princess cruises

海外では人気のクルーズが、日本に徐々に入り始めている。
『プリンセス・クルーズ』は、少し時間もお金も余裕のある世代を狙ったクルーズだろう。
旅行好きな母が喜ぶだろうと思い、この『プリンセス・クルーズ』に申し込んでみた。
横浜から出る船と、神戸から出る船があって、ルートも様々で、韓国の済州島の方に向かうものと、沖縄などを巡り台湾の花蓮に行くものなどがある。
母は韓国には何度か行っているので、今回は沖縄と台湾を選んだ。
飛行機に乗れば3時間半くらいで行けるところなのに、台湾までは船でも2日間くらいかかるらしいので、せっかちな母はもしかしたら飽きてしまうかもしれないけど、海だけを見ながら、のんびりと旅をするのはどんなに満ち足りた時間だろうか?
海の上では華やかなディナーパーティーなどがあり、正装をして行かなければならないらしい。(そういうことは、僕に似て母も好きに違いない・・・)
実は、友人がずっと進めているのだけど、ゲイ・クルーズも間もなく日本でも始まることになっている。アジアの海は美しく、個性のある多様な文化が存在している。船上で何日もかけて、日常の煩いを捨てて旅をする。なんて豊かな旅だろうか。
そこで、石油王との出会いを探したいものだ。
★PRINCESS CRUISEShttp://www.princesscruises.jp

春が来た。

3月12日

1月14日

ここ数日、風が冷たく真冬のような寒さだったのに、今日は朝から春の気配。
1月に、売れ残りのアマリリスの球根を買って、グラスの水に漬けておいたものが、2ヶ月経って今ではこんな姿に…。
冬の間、遅遅とした成長だった球根も、ここへ来てぐんぐん伸びていきます。
僕たちもそろそろ、動きはじめる季節ですね。

それでも夜は明ける

先日の『大統領の執事の涙』でも、黒人差別がテーマだった。その映画のおよそ100年前の時代を描いた『それでも夜は明ける』も、黒人差別を違った角度で描いたすばらしい作品だ。200年以上に渡るアメリカ黒人奴隷の歴史の中で、実際に起こった話を元に作られたこの映画は、アカデミー作品賞にふさわしい作品だった。
この映画ではじめて知ったのだけど、黒人の中には『自由黒人』と呼ばれる、白人の友達とも交流する証明書を持つ人たちがいたそうだ。
その自由黒人でバイオリニストのソロモンが、ある日泥酔をしているうちに、黒人市場に売り払われ、名前も奪われ素っ裸にされて、奴隷として生きることを余儀無くされる。
アメリカの恥の歴史と言われる黒人奴隷の歴史を映画化したものは今までにも沢山あったけど、ある日、目覚めたら黒人奴隷として生きる運命になってしまった自由黒人の話には驚きがある。
同じ人間同士で、信じられないような憎悪と差別を繰り返して来た歴史は、今の時代でも改めて考えさせられる深いテーマを秘めている。
真っ暗闇の絶望の中で、人間は何を頼りにその日一日を生きながらえることができるのだろうか・・・。
映画を観ながら胸が張り裂けそうになり、涙が流れるのを抑えることが出来なかった。久しぶりに『映画』を観た!と思える大作。
★それでも夜は明けるhttp://yo-akeru.gaga.ne.jp/

TOKYO RAINBOW WEEK 2014

ロゴのデザイン、および、ホームページデザインを手伝っている『TOKYO RAINBOW WEEK』のトップページ撮影会が行われた。
今回のトップページは、モデルを使ったイメージ画像などではなくて、本物のLGBTの人たちを集めてそのセクシャリティの多様性を表すとともに、我々の身近に実はLGBTは普通にいるのだという思いを込めたものだ。
1週間前にTwitterやFacebookで募集をしたのだけど、撮影当日は結局100人以上参加してくださり、とても楽しい撮影会になった。
僕も友人たちにかなり声をかけたのだけど、WEBとはいえ、誰が見るのかわからないところに自分の顔や名前やセクシャリティを出すということに抵抗がある人が多く、限られた友人だけの参加となった。
自分たちで企画はしたものの、実際に撮影現場に行って、次から次へとやってくる参加者を前にして本当に驚かされた。
ドラアグが真ん中に立ち、両脇はMTFの子が並ぶと、いったい彼らの間の違いってなんなのだろうか?と思ったり…
20歳くらいのAV女優の子は、一度MTFだと思って乳房を切除する手術をした後、やっぱり女かもと思い直して、今は女性ホルモンを飲み続けておっぱいを大きくしている。そんな女の子が野太い声で話していたり…
GOGOの子を裸にして撮影しながら、どこかで見たことあるなあ・・・と考えていたら、昔デートをしたことのある子だったと急に思い出したり…(僕はある時期、半年で100人以上の人とデートを重ねていたことがあるのです・・・)
あまりにも多様なセクシャリティと、それぞれの個性が輝いて、人間って凄いなあ・・・美しいなあと、感動した一日でした。

拡大家族。

前菜のパプリカのオイル(絶品!)

車海老の香り蒸し(必ず頼むべし!)

妹的存在のGのお母さまが、クラス会で東京に来たので、弟的存在のFと一緒に晩御飯を食べた。新宿一丁目にある『シェフス』は、僕がよく利用する素晴らしい中華料理店。化学調味料に頼らないアッサリとした中華は、他では味わえない美味しさだ。
お母さまは、Gがゲイだということを随分前に受け入れているのだけど、お母さまは、ゲイである次男のことを、それは一つのGの個性に過ぎないと捉えている。
「長男が統合失調症であるとわかった時には、途方に暮れてどうなるかと思ったの。それから暫くして、Gからカミングアウトされた時はびっくりしたけど、あら、ゲイなの?それで?って感じだったわ…」と言って笑った。
お母さまの育った家族には、知的障害の弟さんがいたようで、家族はその弟さんを中心に、お互いに思いやりを持って繋がっているとてもいい関係だそうだ。
小さな時に弟さんが近所の子どもたちと一緒に遊んでいて、鬼ごっこの鬼の役をやらされているのを見つけてしまったお母さまは、家に帰ってお婆さまに泣きながら言いつけたそうだ。「弟に鬼の役をやらせるなんてかわいそうよ。おばあちゃん…」
そこでお婆さまは言われたそうだ。「あの子には鬼ごっこでも鬼ではない逆の立場は出来ないじゃないか。だから、鬼の役でいいんだよ。お前はあの子をかわいそうだかわいそうだと言うけど、あの子はああして、みんなの仲間に入れてもらえて、一緒に遊んでとても楽しそうじゃないか?」
そんな素敵なお婆さまや、弟さんがいたこともあり、お母さまは、世界には様々な人間がいて、その違いを受け入れて生きてゆくことを、小さな時から自然と学びとって来られたようだ。
僕とGが、仲のいい数人で、一緒に住むことを計画しているし、ゆくゆくはLGBTの老人ホームのようなものがあったらいいなあ…などと話すと、お母さまは、「でも、色々な世代の人がいて、老人もいるような施設がいいと思うの。老人だけの世界なんて不自然でしょ?」と、新しい視点を投げかける。
弟的存在のG、妹的存在のFをはじめ、お母さんと慕ってくれる若い子がいたりしながら、僕たちの周りは、緩やかな拡大家族のようになっていっている。毎日、驚くほど色々な出来事が起こるのが楽しくもあり、これからいったい、どんな家族が加わってゆくのか、楽しみでしょうがない。
★シェフスhttp://s.tabelog.com/tokyo/A1304/A130402/13000884/

あなたを抱きしめる日まで

アイルランド人のフィロミナ(ジュディ・デンチ)は、若い頃に自分の息子と離れ離れにならざるをえなかった。50年を経た今でも息子のことを忘れることは出来ず、もう一度息子に会うために旅に出る。
友人のSさんに誘っていただき試写会で観ることの出来たこの映画は、期待とは全く違った驚きの結末と観終わった後にいつまでも胸に深く余韻の残る秀作だった。
これは、アイルランドのカソリック教会で、実際に起こった話であり、フィロミナは今でもアイルランドに実在する人物だ。
珠玉のストーリーなのでいっさい話には触れないけれども、この映画は、単純な息子探しのお涙頂戴映画ではない。
この映画は、人権の話であり、信仰の話であり、愛の話であり、罪と罰の話であり、赦しの話であり、人間と神の話であり、生き方の話である。
この春、絶対に映画館で観て欲しい一本。
★あなたを抱きしめる日までhttp://www.mother-son.jp/sp/index.html
来週末から。

変わってゆくふたり。

Kは病院で働いているため、昼間はお昼休みだけなのだけど、おはようから、ただいま、おやすみなさいを毎日言い合っている。
東京と大分という長距離でつきあうためには、一緒にいられない時間もお互いをたいせつに思うコミュニケーションをしなくては、なかなか続かないだろうと思う。かといって、スカイプのようなものはなんだか恥ずかしくて、今はLINEで十分のような気がしている。
Kは毎朝、自分で炊いて冷凍にしたご飯を病院に持って行き、ランチにはお惣菜だけを買って一緒に食べている。僕がはじめて行った時のKの部屋は、調味料はほとんどなく、冷蔵庫もほぼ空っぽだったし、お皿はプラスチックだし、ご飯以外炊いている様子は見えなかった。
僕とつきあいだして1年5ヶ月が過ぎたのだけど、その間に僕は、出汁の取り方、みそ汁の作り方、うどんの作り方、カレーうどんの作り方、パスタの作り方、煮浸しの作り方、茹で鳥の作り方・・・様々な料理を教えて来た。
時には計量器や計量スプーンを買ったり、お鍋やお皿を無理矢理送りつけたり・・・。
一昨日は、写真が送られて来て、教えた通りのタンドリーチキンを作って焼いてあった。昨日は、出汁の澄んだうどん。どちらも大食いのKらしく、お肉がてんこ盛りだったので笑ってしまったのだけど・・・。
はじめは料理に興味のなかったKも、今ではかなりの頻度で料理をするようになっているのが、僕にはとてもうれしい。料理を作るたびに、僕に喜んでもらいたくて写真を送ってくるようだ。
誰かとつきあうことで、人は変わってゆく。自分だけの世界ではなくて、緩やかに相手の世界が浸食してきて混じり合い、努力をしながら別の世界を受け入れてゆく。
自分を変えることは面倒くさいし、少し怖いと思う時があるけど、自分が変わってゆくことは、なかなか楽しいものだと今は思うことが出来る。
昔は恐かったと言われている僕も、Kとつきあいだして丸くなり、ずいぶん変わってきたようだ。
(ほんとかな?)

S & P

先日、女の子の友人Kaoに久しぶりに会ったら、遅ればせながらと誕生日プレゼントをもらった。
リボンを解いて中を開けるとソルト&ペッパーが入っていた。
見れば見るほどゲイテイストに溢れるこのソルト&ペッパー。大きく書いたSとPという文字は、彼らの名前を表していた。
『Salvador dali & Picasso ダリとピカソ!』
なんて、かわいいアーティストふたり!
そういえば先月、弟のようなKtaroからも、誕生日プレゼントと言ってゾーリンゲンの黒く機能性に優れたソルト&ペッパーをいただいたところだった。
僕へのプレゼントって、我ながら相当難しいと思うけど(ごめんなさい)、ふたりともきっと、色々考えてソルト&ペッパーにしたのだろう…
食卓と、キッチン台で別々に使うことが出来そう。本当にうれしい誕生日プレゼントだった。ありがとう!

敦煌。

これ、なーんだ?

東京で一番好きな食べ物屋さんはどこかと聞かれたら、『敦煌』か近所の『Emilia』というイタリアンと答える。
『敦煌』は、前につきあった人に連れて行ってもらってから、かれこれ16年くらいずーっと通い続けているお店。大将と奥さんのふたりで切り盛りしていて、7席くらいのカウンターに、奥に8人くらい座れる円卓がある。
いつも何気なく電話をして、気軽に食べに行けた店なのに、いつのまにか『食べログ』で4.10という点数になったせいか、なかなか予約が取れなくなってしまった。今日は奇跡的に席を取ることが出来たので、友人の恋人と一緒に食事に行った。
大将とはその昔、僕の恋人と3人で博多を旅行をしたことがあるくらい親しくしていただいている。今でもその時に食べたふぐの白子なんかを懐かしく思い出すこともある。
四川飯店で四川料理を中心に学んだ後にお店を開いて、あと2年半で40年になるらしい。「40年なんて、すごいですね~!」と言ったら、「京都には1000年以上続く和菓子屋さんが下鴨神社のそばあるんですよ」という答えが返って来た。1000年とは、なんて気の遠くなるような歳月だろうか。
この日も、あっさりとした中華料理のパレードだった。野菜を中心に、カリフラワーの酢漬け、大根餅、腸詰め、定番の奥さんの水餃子、銀ダラの蒸し物や、最後の写真の『ニラうどん』に至るまで、次々に何が出てくるのか楽しみでしょうがない。
『ニラうどん』を見た時に、久しぶりに見たので思わず「ああ、久しぶりのニラうどん!」と歓声を上げた。大将は、「ニラうどんは、3月のニラは柔らかいので、この時期だけやるんですよ」と言った。これだけ長く通っているのに、ニラの柔らかい時期にだけ選んで出されていたことに驚いた。
最後のデザートは数品の中から選ぶことが出来る。「ショウガのプリン』など、奥さんの作るデザートを目当てに行く人も多いという絶品ぞろいだ。
お酒は、甕から出してくる紹興酒がおすすめ。この店の魅力の一つは、いつ行っても完璧に清潔な店内と食器類だ。この清潔さを見るだけで大将と奥さんの清々しい気持ちが伝わってくる。僕にとって、死ぬまで通い続けたいお店。
★敦煌http://tabelog.com/tokyo/A1309/A130903/13000935/

OSCARS 2014

エレンがみんなと写真を撮りTwitterに上げた

アカデミー賞の授賞式は、毎年Mカップルの家で一緒に観ている。
今年はいつもの女の子Kaoに、KtaとDaiが加わり、6人で鑑賞することになった。昨夜は全く時間がなかったため、朝6時半に起きて前菜の用意をする。
ホワイトアスパラガスは、皮を丁寧に剥いたら、皮を沸かしたお湯に入れて、そこへホワイトアスパラガスを入れて2分茹でる。そのまま火を止めて、余熱で芯までゆっくりと火を通す…それぞれの食材に合わせて様々なディップを手作りする。マスタードを効かせた自家製マヨネーズを作る…生ハムやエスカルゴやワインを積めたら、Mの高層マンションへ。
今年はだいたい予想されていた通りの人が受賞していたようだ。中でも面白かったのが、会場に出前のピザを頼んで、司会のエレンがブラピやメリルにピザを配りお金をふんだくったり、エレンがその場でみんなで写真を写してTwitterにあげたり、ハプニングのような臨場感のある演出があったこと。
スピーチで素晴らしかったのは、助演男優賞のジャレッド・レトによるスピーチ。
「これは、エイズとの闘いに敗れた3600万人の人達、そして、ありのままの自分でいることや誰を愛するかによって不平等だと感じたことがある人達へ捧げます。僕は今夜、あなた達と一緒に、あなた達のためにここに立っているのです」
“And this is for the 36 million people who have lost the battle to Aids and to those of you out there who have ever felt injustice because of who you are or who you love, tonight I stand here in front of the world with you and for you. Thank you so much and goodnight.”
アカデミー賞は映画の祭典であるけれども、人間の創造力が、人々に勇気を与え、世界をポジティブに変えてゆく力があることをもう一度思い起こさせてくれる。
こうして毎年、仲のよい友人たちと家族のようにアカデミー賞を見られることを心から幸せに感じた一日だった。