よりよき人生

朝一から、セドリック・カーン監督の映画「よりよき人生 http://yoriyoki.net/」を観た。
一昨年に東京国際映画祭で上映した作品のようだけど、どうやら見逃していたようだ。
ヨーロッパの高い失業率の中で、主人公は移民の恋人と出会う。自分のレストランを持つという夢を持ち、必死にお金の工面をするのだけど、行く先々で困難が立ちはだかり八方塞がりになってゆく。
毎日普通にものを食べて生きてゆくということは、それだけで本当に大変なことだよなぁとつくづく思う。
重たいテーマの映画だったので、久しぶりに途中で出ようかと思ってしまったけど、最後まで観れたのは、主人公の男がマリオン・コティヤールの恋人だそうで、眩い笑顔のハンサムだったから…。
それにしても、晴れた休日に観るような映画ではなかったな…

ルビー・スパークス

「リトル・ミス・サンシャイン」の監督と、「(500)日のサマー」のスタジオが製作した映画、「ルビー・スパークス」は、映画ならではのマジックで満ちている。
誰にでも薦められる映画ではないけど、この不思議な話に入り込むことが出来たら、楽しい時間を過ごすことが出来る。
10代で書いた第一作目で天才小説家ともてはやされたカルビンは、スランプに陥り、もはやものが書けなくなっていた。彼の頭に思い描く、想像上のかわいい女の子ルビーが、やがて現実の世界に現れて、カルビンの世界が色づき始める。
「(500)日のサマー」を思い出す、爽やかなラブストーリーは、ルビー役のゾーイ・カザンが眩し過ぎるほどかわいらしい。ルビーの洋服や靴や髪型の、計算されたスタイリングに圧倒される。
この不思議なストーリーは、なぜだか、ふたりの人間が付き合うことの難しさを、改めて考える機会を与えてくれる。
映画を観終わったあとに、なんとも言えないせつなさを抱えて、温かい気持ちで家路についた。
新宿武蔵野館で一週間だけの上映。
★「ルビー・スパークス http://movies.foxjapan.com/rubysparks/」

美味しい酒。

今日は、一つの長いプロジェクトが終わり、無事に納品できたので、打ち上げで東銀座の「なぎの木 http://s.tabelog.com/tokyo/A1301/A130101/13139742/」へ。手頃な料金で、豆腐や酢もつ、鳥の刺身から、水炊きまでのコースが食べられる。
先日、僕が珍しく怒った若手の営業も来て、みんなの前で、僕に怒られた話をした。
「きつく怒られたけど、愛情を感じた最後の言葉は忘れられません」
長いプロジェクトの途中は、アイデアが決まらずに、眠れない夜もある。
思ったように、得意先にいい案が通らず、途方に暮れることもある。
でも、今回のように、結果的にはいい仕事になると、はじめの乾杯のビールの味は格別においしくて、この仕事をしていて本当に良かったと思える。
大変だった時期をそれぞれに思い出し、分かち合い、ともに美味しい酒を飲んだ。

魚焼きグリル調理のすすめ。

今日は、家に帰って、鳥のモモ肉に塩をふり、暫く置いてから、魚焼きグリルの中で焼いた。ロメインレタスに塩胡椒とパルミジャーノをふり、焼いた鳥肉を切ってのせ、レモンを絞って、オリーブオイルをかけて食べた。これに、ワイン。こんな食事が、僕の平日の夜の定番だ。
意外だけど、魚焼きグリルは、他の野菜や肉を焼いても、とても美味しく仕上がる。肉は60度を越えると、タンパク質が凝固して硬くなってしまうけど、グリルならば余分な油は使わず、適度に火が通り、中は柔らかいまま仕上がる。
「いつまでも、なるべく健康で若さを保ちながら、美しくありたい(これが重要)」
そう思ったら、自分の口から入るものを、きちんと見直す必要があるのかもしれない。
現代の日本人の食事は、糖質と脂質に偏り過ぎているという。我々が毎日、何気なく口にしているものの殆どは、糖質や脂質ばかりなのだ。
朝は、甘いパンを食べるなどと言うのは、身体に悪いだけなのに…と思ってしまう。それは、ほとんどが糖質と脂質だからだ。
もちろん、炭水化物も大好きなので、朝や昼には好んで食べるのだけど、それ以上に、動物性タンパク質をきちんと採ることと、加熱しない生野菜を採ることを、心がけるようにしている。
身体の中には600億もの細胞があって、僕たちは口にするものから栄養を摂り、日々生まれ変わっているのだ。

マリーゴールド・ホテルで会いましょう

今年79歳を迎えるジュディ・デンチとマギー・スミスという二人のDAMEが出演する映画「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」を観るために映画館に駆け込んだら、レディースデイだった・・・。
夫を亡くしたばかりの女、未だセックスに取り憑かれている男、現役の女であることにしがみつく女、足の病気を抱える女、長い時間を友に生きてきた夫婦、退職したばかりのゲイの男、熟年期を迎える男女7人のイギリス人が、インドの高級リゾートホテルに滞在するという話。
正直な話、僕は、同じ監督のアカデミー賞を受賞した「恋におちたシェイクスピア」は、あまり好きになれなかった。先のわかってしまうストーリー展開だし、グゥイネス・パルトロゥが主演女優賞を取ったのも納得がいかなかった。彼女は女優ではないと思ってしまったから。僕だったら、エリザベスのケイト・ブランシェットにあげるのだが・・・。
今回の「マリーゴールド・ホテル」は、同じ監督だから、作りはテレビドラマのようで少し浅薄だけど、「恋におちた」よりは好感が持てた。老人が寄り添って暮らすというテーマは現代的だし、違う文化に触れることによって、変わってゆく人間を描くことも面白い。
そして、ジュディ・デンチのナレーションは、長く生きて来たからこそ言える人生に対する含蓄のある言葉に満ちている。
何よりも好きだったのは、敬愛するマギー・スミスだ。脇役でもこれだけ味のある演技で光る女優は、今の映画界でなかなかいないのではないだろうか。
★「マリーゴールド・ホテルで会いましょう http://www.foxmovies.jp/marigold/」

オニオングラタンスープ。

撮影が無事に終わって、広尾から日赤に抜けて、骨董通りをぷらぷらと歩きながら帰って来た。
赤ワインを開けて、音楽を聴きながら冷蔵庫の中を見渡した。食べるものはいろいろあるけど、今夜はもしかしたら雪が降るかもしれないというので、「オニオングラタンスープ」を作ることに。
繊維と直角に切った二個の玉ねぎをオリーブオイルで15分以上じっくり炒めた後、少し小麦粉を振り炒める。塩とコショウに、カイエンヌペッパーとナツメグを少々。ワインを50ml入れ、鳥のスープを800ml入れて30分煮込む。器に薄切りのバゲットもしくはカンパーニュと、グリュイエールチーズ(チーズならなんでもよい)を交互に重ねスープを注ぎ、最後にチーズをたっぷりとかける。210度に温めたオーブンに入れ、焦げ目がつくまで焼く。
オニオングラタンスープは僕にとって、寒い冬にパリのカフェやブラッスリーで、熱々をふーふー言いながら食べるものだけど、考えてみると、玉ねぎを炒めるのが少し面倒なだけで、実はとても簡単で、家にあるものでいつでも作れる食べものだとわかる。何よりも、玉ねぎの底力を感じる料理だ。

怒ること。

怒ることは、とても難しい。人に対して感情を出すことだから。
怒らないで過ごす方が、どんなに楽だろうかと思う。
愛情があったとしても、怒ると、怒った人に嫌われるかもしれないし、何よりも、怒った方が、エネルギーをつかうことになるから。
仕事で、今日は怒らなければならなかった。
自分の過ちを認めて、謝るということは、実は難しいことだから、人によっては、言い訳をすることがある。
でも、言い訳をしていたり、問題の本質を隠していると、問題がよくわからずに時間が過ぎてしまい、問題は更に大きくなったりすることがある。
自分の非を認めるのは、勇気がいることだけれども、次のステップに行くためには、とてもたいせつなことなのだ。
怒った後に、自分でも自省した。会社を出て、いつまでも考えた。
あの怒り方でよかっただろうか?適切な言い回しだっただろうか?感情的ではなかっただろうか・・・?
問題は、彼の明日からの対応にもかかってくる。
問題が大きくなっても頑なに過ちを認めずにいる人よりも、正直に謝る人間に、人は協力的になるからだ。

阿蘇へ。

阿蘇神社

門前町の湧き水

赤牛

朝から車で、一路、阿蘇神社へ。
阿蘇神社は、2300年前からあると言われているとても歴史のある神社。周りは阿蘇の山々に囲まれて、門前町の町中には、阿蘇の伏流水が絶え間なく湧いて流れている。
古い神社は、煌びやかさは無いものの、そこに居るだけで、清々しい空気に満ちているのがわかる。今回は、何故か熊本に行こうとふたりで決めたのだけど、もしかしたら、この阿蘇神社に来ることが、僕にとっての一番の目的だったのかもしれないと思った。
この感覚は、なかなか言葉にするのが難しいのだけど、京都の下鴨神社同様、心が軽くなって、身体も広がるように感じられる。
昼は、阿蘇神社から20分くらいのところにある「農家れすとらん 田子山 http://s.tabelog.com/kumamoto/A4302/A430201/43000933/?lid=header_restaurant_detail_review_list」へ。
「赤牛」をゆっくり焼きながら塩とポン酢で堪能した。
阿蘇の雄大な大地は、他の土地では見られないちょっと驚くほどの景観だった。
暖かくなったら、今度は阿蘇だけにゆっくり来たい。

太平燕

太平燕

天外天のラーメン

太平燕と書いて、タイピーエン。熊本の名物と言われている。
太平燕は、豚骨と鳥のスープに、野菜が沢山入っていて、揚げた玉子が入っている。そして中には、ラーメンではなくて緑豆春雨が入っている。味は、ちゃんぽんに似ているけど、何故かちゃんぽんよりもあっさりとしていて食べやすい。今回は、太平燕の発祥の店とも言われている「紅蘭亭 http://www.kourantei.com/content/blogcategory/18/31/」に土曜の昼に行き、カキ入りの太平燕をいただいた。
また、金曜の夜には、二軒のゲイバー(けんけん、power)をはしごして、最後に「天外天 http://s.tabelog.com/kumamoto/A4301/A430101/43000399/」でラーメンを。博多のラーメンとは違って、焦がしニンニクが効いたラーメンは、力強い味がした。
Kのせいで、何だかこの頃、B級グルメにはまってきたような気がする…

むつ五郎

馬刺し

刺し身の盛り合わせ

馬の脳みそ

地元の人が通う店、「むつ五郎 http://mutugoro.co.jp/」で食事をした。
馬刺しで有名な店だけど、お刺身や、オコゼのフライも美味しかった。
ここでしか食べられないものを食べようと、馬の脳みそに挑戦。脳みそ自体、味がフォアグラや、あん肝のように濃厚で、更にこってりと味付けされていた。
羊や猿の脳みそは、食通の間では有名だけど、馬の脳みそは、もちろん生まれて初めての体験。
でも、脳みそまで食べられてしまう馬って、何だか気の毒ですね。