エアコンのクリーニング。

僕の家には、富士通ゼネラルの200Vの大型のエアコンが一台あって、以前から掃除をしなければと思っていた。
簡易的な電話での見積りは、一台15000円からと言われ、後は現場で詳しい見積りということに。二回に分けるのも面倒なので、そのまま掃除をお願いしてみた。僕のイメージでは、1時間半くらいで終わるのかと思っていたら、4時間弱かかると言われた。
「あのー、僕、外に出かけますので、終わったらドアを閉めてそのままお帰りください」と言ってお金を払った。
クリーニング屋さんは慌てて、「そ、そんなこと出来ません。終わりにもいていただかないと…あのー、そんなことおっしゃるお客さん、はじめてです…」と言う。僕のマンションには管理人さんはいるけど、オートロックでないので不用心だと思ったのだろう。
「冷蔵庫の中も、適当に飲んだり食べたりしてくださいね」と告げて外出して3時間半過ぎて戻ると、エアコンの中まで文字通りピカピカになっていた。
エアコンの掃除っていったいどうするのかと見ると、細かく部品ごとに分解して、中をそっくりお風呂場で綺麗に洗い流してくれるのだ。(なんでも、僕の家のような大型のエアコンの掃除となると、免許まで必要らしい)
今回お願いした業者さんは、本当に細部まで完璧な掃除をしてくれた。洗ったお風呂の排水口までピカピカなのには驚いた。
お掃除が終わって、きれいになったエアコンを見る時の清々しい笑顔もたまらない。
職業に貴賎はないのだと思う。
でも、その仕事に対するその人の姿勢には、貴賎があるのだ。
★住宅と店舗の清掃と内装『清六』
港区六本木7ー18ー13ー4階
03-6804-6772

食卓を囲む。

久しぶりに33歳になる友人Mとirodoriでご飯を食べる約束をして、irodoriへ。
ゆっくり食事をしていると、弟のようなFがやって来て、「シャツを今、そこで買って来ましたー」と言って綺麗なリネンのピンク色のシャツを広げる。そして、僕も知っている台湾人の友人Rが来日していて、今からirodoriに来るという。
間も無く英語しか話せないRが食卓に加わり、そうこうしているうちに、やがてスーパーアライのKatちゃんがご飯を食べようとひょっこり現れた。
はじめ、ふたりだった食卓は、三人から四人になり、人が来るたびに料理を追加して様々な料理が並んでいく。
ゲイも、トランスも、ストレートも、外国人も、なんの垣根もなく、美味しい料理を囲んで話は広がってゆく。
どんな人とつきあって来たかという話題の時に、Katちゃんが言った。
「ごはんを美味しそうに食べる人が好きです」
つきあってゆくということは、何度も何度もその人と食卓を囲むことになる。何気なく作った料理を「美味しい!」と言いながら食べる食事には、言葉を越えた幸福があるのだと思う。
食事にまったく興味のない人と、ふたりで毎日を生きてゆくことは、僕にも出来ないかもしれないと思いいたる。
irodoriでの変幻自在で賑やかな食卓は、また忘れられない楽しい時間を僕たちに作ってくれた。
★irodori 渋谷区神宮前2-14-17 03-6804-3736

娘からの贈りもの。

朝、玄関のベルがなったので出てみると小包が届いていた。
お中元にしては早いかな…と思い、送り主をみると娘からだった。
娘といっても、27歳の台湾人の男の子Ke。この春日本の大学院を卒業して、日本の会社に就職したのだ。
事情があり、僕が彼の保護者のような立場であり、緊急連絡先にもなっている。
中を開けると、『お父さんありがとう』の文字と、有田焼の茶碗が二つ出てきた。
Keはきっと、初ボーナスが出るので、僕に贈り物をしようと思ったのだろう…
ちょうど父の日のシーズンだったので、本当は僕のことを『お母さん』と呼ぶのだけど、『父の日』でもいいか…と思ったのだと思う。
まだ、そんなにお給料ももらえないだろうに、こんなものを買わせてしまって、なんだか申し訳ないような気持ちもするけれども、娘のやさしい気持ちが有難く、感謝した朝でした。
ありがとう。

今年のポロシャツ。

昨年も気に入って着ていた『Waimea(ワイメア)』。
色味がきれいなのと、ワッペンがかっこいいので気に入っている。
形がシャープで丈も短くもたつかないし、袖も短く男らしく見える。
ネックの裏や、両サイドの下の割れ目の所に綺麗な赤いラインが入っていたりイタリアらしい小技も効いている。
赤坂で68年間も続いている洋服屋さんが代理店で、ESTNATIONなどにもおろしているのだけど、穴が空いたらかがって直してくれたりする老舗のサービスが素晴らしい。(昨年は、後ろのブランドタグの部分が、脱ぐ時などに引っ張られて穴が空いてしまう構造だったのが、今年はすっかり改良された)
蒸し暑い夏は、あまりにも汗をかくので、仕事の途中でも着替えることが出来るように、僕は一枚ポロシャツを丸めてカバンに入れて持ち歩いている。^^;
★TAILOR&CLOTHS http://tailor-cloths.jp/
★昨年のポロシャツhttp://jingumae.petit.cc/banana/1681625

憎悪。

先週末、ソウルではLGBT PRIDE(クイアパレード)が5000人によって行われた。
友人たちもわざわざ日本からソウルに向かい参加していたのだけど、16時半のスタートになっても一向に進む気配はなく、いったいどうしたのかと思っていたら、20メートルほど進んだところで保守団体とキリスト教の団体が行く手に立ちはだかり、座り込んだり、道路に寝そべってまったく動けなくなったそうだ。
そればかりでなく、パレードを先導する車に飛びかかって水をかけたり、車の下に潜り込んだり、力ずくでパレードを進行できないような行動に出たのだ。
警察はその中間に入り、騒ぎは結局5時間以上も続き、夜の22時を回ってから、ルートを変更してパレードに突入できたそうだ。
そしてこれは偶然のようだが、今回のソウルパレードのタイトルは『愛は憎しみより強い』であったそうだ。そのスローガンのもとにパレード側は、保守団体やキリスト教団体に対して、いっさい暴力行為に出ることはなく、歌を歌い、踊り、自分たちの主張を叫び続けたようだ。
自分とは違うセクシャリティを受け入れることができないにせよ、なぜ前に立ちはだかり、暴力をふるったりするのだろうか?
この、暴力行為にまで膨れ上がる、得体の知れない『憎悪』は、いったいどこから生まれてくるのだろうか?
そしてこの『憎悪』は、世界のあらゆる国で長い間起こっていることであり、ロシアのように法律が出来たり、ウガンダやブルネイのように死刑になったりする国もあるのだ。身近な例を上げると、同性愛やセクシャルマイノリティに対するいじめはいたる所で起こっており、LGBTの多くの割合が自殺を考えたり、実際に自殺を試みたりするようなことが起こっているのだ。
『愛は憎しみより強い』僕もそう信じたいと思う。
でも、本当に一人一人が、もっと強い愛で願い、行動しないと、セクシャルマイノリティが生きやすい社会はなかなかやってこないのだと思う。
★神様の名前で同性愛嫌悪暴力騒動 http://www.labornetjp.org/worldnews/korea/knews/00_2014/1402186858428Staff

強い人。

今日から友人Hが、36回目の入院をした。
Hは、難病のため、入退院を何度も何度も繰り返していて、時々思いついたように何気ない日々のメールをくれる。
それは、お爺様の描いた絵があったり、お母様とのやりとりがあったり、家に遊びに来る野良猫だったり…
また、退院して体調がよくなると、ひょっこり飲み屋に現れたりする。
もう、何年も病院と自宅との生活を続けていて、病と向き合い、毎日を過ごしているHのことを、僕は、とてつもなく強い人だと思って尊敬している。
どうやったらHのように、強く生きていけるのだろうかと日頃から思っていたことを、今朝、メールで聞いてみた。すると…
「いろんな執着を捨てることでしか、こういう事態には対処できないよね。
もし、大きな病気になったら、まず、執着を捨てれば、なんとか生きていけるかも」
送られて来たメールを、今日は何度も何度も読み返しながら考えた一日でした。

UNDER ARMOUR のコットン95%Tシャツ。

ジムに行く気がすぐになくなる僕にとって、時々気を紛らわしてくれるのがウエアだ。(ゲイはみんなそうですよね?)
ウエアもどんどん進化して、汗をかいても渇きやすいと言われている性能は、どこもそんなに変わらないのだと思う。
シューズはずっとニューバランスで、ウエアは色々見たけれど、結局アンダーアーマーに落ち着いて来た。
昔は、ナイキだ、アディダスだ…といったわかりやすいブランドが目についたのだけど、アンダーアーマーっていつから出て来たのだろうかとwikiで調べてみると…
1996年に、アメリカンフットボールの選手だったケビン・プランクが祖母の地下室で設立した会社だという。ほぼ、10年でトップブランドに成り上がった。
ブランド名は、「セカンドスキン(第二の皮膚)」のように身体に密着するという特徴的なウェアを、ユニフォームの下(=Under)に着用する「アスリートが戦うための鎧(よろい=Armour)」としたことに由来する。
曇り空の中、新宿のオッシュマンズに買い物に行き、いつものお気に入りのコットン95パーセントのTシャツを買って来た。
このTシャツがお気に入りなのは、いわゆるコットンのさっぱりとした気持ちよさがあるから。
それでいて、他のTシャツに比べて身体に必要以上にフィットしないのと、汗の渇きも早く改良されている。
化繊で身体にフィットするようなものが今は流行りのようだけど、僕はこんな、さらりとしたコットンの質感で、適度にラフなウエアが好きだ。

幸せな人の選択。

先週の日曜日の夕方に新島から帰って来てから、この一週間、仕事に行って(時々ジムに行って)、毎日そのまま家に帰って、のんびりと晩ご飯を作ってワインを飲んでいる。
『幸せな人が毎日実践している7つの選択』http://www.lifehacker.jp/sp/2014/06/140606happy.html?r=www.google.co.jp
というのを読んだ。
1.運動をする。
2.外で過ごす。
3.家族を大事にする。
4.友達との時間をつくる。
5.仕事に意義を見出す。
6.コミュニティに貢献する。
7.よく眠る。
どうしても我々日本人は、仕事が人生のほとんどを占めているのではないだろうか?
この7つをみるかぎり、仕事はあくまでも一つの重要な要素であるけれども、自分の人生を支えてくれているたいせつな要素は、他にもあるのだ。
コミュニティというのは、自分の利益の追求ではなく、自分の活動が誰か他者のためになるような場ということだろう。
運動をすること。
外で過ごすこと。
よく眠ること。
そんな子どもみたいなことを、なかなか毎日出来ていないのが現実かもしれない。
そして何よりも、
家族を大事にすること。
友人との時間をつくること。
それを『毎日』実践するということが、幸せな人の選択なのだ。

冷凍庫や貯蔵庫。

冷蔵庫の中は、もともとあまり沢山の食材を溜め込まないので、だいたい中身はわかっている。
でも、冷凍庫はうる覚えのことが多く、定期的にチェックをしなければ、1年くらいそのままになってしまうケースも少なくない。
面倒くさいけど棚ごとに、今入っている食材を書こうか…などと考えていたのだけど、先日思いついて、冷凍庫の棚ごとにすべてを表にさらけ出して、iPhoneのメモ機能に書き込んでみた。
すると、驚くほど効率的だということがわかった。(しかも、食材を出して書き込むのに、実は10分とかからないのだった)
疲れて家に向かう電車の中でも、帰ってから食べるものを考えることが出来るし、足りないものは一目瞭然。
それに、無駄に食材を買わなくても、意外とストックでなんとかなるものだし、食材も効率よく回せることがわかった!
今では調子に乗って、レンジ下の貯蔵庫の中身もすべて書き出して、放ったらかしになっていた缶詰なども無駄なく食材を回していけるようになった。
スマホのメモが良いことは、持ち歩けることと、書いたり消したり自在なこと。
そんなの想像出来るよ…と思われるかもしれないけど、ぜひ一度、すべての棚の中の食材をカミングアウトしてみて欲しい。

よしこさん。

その昔、二丁目の新千鳥街に、『ぽけっと』という魚中心の小料理屋さんがあった。
『五郎』という、高級魚料理のお店の二階で、『よしこさん』というママがお店を取り仕切っていた。
五郎の奥さんは、おしゃべりなおばあちゃんで、着物の上に割烹着を着て上と下を行き来していた。
よしこさんは、生まれも育ちも裕福だったのだろうなあと思わせる上品さがあって、お客さんを思いやり、いつも僕や僕のパートナーを気遣ってくれた。
おばあちゃんは、おしゃべりで飲むと口が悪くなるし、ほとんど働かないで、同じことばかり話していた。
ぽけっとに行きはじめて、常連となっていく途中に、五郎さんとよしこさんが出来ているという話を、酔っ払ったおばあちゃんが僕たちにした。おばあちゃんも、飲まずにはやっていられなかったのだろう。
仲が良さそうに見えた上下の店の家庭内で、憎悪が渦巻いていることを知って、僕たちは恐ろしくなったものだ。
そのうちに、よしこさんも珍しい腫瘍に侵されていることがわかり、手術を繰り返すようになり、その後、五郎さんも腫瘍で入院して、暫くした後に亡くなり、おばあちゃんも亡くなり、よしこさんも入退院を繰り返した後に亡くなったと聞いたのは3年以上前だろうか…。
僕たちは、よしこさんの明るい笑顔とやさしい思いやりが大好きだった。
時々喧嘩をする僕たちに、よしこさんは遠くから見守るようにいつもやさしく接してくれた。
不倫とか、世の中の道に外れたこととか、様々な言われ方もしたのかもしれないけど、よしこさんは、間違いなく五郎さんを愛していたし、五郎さんも、自分の腫瘍がわかってから、僕たちにそっと、「私に何かあったら、よしこのことをお願いします」と言って、頭を下げたことがある。
今日は、東京でも梅雨の始まりで、雨が静かに降っている。
夕食の鯖を焼く時に、よしこさんがよく、焼きながらお酒を振っていたのを思い出して、鯖にお酒を振りながら、よしこさんのことを思い出した。
少し照れたようなはにかんだ表情をしたよしこさんは、今でも僕の中で、明るく微笑んでいる。