百日草。

なぜか緑色の花が好き

梅雨時とは思えない暑い日が続いている。家のベランダはバラの葉が生い茂り、アジサイのアナベルも緑色に変色してきて、今はレモンやぶどう、いちじく、先日買ったブルーベリーの実が大きくなっていくのを日々楽しみに眺めている。
秋から春までは、パンジーやビオラ、水仙やチューリップなどを沢山植えて、お花畑のように華やかだったけど、バラの時期と入れ替えに花は終わり、大きなコンテナが2つずっと空いたままだった。
いつもは東京のうだるような暑さに耐えられる草花などないと思い、夏の間は一年草はすっかり諦めていたのだけど、先日ふとデパートの屋上の園芸店で草花を眺めている時に『百日草(ジニア)』が目に飛び込んで来た。
ピンクやオレンジ黄色など、南米の原色の衣装のような鮮やかな色に加え、まるで作り物のような形の花びらは、今まで僕が手を伸ばすことのなかった花。それが今、なんともかわいいと思うのだ。
「もしかしたら、夏に強い草花なら、うちの過酷な暑さのベランダでも夏を越すことができるかもしれない・・・」ふとそんなことを思い、百日草、エキナセア、ゼラニウム、葉っぱの美しいコリウスなど、暑さに強そうな植物を選んで大きなコンテナに寄せ植えしてみた。
今のところ百日草は、太陽を全身で浴びながら、花々を次々と咲かせ喜んでいる。
派手だけど普段着のようでいて、それでいておおらかに笑っているような百日草が、今はなんとも愛おしい。
百日草は、ヘルマン・ヘッセにも愛されていたようだ。
『晩夏と初秋の色鮮やかさの真髄はなんといっても百日草です!この花は今の時期いつでも私の部屋に挿してあります。この花はありがたいことに、とにかく非常に日持ちがいいのです。そして私はこのような百日草の花束の、取立ての新鮮な時から枯れるまでの変化を、この上ない幸せな気持ちと好奇心をもって見守るのです。この花の色彩はもう強烈に内部から輝きを発し、色彩そのものが歓声をあげているのです。』 ヘルマン・ヘッセ著

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