それでも夜は明ける

先日の『大統領の執事の涙』でも、黒人差別がテーマだった。その映画のおよそ100年前の時代を描いた『それでも夜は明ける』も、黒人差別を違った角度で描いたすばらしい作品だ。200年以上に渡るアメリカ黒人奴隷の歴史の中で、実際に起こった話を元に作られたこの映画は、アカデミー作品賞にふさわしい作品だった。
この映画ではじめて知ったのだけど、黒人の中には『自由黒人』と呼ばれる、白人の友達とも交流する証明書を持つ人たちがいたそうだ。
その自由黒人でバイオリニストのソロモンが、ある日泥酔をしているうちに、黒人市場に売り払われ、名前も奪われ素っ裸にされて、奴隷として生きることを余儀無くされる。
アメリカの恥の歴史と言われる黒人奴隷の歴史を映画化したものは今までにも沢山あったけど、ある日、目覚めたら黒人奴隷として生きる運命になってしまった自由黒人の話には驚きがある。
同じ人間同士で、信じられないような憎悪と差別を繰り返して来た歴史は、今の時代でも改めて考えさせられる深いテーマを秘めている。
真っ暗闇の絶望の中で、人間は何を頼りにその日一日を生きながらえることができるのだろうか・・・。
映画を観ながら胸が張り裂けそうになり、涙が流れるのを抑えることが出来なかった。久しぶりに『映画』を観た!と思える大作。
★それでも夜は明けるhttp://yo-akeru.gaga.ne.jp/

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