浴衣。

福本潮子さんの着物。

これだけの繭が着物に!

妹的存在のGが、浴衣を買いたいと言う。
はじめは、伊勢丹でスタイリストが提案する、新しい浴衣のようなものはどうか?と勧めた。僕も、初日に見に行ったのだけど、二つくらい面白い浴衣があった。
でもG曰く、「僕もいい年なので、そういう流行の浴衣ではなくて、きちんとした浴衣を作りたいんです」と言うので、銀座にある、いきつけの『もとじhttp://www.motoji.co.jp/otokonokimono/』に連れて行った。
『もとじ』では、丁度、染色家の福本潮子展をやっていた。世界的に有名な染色家の方で、今現在は、シャネルのショールームの壁を飾ったりもしていて、美術館やギャラリーで作品は見ることが出来るらしい。
日本ならではの『藍色』にこだわり、白から濃い藍色までの溜息の出るようなグラデーションに、目が釘付けになった。彼女の作品は、伝統的な日本の文様だけに限らず、どこか無国籍であり、モダンだ。
この『もとじ』の浴衣、仕立てるとなるとはっきり言って、値段はそこそこする。でも、『もとじ』の浴衣がいいなあと思うのは、古き良き日本を大切にしながらも、新しい浴衣を提案しているところだ。
Gの選んだ生地も、斬新なデザインでありながら、歌舞伎の伝統から引き出されたものだった。
2年に一度くらいしか浴衣は作らないのだけど、Gの浴衣を一緒に見ていたら、新しい浴衣仕立てるって、なんて贅沢なことだろう…と、僕まで、今年も浴衣を仕立てたくなってしまった。
お気に入りの、涼やかな浴衣を着て過ごす夏の日は、日本という国に生まれたことを、なんだか誇らしく思えるに違いない。

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