RAINBOW REEL TOKYO 2017

ファーザーズ

僕の世界の中心は

17歳にもなると

3日目に見た映画は、『迷い子たちの物語』。
フィリピン人ストレートのアレックスは、思い立って台北に旅行に来た。そこで台湾人ゲイのジェリーと出会う。
アレックスは白人と台湾人のハーフであり、複雑な生い立ちでフィリピンで育った。ジェリーは台湾原住民の保守的な家庭で育ち、両親はジェリーが大学を卒業したら村に戻って来て同じ原住民の女性と結婚してくれるものと信じている。
それぞれの若者の家族問題を、敢えてセクシュアリティの枠を超えて対比して描いた作品。企画意図はわかるのだけど、映画としてはちょっと物足りない。
今年のレインボーリールは、結局3作品しか観ることが出来なかった。この3作品の中でオススメできる映画は、『キキ 夜明けはまだ遠く』だろう。(LGBTに対する意識の高い人向けの映画ではあるけど)
<以下に、今週末スパイラルホールで観ることの出来る面白そうな映画をあげておきますね>
☆タイのゲイカップルが孤児を引き取る『ファーザーズ』。
☆ドイツ・オーストリア映画のコミカルな『僕の世界の中心は』。
☆『17歳にもなると』は、フランスの青春ラブストーリー。
⭐️RAINBOW REEL TOKYOhttp://rainbowreeltokyo.com/2017_sp/program
レインボーで楽しい週末を!!!

RAINBOW REEL TOKYO 2017

キキ

キキ

フィニッシュ・ホールド

レインボーリール東京((前)東京国際レズビアン&ゲイ映画祭)http://rainbowreeltokyo.com/2017_sp/がはじまった。
毎年楽しみにしているこの映画祭を、今年は今週末のスパイラルでの上映期間に東京にいないため、慌ててシネマート新宿でやっている映画だけ都合のつく限り観る作戦にした。
⭐︎⭐︎⭐︎キキ 夜明けはまだ遠く
ニューヨークに暮らす有色人種たちのLGBTQに焦点を当てて、およそ4年間の撮影期間をかけて製作されたドキュメンタリー作品。
セクシュアルマイノリティであること。そして、有色人種であること。アメリカにおけるダブルマイノリティという環境の中で、一人ひとりが逆境に抗いながらも、自分のセクシュアリティに正直に生きようともがく姿が美しい。
KIKIというパーティーイベントを軸に、助け合うコミュニティのたいせつさを余すところなく描いている。
2016年ベルリン国際映画祭でテディ賞最優秀ドキュメンタリー賞を受賞。
⭐︎フィニッシュ・ホールド
ゲイ映画かと思って観に行ったら、ビアン映画だった…。
保守的なパキスタン人の母親と二人暮らしの女性弁護士と、開放的なメキシカン家族の中で暮らす作家の女性の話。
文化の違いやビアンであることをカミングアウト出来ない環境の違い、そんな中でのふたりの恋愛を描こうとする狙いは面白いのだけど、映画としては残念な作りだった。

父のお墓参り

父が7月10日の父の誕生日に亡くなってから、9年が過ぎた。
午後から半休をもらい、父の命日に墓参りに行って来た。お盆や彼岸はなかなか来られないので、墓参りは命日と決めている。
お墓についてしばらく歩き回った。
「あれ?お父さんの墓ってどこだったっけ…?」
炎天下の中しばらく彷徨った後、諦めて霊園の事務所に電話をかけた。お墓の場所がわからなくなるのはこれで2度目。小さな頃から祖父の墓参りで何度も来ているのに、僕にはお墓自体がみんな似て見えるのだ。
日本酒が好きだった父のために日本酒を開けて、お線香に火をつける。手を合わせて、今のKとの幸せな暮らしと感謝を伝える。亡くなる前に、もっと父と話をしておきたかったと今でも思う。
父が亡くなった後に、会社の上司に言われた言葉を折に触れて思い出す。
「親を亡くしてからだって、親孝行は出来るから」
からだをたいせつにすること。
感謝をすること。
周りの人に思いやりをもつこと。
笑顔でいること。
幸せな毎日を送ること。
父が喜んでくれそうなことを思い浮かべて、お墓を後にした。

ボンジュール、アン

巨匠フランシス・フォード・コッポラの妻であるエレノア・コッポラが脚本、監督をした作品『ボンジュール、アン』は、観終わった後になんとも清々しい気持ちになれる映画だった。
有名プロデューサーの夫(アレック・ボールドウィン)の仕事についてカンヌを訪れたアン(ダイアン・レイン)は、仕事に取り憑かれている夫と離れ、夫の仕事上のパートナーであるフランス人の男とパリに向かうことになる。そしてその珍道中は、アンの人生を思わぬ方向へと導いてゆく。
一昨年にデンマークへ行って以来、全然ヨーロッパには行けていなくて、久しぶりに南仏やパリの風景に触れてみたいと思って見た映画なのだけど、思いのほか見ていて気持ちよく、見終わった後にも晴れ晴れとした気持ちになれた。
年齢を重ねたダイアン・レインが美しい。ダイアン・レインの衣装も素晴らしい。
フランス人の生き方や暮らし方が、アメリカ人と照らし合わされていて興味深い。
人生の後半期に差し掛かった人には楽しめる、小さなフランス旅行をしているような気持ちになる映画。
⭐︎ボンジュール、アンhttp://bonjour-anne.jp/sp/index.html

ソファでお昼寝。

リビングに、長さ230センチ×奥行き1メートル弱くらいの3人がけのソファがあって、ほとんどいつもKはそこにいる。
いつもそこで、iPad Proでちびまる子ちゃんなんかを見ているのだ。
ふたりで過ごす週末の午後は、時々ソファで眠ってしまうこともある。
今日ももうすぐ寝てしまいそうなKの横に、眠気が襲って来た僕が滑り込んだ。
本当は大人の男ふたりで眠るには、そのソファは小さすぎるのだけど、僕たちはそんな風に、ぴったりとくっついて絡み合ったままそのソファで眠ってしまうのだ。
ふたりでくっついて寝ていると、4年前に僕がKと知り合って、大分のKの家を訪れていた日々を思い出す。
Kの家のベッドはシングルで、幅が1メートルくらいだっただろうか?
ベッドに寝ると、天井にはシャツが並んでかけられていて、Kは、僕が狭いベッドからはじき出されたらかわいそうだからと、僕を壁際に寝かせ、僕は横向きで固まったままふたりでくっついて眠ったのだった。
時々Kの肘が僕の顔に当たったり、大の字になろうとするKの脚が乗っかって来たりしながら・・・。
今でもあの頃のことを懐かしく思い出す。
東京と大分で出会った僕たちは、いったいこの先どうなるのかもわからないまま、月に一度か二度、九州や東京や関西で会っていたのだった。
別れる時のせつない気持ちとか、瞳の奥に悲しみがあるKの別れ際の顔とか、そんな何もかもを思い出す。
そして今のささやかな毎日の幸せを、心からありがたいと思うのだ。

百日草。

なぜか緑色の花が好き

梅雨時とは思えない暑い日が続いている。家のベランダはバラの葉が生い茂り、アジサイのアナベルも緑色に変色してきて、今はレモンやぶどう、いちじく、先日買ったブルーベリーの実が大きくなっていくのを日々楽しみに眺めている。
秋から春までは、パンジーやビオラ、水仙やチューリップなどを沢山植えて、お花畑のように華やかだったけど、バラの時期と入れ替えに花は終わり、大きなコンテナが2つずっと空いたままだった。
いつもは東京のうだるような暑さに耐えられる草花などないと思い、夏の間は一年草はすっかり諦めていたのだけど、先日ふとデパートの屋上の園芸店で草花を眺めている時に『百日草(ジニア)』が目に飛び込んで来た。
ピンクやオレンジ黄色など、南米の原色の衣装のような鮮やかな色に加え、まるで作り物のような形の花びらは、今まで僕が手を伸ばすことのなかった花。それが今、なんともかわいいと思うのだ。
「もしかしたら、夏に強い草花なら、うちの過酷な暑さのベランダでも夏を越すことができるかもしれない・・・」ふとそんなことを思い、百日草、エキナセア、ゼラニウム、葉っぱの美しいコリウスなど、暑さに強そうな植物を選んで大きなコンテナに寄せ植えしてみた。
今のところ百日草は、太陽を全身で浴びながら、花々を次々と咲かせ喜んでいる。
派手だけど普段着のようでいて、それでいておおらかに笑っているような百日草が、今はなんとも愛おしい。
百日草は、ヘルマン・ヘッセにも愛されていたようだ。
『晩夏と初秋の色鮮やかさの真髄はなんといっても百日草です!この花は今の時期いつでも私の部屋に挿してあります。この花はありがたいことに、とにかく非常に日持ちがいいのです。そして私はこのような百日草の花束の、取立ての新鮮な時から枯れるまでの変化を、この上ない幸せな気持ちと好奇心をもって見守るのです。この花の色彩はもう強烈に内部から輝きを発し、色彩そのものが歓声をあげているのです。』 ヘルマン・ヘッセ著

LGBT自治体議員連盟

BUZZFEEDを読んでいたら、性的指向と性自認に関連する人権擁護を目的とする「LGBT自治体議員連盟」が発足したことを知った。
その中で、文京区議の前田くにひろさんがカミングアウトをしていたのだけど、こんな形で公の場でカミングアウトをした前田さんのことを、とてもカッコイイと思った。
ご自身の過去のパートナーとの体験などを正直にお話されていて、ものすごい勇気だと思ったのだ。
カミングアウトは、みんながみんなするべきものだとは思わない。でも、こんな風に公の立場に立つ人が社会にまっすぐに伝えることは、少しづつでもこの国を変えてゆく力になると思う。
⭐︎https://www.buzzfeed.com/kazukiwatanabe/20170706?utm_term=.odXPOLXEY4#.odXPOLXEY4

いちじく

いちじくの実が存在感を現しはじめた。
小さな実が少しずつ大きくなっていく様を水やりのついでに眺めていることは、月日のゆっくりとした流れを感じさせてくれる。
青みがかった切れ込みの美しい葉の間から、いつの間に実が出来るのかわからないのだけど、無花果と書かれるように、実が着く前に花が咲くことはない。
花は、実の中にあるのだそうだ。
いちじくの実が大きくなってきたことをKに知っているか?と尋ねたら、「もちろん知ってるよ。Kちゃん毎日洗濯物干す時見てるもん」
と答えが返ってきた。
Kは、食べられそうな植物には異常に敏感なのだ。

びわの剥き方。

いちばん好きな果物は何かと聞かれたら…
「さくらんぼ と びわ」
と答える。
それくらいこの2つの果物が好きだ。
だからこのところ、さくらんぼとびわばかり食べている。
「さくらんぼ、びわ、さくらんぼ、さくらんぼ、びわ、さくらんぼ…」
そして先日、驚くような発見があったのだ。
あなたは、びわをどうやって剥くだろうか?
僕は手で持って、びわがついていた頭のところを折ってから剥いていた。なんの疑うこともなく。
でも、少し若いびわだと剥きづらく、どうにかならないものかと考えていたのだ。
でも先日、『バナナは上のヘタからではなく、お尻のところから剥いたら簡単に剥ける』というのを本で読んで驚愕したのだった。
なぜなら、なんの疑いもなく、48年間バナナは上のヘタのところから剥いて食べて来たからだ。(おそらくあなたもそうではないだろうか?)
お猿はなんの迷いもなくバナナのお尻からいとも簡単に剥いて食べるらしい。お猿は本能的にバナナの剥き方を知っているのだろう。
そしてバナナを買って来て、お尻から剥いてみたところ、つるんとなんとも簡単に皮が剥けたのだった!
そこでもしや…と思って、びわを頭と尻を切り落としてお尻から剥いてみたのだ。
すると、これまた簡単に剥けるではないか!
「Kちゃん!びわがお尻からだと簡単に剥ける!!!」
この発見に僕は、Kに向かって絶叫したのだけど、Kには僕がなんで叫んでいるのか、何度言ってもわかってもらえなかった…。

ブルーベリー。

『メイン・デイト』ラビットアイ系の品種

前は、ずっと大きなブルーベリーの木が家にはあったのだけど、引越しとともに母の家に送ってしまっていた。
でも、ジューンベリーと並んで好きな木は実はブルーベリーで、春の小さくて楚々とした花から、透き通るような緑色の実、その実が熟していく過程、そして秋の美しい紅葉と、ブルーベリーは実は、1年間を通じて楽しめる植物なのだ。
帰り道にふと寄った外苑前のFUGAで、小さなラビットアイ系のブルーベリーが売っていたので、思わず買って帰ってきた。
今はまだ透き通るような緑色の実は、これからゆっくりと青い色に変わってゆく。その色の変化も楽しいものだ。
洗濯物を干す時にKが気づいたようで、僕に聞いてくる。
K「ただしくん、また植物買って来たの?なにこれ?」
僕「なんだと思う?当ててみて」
K「うーん………山椒!」
植物を知らないKは、青い実だからとっさに山椒と思いついたようで、朝から僕は大笑いしたのだった。どんな植物であれ食べられそうなものだと、Kはうれしそうに見ている。