DIY

フランス人は好きな人が多いみたいだけど、
僕はDIYが苦手だ…。
だって、男の力仕事じゃないですか?
できれば誰かにやってもらいたい…。手とか痛くなるし…。
昔から工作も美術も得意だったのだけど、プラモデルを作るのは苦手だった。
作っている途中に飽きてしまって、そのうちに他のことをしだして何か部品がなくなってしまう感じなのだ。それも毎回毎回。
今回の引っ越しで、IKEAのキッチンのカウンターを廃棄したので(奥行きがありすぎて新しい家にははまらなかったのだ)、また別の奥行きが薄めのカウンターを二つ買い、ひとりで半泣きになりながら組み立てた。
引っ越しするのは、気分が変わっていいのだけど、前の家で使っていた組み立て家具が入らない場合が多いので、いつ廃棄してもよいように、収納用の組み立て家具に関してのみIKEAなどの安いものにしている。
今回、キッチンカウンター以外に、洗濯機のスペースが少なくなったので、洗濯機の上に棚を作ろうと組み立てる棚を買ってあったのだけど、年末と正月にはとてもやる気が起こらず、正月三が日の最後の日に重い腰を上げた。
またしても半泣きになりながら、ほぼ完成というところまで行ったのはいいのだけど、今度はあまりにも狭い洗面所にやっとのことで入れても、洗濯機の裏側に回すほど棚を傾けるスペースに余裕がないことがわかった…。それも、完成して運び入れた後に!!!
我ながら呆れてしまうのだけど、普通はそんな全てのサイズを測ってから組み立てるものなのだろう。おまけに、幅は丁度入ると思っていたら、僕の測り間違いなのか、スペースよりもほんの数ミリ棚が大きいようなのだ…。(キィ〜ッ!なんなの!)
ここでほぼ泣きたくなったのだけど、そこでどうなるかわからないけど、骨組みを支えている強固なコの字型のステンレスの棒を外すことに(上に置くのはタオルなので、それほど強固な骨組みも必要ないので)。恐る恐るその背骨を外すと、少しふにゃっと動くので、もしかしたら…と。
そしたらなんと、ふにゃっと曲がりながら、奇跡のように入ったのです!心配していたサイズも、ぴったりのギツギツでもう1ミリたりとも動かないくらいに丁度はまったのだった。
その棚はまるで、僕の家のこの狭いスペースにはまるためだけに作られた特注の棚のように見えたのだ。
神様が、このアホな僕の一部始終を見ながら笑っているように思えた。

本や雑誌、CDの買取。

今回の引っ越しで、本や雑誌、CDを買取に出した。
買取がいいのは、自宅まで来てくれて運んでくれることと、ゴミとして扱われるよりも、もしかしたら誰かの手に渡るかもしれないということ。
重いので、小さめのダンボールに入れてCDは2箱、本は8箱、雑誌は5箱くらいあった。(雑誌は、エルデコやエルアターブル、カーサブルータスなど)
中古のものの買取は、法律上、その人がきちんとその住所に住んでいるのかの確認を取らないといけないようで、僕が引っ越した後に簡易書留で確認を取ろうとしていたのだけど、不在のため取れず延び延びとなり、その後新しい住所の証明書を送り、もう一度簡易書留が来て確認を取られた。(住所が変わる場合は手続きが意外と面倒くさい)
そんなやり取りをして、ほとんど捨てたも同然だと思っていた矢先、買取会社から査定のメールが届いた。
合計 47731円
おおお!
ちょっと予想を超えた金額は、引っ越しで、細々とした出費がかさんでいたので、まるでお年玉のように思えた。
※買取業者は日本中に様々な会社があるのだけど、僕がお願いしたのは、静岡県の駿河屋でした。
★駿河屋http://www.suruga-ya.jp/man/kaitori/kaitoritop.html

あけまして ありがとう ございます

福岡の七男鳥のマスターにいただいた九谷焼の盃

お雑煮

数の子と菊姫

引っ越しで慌ただしく、今年はおせち料理も作らなかったのだけど、お雑煮だけは食べたくなるので、大晦日に伊勢丹に買い物に行き、数の子も買って帰って来た。
数の子は、3〜4時間薄めの塩水に浸けて塩抜きをする。3〜4時間経ったらまた塩水を替えてまた更にこれを3回くらい繰り返す。家の片づけをしながらそうやって塩抜きをして、大晦日外出して戻ってから最後にもう一度塩水を替えた。
今年の元旦は、母の家に行くこともなくひとりで迎え、お酒を飲みながら数の子とお雑煮をいただいた。僕の場合、最小限このふたつがあれば、十分なお正月気分を味わえるのだ。(黒豆もあったら言うことなし)
あらかじめお雑煮しかないと言っておいたのだけど、夕方に妹のようなGが家にやって来た。(3日連続で会っている気もするのだけど…)
数の子を食べながら、美味しい日本酒をいただく。菊姫の2004年申年のもの。金沢の友人Hさんからのいただき物だ。
お雑煮を食べてのんびりと2015年に起こった様々な話をしていると、今度は弟のようなFが恋人とふたりでやって来た。
ふたりにも数の子を出し、お雑煮を食べてもらいながら、日本酒をいただいた。
家族のように、4人で家でお酒を飲みながら話しているだけで、しみじみと幸せだなぁ…と感じた。
僕は今年、新しいことをはじめようと思っている。
みなさんにとって、
ワクワクするようなことが沢山起こる、
楽しい年になりますように。
今年もよろしくお願いします。

大晦日。

6時にイロドリに行き、そのまま友人たちと飲みながら、食べながらの大晦日だった。
毎年恒例になってきているのだけど、Fのお父さんが蕎麦を打ってくれて、蕎麦作りをやりたい人は、お父さんに教えてもらいながら蕎麦を一緒に作るのだ。
この作りたてのお蕎麦の美味しいことといったら…ぜひみなさんに食べて欲しいと思ってしまう。
ゲイがいたり、ビアンがいたり、トランスがいたり、近所の家族連れがいたり、どんなセクシュアリティであっても色々な人たちが垣根なく集まるイロドリにいると、心の底から素敵なお店だなあと思う。
途中、中抜けして二丁目のブリッジに顔を出す。これも毎年楽しみにしていることで、ここ最近はブリッジで紅白をみんなと一緒にワイワイ見ることになっている。
生きていると、思いがけずつらいことが起こる時もある。
今年は、10年間ともに生きた、たいせつな昔の恋人を失ったことを知らされた。
途中、バランスを崩しながらもなんとか大晦日を迎えることが出来たのは、友人やファミリーのような仲間たちがいてくれたからなのだ。
ありがとう。

フリージア。

29日に慌てて大阪から帰ってきて、正月飾りも正月花も飾っていなかったので、慌てて買いに行った。
本来ならば正月飾りは、28日までに飾るのがよいとされている。そして、29日に飾ることは避けられているようだ。
正月花は、南天を三本買い、玄関に飾る水仙を買いたかったのだけど、水仙が売り切れていたので、フリージアを買ってきた。
「涙顔 見せたくなくて スミレひまわりフリージア…」のフリージアだ。(なんて不思議な歌詞なのだろう…)
家を入った時に、人が一番気になるのは、玄関の散らかり具合ではなく、その家の匂いであるという。
普段はイタリアのディフューザーを使っているのだけど、正月はフリージアの香りにしてみた。
廊下に出ると、なんとも言えない爽やかな自然の香りが広がる。
花器は、昨年の誕生日にKTにいただいたもの。
(ありがとう)

2015年の旅。

今年もいろいろな町へ旅をした。
いつか、水戸黄門になりたい僕としては、かなり楽しい1年だったように思う。
新年明けの大阪旅行から始まって、年末の大阪で終わったのはちょっと意外だった。
福岡 6回
大阪 5回
八日市 3回
宮島2回
大分 2回
京都 2回
金沢 1回
沖縄 1回
天草 1回
ニューヨーク 1回
トロント1回
ポートランド 1回
コペンハーゲン 1回
旅をして、見たこともない景色を見て、その土地の料理に出会い、人に出会う。
これほど楽しいことがあるだろうか。
来年も、日本中、そして、世界を駆け回りたいと思う。
今年、お話できたすべての方々に感謝している。
ありがとうございました。
新しい年にも、みなさんの笑顔が溢れますように。

Xの新しい恋。

鰤カマ

牛肉の塩炒め

鶏肉

Xは、僕と同じ47歳。
僕とよく旅行にも行くし一緒にいるので、初めての店ではカップルと思われることもあるくらい(40代専ではないのでありえないのだけど)。前の恋愛の酷い別れから、14年間くらいずっとひとりで生きて来た。
僕の記憶にある限り、昔は台湾などの旅先での関係を何度か繰り返していたが、そんな恋も長続きするものではなく、いつも仕事が忙しいと言って恋愛には近づかないようにしていた。
今年の初め頃、Xは珍しく30代の日本人を好きになったのだけど、その恋は儚く終わり、その後はまたいつもの仕事一筋の毎日に戻っていた。
それが、先日、仕事で大阪に行った際に、30歳の若い子と知り合って、LINEで連絡を取り合っていることを聞かされた。
写真を見せてもらうと、かわいい感じの子だったので、大阪と東京という距離はあるものの、僕は応援していた。だって、この年になって誰かといい感じの関係になるのは、そうそうなくなってくるから。
年の瀬も押し迫った頃、Xが、大阪に行こうかな…と言い出した。
「ただしちゃんも大阪に行かない?」
僕は、九州旅行があった予定を変更して、帰りに大阪に飛んだ。
Xは、先に大阪入りをしていて、ユニバーサルスタジオにその子と一緒に行きデートをした後、晩ご飯の席で僕と一緒になるということに。お店は、若い子が選んでくれた堂山にあるゲイの居酒屋さん『にしやま』。
『にしやま』は、関西風の味付けで、鰤のカマ焼き、牛肉の塩炒めなど、どれを食べてもとても美味しい。
ふたりは17歳も年が離れているのに、その若い子はなんだか年上の扱いに慣れているように見える。それは、お母さんが43歳の時の子どもだったりして、家族が皆年が離れていたり、ずっと年上が好きだったからだろうか。
久しぶりに訪れたXの幸福そうな顔を見て、僕までうれしくなった。
先のことは、誰にもわからない。でも、わからなくても、Xには、目の前にあるその人に向かって行って欲しいと思う。
仲良く手をつなぐふたりの姿を見ながら、そう思った。
★にしやま
06-6360-2480
大阪府大阪市北区堂山町10-11 H&Iビル 2F
http://tabelog.com/osaka/A2701/A270101/27076502/

Kのハッピーバースデー。

27日はKの31歳の誕生日だった。
お昼までのんびりと福岡で過ごした後、ソニックに乗って大分へ向かう。
久しぶりに訪れた大分駅は、新しく生まれ変わり、ユナイテッドアローズやビームスなどが入り急に煌びやかになっていた。
駅からすぐの『トキハ』という老舗百貨店に行き、今日の鴨鍋のための野菜を買い、電話で予約しておいたKのためのバースデーケーキを受け取った。
ケーキ屋さんで、「ケーキに入れるお名前は?」と聞かれ、「かつゆきくんでお願いします」と答えながら、なんだか恥ずかしさを感じていたのだけど、お店側からしたら、かつゆきくんは大人のゲイのパートナーとはわからなくて、子どもだと思うだろうと思い直した。(たとえゲイのパートナーとバレてもそれはそれで面白いのだけど)
ケーキを頼んであったのを知ったKは、思わず顔が輝いた。
「ケーキ、頼んでくれてたの!」
ブルゴーニュの赤とシャンパーニュを買って、Kの家へ。思えば、昨年末もこうやって『鴨鍋』をふたりで食べたのだった。
「お豆腐、柔らかくて美味しいねー。さすが、京都の豆腐」
「鴨は、低温でしゃぶしゃぶくらいが柔らかくて美味しいねー」
「春菊うまい!」
「このつみれ、コクがあるねー」
ふたりで家で食べる鍋はやっぱり温かくて、こうしてまた、ふたりで誕生日を祝える幸せを噛み締めた。
ケーキにロウソクを立てて、ハッピーバースデーを歌う。
Kに願い事をさせて火を吹き消させると、恥ずかしがりながらも、子どものようにうれしそうだった。

温かな食卓。

時間をかけて取られたスープ

沢山のお野菜

福岡に来ると、必ず立ち寄るバー『七男鳥』で、前々からNさんと食事をしようと話していたのだけど、今回やっと食事をすることができた。
僕は、「お店はどこでもいいですよー」と言っていたのだけど、僕が食にうるさいと思われているせいか、結局Nさんのご自宅で『水炊き』をご馳走になることに。福岡在住のNさんの友人たちも加わり、6人で囲む食卓は、楽しい一時になった。
ナマコやお刺身が綺麗に盛り付けられ、筑前煮も並んだ。やがて水炊きになると、たっぷりと鳥のスープが入った大鍋が出てきた。
Nさん曰く、鳥のスープを取るのに随分時間をかけたらしい。濃厚でいい香りがする。
鶏肉は、味が浸みており、味わい深い。口頭ネギをかけて柚子胡椒でいただく。
お野菜もたらふく食べて、〆には美味しい雑炊をいただいた。
食事の後には、Nさん自家製のカラスミが出てきた。売られているカラスミよりも柔らかく、塩のみで浸かっているためか、あっさりとしていて食べやすい。
間も無く東京に引っ越してくるKが話をすると、みんなはどうなるかわからない我々の新しい暮らしを応援してくれていた。
九州の人は、温かい。
ありがとうNさん。
美味しいお料理、ごちそうさまでした!

酒陶 築地

アワビとウニと肝添えチーズがけ

うずらと上総牛

キノコとのどぐろの炊き込み御飯

福岡には、お気に入りの料理屋さんがいくつかあって、『酒陶 築地』もお気に入りのお店のひとつ。
昔は、薬院のはずれにひっそりとあったお店は、この10月に白金に移転していた。
表の道からはお店があるのかわからないような細いアプローチを抜けると、整然としたカウンターが広がる店内に入る。カウンターは、椅子に比べて少し高いのだけど、物がなくスッキリとしている。ご夫婦は、相変わらず温かくもてなしてくださり、今日はクリスマスなのでコース料理にしてみた。
料理は、11品。
牡蠣の金時人参ソース、アコウのお刺身、渡り蟹の茶碗蒸し、ふぐと焼き茄子、鰆と牛蒡、低温調理のアワビとウニと肝添えチーズがけ、車海老のお椀、アラとビーツの煮物、オコゼの天ぷら、ウズラと上総牛、キノコとのどぐろの炊き込み御飯。
クラシックな京都の割烹料理などとは違って、驚きのある食材の組み合わせや調理法が取り入れてある。
たとえば、ふぐに焼き茄子を合わせたり、アワビとウニに、更にチーズを合わせたり、アラにビーツを合わせるなんて、他の店では見たことがない。イタリアの常識からすると、海のものにはチーズは合わないとされているからだけど、そんな常識を気にすることなく、常に新しい独自の料理を追求されている。
日本酒の品揃えも豊富で、出来立ての生酒が数種類扱っているのも魅力的だ。
ゆるい音楽が流れ、次はどんな料理が出てくるのだろう?と、見たこともない料理に期待をする時間も楽しいものだ。
また必ず訪れたいと思う、福岡にしかない名店。
★酒陶 築地
092-531-6386
http://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400104/40019154/
福岡市中央区白金2-15-46