要らない家電を捨てる。

引越しの時に持ってきた冷暖房と室外機を、ずっと使わずに押し入れの奥に入れっぱなしにしていたのだけど、場所を取るので思い切って捨てることにした。
それと、突然冷えなくなってしまったワインセラー。フォルスタージャパンに電話をすると、買い換えた方が安いですね。と言われた。
今の時代、家電を捨てるのにもお金がかかる。調べてみると冷暖房は4000円、ワインセラーは8000円もする。
本来ならば、量販店でワインセラーは新しい物を買って、同時に引き取ってもらえば多少安くはなるのだろうけど、今回はネットで買ってしまったため、その辺の交渉は出来なかったのだ。
「捨てるだけなのに、高いなあ…」
そうぼやきながら、マンションの階下に運んだのだけど、帰ってきたらすっかり綺麗に持っていってくれていたのでやっぱり捨ててよかったと気持ちもすっきりした。
押入れも、物を捨てた分、スペースが生まれて、この空いたスペースに、何を入れようかと外に出ているものを物色してみる。
さて、次は本を整理するとしよう。

毎年毎年同じことをしていて、昨年は11月18日に球根を植えていたのだ。
それが、今年は週末にまとまった時間が取れず、会社の休みである月曜日にやっとのことで球根の植え付けをした。いつもはKに手伝ってもらいながら、一緒に植え付けるのだけど、今年はしょうがなくひとりでやる羽目に。
鉢の土を入れる一番上から10センチくらいのところに、まずはチューリップや水仙の球根を植えて、その上に土を被せて、ビオラやらプリムラなどの冬の寒さに強い植物を植えてゆく。
そして適当に周りに、ムスカリやフリージアなどの小さな球根を配置して、その上にもう一度土を被せてから、お水をたっぷりあげる。
冬の間中、お水を適当にあげていれば、ずっと寒さに負けずお花は咲いてくれるし、下に埋めた球根は、春が近づく頃順番に芽を伸ばし始める。
今年も、春を迎える準備を、ひとつひとつはじめたところ。

クリスマスツリーの飾り付け。

例年ならば、アメリカの感謝祭の後の先週末くらいにはやっていたクリスマスツリーの飾り付けを、やっと時間ができたのでKがやってくれた。
毎年毎年、もみの木を買ったとしても夏の暑さに持ちこたえられなくて、枯れてしまうのが常だったのだけど、今年は夏をなんとか無事に乗り切ってくれて、昨年のもみの木が一回り成長して家の中に迎え入れられた。
Kはどういうわけか不思議と、もみの木の飾り付けは自分の役目と思っているみたいで、オーナメントを押入れから取り出しては、一つ一つ丁寧に飾り付けてゆく。ちょうど、アメリカの奥さんが、クリスマスツリーの飾り付けをするような気持ちなのだろう。
灯りを点灯しながらワインを飲んで、「きれいだね。きれいだね。」とふたりで言い合ったのだった。

サウンド・オブ・ミュージック

『午前十時の映画祭』で『サウンド・オブ・ミュージック』を見た。
この『午前十時の映画祭』は、過去の名作を朝の10時から劇場で見られるという映画祭なのだけど、残念ながら10年目の今年で終了してしまうらしい。
僕は若い頃見たことがあったのだけど、Kははじめての『サウンド・オブ・ミュージック』。知っている曲ばかりだったからか、楽しめたようだ。
K「いい話だけど、でも、ずいぶんベタなストーリーだね・・・」
僕「うん。なんでマリアが大佐を好きになるとかも全くわからないよね・・・都合のいい話・・・」
好き嫌いは置いておいて、こんなに素晴しいミュージカル映画は他になかなかないし、いつまでも歴史に残る名作だと思う。そしてこういう映画こそ、はじめて観る人には、絶対に劇場で見て欲しい映画なのだ。
新宿と錦糸町では、今週末から観ることができます。
⭐️午前十時の映画祭http://asa10.eiga.com/2019/cinema/907.html

LIVE PRIDE

『LIVE PRIDE 愛をつなぎ、社会を変える。』というイベントに参加した。
PRIDE HOUSEのロゴ・フォントのデザインは、TOKYO2020オリンピックパラリンピックのロゴをデザインしたグラフィックデザイナーの野老さんがデザインしているのだけど、このポスターやチラシをはじめ細かなチラシのデザインをお手伝いさせていただいた。
会場は5000人近く満席に近かったのではないだろうか?
感想としては、清水ミチコさんがいたこと自体でうまくつなぎになっていて素晴らしかったのと、中村中さんが別格だった。
そして誰よりもMISIAの声量がすごかった。MISIAは、10年くらい前にDAVID FOSTERが来日して同じく国際フォーラムでコンサートをしたのを聴いたのだけど、その時は、ナタリー・コールやらシャリースやらの歌唱が爆発していて、残念ながらMISIAの声は前座にもならないほど全く印象に残らなかったのだ。
ユーミンは・・・
もはや、声の出ないおばあちゃんになってしまった。『告白』という曲では、いったい何を歌っているのか全く聞こえなかったし、もはやライブは厳しいと思った。その功績を称えるかのように会場からはいつまでも温かな拍手と声援が鳴り止まなかった。
収益金は、LGBTQの若者のサポートに使われるそうなので、楽しみですね。
スタッフのみなさん!ありがとうございました。そして、おつかれさまでした!
⭐️LIVE PRIDEhttp://pridehouse.jp/live-pride/

空き缶を集めていたおじいさん。

木曜日は、この辺り一帯の資源ゴミの日。
朝8時頃の千駄ヶ谷の駅前で、空き缶をいくつも袋に入れて大きな手押し車を引く、白髪のおじいさんがいた。
すると、すれ違いざまに、手押し車に積んでいたいくつものビニール袋の紐がほどけて、道に散乱してしまった。
僕は、近寄って行ってビニール袋をいくつか拾い上げた。
「おじいさん、これ、どうやって縛るの?」
そんな話をしながら、おじいさんに教えてもらいながら一緒に紐を縛りなおした。
おじいさんは、朝だというのに長いことお風呂に入っていないような臭いと、お酒の匂いがして、震えるような力の入らない手で一生懸命紐を縛った。
僕はなぜか、10年以上前に亡くなった父のことを思い出した。きっと酒飲みだった父は、いつもお酒の匂いがしていたせいだろう。
「ありがとうね。ありがとうね。」
そう言って歩いていくおじいさんを見ながら、父が喜んでいるような不思議な気持ちになったのだった。

オーラ。

会社の忘年会があり、参加者全員の占いをしてもらったということで、一人ひとり、順番に発表になった。
占い師は、『タロット薫子』という人で、顔写真と名前を見ながら、タロットカードで占ってくれるのだそうだ。
最初の6人は、まあまあの運勢で、最後の3人は、特別いい運勢だという。
僕は、珍しく最後の3人の中に入っていたようで、かなり来年は運勢が良いとのことだった。
中でもみんなが驚いていたのは、その占い師が僕の写真を見るなり、
「この人だけ、はっきりと強いオーラが見えるわ」
と言ったそうだ。
僕は密かに、「ゲイオーラ?」と突っ込もうかと思ったけど、どうやら良いことのようなのでそのままみんなと笑っていた。
来年は、いったいどんな一年になるのだろうか?

読まれなかった小説

映画『読まれなかった小説』は、トルコのヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督の映画で、前作の『雪の轍』は、カンヌでパルムドールを受賞している。
3時間半という近年にしては珍しい長尺の映画だけど、最後までじっくりと映画の世界に浸ることが出来た。
この作品は、父と息子がテーマの作品である。
父は長年教師をしていて、出世街道からは外れていて、今は賭け事ばかりやっている。家はそのためいつもお金がなく、それでも父は賭け事を止める気配さえ見せない。母や娘はそんな父にイライラしている。息子は大学をやっと卒業して、田舎町に帰ってくる。『野生の梨の木』という小説を書き上げたので、それをなんとか出版したいと考えている。
どんなに借金に困ろうが賭け事がやめられず、気ままに田舎暮らしを続ける父と、自分の将来が全く見えずに、そんな賭け事ばかりしている父を赦せずに、次第に不満や怒りが膨らんでゆく息子。
物語は、沢山の言葉でゆっくりと繋がれていき、3時間半を経たのち、とても長い小説を世読み終えた後のようななんとも満たされた読後感を感じることができる。
『ガリポリの戦い』や『トロイの木馬』のことは、観る前に調べておくとよりわかりやすいかもしれない。
⭐️読まれなかった小説http://www.bitters.co.jp/shousetsu/

同性婚訴訟で思うこと。

先日の土曜日、来年提出する予定の書類に関して弁護士3人と打ち合わせをした。
前回僕が行った意見陳述を元に、裁判所に提出する書類を作らなければならないのと、Kも僕と同じように意見陳述の出番が来るかもしれないので用意するため。
思えば、この訴訟に原告として参加することを決めたのが、去年の今頃だったのだ。
あれから一年経ったのだけど、裁判所には4回行き、その都度何度も何度も弁護士さんたちと様々な打ち合わせをして、原稿を書き書類を作っていただき、時には裁判所に打ちのめされて帰ってきた日もあった。
でもこの一年、仕事ではなくこの『同性婚訴訟』に力を注いでどうだったのか?と聞かれたとしても、心の底から、「やってよかった」と言うことが出来る。
先日、ゲイの友人Mとストレートの女の友人Fと食事をしながら話していた時に、ゲイの友人Mが言ったのだ。
M「日本のゲイはほとんど同性婚なんて興味もないし支持もないんだよね。むしろ反対の人の方が多いんだよね…頼むからそっとしておいて欲しいって。外国と比べて明らかに違う気がする」
そこで、僕がすかさず言葉を挟もうとする前に、ストレートのFが言った。
F「でもね、私が思うのは、誰かひとりでもゲイの人で結婚したいという人がいるのならば、その権利は与えられて当然だと思うの」
僕「ゲイで同性婚に関心のない人とか、そっとしておいて欲しいとか、反対の人とか、そういう人がいても構わないのだけど…実際のところ僕はそういう人たちの気持ちを変えようとは全然思っていないんだよね…
これは、『好きな人と結婚したい』と思った時に、(ゲイであっても)結婚出来るという当たり前の権利の話なんだ。
『そっとしておいて欲しい』とか、『コミュニティの反対意見』は、実際のところ、問題は他にあるのではなくて、それぞれその人たちの中にこそあると思うから」
このブログは、ほとんど僕の知っている数人の人しか見ていないと思って書いているのだけど、時々ふと、コメントやメッセージをいただくことがある。
シドニー在住の日本人の男性から、『同性婚訴訟』を応援してくださっているというメッセージをいただき、本当にうれしかった。
この場を借りて、ありがとうございました!

ファイティング・ファミリー

『Bridge』のMにすすめられて見に行った『ファイティング・ファミリー』は、抱腹絶倒のストーリー展開で、劇場で何度も声を上げて笑ってしまったのだけど、このお話自体が実在の家族を元に作られたことがわかり、終わってからもう一度驚いたのだった。
イギリス北部の田舎町でレスリングジムをしている家族は、家庭と仕事の垣根のないような生活で、男の子と女の子のふたりに幼い頃からレスリングをやらせていた。
銀行強盗をして刑務所に入ったこともある父親と、自らレスリングをやるあばずれのような母親は、いつの日か子どもたちをWWE(ワールドレスリングエンターテイメント)に出場させることが夢だった。
子どもたちが成長していき、WWEの試験がやってきて、一家の運命は転がり始める。
とにかく、大笑いしてしまうから見て欲しい。
映画が終わって、実物の彼らが出て来るのだけど、映像を撮られているお父さんの横でお母さんがあくびをしていたり、最後まで映像に釘付けになってしまった。
彼らを見ていると、お金でもなく、学歴でもなく、『好き』であることが、人生において何よりもたいせつなことなのだと思わせてくれる。
⭐️ファイティング・ファミリーhttps://fighting-family.com