家を探して。2

内覧した家に、点数をつけて楽しんでいた。

家を探す決心をしてから、ほぼ毎日いくつかの不動産サイトを覗き、近くの不動産屋さんを通ると顔を出し、2ヶ月くらいが過ぎただろうか。
どの家も、いい部分はあるけど、ダメな部分もあって、当たり前なのだけど、完璧な家には出会えなかった。
そして、様々な条件を見に行くうちに、自分にとって家には何が重要なのかを何度も何度も考えた。
駅からの距離、築年数、広さ、日当たり、ベランダ、南向き、窓が多いこと…
気がつくと、10軒もの家を見に行っていて、その中でも、ここなら住んでもいいかな…と思える家が一軒だけ見つかって、不動産屋さんにお願いした。
すると、数人の方がすでに見に行っているので、入れるかわかりませんよと言われ、すっかり諦めて別の物件探しをしていたら、しばらくして不動産屋さんから連絡があり、そこの物件で借りて欲しいと言われたとのこと。
その物件は、敷金礼金が4ヶ月2ヶ月で、今時それはきついなあ…と思い、
「敷金礼金が1ヶ月1ヶ月ならば借ります」
と、東京の人らしからぬ交渉をしてあったのだ。
正直、こんなに早く決まるとも思っていなかったので、自分自身、本当にあそこでいいのかなあ…とぼんやりと今は思っているのだけど、実はこの物件、朝起きた時に、宇宙に向かって、
「もしも宇宙に、僕の願いが叶うという法則があるならば、それをハッキリとした形で、今日中に見せてください。でないと、もう宇宙のことは信じません」
などと、頼んで出かけたのだった。
するとその日に昼頃一度帰宅すると、ポストに見たこともない不動産屋さんのチラシが入っていて、そのままその不動産屋さんを訪ねて行って、その日のうちに物件を紹介されて、そのまま見に行った物件だったのだ。
ドアを開けると、日差しのいい匂いがして、
「あ、もしかして、ここに住むのかもしれないな…」と思ったのだった。
こんなこと、あっていいのかわからないけれども、なんだか、宇宙が僕にニンマリと笑いかけているように思えたのだ。

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