オルテガのベスト。

グレー、白い、赤、青、4枚持っている。

昼間は晴れると27度と暑く、朝晩は15度に近づいて来たこの頃、着るものに困ることがある。
秋物のジャケットだとかさばるし、まして夏物ジャケットなど、ゲイは間違っても10月に着てはいけない。
そんな時重宝するのが、ベストだろう。僕がよく着ているのは、『オルテガのベスト』。
『オルテガのベスト』は、ニューメキシコ州チマヨにあるオルテガ社で作られている。一つ一つが職人の手織りで作られているため、そのどれもが模様が違っている一点物なのだ。目の詰まったウールは、着ているだけで身体を温めた状態に保ってくれる。
実はこの『オルテガのベスト』、僕は高校生の頃から身につけていて、25年以上になろうとしている代物だ。
高校の頃から変わらず身につけているものは他にもあって、靴のAlden、スニーカーのNew Balance、Pendletonのシャツジャケット、Boubourのコートなど、いくつもある。
一生のうちに、好きになるものは限られている。
身につける洋服だってきっと数えることが出来るだろう。取っ替え引っ替え新しいものに手を出す時期もあったけど、結局いつか、自分の好きなものに帰ってくる。
この先も変わらず、本当に好きなものを、たいせつにずっと身につけていきたい。

愛しきもの。

修理に出していたデニム4本を、前にもここにあげた洋服の修理屋さん『縫い屋http://sokuza.com/shop/2445/』に取りに行った。
高校生の頃の僕は古着マニアで、6万円とかするGジャンを買ったりしていたのだけど、今の僕は、イタリアのブランド『JACOB COHEN』のJ620というデニムが気に入っている。
カジュアルにも、ジャケットを着たスタイルにもマッチするというのと、シルエットがなんともいいのだ。(これは、履いてみて、靴と合わせてみたらわかると思う)
そして大切なことは、気にすることなくガンガン履いて、ガンガン洗濯する。「デニムは洗わないし、洗っても陰干し」などという人がいるけど、デニムはガンガン履いて、ガンガン晴天に干して、色落ちして履き潰すものだと僕は思っている。
なぜなら、洗濯したてのゴワッとしたデニムに脚を通して履くことは、一つの悦びであるから。デニムは自分のはき心地が全てであって、綺麗な状態を保ちながら、誰かに見せるための服ではない。
写真のパンツも、もう何年履いたかわからないのだけど、お尻の部分や脚の部分が磨り減り、何度も修理を重ねて履いている。
出来上がりまでに一週間かかるのだけど、取りに行く時はいつも、まるで新しい服を取りに行くように胸が高鳴る。
一ヶ所修理をすると千円くらいするし、それを足すと2〜3千円することもあるのだけど、この身体に馴染んで色落ちしたデニムを、僕はことさら愛おしいと思う。

ボタンダウンのシャツ。

僕の定番のシャツは、白のボタンダウン。オックスフォード素材のシャツは着心地がよく、オンオフを問わない。
僕が高校生の頃から人気のあるのは、ブルックス・ブラザーズだったけど、今でも身幅が広く僕の身体にはフィットしづらい。
最近僕が気に入って着ているのは、『district』の『Ji:』というブランドのもの。身幅が適度に狭く丈も短めで、出しても入れても程がよい。
袖丈も含めて、あまりにも自分の身体にピッタリフィットするので驚くのだけど、これが『UNITED ARROWS』のどの店にもあるわけではなく、原宿のキャットストリートの『district』でしか置いてないようだ。
秋のちょっと涼しい風を感じながら、洗いたてのオックスフォードのシャツを着て町を歩くと、まるでウディ・アレンの古い映画に出てきそうな気分になれるのは僕だけだろうか。

海パン。

少し前、Grigio Perla。

3年前、バーニーズ。

昨年、ヴァルカナイズ。

毎年、海に行くような年に、水着を買っている。
今年は来週から九州を下からゆっくり縦断するので、新しい水着を買いたいと、エストネーション、ユナイテッドアローズ、シップス、ビームス、伊勢丹…とお店を見て回った。
一緒に行くKも欲しいと言うので、写真を撮って送りながら、それはイヤだ、これはいいけど高すぎる…などと勝手なことばかり言われながら…
散々僕に探させておいて、結局Kは、探すのを諦めて、僕の赤のシマシマのパンツを着ると言い出した。
さて、僕は何を着ようか…。アローズにあったオレンジのボーダーの物が気に入ったけど、サイズがなかったり、イマイチ決めかねている。
夏も後半戦になると、水着探しにも苦労するものだけど、こんな風に海のことを考えながら色々探し回っていることも、すでに旅行の醍醐味なのだろう。

今年のポロシャツ。

昨年も気に入って着ていた『Waimea(ワイメア)』。
色味がきれいなのと、ワッペンがかっこいいので気に入っている。
形がシャープで丈も短くもたつかないし、袖も短く男らしく見える。
ネックの裏や、両サイドの下の割れ目の所に綺麗な赤いラインが入っていたりイタリアらしい小技も効いている。
赤坂で68年間も続いている洋服屋さんが代理店で、ESTNATIONなどにもおろしているのだけど、穴が空いたらかがって直してくれたりする老舗のサービスが素晴らしい。(昨年は、後ろのブランドタグの部分が、脱ぐ時などに引っ張られて穴が空いてしまう構造だったのが、今年はすっかり改良された)
蒸し暑い夏は、あまりにも汗をかくので、仕事の途中でも着替えることが出来るように、僕は一枚ポロシャツを丸めてカバンに入れて持ち歩いている。^^;
★TAILOR&CLOTHS http://tailor-cloths.jp/
★昨年のポロシャツhttp://jingumae.petit.cc/banana/1681625

UNDER ARMOUR のコットン95%Tシャツ。

ジムに行く気がすぐになくなる僕にとって、時々気を紛らわしてくれるのがウエアだ。(ゲイはみんなそうですよね?)
ウエアもどんどん進化して、汗をかいても渇きやすいと言われている性能は、どこもそんなに変わらないのだと思う。
シューズはずっとニューバランスで、ウエアは色々見たけれど、結局アンダーアーマーに落ち着いて来た。
昔は、ナイキだ、アディダスだ…といったわかりやすいブランドが目についたのだけど、アンダーアーマーっていつから出て来たのだろうかとwikiで調べてみると…
1996年に、アメリカンフットボールの選手だったケビン・プランクが祖母の地下室で設立した会社だという。ほぼ、10年でトップブランドに成り上がった。
ブランド名は、「セカンドスキン(第二の皮膚)」のように身体に密着するという特徴的なウェアを、ユニフォームの下(=Under)に着用する「アスリートが戦うための鎧(よろい=Armour)」としたことに由来する。
曇り空の中、新宿のオッシュマンズに買い物に行き、いつものお気に入りのコットン95パーセントのTシャツを買って来た。
このTシャツがお気に入りなのは、いわゆるコットンのさっぱりとした気持ちよさがあるから。
それでいて、他のTシャツに比べて身体に必要以上にフィットしないのと、汗の渇きも早く改良されている。
化繊で身体にフィットするようなものが今は流行りのようだけど、僕はこんな、さらりとしたコットンの質感で、適度にラフなウエアが好きだ。

ボストンバッグ。

遠距離恋愛をするようになって間も無く1年半になろうとしている。早いですね…
その間、三週間から四週間に一回は、僕が九州に行くか、Kが東京に来るか、途中の京都で会うかを続けて来た。
旅行鞄はいろいろ持っているけど、二泊三日や三泊四日くらいの旅行では、このボストンバッグにすることが多い。
昔は、グローブ・トロッターで行くことが多かったけど、車輪の着いた鞄は持ち歩きは楽だけど、その旅行鞄らしい形状が時々重荷になることがある。
その点、ボストンバッグは気楽だ。朝起きて、適当に洋服をつめてすぐに出られる気軽さがある。口もしっかり開くので荷物もつめやすく、取り出しやすい。ずっと機内に持ち込める適当な大きさの鞄を探していたのだけど、なかなか理想的な大きさのものが見つからずにいた。
肩からかけられて、機内の上の棚に入りやすいサイズで、化繊などの人工素材ではなく自然の素材(これが重要)、シンプルなデザインのもの。
ある日、鞄を探しているわけでなく、伊勢丹の中を何気なく歩いていて見つけたこの鞄は、イタリア製で、革の縫製なども美しく、茶色の色味も服に合わせやすく気に入っている。そして何よりも、ブランドのロゴなど無いところが素晴らしい。
本来は、受注生産なのだけど、僕が鼻息荒く展示したばかりの鞄を欲しがったら、しぶしぶ売ってくれた。
伊勢丹の店員さんも、さぞ怖かったに違いない…。
★【Boston bag】《ボストン大学の学生が用いたところから》旅行用の手提げかばん。革または布製で中ほどが膨らみ、底は長方形。

綺麗なシャツ。

綺麗なシャツに一番必要なことはなんだろうか?
「色」ではない。「デザイン」ではない。「素材」でもない。「ブランド」でもない・・・
それは、『自分の身体にぴったりと合っていること』 ではないだろうか。
これはスーツでも同じことで、どんなに高価なブランドもののスーツを着ていても、着ている人の身体にフィットしていないスーツは、存分にその価値を発揮していないと言える。逆に、安価なスーツでも、もし身体にぴったりと合ったサイズであれば、そのスーツはその人をより美しく見せてくれるだろう。
東京では、町を歩くほとんど90%以上の人が、自分の身体と違った大きめのスーツやコートやシャツを着ていると思う。
イタリアで、きちんと採寸してその人の身体に合わせてスーツを作る人が多いのは、自分に合った形のスーツに身を包むことでより自分らしく見えるのを知っているからかもしれない。
数あるシャツの中で、僕がとても気に入っているのが、『GITMAN BROS(GITMANBROTHERS)』のもの。オックスフォードのシャツが特に有名だけど、VINTAGEシリーズUSAのSサイズが自分の身体にちょうどフィットするのだ。
学生の頃は、ブルックスのボタンダウンなんかを少し大きめで着るのが好きだったけど、今はこの、GITMAN BROSのボタンダウンをぴったりサイズで着るのが一番のお気に入り。
春になって来たので、新しい真っ白なシャツを見つけたいな。

縫い屋。

4年前くらいにトレーニングをはじめて、実は体重が62キロから72キロまで増えてしまった。
元々、若い頃は運動をしていたので筋量は増えやすいようなのだけど、脚周りが太くなるのに困っていた。何気なく穿いているズボンがきつくなり、撮影中にしゃがんだ時にGパンが音を出して切れた時には、小さな悲鳴をあげた。「きゃあ〜!」
さて、そんなこんなで、さらにまたGパンを破き、アーミーパンツを破き、自分の持っているズボンをことごとく破いてしまう日々の中で、いつも間に合わせのように会社のそばの洋服修理屋さんに持っていっていたのだけど、たとえば、5センチくらいの裂け目を修理するのに、3000円くらいとられていた。
そんなある日、家の近くの洋服屋さんに聞いてみると、原宿に『縫い屋』という安くてうまい洋服修理屋さんがあるというので、溜まった『裂けてしまったズボン』をひっさげて雪の降る日にのぞいてみた。
竹下通りから明治通りを渡ってずっとまっすぐ入ってちょっと右の小さなマンションの中にある縫い屋は、受付で修理してほしい箇所を見せながら、説明をすると、量にもよるけど1週間以内できれいに仕上げてくれる。しかも、銀座の修理屋さんの半分以下の値段なのだ。
場所がらなのか、デニムの修理もとても多いみたいで、どのような仕上げにするか、きちんと相談にものってくれる。1週間が過ぎて取りに行ったのが写真になるのだけど、とても綺麗に直してくれていると思う。
修理をしてまた身につける洋服って、なんて愛おしいものかと思う。長く穿いて身体に馴染んできたズボンは自分の身体の一部のように感じるから、より一層愛着を感じて手放せなくなる。
もし家に、直そうと思っているのにそのまま放ってある洋服があったら、一度縫い屋に持って行って相談してみるといい。意外と安く、綺麗に仕上げてくれると思う。
★縫い屋http://www.nuiya.org

カシミア。

東京は、16年ぶりという大雪に見舞われた。一日中家にいたのだけど、降りしきる雪はとても綺麗だった。
寒い冬の日に、家にいる時でも着ているものは、カシミアのセーターだ。
カシミアのセーターは、5万くらい平気でする。これを高いと思うか安いと思うかは人それぞれだけど、赤ちゃん用のシャンプーで、ぬるま湯で手洗いすれば、ほぼ一生持つというのも、カシミアの凄いところだ。
ある時イタリアでゼニアのカシミアのセーターを買って着るようになったら、もうカシミアが手放せなくなってしまった。
それ以来、普通のウールのセーターは余程のものでないと買わなくなり、冬のセールが終わりかけの頃に、2万円くらいで売られている残りもののカシミアのセーターを見つけて買うようになった。
あまり知られていないようだけど、カシミアのセーターは、素肌に着るものだ。
カシミアは、カシミア山羊の毛で、赤ちゃんの毛のように細く柔らかく保温性に優れている。細い毛は身体を暖かく包んでくれて、チクチクすることもないし、僕のように弱い皮膚でもかぶれることはない。
素肌に着たカシミアの感触もさることながら、時々手で触れるカシミアの感触を知ると、カシミアがますます手放せなくなるだろう。
写真は、この冬やたらと着ていたセーター。友達が家に来て写真を撮ってもらっても、だいたいこのセーターを着ているので、笑ってしまった。