レインボーレイングッズ。

ようやく雨が降りはじめて、紫陽花は、雨に濡れて喜んでいるように見える。
雨が降りそうか、降らなそうかわからない、今日のような日には、この折り畳み傘を持って歩く。
時々、地下鉄の出口でこの傘を広げる時に、声をかけられることがある。
「あら〜、綺麗な傘ね〜。どちらでお求めになられたの?」
「ニューヨークですけど、表参道のMOMAショップで売ってますよ」と答える。声をかける人は大抵、白髪を紫色に染めたようなお婆さんだ。
この傘が、いいなあと思うのは、気分が暗くなりがちな雨の日に、広げるだけで明るい気持ちにさせてくれるところ。そして、周りも、ギョッとして、振り返る人がいたりするところ。
こんなレインボーレイングッズって、ありがたいな。

実山椒。

小枝を外しているところ。

鰯の山椒煮。

晩ご飯(また素麺! 笑)

スーパーに青梅が並ぶ今頃、時を同じくして、山椒の実が並ぶ。
6月の、取り分け丹波の実山椒は、香り高い。仕事の途中に三越本店の地下で、美しい実山椒を見つけたので買って来た。
山椒の葉は、使い勝手が良いけれど、日本の胡椒にも例えられる山椒の実も使い勝手が良い。
先ずは、ざっくりと小枝から実だけを指で取り除く。山椒の実に触れるたびに、さわやかな香りが立ち上がる。
小さな小枝まですべて取り除こうとすると、何時間もかかるので、自分が奴隷になったような気分になる前に終わらせよう。お店で出すわけではないので、少々小枝がついていても大丈夫。
たっぷりと沸騰したお湯に、実山椒を入れて5分くらい。色がもう一度生まれ変わるように真っ青に変わったら、ざるに引き上げる。
熱が取れたら、すぐに使う分以外はまとめてそのまま冷凍庫へ直行。使い勝手が良いというのは、使うたびに、解凍せずにそのまま鍋に入れればいいし、来年の実山椒の季節まで、十分に持ってくれるからだ。
今日は、美味しそうな鰯が並んでいたので買って来た。
青背の魚は僕の大好物。しっかり煮れば、骨まで苦もなく食べることが出来る。山椒の風味を帯びた鰯は、正に、日本酒泥棒だった。
★鰯の山椒煮
1.さばいて頭と内蔵を除いた鰯に熱湯を十分に回しかける。
2.10センチの昆布を敷いて、
  日本酒 1カップくらい
  醤油 大さじ2
  みりん大さじ2
  和三盆(無ければ砂糖)小さじ2
  (下処理をした)実山椒 大さじ2
  を煮立てたところに、鰯を静かに並べ入れる。
 
3.落としぶた(無ければアルミホイルで蓋を作って)をして、時々スプーンで煮汁を鰯に回しかける。 30分したら、香り豊かな鰯の山椒煮の完成!

素麺。

気温は高くないけど、湿度は高い今日のような日は、梅干しや、紫蘇など、さっぱりしたものを食べたくなる。
そしてこんな時期に、帰ってすぐに作って食べられるのが、素麺。お湯が湧いたら、普通の素麺ならば、差し水などせずに一分で大丈夫(最近、よく食べている写真の素麺は、3分)。
今日の薬味は、たっぷりの大葉に、茗荷、生姜。
別鍋に、豚肉の薄切りを湯通しして、ほうれん草も茹でておく。
暑い夏は、素揚げの野菜を足したり、鰯の梅煮を添えたり、畳鰯を炙ったり、素麺以外のおかずで、きちんと栄養を補う。
ところで、麺つゆは、どうしていますか?
僕は、うどんも、素麺も、蕎麦も、市販の甘過ぎる麺つゆが嫌いなので、自分で作っている。中でも、素麺の麺つゆは、自分で作ると、スッキリとしていて、中の素材が分かっているから、その出汁をしみじみと感じるし、飲んでもさらさらと喉を通ってゆく。
簡単なので、時間が少しある時に試しに作ってみては?
★素麺の麺つゆの作り方。
1.水1200mlに、
干し椎茸4枚
干しエビ大さじ2
昆布10センチ1枚
を浸けて、1時間おく。
それ以上おく場合は、冷蔵庫へ。
2.火をつけて、煮たつ手前で弱火にして10分くらい煮る。
3.椎茸とエビを取り出し、鰹節を二掴み入れる。一呼吸置いて、
薄口醤油90ml
みりん60mlを入れる。
そのまま5分くらい煮出し、
ザルの上にキッチンペーパーを敷いて濾す。
冷蔵庫で冷えたら、出来上がり!
(180mlくらいずつ、小分けにして冷凍庫へ)

博多3日目。

ペルケ ノー

キューブリック

鯵の胡麻正油和え。

ホテルでのんびりと過ごし、ランチは福岡を代表するイタリアン『ペルケ ノーhttp://s.tabelog.com/fukuoka/A4001/A400104/40000030/』へ。
日本では、東京以外の街で、イタリアンはあまり食べないのだけど、博多は幾つか素晴らしいイタリアンがある。
ここは、飾りっ気のないトラットリアで、30席あまりのお店。シンプルな素材を活かした料理はボリュームもあるし、グラスワインも手頃な値段で味わえる。
前菜の盛り合わせ、羊のラグーのペンネ、豚肉の炭火焼を、いただいた。
このお店の斜め向かいに、本のセレクトショップ『KUBRICKhttp://www.bookskubrick.jp/』がある。東京でも、本屋は、大型書店か、小さなセレクトショップに淘汰されて来ているけど、生活に重きを置いた品揃えは、時代に合っているのだろうか、お客もどんどん入ってくる。
その後、ウディ・アレン監督の『ローマでアモーレ』を観た。Kには、ウディ・アレンの映画は無理かと心配したのだけど、なんとか寝ないで観ていた…笑。
ウディ・アレンは、最近の作品で、どんどん描きたいテーマがハッキリとして来ているかもしれない。
『ローマでアモーレhttp://romadeamore.jp/』は、ハッキリ言って、失敗作だと思うけど、彼が、愛や、性欲や、名声や、若さや、人生をどんな風に捉え、描こうとしているのかと思って、観ることが出来た。
その後、日本一の大きさを誇る博多駅ビルの上のレストラン街『くうてん』へ。
『ごはん家 椒房庵』で、最後の食事をした。『鯵の胡麻正油和え』は、博多らしい一品。こういうなんでもない料理が、博多は美味しい。
日本酒を傾けながら、今度はいつ博多に来ることが出来るかと考えてしまった。

博多2日目。

ついにお揃いのシューズ。

この籠で飛行機に乗ることに。

茄子とタラバガニの煮物。

朝から、のんびりとホテルで過ごし、前に書いたお揃いのニューバランスを買いに行く。博多ならどの色も揃っている。Kは、やっぱり一番地味な色を選んでうれしそうにしている。
昼は、ホテルに入っている『chinahttp://s.tabelog.com/fukuoka/A4001/A400101/40000203/』で飲茶を。グランドハイアットが出来た時に、このレストランが一番の話題だった。あっさりとした点心で、のんびりとした時間を過ごすことができる。因みに北京のグランドハイアットの『china』も、北京一という評価を貰った素晴らしいレストラン。
夜は、『まな板の上の旬 ぽぽぽんhttp://s.tabelog.com/fukuoka/A4001/A400104/40026106/』へ。旬の野菜を活かした、割烹料理。女性客に好まれるような、小品料理が次から次に運ばれる。
薬院を散歩がてら、北欧の雑貨を扱う『TRAMhttp://tram2002.com/』という店を覗き、世界中の籠という籠に目がない僕は、また籠を買ってしまった。
東京には、北欧雑貨を扱う『cinqhttp://www.cinq-design.com/』という素敵な店があるけど、この『TRAM』は、もっと広く、セレクトも素晴らしい。
今回は、車で遠出をすることもなく、週末をのんびりとホテルの周りで過ごしている。都市として、なんでも身近に揃っている博多は、暮らしてみるのもいいかもしれないと思う町だ。

博多へ。

ヤリイカ

アコウ

アラカブ塩焼

博多へ。
夕方の便で博多へ。
博多は、大分から2時間。Kとも、これで3度目の博多になる。
京都、金沢、と並んで、この町に繰り返し訪れるのは、食べものが美味しいからに他ならない。
今日は、魚料理専門の居酒屋『活魚工房 八千代丸』へ。
ヤリイカは、透明で甘みがある。こんなイカなら、永遠に食べていられそうだ。
幻の魚と言われるアコウを刺身でいただいた。柔らかく甘い。
地魚のアラカブの塩焼きも、身がしっとりとして格段に美味しい。
アサリのバター炒め、タコの唐揚げ、ざる豆腐、何を食べてもハズレがない。
ジャコご飯に、おにぎり、先ほどのアコウで作った味噌汁を食べる頃には、博多に来て、本当に幸せだと思える。
たらふく食べて、飲んで、この値段!と驚く会計と、スタッフの親切に、改めて驚かされる名店だと思う。
★活魚工房 八千代丸 http://s.tabelog.com/fukuoka/A4001/A400102/40003291/

バンコクは、好きですか?

僕のバンコク嫌いは、友達の間では有名で、バンコクの名前が出るたびに、「バンコクのいったい何がいいの?なんであんな街に行くの?」と周りに聞くくらい。
セックス産業も、渋滞も、暑さも、湿度も、喧騒も、ボラれるタクシーも、化学調味料まみれのタイ料理も、何をとっても苦手なものばかり。唯一、都市として評価できるものは、ホテルくらい。
ちなみに、世界一嫌いな街は、ドバイで、バンコク、パタヤと続く街はどれも、仕事でも絶対に行きたくないとさえ思う街だ。
ところが、世の中の多くのゲイは、僕とは真逆で、バンコクに取り憑かれたように通うリピーターが多い。多くの人が、安価なタイのマッサージや料理やセックス産業にハマっているのだろう。
僕の友人S太郎とK太郎も、大のバンコク好き。
三人で軽く食事のつもりが、話しているうちに、あまりに僕がバンコクをこき下ろすのを聞いて、何とかしたいと思ったようで、急遽三人でバンコクに行こう!ということになった。
食事をしながら、iPadを拡げて、ホテルは、僕だけスコタイにして(ホテルにもうるさいと思われている)、彼らは別のホテルにしようか?とか、どうせなら、アパート的なフレイザー(ソウルのフレイザーは素晴らしい)にみんなで泊まろうとか、飛行機は、K太郎が飛行機会社だから、その場で空席を押さえて、美味しそうなレストランまで予約をする手はずを整えた。しかも来週末!
急にバンコクに行くことを、Kに告げると、「僕だけお留守番で、かわいそう…」と、泣いているウサギのスタンプが、LINEで送られて来た。
熟女三人で行く突然のバンコク旅行。珍道中は、来週ここでお伝えします。

9年目のアニバーサリー。

Bridgehttp://bar-bridge.com/index2.htmlに飲みに行ったら、つきあってから9周年の日だと言う、シンガポール人のカップルが来ていて、シャンパンを開けていた。
彼らは、年上の方の仕事の都合で、3ヶ月に1度くらいの割合で、東京を訪れ、その度にBridgeに顔を出す(その度に、Tがいるのは、どうしてか?と聞かれた(苦笑))し、温泉や北海道などに旅行をしている大の日本好き。今回は、沖縄に4泊で行くらしい。
ふたりは、香港のグランドハイアットで、偶然出会ったらしい。お互いに、はじめて顔を見た時に、『この人は、自分の恋人になる人だ』と思ったと言う。まるで、映画のような話だ。
9年経ったと言うことは、その関係性を続けていくために、それだけふたりが努力を続けて来たということだけど、(聞いてもいないのに)ふたりはいまだに熱々で、セックスも頻繁にしていると言うから、相性も良かったのだろうと思う。
人生を、ともに生きる人がいるということは、それだけでとても幸運なことだ。
彼らの溢れるような笑顔を見ていると、これから先も、ふたりの幸せな姿が、また何度も何度もBridgeで見れたらいいなあと思った。

NEW BALANCE という定番 1

996

高校生の時から、ニューバランスを履いている。
矯正靴の製造をしていたニューバランスの履き心地は、1300という品番をラルフローレンが「雲の上を歩いているようだ」と評したことで話題になり、その包み込むような感覚は、『百恵ちゃんの唇』とも言われていた。
僕の定番は、この1300と、996なのだけど、今日、他の靴の修理でニューバランスに行ったら、4月に996のブルーが出たようで、夏らしい色に惹かれて買ってしまった。
そして買いながら、Kが一緒にいたら、色違いで履くのもいいかもしれないなあと考えた。(Bridgeの店子Hが、お揃いのシューズってかわいいと言っていたので洗脳されたようだ)
表参道から戻り、早速Kに、週末会った時に、同じ靴を買うのはどうか?と聞いてみると、喜んでいるメッセージが送られて来た。そこで、品番を送り、僕はブルーなんだけど、グリーンはどうかな?と聞いてみると…
「ブルーはTさんらしい派手な色ですね。グリーンもキレイだけど…なんて言うか、僕にはどちらも派手過ぎます…」という返信が…
よくよく考えてみると、Kと知り合った時も、黒い洋服に身を包んでいたし、ワードローブも、黒か紺か鼠色(敢えてグレーではない)ばかりだし、総天然色レインボーの僕の洋服とは真逆…
その後、気を取り直して、もう少し地味な色がある、1400の紺かグリーンはどうかと問いかけると、すぐに、「これはキレイですね」という返信が来た。
博多の天神辺りで、ふたりで買い物をする、なんでもない週末を、今から楽しみにしている。(気づいたら、また、おのろけに…)
※まったくの余談だが、学生の頃の友人で、「ニューバランスで踏みつけられると感じる」という男がいた。彼は今も、踏みつけられているだろうか…

ともに仕事をする人たち。

20年くらい前から、一緒に仕事をしているカメラマンKさんや、撮影の時に様々な手配をしてくれるMさんと、久しぶりに撮影をした。
シズル師(ビールの泡や水滴などを、美味しそうに作る人)として有名なMさんも、今は57歳。先日、白内障の手術をしたばかりで、まだ、完全に仕事に復帰している感じではないせいか、ずいぶん年をとったと感じた。病気のせいかちょっとやつれて、小さくなっていた。
若い時は、わからなかったけど、今感じることは、
『ともに仕事をする人と過ごす時間は、決していつまでも続くことはないということ。
その時間を、一緒に分かち合って生きているようなものなのだということ』
二人とは、色々な所にロケに行った。飛騨高山、屋久島、金沢、京都、名古屋、金山、静岡…
昔、静岡の温泉地に行った時に、温泉芸者がいたことがあったとか、風呂の中に砂が入っていたとか、屋久島で、亀の爪のような食べ物を食べたとか、子どもの撮影に、僕は自分の甥っ子を呼び寄せ、Mさんは自分の子どもを忍び込ませたとか…
一緒にいるだけで、自然と気持ちはほぐれ、ともに過ごした時間を懐かしく思い出して笑いあった。
これからもMさんと、まだまだたくさん一緒に仕事をしたいけど、それも永遠ではないことはわかっている。一つ一つの仕事で喜びや笑いを、ともに分かち合っていこうと思った。