父に会いに。

今日は、父の誕生日であり、命日だったので、父の墓参りに行った。
父が亡くなってから5年経つのだけど、お盆と彼岸には墓参りに行かず、必ず命日に墓参りに行くようにしている。一年の内で、自分の親の命日くらい、親のことに思いを馳せ、受け止めて生きていけるように。
亡くなった時には、父に対して、赦せなかった思いが残っていたのだけど、5年も経つと、父に対する感情も変化を遂げて、また別のさまざまな思いが浮かんで来る。
先日、眠れない夜に、父に向けて手紙を書いてみた。
その手紙を墓前で、ゆっくりと読んだ。
父が聞いているのかは、わからないけど…
人は死んだら、目には見えなくなってしまう。
肌も、髪も、骨さえも、いつか小さな粒に還り、目には見えなくなってしまう。それはあたかも、水が形を変えて気体となって蒸発してしまうように。
そうやって、人は、この宇宙から消えてしまうのだろうか?
もし、水と同じだとしたら、姿かたちは変わっても、無くなることはないのではないだろうか…この宇宙から、消えて無くなるものなど何も無いように…
命日には、無くなった人が一日帰って来ると聞いたことがある。
父は、帰って来て、僕の家の様子を見ていただろうか?
夜は、バーで友人と楽しく話しているのを見ていただろうか?
自分に似て、お酒ばかり飲んでいる僕を心配していただろうか?
もう、二度と会うことのない父のことを思いながら過ごした一日だった。

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