朝と夕方、海を連れて散歩に出かける。
朝はだいたい僕がひとりでドイツ村に行き、夕方は二人の時間が許す限り二人で一緒に散歩に出かける。
「こらから宿が忙しくなったらなかなか二人で散歩に行くことなんて出来なくなるね…」などと話していたけど、今のところそんな忙しさは7月までやって来なそうだ。
毎日のほんの45分くらいの散歩の時間を、僕はとても幸せな時間だと感じている。
時々小雨が降っていたり、眠かったり、二日酔いだったりする日もあるけど、いざ散歩に出かけると少しずつ楽しくなってくる。
それは、海が心の底から楽しそうにしているから。その素直な表情やうれしそうな走りを見ているだけで喜びが伝わってくる。
Kと一緒に海を連れてドイツ村に行き、藪を抜けた道の向こうに真っ青な海が見えると、毎日のことなのになんて美しい海なのだろうと思う。
そして、今そばにある家族や幸せを心からありがたく思うのだ。