルが来日して、京都へ。
前回、桜の時期に京都に4人で来たのだけど、それが楽しかったのか、紅葉の時期にも行きたいというので、彼らにとっては2回目の京都となった。
今年の京都の紅葉自体は、残念ながら夏が早く終わり、暖かい秋が長く続き、ここ数日やっと寒くなったようで、紅葉する前に葉が落ちたりしていてあまり美しい状態ではないようだ。
『京洛肉料理いっしん』は、お肉に特化した割烹料理屋さん。始まりから終わりまで、お料理はお肉で貫いている。
みすじ、たん、テールなど、様々に形を変え、調理方法を変えて出てくる料理は、肉好きには堪らない。
ミシュランの二つ星と言うことなので、外国人にも日本の肉料理は好まれるのだろう。
最後のお茶漬けに至るまで、お肉だったのはさすが。
★京洛肉料理 いっしん
075-531-5311
京都府京都市東山区縄手通新橋東入ル祇園新橋元吉町51
http://tabelog.com/kyoto/A2601/A260301/26003825/

東。

とん平焼き

こうねというホルモン

お好み焼きのうどん入り

東と書いて、「あずま」。
もともと外苑西通り沿いの南青山三丁目にあった『ほ』というお店が改装してオープンした。
『ほ』には、会社の部会でよく訪れていたので、このお店を東ちずるさんがやっているということは知らなかったのだけど、今回はちずるさんのお店オープンということで、神ニファミリーで押しかけたのだ。
お料理は、広島お好み焼きがメインで、なぜだかネパール料理もほんの少しあるようだ。
牡蠣のバター焼きやハラミやホルモンを鉄板焼きでいただきながら、みんなでワイワイお酒を飲んだ。
とん平焼きというものに僕は馴染みがなかったのだけど、お好み焼きのように小麦粉ではなく、卵でふんわりと調理してあって美味しかった。
広島お好み焼きは、中に入れる麺を焼きそばかうどんか選べて、なおかつチーズなんかも入れられる。チーズが意外に甘いソースと相まって、なかなか美味しいお好み焼きだった。
カウンターで気軽に飲むのもよし、大人数でテーブルを囲むもよし、使い勝手のいいカジュアルなお好み焼き屋さんが青山に出来たことはとてもうれしい。
★東
東京都港区南青山3-2-3
ダイアンクレストビル 1F
☎︎ 03-3408-7207