浴衣。

福本潮子さんの着物。

これだけの繭が着物に!

妹的存在のGが、浴衣を買いたいと言う。
はじめは、伊勢丹でスタイリストが提案する、新しい浴衣のようなものはどうか?と勧めた。僕も、初日に見に行ったのだけど、二つくらい面白い浴衣があった。
でもG曰く、「僕もいい年なので、そういう流行の浴衣ではなくて、きちんとした浴衣を作りたいんです」と言うので、銀座にある、いきつけの『もとじhttp://www.motoji.co.jp/otokonokimono/』に連れて行った。
『もとじ』では、丁度、染色家の福本潮子展をやっていた。世界的に有名な染色家の方で、今現在は、シャネルのショールームの壁を飾ったりもしていて、美術館やギャラリーで作品は見ることが出来るらしい。
日本ならではの『藍色』にこだわり、白から濃い藍色までの溜息の出るようなグラデーションに、目が釘付けになった。彼女の作品は、伝統的な日本の文様だけに限らず、どこか無国籍であり、モダンだ。
この『もとじ』の浴衣、仕立てるとなるとはっきり言って、値段はそこそこする。でも、『もとじ』の浴衣がいいなあと思うのは、古き良き日本を大切にしながらも、新しい浴衣を提案しているところだ。
Gの選んだ生地も、斬新なデザインでありながら、歌舞伎の伝統から引き出されたものだった。
2年に一度くらいしか浴衣は作らないのだけど、Gの浴衣を一緒に見ていたら、新しい浴衣仕立てるって、なんて贅沢なことだろう…と、僕まで、今年も浴衣を仕立てたくなってしまった。
お気に入りの、涼やかな浴衣を着て過ごす夏の日は、日本という国に生まれたことを、なんだか誇らしく思えるに違いない。

父に会いに。

今日は、父の誕生日であり、命日だったので、父の墓参りに行った。
父が亡くなってから5年経つのだけど、お盆と彼岸には墓参りに行かず、必ず命日に墓参りに行くようにしている。一年の内で、自分の親の命日くらい、親のことに思いを馳せ、受け止めて生きていけるように。
亡くなった時には、父に対して、赦せなかった思いが残っていたのだけど、5年も経つと、父に対する感情も変化を遂げて、また別のさまざまな思いが浮かんで来る。
先日、眠れない夜に、父に向けて手紙を書いてみた。
その手紙を墓前で、ゆっくりと読んだ。
父が聞いているのかは、わからないけど…
人は死んだら、目には見えなくなってしまう。
肌も、髪も、骨さえも、いつか小さな粒に還り、目には見えなくなってしまう。それはあたかも、水が形を変えて気体となって蒸発してしまうように。
そうやって、人は、この宇宙から消えてしまうのだろうか?
もし、水と同じだとしたら、姿かたちは変わっても、無くなることはないのではないだろうか…この宇宙から、消えて無くなるものなど何も無いように…
命日には、無くなった人が一日帰って来ると聞いたことがある。
父は、帰って来て、僕の家の様子を見ていただろうか?
夜は、バーで友人と楽しく話しているのを見ていただろうか?
自分に似て、お酒ばかり飲んでいる僕を心配していただろうか?
もう、二度と会うことのない父のことを思いながら過ごした一日だった。

夏野菜。

今は、いつの季節にだって、夏野菜は買えるけど、暑いこの時期に食べる夏野菜は、格別に美味しい。
なす、トマト、ズッキーニ、赤や黄色の鮮やかなパプリカ・・・毎年作る『ラタトゥイユ』は、夏野菜が本来持っている甘みが存分に感じられるし、温かくても、冷えても美味しい。
僕が唯一、自らは好んで買わない夏野菜は、キュウリ。
青臭い匂いは、森林の匂いと同じ系統に分類されるらしいけど、昔、鈴虫やカブトムシに餌としてきゅうりをあげていたので、どうしてもその匂いのイメージは、虫に繋がっている・・・。
そして、その94%が水分でしかない。『最も栄養のない野菜』として、ギネスブックに載っているのだ。(昔は、なすが最も栄養のない野菜と言われていた時があるけど、皮の部分に潜む、ポリフェノールに注目が集まっている)キュウリに罪はないのだけど、実は益もほとんどないのだ。
「きゅうりのバカ!」
それでも、よく冷やしたキュウリは、たとえまったく栄養がなかったとしても、かじるその「歯ごたえ」や「音」に価値があるのであって、涼を感じる夏野菜として、これからも日本の食卓に居続けるのだろう。(´・_・`)
★僕のラタトゥイユ
(ラタトゥイユには、様々な作り方があるけど、僕は、何を食べているのか分からないごった煮が嫌いなので、素材の形が残るように分けて炒めて最後に合わせる)
なす2個
ズッキーニ1本
パプリカ違う色を1本ずつ2本(赤や黄色)
プチトマトかフルーツトマト、1パック
タマネギ1個
にんにく1かけ
タイム3小枝
鷹の爪 小2つ
オリーブオイル
白ワインもしくはシェリー酒大さじ3
美味しい塩
1.にんにくは、芯を取り、包丁の腹でつぶす。たまねぎは、半分に切って、7ミリくらいにスライス。パプリカは、ヘタと種を取り除き、食べやすい大きさに。プチトマトはヘタをとっておく。なすとズッキーニは、輪切りにしたあと、大きければ半月に、切ったそばから水に浸ける。
2.オリーブオイル大さじ2に、にんにくとタマネギを入れて香りを立て、タイムと鷹の爪も入れる。(きつね色になるまで炒めないこと)そこに、パプリカを入れて、全体に薄めに塩を入れる。
 
3.火が通ったら、バットに取り出す。もしくは、別のフライパンに、オリーブオイル大さじ2でズッキーニを入れて塩をふり、焼き色をつけて炒める。(あまりいじらない)
4.ズッキーニを取り出し、オリーブオイル大さじ4になすを入れて、塩をふり、焼き色をつけて炒める。(あまりいじらない)
5.すべての野菜にプチトマトを食わえて、白ワインかシェリー酒をふる。10分から15分、水分を飛ばすように火を入れたら完成(焦げないように1〜2回ひっくり返すが、あまりかき回さないこと)
※パスタの上に乗せても美味しい。その場合は、オリーブオイルを回しかけた後に、パルミジャーノをたっぷりと。
 

枝豆は好きですか?

夏が来た。
茶豆を買ってきて、家に着くなり茹でた。
この時期、茹でたての枝豆は、
手が止まらなくなるくらい美味しい。
その枝豆。
どんな風に茹でていますか?
ただでさえ暑いこの季節に、
大鍋でお湯を沸かすこと自体、
汗をかくし、非効率的。
僕はもっぱらこの方法です。
★枝豆の蒸し茹で
1.枝豆を、枝からハサミで外し、水でざっと洗う。
2.きちっと蓋の出来る鍋に入れて、塩をふり、
 お水を100ml(枝豆が多い場合は、200ml)
 入れて、ざっくり混ぜて、きっちりと蓋をする。
3.強火で5分間、一気に加熱する。
 5分経ったら、一度蓋を取り、全体の上下を返す。
4.あと1分加熱した後、一つ取り出して食べてみる。
 固かったら、あと1分蓋をしたまま加熱して、
 ざるにあげる。
美しい緑色の枝豆の完成。
豆の味を濃厚に感じます。
※注意点は、絶対に、水にさらさないこと!(水にさらす野菜は、ほうれん草など、アクの強い野菜のみ。ただし、春菊もごぼうも水にさらさない方が美味しい)
 

冷奴 3。

小さな擂鉢があると、簡単。

冷奴ジェノベーゼ。

シェリーを飲みながら、冷蔵庫の中を見たら、半丁の豆腐と、残り物のバジルがちょっとあったので、速攻ジェノベーゼを作って合わせたら、思いのほか美味しかったので、書いておきます。^ – ^
★冷奴ジェノベーゼ
バジル2枝を適当にちぎる。
アンチョビフィレを1つ。
ケーパーを小さじ1/2。
塩を一つまみ。
オリーブオイル軽く一回し。
擂鉢で擦って、豆腐の上に乗せて、オリーブオイルを回しかける。(脇にプチトマトを添えてもいいかも。きりっと冷えたシェリーや白ワインにピッタリ)

朝顔としょうがとレモン・バーベナ。

朝顔の苗。

レモン・バーベナ。

新しょうがの甘酢漬け

久しぶりに、家でのんびりとした週末を過ごしている。
朝から、洗濯をしながら朝顔を数種類植えた。
いつもは、タネを蒔いて育てる朝顔も、今年はバタバタとしていたため、小さな苗を買って来た。僕の好きな、ヘブンリーブルーという真っ青な西洋朝顔は、日本の朝顔より遅めに、空色の花を咲かせてくれる。
横を見ると、梅雨明けと同時に、夏が大好きなレモン・バーベナが生い茂って来た。これは、フランス人が好むハーブで、葉っぱに触れると、なんとも言えない爽やかなレモンの香りがする。この葉を摘み取って、熱湯を注げば、簡単にレモンの香りのハーブティーが出来上がる。
長い夏に備えて、新生姜と谷中生姜の甘酢漬けを作った。生姜や茗荷を甘酢漬けにしてストックしておくと、家に帰って、ちょっと一杯飲む時に、直ぐに出せるし、焼き魚の付け合わせにも重宝する。
なんだか、毎年、変わらずに同じことを繰り返しながら夏を迎えている気がする。
今年の夏も、暑くなりそうですね。

東京国際レズビアン&ゲイ映画祭2

アウト・イン・ザ・ダーク

ママったらアルゼンチン

★『アウト・イン・ザ・ダーク』
Facebookで、海外の友人達からも勧められていた映画で、今回の映画祭の中でも楽しみにしていた作品。
テルアビブに住む、弁護士のユダヤ人のロイと、パレスチナに住むイスラム系学生の二メルの、せつない恋の物語。
ふたりの恋愛は、ロイの家族にも歓迎されないし、イスラム系の二メルの家族にとっては、ゲイであることは、人間として決して許されない行為だ。
なぜ、ゲイであるというだけで、家族に謝らなければならないのか?
自分のセクシャリティーを、家族や周りに認められず、ひた隠しにしながら生きている世界中のゲイのことを思って、胸が痛くなった。
ふたりの行先は、どんどん扉が閉ざされる。夢も、家族も、国も、すべてを失った時に、彼らに残るものがある。
これほど素晴らしい作品を、映画祭で観ることが出来るとは思っていなかった。
民族の違い。貧富の違い。宗教の違い。そこに、ゲイであるという大きなテーマが重なる脚本が見事だ。演出も、役者の演技も素晴らしい。
映画を見終わった後に、いつまでも心に残る秀作。
★『ママったらアルゼンチン』
レズビアンのカミングアウトをテーマにした今回の映画祭のクロージング作品。
普段、レズビアンものは、ほとんど観ないのだけど、この映画は、本当に観てよかった。
お母さん役の女性が、とにかく素晴らしい。全編を通じて笑いが止まらなくて、所々でほろっとさせられる。
世の中の、普遍的な母親がここにある。見終わった後に、温かい気持ちになる佳作。

La Sfoglina

アスパラガスのスープ オマール海老添え

トロフィエのジェノベーゼ

小鳩のロースト

7月3日、六本木に、『La Sfoglina』(イタリア語でパスタ職人)という名前の素晴らしいイタリアンが誕生した。
下北沢のDaniela、外苑前のEmiliaの姉妹店になるその店は、小さなテラスがあり、イタリアの田舎の一軒家のような佇まいをしている。
ランチでさえパスタはすべてホームメードで、色々な種類が楽しめる。
前菜は、『アスパラガスのスープ オマール海老添え』
パスタは、『トロフィエのジェノベーゼ』と、『ポルチーニのフェットチーネ』。
セコンドは、『小鳩のロースト』。
デザートは、『ティラミス』。
ここのティラミスは、本当に大人っぽくて美味しい。ちなみに、パンナコッタも、本場のプリンのようなパンナコッタだ。
まだ、ネットには、ほとんど情報が上がって来ていないけど、これから、人気店になること間違いなしだと思う。
★La Sfoglina http://s.tabelog.com/tokyo/A1306/A130603/13157731/
六本木7-3-22
0364329452

第22回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭。

ヨッシ

Sabbatical

毎年、楽しみにしている映画祭が今年も始まった。
ゲイ映画を観ていて、つくづく感じることは、『ゲイであるがゆえに抱くことの出来る深い共感』だろう。男女のストーリーでも、もちろん共感するのだけど、それがゲイだと、もっと、ぐっと距離が近くなる気がする。
セクシャリティーというものは、それほどまでに、我々の根幹に関わっている問題なのだと、改めて思い知らされる。
★ヨッシ
医師で34歳のヨッシは、数年前に亡くした恋人の喪失感から立ち上がれずにいる。そんな毎日の中で、少しずつ彼の心にも変化が訪れる。
地味な映画だけど、きちんと恋人とつきあったことのある人ならば、その喪失感を想像出来るに違いない。
ヨッシが恋人との別れを独白する場面では涙が頬をつたった。
★短編集A
色々な国の7本を上映。『ふたりの休暇 Sabbatical』というのが中では良かったけど、一般的には、今回の短編集は、残念ながらおすすめできない。

ポロシャツ。

Horn G.M.T

Waimea

この頃、ポロシャツばかり着ている。僕のお気に入りは、写真の、『Horn G.M.T』と、『Waimea』。
鹿児島のゲイバー、『Ken’s Bar』で、カウンターに座って飲んでいた時のこと。
ママが急に身を乗り出して、僕のポロシャツの胸元を掴んで来た。見ると、片手にはハサミが握られている。
僕が、「なんですか?」と驚いてたずねると、ママは、「ほつれているところ、綺麗に切ってあげようと思って…」
僕「 あ、これ、こういうユーズド加工なんです…(´・_・`) 」
ママ「あら!わからなかったわ…恥ずかしい!」
…なんだか、銀座のママのような気遣いだと思って、みんなで大笑いだった…
鹿児島の『Ken’s Bar』、とても温かなお店だ。また行きたいな。