ザワークラウト。


数日家を空けることになり、週末に買っておいた紫キャベツをどうしようかと考えた末に、結局、「ザワークラウト」を作ることにした。

ザワークラウトは、ドイツの料理で、キャベツの漬物。独特の酸味は発酵した乳酸からくる味わいであり、お酢の酢酸ではない。

一般的に付け合わせのように出てくるザワークラウトは、香辛料の香りがついているイメージだけど、今回作ったのはお塩だけのもの。その方が和洋何でも食事に合うから使い勝手が良い。

ちょっと買い置きの野菜がないなあ・・・という時に、ザワークラウトがあると重宝するものだ。

<作り方>
1.煮沸消毒したガラスや琺瑯の容器を乾燥させる。
2.外側の葉っぱを2枚くらい取っておき、キャベツを1個、千切りにする。
3.その総量を測り、その2%の塩を加えて、ボウルの中で全体をかき混ぜてしばらく置いておき、30分くらいしたらまたさっくりとかき回す。
4.全体がしんなりしたら、煮沸消毒した瓶の中に詰める。最後に外側の葉っぱを蓋のように折りたたみ、上に乗せて、瓶の蓋を少し開けた状態にする。
5.夏は1日くらい常温に置く(冬場は3日くらい置く)と発酵して泡が上がってくるので、蓋は完全に閉めないこと。その後十分発酵してきたら、冷蔵庫に(蓋は閉めていい)。
(洋風にしたい場合は、一緒にクミンやローレルを入れる)

期待。

随分長い間、人生の色々な局面において、期待し続けてきた。

「いい学校に進学できますように」

「いい会社に入れますように」

「あの人が好きだから、向こうも自分を好きになってくれますように」

「いい仕事が回ってきますように」

「受賞できますように」

若い頃はとかく、人や物事に期待をするものだ。
自分の思ったように人生が進むことが、一番の幸福だと思っているから。

でも、51歳の僕は、「期待してもいいけど、そうならなくてもいいかも・・・」くらいには思えるようになってきた。

あまり自分の期待が強く大きすぎると、期待通りにいかなかった場合の落胆や傷も深くなるものだ。

でも、たとえ自分の望むようにいかなかったとしても、人生にはその先がきちんと用意されていることがわかるようになった。

最初に望んでいたものが手に入らなかったとしても、紆余曲折して体験したことは自分には貴重な経験になったり、その果てに手に入れたものが、実はしっくりとくるなんてことがあるのが人生。

そう思えると、期待が裏切られた時も、前を向いて飄々と生きていける。

在りし日の歌

久しぶりに、ある意味「完璧」と思えるような映画を見た。

中国の映画『在りし日の歌』は、3時間以上ある長尺であるにもかかわらず、映画の中に入り込み、中国が経済発展を遂げていく激動の80年代から現代までの30年間くらいの年月を彼らとともに過ごしたような気がする。

見終わった後、あの夫婦に会って、しっかりと抱きしめたいと思った。

ヤオジュンとリーユンという夫婦、そして一人息子のシンシン。そして彼らの周りで暮らす友人夫婦たち。80年代の中国では多くの人々がまだ貧しく、工場でのきつい労働を強いられる中、「一人っ子政策」が国から強制的に発動されている。

貧しいけれど、友人夫婦とともに肩を寄せ助け合いながら過ごしている毎日、そんなある日、突然事件が起きて、夫婦の生活は地獄に叩き落される・・・。

絶望の淵にたどり着いた時に、夫婦は言葉少なく、息を殺しながら毎日を重ねていく。大切なものをもう二度と失わないように。

辛抱強くこの映画を見続けたならば、物語の後半に光を見るだろう。

それは、人間の信じられないようなやさしさと強さであり、美しさだ。

⭐️在りし日の歌http://www.bitters.co.jp/arishihi/

ブリット=マリーの幸せなひとりだち


スウェーデンで数々の世界中の対策を押しのけ、初登場No.1ヒットになった映画『ブリット=マリーの幸せなひとりだち』は、心温まるかわいい映画だった。

ブリット=マリーは、結婚して40年、夫を支え、毎日毎日決まったことを完璧にこなす主婦。掃除洗濯をこなし、窓ガラスを磨き上げ、カトラリーを秩序を持って揃えて入れて、毎晩6時に晩御飯をはじめるために全ての料理を用意する。そんなルーティンの暮らしから、あることをきっかけに今まで全く考えもしなかった外の世界に飛び出すことになってしまう。

予告編でかなり見せているので、僕たちはストーリーをほぼ知っている状態で見たのだけど、それでも、笑わされ、泣かされ、見終わった後も心に温かいものが残るような作品だった。

デートで見るには最適な映画。

⭐️ブリット=マリーの幸せなひとりだちhttps://movies.shochiku.co.jp/bm/

レイニー・デイ・イン・ニューヨーク

大好きなウディ・アレンの新作というか、2017年製作の作品をやっと見ることができた。

映画は、今をときめくティモシー・シャラメとエル・ファニングが大学の同級生で恋人同士。エル・ファニングは地元の新聞に映画に関する記事を時々書いているようで、その仕事でNYに行き、著名監督とのインタビューをすることになる。ふたりは、それにかこつけ、週末のNY小旅行を企てる。NYで楽しいデートになるはずが、映画監督との出会いで物語は思わぬ展開を見せ始める。

いつものウディ・アレンの映画のように、主人公の男は、ウディ・アレン自身であり、彼自信を投影した人物だろう。

NY生まれで、アッパーイーストサイドに暮らす育ちのいい大富豪家族の男は、IQも高く、賭け事に長けていて2万ドルくらいを一瞬にして稼いでしまうのに、先の人生を完全に見失っている。恋人である天然系のエル・ファニングと、正反対の刃物のようなセレーナ・ゴメスの対比が面白い。

映画としては、少し残念な作品だったのだけど、久しぶりにニューヨークの空気を感じ景色を見ることができたので、そういった意味では存分に楽しむことができた。

今年85歳になるというウディ・アレンは、長い間映画界の巨匠のような存在だったのに、一昨年の♯Me Too運動の中でウディ・アレンの過去の行いが標的になり、今では実質上ハリウッドを干された人と言っても過言ではないだろう。

実際のところ、ウディ・アレンと養女の間にどんなことがあったのか、大昔に一旦裁判ではウディが勝訴していることもあり真相はよくわからない。なので、今の僕の立場としては、ウディ・アレンの映画を拒絶する気はない。昔から大好きなウディ・アレンの作品を、最後まで見届けたいと思っている。

⭐️レイニー・デイ・イン・ニューヨークhttps://longride.jp/rdiny/

テコセンター。

3月末から、思えば4ヶ月、ジムに行っていない。

10年以上通っていたトータルワークアウトをやめて、その後新しいジムを探そうと思いながら、コロナの感染状況を見ていたのだけどなかなか治る気配もない。

身体は嘘をつかない。リモートワークが続くと、今まで会社に行くだけで、どれだけ身体を動かしていたのかが如実にわかるものだ。

筋肉の量も落ちたし、余分な肉が付いてきたのもわかるし、何よりも体力がなくなって行くのが感覚としてわかる。

そこで、5年前くらいに時々通っていた、南青山にある`『テコセンター』というところに思い切って行ってみた。

テコセンターは、プロのスポーツ選手や、高校や大学の運動部や体育会の選手が来るようなスポーツ施設で、運動における基本的な身体の姿勢や動き、柔軟性、可動域、筋肉の付け方などを専門に学べるところ。怪我や不調にも対応していて、鍼灸やマッサージもしてもらえる。

5年ぶりに行ったら、スタッフの方は僕の顔を覚えてくれていて、みっちりストレッチをして股関節や肩甲骨の柔軟性を上げていくトレーニングをした。

4ヶ月ぶりに身体を動かしてみると、やっぱりとても気持ちが良かった。

⭐️テコセンターhttps://tecocenter.jp

やさしさや愛。

時々読んでいるBUZZFEEDで、とても素敵な記事を見つけたのでここに共有しておきますね。

⭐️BUZZFEEDhttps://www.buzzfeed.com/jp/daves4/100-better-pictures-2

こういう記事を読むと、やさしさや愛というものが、確かにこの世界にはあるのだと教えてくれる。

Kにこの記事を見せたら、「もっとKちゃんにやさしくしてあげて!」と言われた。

年金のこと。


51歳になるのに、恥ずかしながら今まで年金のことをまともに考えたことがなかった。年金のことは、僕よりもKの方が俄然詳しかったのだ・・・。

10年くらい前に、会社の企業年金が、確定拠出年金に変更される時に、はじめて自分の年金のことを意識したのだけど、その後、年金のことは考えることもなかった。

でも、遅かれ早かれ定年がやって来るわけだし、65歳なのか70歳なのか、年金生活が始まった時に、一体自分の年金は一月でいくらもらえるのか、基本的なことは知っておいた方が良いと思ったのだ。

20歳から国民年金が始まり、僕たちのようなサラリーマンは会社勤めになると厚生年金になる。そしてその上に企業年金(現在の僕の会社は確定拠出年金)が3段重ねである。

確定拠出年金は、年に2回封筒が届くのと、ネットで口座にアクセスすれば、今現在いくらくらいになっているのかはわかっていた。

厚生年金は、年に1回封筒かハガキが届くらしいのだけど、どういうわけか記憶になく、年金手帳も見た覚えはあるものの紛失してしまったようで、自分の基礎年金番号がわからず、ねんきんネットにアクセスできずにいた。(ねんきんネットでは、電話をかけても個人情報のため基礎年金番号は教えてもらえない仕組みになっている)

渋谷のファイヤー通りそばの年金センターに行き、受付をすると、すぐに再発行の手続きができ、2日たった後、家に年金手帳が届いた。(手続きはどこの年金センターでもできる)

これでねんきんネットに無事にアクセスすることができ、自分の年金の支払額がおおよそ明らかになった。

老後のお金のことは、僕にはわからないことだらけで、世間で飛び交う用意しておくべきお金のニュースなどもあり不安なことばかりだ。

でも、不安なことは、不安な要素をなるべく白昼の元に出し、見える化するといい。

よくわからなかった年金のことも、こうしてはっきりと数字が見えたことによって、次の一手を考えるきっかけになった。

貝。


夏になると毎年、思い出したように貝を並べる。

大きな貝たちは、買ってきたもので、小さな貝殻は、沖縄の海でKと二人で見つけて持ち帰ったもの。

玄関や、テーブルの上、洗面所の棚に置いて、時々その不思議な形を眺めて見たり、手にとって触ってみる。

貝は、自然の秩序に乗った形でできていて、一つ一つ違っているけど美しいと思う。

小さな貝殻を見ながら、今年はもう一度、沖縄の海に行くことが出来るだろうか?と思う。

どこまでも青く澄み渡り、太陽の照りつけるあの島へ。

WAVES

「ムーンライト」や「レディバード」を世に送り出した映画制作会社であるSTUDIO24が製作した映画と聞いて見に行った『WAVES』は、人生を描いた素晴らしい作品だった。

裕福な黒人の家庭で生まれ育ったタイラーは、レスリングの選手になろうとしている。母は後妻で、すぐ下に優しい妹がいる。タイラーは、黒人として苦労を重ねてきた厳格な父の元で、常に監視されているように生活している。

アレクシスは、ごく普通なら典型の少女。自由で快活で、タイラーと青春を満喫している。そんなある日、タイラーとアレックスの毎日が、日常の些細なことをきっかけに変化していくことになる。

この前半が終わったところで、僕はもう、この映画は終わりだと思った。「人生って、所詮こうだよな・・・」と。しかし、この映画はこの後から本番が始まったのだった。

家族がバラバラに砕け散り、ゆっくりと崩壊していく中で、輝くような光が差し込んでくるのだった。

これは、「赦し」と「人生」を描いた作品。時に不可抗力とさえ思える津波が襲い掛かり、荒波に飲み込まれて息もできなくなってしまった時に、人はどうやってもがきながらも息をして次につなげることができるのか、その後どうやって生きてゆくことができるのか。

見終わった後に、しみじみと愛おしくなる素晴らしい作品。

⭐️WAVEShttps://www.phantom-film.com/waves-movie/