紅葉とは。

今までずっと、紅葉のことを勘違いしていたようだ。
「紅葉とは、人間でいう老齢期のようなもので、
そこはかとなく詫びしいものである」と。
人間の人生を、植物に例える文章をよく目にすることがある。
3月に芽吹きの若年代があり、4月に美しい花を全身で咲かせる20代、緑が鮮やかに濃くなってゆく思春期から初夏から盛夏の30代、9月に入る頃は40代を過ぎる頃だろうか。やがて、葉が50代で黄色くなり、60代からはいよいよ紅葉の季節に例えられ、やがて葉を少しずつ落としてゆくような…。
でも、先日の京都旅行で、様々なグラデーションに染まった樹々の中を歩いてみると、「紅葉とは、老齢期とはおよそ似つかぬものだということを思ったのだった。
『紅葉とは、樹々が全身を使って生命を燃えたぎらせ、謳歌している姿』に思えたのだ。
なんとなく、秋や紅葉を物寂しく感じている方がいたら、11月終わり頃の京都に行ってみてほしい。
桜の咲く頃に決して負けないような、樹々が紅く燃え盛る姿を見れば、僕が言っている意味がお分かりになると思う。

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