海に皮膚の異変。

トレーナーの預かりから帰ってきた海は、とても元気で僕の顔をペロペロ舐めるのだけど、トレーナーさんが言った。

「海さん、おへそのところが赤くなってて痒そうで舐めているので、病院で見てもらったほうがいいかもしれません」

よくよくお腹を見てみると、へその部分に毛が少し固まりになっていて皮膚が赤くなっている。虫に刺されたか菌がついたのかだろうか?

翌日、車で海を載せて動物病院に連れていくと、お医者さん曰く、「特に問題はありません。おしっことか毛について群れてしまうのかもしれないから、お腹は毛を短く切ってもらったほうがいいでしょう」とのことだった。

「1年経ってずいぶん骨格がしっかりしてきましたね。それに元気に育ってますね」

家に海を連れ帰って、お腹の辺りを丁寧にお風呂で洗いながら、「まるで子どもそのものなんだよなあ・・・」と思ったのだ。

海は生まれて2ヶ月経ってから我が家に来て、毎日毎日一緒に過ごして、よくも1年間怪我もせず病気にもならずに大きく育ったものだと思う。

ヤンチャでいたずらばっかりして時々むかつくけど、海が健康でいてくれるだけで僕とKは本当に幸せなのだ。

咳。

こじらせている風邪がなかなか治らず、夜寝ているときに咳が出て眠れないばかりかKを起こしてしまうのでなんとかこの席だけでも止めたいと、病院に行くことにした。

恐らく風邪だとは思っていても、飛行機やバスの中で咳をすると、周りから嫌な感じで見られる気がしていたたまれなくなったのもある。

病院に電話すると、発熱外来というのが玄関にあるので、そこでPCR検査をして陰性が確認してからやっと診察にかかれるとのこと。

数週間前に風邪の症状がKに出たときにPCRは受けていて陰性だったので、僕にも問題ないだろうと思っていたら案の定陰性だった。

咳はこじらせるとなかなか治らなくなり、何ヶ月も続くことさえある。

念のためレントゲンも撮ってもらい、胸にも異常が見られずにほっとした。

血圧計を測ったときに、「素晴らしい理想的な血圧ですね!」と看護師さんに言われたのだけど、僕くらいの年齢になると血圧も高かったりするのだろうか?それとも、もっとおじいさんだと思われたのかな?などと思ってしまった。

それにしても熱海の病院は高齢者の巣窟で、病院の数が足りてないのではないかとさえ思える。

コロナの第6波に早くから備えておかないと、熱海の病院はすぐにパニックになりそうだと思えた。

竜宮城展望台。

宮古島で一番見晴らしがいいと言われている竜宮城展望台に初めて登ってみた。

海が真っ青で、対岸には与那覇舞浜の美しい白い砂浜が広がっている。

サンゴ礁が隆起してできた宮古島には山も川もないためあまり高低差がなく全体的に平坦なのだけど、来間島の上にあるこの展望台からは遠くまで見渡すことができる。

展望台の上でしばらく景色を眺めていると、後から上がって来た男性二人組の一人がおきな声をあげた。

「あああ!久しぶり!観光できてるの?」
「いや、僕はこっちに住んでるんです。本当、何年ぶりですかね?」

Gくんは九州の出身で、その昔新宿2丁目のBridgeで会ったのだと思う。その頃ミクシィが盛んでそんな中で繋がっていた。僕よりも15歳くらい若い子だけど、考えてみたらそんな子ももう30代後半なのだ。

「僕たち、毛すぐ宮古島に引っ越してくるんだよ」
「え?そうなんですか?また仲良くしてください!」

そんな会話をして分かれたのだけど、こんなに狭い島だから、またすぐに会えるだろうな。

それにしても、すごい偶然だった。

ユートピアファーム宮古島

宮古島の上野に「ユートピアファーム」という観光農場があって、前々から行こうとしていたのだけど、今回観光シーズンも終わって人が少なかったためやっと行くことができた。

ここはマンゴーやバナナ、ドラゴンフルーツやパパイヤなどを栽培しつつ、観光客にビニールハウスを見て回れるように開放している農園で、パパイヤの時期はとても多くの観光客で賑わう。


季節外れとはいえ、ビニールハウスの中に入ると、まるで天国に来てしまったかのようにブーゲンビリアが咲き乱れ、見たこともないような不思議な色のハイビスカスが満開を迎えている。

カフェでは冷凍のマンゴーやマンゴープリン、ケーキも味わえる。マンゴーを使ったスイーツはちょっと高めの値段設定だけど、宮古島の思い出に味わいたい美味しさだ。

⭐️ユートピアファーム宮古島http://www.utopia-farm.net

志堅原

宮古島で最も美味しいと評価の高い「志堅原(しけんばる)」へ。

昨日の「でいりぐち」は、お店のオーナーやスタッフがとてもアットホームで聞くばりもすごいのに比べて、「志堅原」はいつもクールでほとんどお客さんを気にする様子さえない。

ホスピタリティにかけるお店なのだけど、味が美味しいので時々このお店で食事をしたくなるのだ。


ミーバイという赤いお魚の「まーす煮」をいただく。我々がよく食べる煮魚は醤油で甘辛い味付けだけど、沖縄のまーす煮は、塩味のためスープが澄んでいる。まるで漁村でいただく海の幸と言ったやさしい味わいだ。

島らっきょうの天ぷらも、牛肉のたたきも、もずくと小海老のかき揚げも、おいしかったけど、最後に食べたタコスピザが意外な美味しさだった。

沖縄の料理って、アメリカと沖縄と日本と様々にミックスされていて時々びっくりするような美味しい料理に出会うのが面白い。

⭐️

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でいりぐち

羽田からスカイマークで宮古島の隣の下地島にある下地空港へ。

空港に着くなりレンタカーを借りて物件まで走る。今日はKがはじめて物件を見る日であり、リフォームの打ち合わせだった。

宮古島は曇り空で気温も25度くらい。夏はもう過ぎ去ってしまったようだ。

夜は久しぶりに西里にある「でいりぐち」へ。

西里は、宮古島唯一の繁華街。緊急事態宣言中はほとんどのお店が休業していて、テイクアウトできる店もごく限られていたのだけど、今日はほとんどのお店がオープンしていて町に活気が戻ってきていた。

「でいりぐち」は、いつもの元気のいいお姉さんがいて、店内は満席、威勢のいい声が張り上げられていた。

この店、禁煙でないのがたまにキズなのだけど、それをしてでも行ってみる価値のある店だと思う。

料理は沖縄料理にひと工夫ある居酒屋料理で、イカ墨そばもこの店のものが一番美味しいと思う。


泡盛を飲んでゴーヤーを頬張る。

Kも宮古島に来るとよりリラックスして幸せそうに見える。

⭐️ 居酒家 でいりぐち
0980-72-8017
沖縄県宮古島市平良字西里224
https://tabelog.com/okinawa/A4705/A470503/47004460/

海のいない家。

今週末はまた宮古島に行くので、海の預かりトレーニングをお願いした。

24時間僕はずっと海と一緒にいる状態なので、海がいなくなると途端に家中が静かになり寂しさを感じる。

家中のドアを開けていても大丈夫だし、洗濯物を持っていかれることもないしスリッパをかじられることもない。

部屋に、ふと海の臭いがすることがあって、急に海がいないことを寂しく感じる。

そんな気持ちでいるところに、トレーナーさんからは海の写真と映像が送られてくる。


海は他の犬たちと楽しそうに野原を駆け回り、思った以上にイキイキとしている。

海は、僕たちを懐かしむこともなく、今目の前にある瞬間を精一杯楽しんで生きているだけなのだ。

犬を見ていると、人間よりもずっと幸せだなあと思うことがある。

過去を悔やんだり、失ったものを嘆いたりすることもなく、今ここに集中して楽しそうにしている。

僕も、海のように生きられたらいいのにと思う。

引越しの準備。

前回2社に引越しの見積もりを取ったところ、「148万円」と言われたり、露骨に「もう一つの会社の方が安いと思いますよ」と、お手上げだと言われたり散々な目にあった。

そこで作戦を変えて、引越し業者さんには冷蔵庫や大型の家具のみ運んでもらい、あとは宅急便で送るという手段を検討することにした。

今日はKと2人、家中の家具やら大型の荷物の写真を撮っては、一つ一つサイズを測ることをした。

大型のミラー、折りたたみ椅子、掃除機、アイロン台、ワインセラー、エアコン、ダイニングテーブル…

一つ一つワイド・奥行き・高さを出してパソコンに記入していく。

これを後で編集して、それぞれのサイズと写真を紐付けて見積もりに出す。

果たして我が家の大型荷物は、どれくらいのコンテナに収まるのだろうか?

「うちは、荷物が大家族分くらいある」とKが言うのでどうなることやら…

旬夏秋冬

海が預かりトレーニングに行ったので、Kと熱海で外食をすることにした。

残り少ない熱海生活で、行きたかったお店は全然行き尽くせていないのだけど、今日はランチが美味しそうな和食店を選んでみた。

熱海の人なら知っているけど、新幹線の熱海駅から下ってくる辺りにある店は、だいたい観光客目当ての店ばかりだ。

昔ながらの熱海を満喫するには、銀座町の外れから渚町辺りのいかにも昭和の町中を散策するのがおすすめ。

このお店は渚町なのだけど少し外れにあるため、なかなか観光客はここまで脚を伸ばさないだろうというような場所にある。

そのせいか、僕たちが帰るまでお客さんは来なかったのだけど、結論から言ってお料理はとても美味しかった。

自家製汲み上げ豆腐


以前地元の人に紹介してもらった「ひさ花」よりも、こちらの「旬夏秋冬」の方がより料理が洗練されていて魚介類中心の居酒屋としてはより美味しくリーズナブルだ。

清潔感のある店内で、鯵のタタキも新鮮で美味しい。手羽先や春巻き餃子など、居酒屋的なメニューはどれも美味しく食べ応えがある。

たらふく食べて、お酒を2人で4合も飲んで1万円という安さ。もっと早くこの店に食べに来ればよかったな。

⭐️ 和食処 旬夏秋冬
0557-85-3135
静岡県熱海市渚町21-15
https://tabelog.com/shizuoka/A2205/A220502/22030402/

Kのご両親への報告。

僕が会社を辞めて、Kも病院を辞めて、二人で宮古島に移住する話をKはご両親にはまだ話していなかった。

計画がだんだん進んできたからか、急にKが自宅に電話をすると言うのでどうなることやらと思いながら見守った。

Kが大分の大きな病院を辞めて、東京に出てくることを話したのはおよそ5年前。ご両親は大分で安定した仕事をしている末っ子のKを、いつまでも自分の身近にいるものと思っていたことだろう。

それが、急に仕事を辞めて東京に行く。しかも、自分はゲイで、東京に行って16歳も年上のおじさんと一緒に暮らす・・・なんて、大分のご両親からしたら相当な衝撃だったに違いない。

東京から熱海に引っ越した時はそれほど何も言わなかったご両親は、今回一体どんな反応をするだろうか?

僕「お母さん、何か言ってた?」

K「お母さんは意外にも大丈夫だった・・・」

僕「じゃあ、お父さんは???」

K「お父さんは、仕事辞めてそんな島に行って、無一文になって食べるものも困るような生活をするんじゃないか・・・って心配してた」

僕「そうだよね・・・心配するよね・・・Kちゃんはなんて言ったの?」

K「食べられなくなったら大分に帰るから大丈夫って言っといた」

そんな話をしながら笑ったのだけど、親はいつまでも子どものことを心配するに違いない。東京に行くと言った時も、Kがひもじい思いをするのではないかとお母さんは心配してしていたようだった。

将来のこと、数年後のことだって僕たちにもわからない。

でも、自分たちがワクワクすることを、二人と海で一緒にやろうと思っているのだ。

こんな子どものような僕たちの宮古島生活は、一体どうなるのだろうか?