ワンちゃんも一緒。

VILLA AZZURRA は、二部屋あるのだけど、そのうちの一部屋「空」は、ワンちゃんも家族と一緒に泊まることができる。

今回犬も泊まれる宿にしたかったのは、自分たちが旅行をする時に、家族である海を一緒に連れて行きたいと思うからだ。

日本には場所にもよるけど犬も一緒に泊まれる宿は意外に少なく、あっても高級ホテルか小型犬のみ泊まれるなどの制限がある宿が多い。

今回僕たちの宿にはそんな制限はもちろんなく、他の動物でも構わないことにしている。

実際のところ、検索に引っかかるのか、犬連れで予約をされる方が少しずつ出てきた。

いったいどんなワンちゃんなんだろう?と、今からゲストとワンちゃんに会うのが楽しみなのだ。

赤ずきんちゃんのオオカミ。

海が横に来てベッドで寝ている姿をふと見る。

「なんか、赤ずきんちゃんのオオカミみたい」

そう思ってKと笑ってしまった。

横になると人間くらい大きな海は、おばあさんを食べてしまった後でおばあさんになりすまして、赤ずきんちゃんを待っているオオカミのよう。

笑っている僕たちをよそに、海は気持ちよさそうに寝ていた。

海のヘアカット。

昨年の11月の終わりに海のヘアカットをしてもらったので、3ヶ月半くらい経ってしまっただろうか。

ようやく今日海を美容室に預けることができた。

海は来間島にある「犬の美容室」というところでヘアカットをお願いしていて、そこでは預かりもしてくれる。

海を預けるときはとても寂しそうな顔をするのでかわいそうになるのだけど、終わって迎えにいく時はどんな髪型になっているんだろう?ととても楽しみだ。

今日、帰ってきた海さんはグレーのタイツに包まれた小学生のようだった。

顔はミッキーマウスみたい。

迎えに行って僕たちを見つけた海は、まさに狂喜乱舞といった感じで喜んでくれる。

その姿を見ていると、こんな幸せな瞬間もそうそうないなと思えるのだ。

海と太陽。

海と太陽を見ていると飽きずに眺めていられる。

海は大型犬のスタンダードプードルで、熱海にいる頃に奈良のブリーダーさんから分けていただいた。

そして宮古島に移住して、海が2年経って成犬になる頃にうちの庭に子猫の太陽が捨てられていた。

太陽ははじめTNRという方法で外で自由に過ごさせて餌だけあげようと思っていたところ、人に飼われていたようで僕たちの家のまえから離れずに泣き続けていた。

見るに見かねて家に入れてあげ、海との相性を見てみると海はやさしい犬なので太陽のことを敵視することもなく一緒に暮らすようになった。

海は太陽のことを弟分のように思っているみたいで、小さな頭をカポッと丸呑みするように咥え込むことがあるけど、決して本気で噛んでいるのではなく、ふんわりと包み込んでいるといった感じ。

それは母犬が子犬に見せる仕草のようなのだけど、太陽は太陽で気が強く、海に服従することはしない。

太陽の方から寝ている海にちょっかいを出してふたりで追いかけっこをしたりしている。

ふたりは全然違う動物で言葉も違うだろうし表現も全く違うのだけど、どこかでお互いを愛し守りあっているのがわかるのだ。

犬と猫がいる生活がこんなに幸福だとは、まったく予想もしなかったな。

動物のいる暮らし。

海が家に来てから2年と少し経つ。

太陽が庭で鳴いているのを家の中に入れてから3ヶ月以上経った。

犬や猫が家に来てから、僕たちの暮らしは本当に忙しくなったように思う。

海は1日に2回、外に散歩に行く。一回だいたい45分間くらい。雨が降っていても休まずに外に連れて行ってあげる。

ご飯は朝晩2回で、それぞれ体調を見ながら量は加減する。

毎日気になるのは、便がきちんとした硬さかどうかだ。

立派なうんちが出ると僕たちもとてもうれしいものだ。

犬も猫も、一緒に暮らすにはたくさん手間がかかるし、旅行にも行けないし、ご飯代や病院代でお金もかかるし病気をしたらかわいそうでたまらない。

でもそれをしてでも動物と暮らすことで感じられる幸福感は、何物にも変えることはできないと思える。

少し買い物に行っていて帰ってきた時に玄関でうれしそうに迎えてくれる海を見ると、毎回のことだけど泣きたくなるのだ。

そのまっすぐな愛情は、人生の中で僕が得た最も尊く美しいもののひとつだ。

犬猫の仲

犬と猫は、犬猿の仲ならぬ犬猫の仲で敵対する動物だと思っていた。

でも、うちの庭に捨てられていた猫(太陽)が来てから、海と太陽の関係を見ていると、ただの敵対する関係でもなさそうなのだ。

海は太陽の頭をすっぽりと包み込むように甘噛みをする。それからなんとか逃れようと、太陽は逃げ回りつつ果敢に海に向かっていきひげに襲い掛かる。

でも見ていると本気の喧嘩ではなくて、どちらも手加減しながらじゃれ合っているようなのだ。

家の中をトムとジェリーのように全速力で追いかけ回すこともしょっちゅうなのだけど、ふと静かになったなと思って探すと、2人で身体を寄せ合って寝ていたりする。

そんな海と太陽を見ていると、僕たちはこの家族に言いようのない幸福を感じるのだ。

捨て犬問題。

海を散歩に連れて行く公園の下に、チビと名付けた野犬がいつもいるとここに書いた。

そのチビに時々エサに様子を見に行っている。

前は毎日行っていたのだけど、この頃は僕たち以外に周りの宿の宿泊者などがエサをあげているのを見かけた。

今日、エサを持って行ったのだけど、チビはお腹いっぱいなのか半分くらい残していた。

これからはそんなに頻繁にここに来なくてもいいかもしれないと思うけど、こんな状態で生きて行くのに限界もあるだろうと思う。

一番いいのは引き取り先が見つかって新しい家族が見つかることなのだけど、お願いしていた愛護団体はもう引き取りをやめてしまったようなので望みは薄いかもしれない。

たかが野犬。そんな風に思えたらいいのだけど、その野犬は人間が飼えなくなって捨てた犬なのだ。

国や自治体にもっと厳しい法律か条例を作ってもらわないと、捨て犬屋捨て猫はいつまでたっても減らないに違いない。

宿敵か、友達か。

太陽が家にやってきて3週間以上過ぎた。

家に猫を迎えるにあたり、はじめに心配したのは海と一緒に暮らすことが出来るのか?ということだった。

海を散歩している時に猫を見つけると、必ず興奮して猫を追いかけようとするくらいだから、海は猫をターゲットのように思っているに違いないと考えていたのだ。

でも実際に家の中で海を太陽に近づけてみたところ、噛み付くとかは一切なく、後頭部や頭を甘噛みしたがるのだった。

太陽が逃げ出すと走って追いかけ回して追いかけっこがはじまる。

太陽は身体が小さいので細い隙間にも隠れてしまうし俊敏なのであっという間にどこかに隠れてしまう。

太陽もはじめは海のしつこさを嫌がっていたのだけど、今となっては太陽の方からちょっかいを出しにいくくらいで、時々海の尻尾に絡みついたりして遊んでいる。

犬と猫、多分言葉は全く通じないと思っていたのだけど、仲良く同じ空間で共存出来るようになって来ていて本当に不思議に感じているところ。

猫のうんち・犬のうんち

猫を飼うにあたり、一番気になっていたのは猫のうんちの臭いだった。

以前大阪のゲイバー 「サルーテ」が向かいの建物の1階にあった頃、野良猫が辺り中におしっこや糞をしていたせいで酷い臭いがしていたのを覚えている。

猫のうんちの臭いは独特で、「これ、何の臭い?」と思うくらい鼻につくような物凄い臭いだ。
それに比べて犬のうんちは、人間のうんちの臭いに似ているせいか、「いわゆるうんちの臭い」と感じられる。

フードの問題なのかもしれないけど、この猫のうんちの臭いをどうしたものか。

太陽が来て最初は即席のトイレに猫砂を敷いてその中でトイレを済ませていたのだけど、おしっこはともかくやはりうんちの臭いは強烈で、するとすぐにわかるものだ。ビニール袋で砂ごと拾い上げてなるべく早く家の外に持ち運ぶ。

今はシステムトイレというものを使っていて、そのせいかだいぶ臭わないように思えるけど、やはりうんちの時はすぐに取るに限る。

太陽が来てそろそろ3週間になるけど、この猫のうんちの臭いにだけは慣れることは出来ないのだ。

チビの捕獲

いつも海を連れて散歩に行く公園の下に野犬がいるとここに何度か書いた。

その野犬(チビ)があまりにも痩せてアバラ骨が見えていたので、かわいそうに思ってエサを時々あげに行っている。

動物愛護団体に連絡はしてあり、なるべく早い捕獲をお願いしているのだけど、団体もとても忙しいようでチビの番まではまだ来ていない。

先日チビにエサを持って行った時に近くに檻が仕掛けてあるのを見つけた。

野犬捕獲中と書いてあり、よく見えなかったのだけど中にはエサが入っているのかもしれない。

チビが無事に捕獲されて、チビを可愛がってくれる引き取り手が現れることを願っているけど、数日後までに引き取り手が見つからなかった場合は本島に送られてしまうかもしれない。そしてその先は殺処分の可能性も出てくる。

人間の愚行によって罪もない動物の生命が殺されることがどうしても我慢ならない。

だからといってこれらすべての命を僕が救えるかと言うとまったく救うことなど出来ないのだけど、この悶々とした気持ちから逃げて黙殺するのではなく、しっかりと噛み締めて生きているところ。